2018/03/17 - 2018/04/24
61位(同エリア285件中)
ひよどりさん
2018年3月17~24日、青春18切符2枚を夫婦2人で使って、東京から岐阜県多治見に2泊、兵庫県姫路に3泊、愛知県名古屋に2泊、計7泊8日の旅をしてきました。
今回の旅行記は、2日目(1/2)、多治見市モザイクミュージアムを訪れた時の記録です。
藤森照信氏設計のユニークな建物と、懐かしいタイルの造作物に触れることができました。
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宿泊先の多治見駅前のホテルトーノーでは、レンタサイクルの無料サービスがあります。
駅南口から、モザイクミュージアムまで直通バスも出ていますが、今日は、初夏のような陽気、サイクリング日和です。上り坂覚悟で出発しました。
モザイクミュージアムは、タイルの生産地、多治見市笠原町にあります。
ホテルから6km位、上り坂を行きます。坂は緩やかであったり、ギアチェンジしないと無理であったりしましたが、県道を目安に進み、迷子にもならず到着できました。
ただ、自転車も走れる遊歩道、旧笠原鉄道廃線路「陶彩の径」を後から知って、残念。その道を走りたかったです。
写真は、サイクリング途中で撮しました。 -
外観 1
タイルは、土を捏ね、成形、焼成されて出来上がります。
その原料である土の表情が、建物全体から伝わってくるように設計されたようです。 -
外観 2
建物の入り口は窪地の中にあります。まいまいず井戸のように、下りていきます。
小さい子供たちは、勢いづくのが楽しいのか、思い切り走ってます。道を使わず、芝生の斜面を駆け抜ける子もいます。
(まいまいず井戸:擂鉢状に掘下げた井戸。内壁には螺旋状の小径が湧水面まで続いています。) -
外観 3
入り口は小さく、木の扉がついてます。
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館内階段 1
1階、受付で入館料を支払います。(大人300円、高校生以下無料)4階からご覧下さいと言われます。
入り口横の階段から、4階を目指します。
土の壁、小さな窓から差し込む自然光、その光を大切にするように、照明は控えめです。 -
館内階段 2
階段は、一度曲がり、二度目の角から一直線に4階まで続きます。 -
館内階段 3
4階への大階段。
写真だと、4階は光の中にありますね。 -
展示室1(4階)1
4階の展示物は、懐かしい物でいっぱいです。
このミュージアムの前身「モザイク浪漫館」で保存されていたものだそうです。
旅行記にアップした、流し・調理台は、昭和30年代に作られ、個人宅で使われていたものです。 -
展示室1(4階)2
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展示室1(4階)3
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展示室1(4階)4
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展示室1(4階)5
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展示室1(4階)6
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展示室1(4階)7
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展示室1(4階)8
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展示室1(4階)9
床に近い小さい窓からの外光が、穏やかなスポットライトのようです。
かまどは、昭和10年頃のもの。
壁のモザイクアートは、昭和35年頃に作られ、瑞浪市の銭湯で使われていたものです。 -
展示室1(4階)10
4階の壁は、タイル壁画の集大成です。
小さい色違いのタイルを点描のように並べたモザイク画(タイルアート)、タイルの上に、絵付けを施した絵タイル、表現に違いはありますが、どちらも、お風呂場にいる気分にさせます。
写真に映る3枚のタイルアートは、昭和20年代、個人宅の浴室の壁画です。 -
展示室1(4階)11
上段は、昭和27年頃のタイルアート。
下段は、昭和35年頃の絵タイル。 -
展示室1(4階)12
昭和5年頃に作られ、東京都荒川区の銭湯で使われていた絵タイル。
町から銭湯が姿を消し、それと同時に、浴場を飾っていたタイル絵も、壊されてしまいます。作り手としては、いたたまれない気持ちでいっぱいだったことでしょう。 -
展示室1(4階)13
テーブルは昭和35年頃のもの。
背景のモザイク画:
上段は、平成10年前後以降に作られた干支をモチーフにしたモザイクタイル、他。
下段は、東京都文京区の銭湯で使われていたもの。 -
展示室1(4階)14
4階中央には、柱のような、聳える山のようなオブジェが存在感を放っています。竹をイメージした数種類のタイルが貼られています。
後ろに見えている便器は、明治期?のもの。 -
展示室1(4階)15
4階の天井の一部に大きな穴があいてます。ガラスもアクリル板もはめ込まれていません。室内でありながら、屋根の無い空間です。
この穴から、蜘蛛の巣のように、小さいモザイクタイルが繋がっています。 -
展示室1(4階)16
今日は、明るい光を受けて、タイルはキラキラ光っています。雪の日にはタイルに積もった雪を、雨の日には、落ちる雫を楽しむことができます。
4階の床や壁は白いタイルが一面に貼られ、よく見ると、排水設備もついてます。 -
展示室1(4階)17
笠原町の人々も製作に携わったそうです。 -
展示室1(4階)18
「タイルのカーテン」「タイルのすだれ」と呼ばれています。 -
展示室1(4階)19
このタイルのネット越しに見ると、モザイク画(平成11年作成、笠原町役場からの風景)も表情が変わるようです。 -
展示室1(4階)20
ネットの影が、タイルの魚を捉えます。(魚形タイル、昭和38年頃のもの) -
4階展示室の入り口と大階段の土壁。
3階に行きましょう。 -
展示室2(3階)1
3階は、タイルの製造工程と歴史の展示室です。
まず、目に飛び込んできたのは、商品見本です。 -
展示室2(3階)2
商品見本。 -
展示室2(3階)3
商品見本。 -
展示室2(3階)4
商品見本。 -
展示室2(3階)5
匣鉢と呼ばれる白いトレーに、成形されたタイルは並べられ、重ねられたまま焼かれます。
手前には、焼成前の素地と施釉されたもの、焼成後の製品が展示されています。 -
展示室2(3階)6
精巧な貼り板。
焼成→冷却後のタイルは、一枚一枚、手作業で貼り板に、はめ込まれます。
貼り板には、並べたタイルを固定する、薄い金属の仕切りが施されています。 -
展示室2(3階)7
使い込まれた貼り板。
タイルが並ぶと、上に紙を糊付けして、貼り板から外します。
新品のタイルに紙が貼ってあるのは、知っていましたが、貼り板を使っていたとは、思いませんでした。 -
展示室2(3階)8
貼り板にはめ込まれた状態のタイル。
パターンの多様さに圧倒されます。 -
展示室2(3階)9
壁には、貼り板、その手前に、紙を貼られる前のモザイクタイルが置かれています。
奥の壁に見えているのは、多治見のタイルの歴史を伝えるコーナーです。 -
展示室2(3階)9
明治の末、多治見でモザイクタイルの試作が始まり、大正期には、製造会社も誕生、昭和3年には、笠原鉄道が敷かれ、原料・製品が多治見ー笠原間を行き交いました。
写真は、昭和初期に焼かれたマジョリカタイルです。凹凸の浮き彫りが施された装飾タイルです。 -
展示室2(3階)10
1978年、廃線となった笠原鉄道の売店で使われていた商品ケースです。腰板部分には、モザイクタイルが貼られています。 -
展示室2(3階)11
商品ケースの中には、戦時中、金属の代用品として作られた陶製のフォークやナイフ等、そして、昭和35・40年頃に、輸出されていたモザイクタイルを使った小物が展示されています。 -
展示室2(3階)12
正面は、タイルとガラス、内側と側面は、木製。扉には、子供が貼ったのでしょうか、時代を物語るアニメのシール。 -
展示室2(3階)13
鉄人28号のシール。貼られてから、半世紀は経つでしょう。 -
展示室2(3階)13
こんな展示品もありました。
七輪が埋め込まれています。 -
展示室2(3階)14
1965(昭和40)年製。東京オリンピックの翌年、高度成長期に作られたテーブルです。
2階に下ります。 -
展示室3(2階)1
最新のタイルの情報がわかる産業振興のフロアです。 -
展示室3(2階)2
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展示室3(2階)3
モザイクタイルミュージアムの写真とその原型となった陶土の山の写真。
山の木々、採掘による窪地までもが、建物に活かされているのですね。 -
体験工房(1階)
ワンコイン(500円)工作。小物が作れます。 -
ミュージアムショップ (1階)
人気のタイル詰め放題のコーナー。 -
上の方に並ぶ小さいな窓は、4階の窓。右手に一つ、ぽつんとある窓は、階段の窓。館内に優しい光を届けていました。
タッチパネルもプロジェクションマッピングも無いけれど、地面が窪んでいるだけで、子供たちは何度も楽しそうに駆けおりていきます。
気持ちの和む、ちょっと不思議なミュージアムでした。
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