2018/06/08 - 2018/06/23
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やさぐれママさん
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若い頃は散々楽しんだ一人旅。
子どもが生まれてからすっかり縁遠くなってしまっていましたが、
**歳になるのを記念し、ワガママを言って夫と小学生の娘を置き去りに、長年の夢だったブルガリア・ルーマニアへと旅立ちました。
目的は、
・リラの僧院の宿坊に泊まること
・マラムレシュの木造教会で日曜の礼拝(聖体礼儀?)を見ること
・ブコヴィナの修道院をめぐること
もうなかなか行けないだろうと16日間にぎっしり旅程を詰め込み「スタンプラリーか??」というような旅でしたが、旅行前の計画段階ではこちらの旅行記にも散々お世話になりましたので、忙しい社会人には参考になることもあろうかと、なるべく最新の情報を多く盛り込んで書こうと思います。
【その11】は、いよいよ今回の旅の第二のハイライト、マラムレシュ地方の世界遺産・木造教会群を巡ります。
公共のバスやヒッチハイクで自力で回る猛者もいるようですが、バスの便数が少なく、村々に点在する教会を一日で回るのはかなり難しいと判断し、貧乏性には珍しく、一日ガイドを頼みました。ガイドさんはツーリストインフォメーションで前日に手配してもらいましたが、人数が少ないのでシーズン中は事前に手配をしておいたほうがいいかもしれません(ガイドさん情報は【その10】参照)。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
いよいよ今日はマラムレシュ地方の木造教会ツアーの日。
イゥルカ・デ・カリネシュティにて朝食。珍しいものが多く、お試しで食べ過ぎました(笑)。
9時半にチェックアウトしにフロントへ行くと、本日のガイドのクリスティアンがもう待っていました。ホテルのスタッフとは懇意なよう。ホテルでガイドの手配を頼んでも、結局クリスティアンを紹介されたらしい。
10時発の約束なので、ホテル戸外のテーブルで今日の希望など少し話し合いました。
クリスティアンはこの仕事を始めて3年目の30代。普段はホテル(Hotel Gradina Morii だったかな? やや郊外ですがすごく良さそうなホテルですが)のバーで働いていてガイドは副業らしい。でも自分の地域の文化を外国人に紹介できるのがすごく好きだとのこと。
こちらからは、せっかく日曜日を目指してきたので、民族衣装で木造教会に集う人々を見たい、民芸が好きなので織物や工芸が見たい、というリクエストを出しました。木造教会ツアーは通常、北西方向に離れているサプンツァを先に回るそうなのですが、日曜の礼拝がだいたい10時~12時ごろなので、シゲイトゥの町の南方にある木造教会群を先に回ろう、ということになりました。いろいろこちらの希望を聞いてもらえるのはプライベートツアーならでは。 -
ボロい(失礼)クリスティアンの車で田舎道をぶっとばし、最初にファレシュティの木造教会にやってきました。
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ファレシュティの教会内部。10時ごろでしたが、まだ礼拝(正教だと聖体礼儀というらしい)は準備中でした。
イコンにひとつひとつ伝統のスカーフがかけられています。ちょっとチベットの白い布、「カタ」を思い出しました。 -
ここの教会は世界遺産には含まれてはいませんが、18世紀の素朴な壁画がなかなか見事です。
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とはいえ、結構雨漏りなどのいたみもひどく、心配になります。
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つづいてデセシュティの木造教会へ。教会の丘にたつ新しい木の十字架。
現在も見事な木彫の技術がちゃんと伝えられているようで、新しい家の門などにも、伝統的な木彫を見ることができます。 -
花を片手に教会の階段を上るおじさん。教会のまわりにあるお墓に供えるのではないかとのこと。
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会堂の前には、三々五々と村の人々が集まってきていました。
なんとも可愛いプリーツスカートとスカーフが教会へ行く際の正装で、年配の女性が黒いスカート、未婚の女性がカラフルなスカート(とはいえそもそも若い人は非常に少なく、この緑のスカートの彼女だけでした)。全身黒にしているのは未亡人だそうです。 -
デセシュティの教会内部。礼拝が始まりました。イコンに祈りを捧げる女性。
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二階の聖歌隊席に上げてもらえました。
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イコノスタスを見下ろします。
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二階からは聖書の物語でぎっしりと埋め尽くされた壁画(18世紀)が間近に見えます。
ヘタウマというよりヘタヘタな感じの素朴な筆致ですが、それだけに村の人々の祈りが結実したものに思え、ぐっと来ました。 -
世界遺産にもかかわらず、国からの補助はなく、すべて村人たちがお金を出し合って支えているとのこと。
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教会のすぐ近くにあった見事な門。ここは教会の司祭館とのことでした。
新しいものですが、 -
デセシュティを後に、つぎのブデシュティの木造教会に向かいます。途中の村々にもたくさんの木造教会が見えました。写真はブデシュティ木造教会の門。伝統的なロープの模様(細かく意味を教えてくれましたが忘れてしまった……)です。
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ブデシュティの教会。世界遺産。
ただし、この教会はすでに使われていません。村人が近くに新しい教会を建て、礼拝はそちらを使っているとのこと。 -
重厚なドア枠が面白い、教会の入り口。中は、番人の若者がいるだけでした。
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ここの教会はデセシュティより古く、17世紀の建造。
壁画も見事でしたが、生きている教会ではないということで、デセシュティの方に軍配が上がる感じがします。 -
お祭りの行列で使う旗でしょうか?
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ブデシュティの隣のサルビという村らしいのですが、この辺にはパリンカ(果物で作る蒸留酒)の蒸留所があり、見学に立ち寄りました。
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なんと、門のところにお客にパリンカを飲ませる蛇口がついてます。
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パリンカの試飲をさせてもらいました。
酒に弱い私には正直強すぎて、美味しいんだかなんだか、よくわからない酒。
奥に座ってるのが蒸留所のオーナー。実に商売っ気のないおじさんで、庭で採ってきたサクランボを一枝、お土産にもらってしまいました。
パリンカをお土産に買って帰ろうとしたら、リサイクルのベコベコのペットボトル(500mlの)につめたのとかしかなく(!)、とても日本まで持ってかえれそうな気がしなくて諦めました。おじさーん、ミニボトルとか作ったらお土産に売れると思うよ~! -
蒸留所の近くにあった「全自動洗濯機」(クリスティアン談)。
水路の流れを利用して、カーペットを洗う仕組み。これ、うちにも欲しい!
実演はガイドのクリスティアンです。 -
近くの、伝統的な織物や刺繍をしているおばあさんのおうちも見学させてもらいました。
織物や刺繍、ぜんぶおばあさんの手作り。 -
かせくり機。
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高機で毛糸の織物を織るところをみせていただきました。
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午前中にサプンツァに行く場合は、このあたりでお昼になるらしいのですが、先にブルサナにいくことに。
昨日クルージからのバスの車窓からも見えたブルサナ修道院。立派な入場門。 -
日曜ということで、結婚写真を撮っているカップルがいました。おめでとう!
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花の咲き乱れる広大な敷地に、伝統的な木造建築がたくさん建てられています。奥にある修道院の宿舎。
宿坊もあって泊まれるとクリスティアンは言っていましたが未確認。 -
12使徒教会。20世紀末の建造で、新しい教会です。
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12使徒教会内部の壁画。伝統的な様式で描かれていますがこれも新しい。
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昼は伝統的なマラムレシュ料理が食べたい、とリクエストしたら、昨日の「イゥルカ・デ・カリネシュティはどう?」と聞かれたので、「それ以外(笑)!」というと、わざわざ調べてサプンツァ近くの「Plai Cu Peri」という新しいレストラン兼ペンシウーネに連れていってくれました。
ウクライナの山並みを望む田園地帯の中に建つ、伝統建築のテラスがなかなか気持ち良かったです。お値段はやや高め。
ここからウクライナまではほんの30分ほどで、物価がルーマニアより安いので(ヨーロッパ最安、とクリスティアンは言ってましたが)、仕事のあとに「いまからウクライナに飲みに行こーぜ」と友達を誘って行ったりするとか(もちろんパスポートは要ですが)。 -
ポーク・シャシュリクとレモネード。かなりのボリュームです。
味は……まあまあ? -
伝統菓子のパパナシ。おしゃれな盛り付けですが、味はちょっと甘すぎ。
ガイドさんは、昼食時別行動というのが多いと思うのですが、なぜか一緒に座って食事しました。チップ代わり、といっておごったので高くついた(><) -
本日最後のみどころ。サプンツァの「陽気な墓」。
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生前の人となりをユーモラスに表す墓標の数々。圧巻です。
中には死因(事故とか)を描いたものも。 -
サプンツァではじめて陽気な墓標を作り始めたスタン・イオン・パトラシュ氏の家が、記念館となっています。
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初期の墓標だそうです。印象的なブルーは最初からなんですね。
現在も、3人の人が陽気な墓標作りを受け継いでいるとか。 -
パトラシュさんはなんでも自分で作っちゃうおじさんだったようで、家の中は、椅子や机などの家具から板絵まで、木彫りにかわいく彩色した作品でいっぱい。
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パトラシュ氏は共産主義政権の熱心な支持者だったそうで、こんなのも作ってます。真ん中の大きいのがチャウシェスクね。
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「これをぜひ見せたかったんだよ~ォ」と、最後にパトラシュ氏の工房に連れて行かれました。
「世界の果てまでイッテQ」の企画で作られたイモト嬢の墓標だそう。この番組は見てなかったんですが、蛇に噛まれて死んだ、とか書いてあるらしい。
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