2018/03/17 - 2018/03/24
141位(同エリア317件中)
ひよどりさん
2018年3月17~24日、青春18切符2枚を夫婦2人で使って、東京から岐阜県多治見に2泊、兵庫県姫路に3泊、愛知県名古屋に2泊、計7泊8日の旅をしてきました。
今回の旅行記は、4日目(2/2)、日本遺産指定第1号「閑谷学校」を訪ねた時の記録です。
(本記中、閑谷学校に関する情報は、現地で頂いたパンフレット・資料館展示解説に拠ります。)
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吉永駅から、コミュニティバスで閑谷学校に向かいました。列車の時刻表に合わせた運行で、あまり待たずに乗れました。
定員9名、私達二人以外の乗客はおらず、タクシーに乗った気分です。10分程で到着です。
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閑谷学校は、人里離れた山中にあります。
バス停から、渓流(閑谷川)に沿って水音を聞きながら、上っていきます。
流路は蛇行し、滝(呑吐滝)となっている辺りに来ると、閑谷学校が見えてきます。 -
遠景
手前の石橋と学校の正門(鶴鳴門)、そして、孔子の祀られた聖廟は、一直線にならびます。 -
正門(鶴鳴門) 1
正門に到着です。
閑谷学校は、1670年に、岡山藩主池田光政によって、地域を担うリーダーを庶民の中から見い出し、育成する為に創建されました。
藩主の命を受けた側臣津田永忠が、最高水準の資材と建築・土木技術、そして、30年の歳月をもって、現在とほぼ同様な外観をもつ学校を完成させました。 -
正門(鶴鳴門) 2
正門に続く石塀に感激です。この独特な形状をした石塀を見たくて、ここに来ました。
思わず、中に入る前に塀に沿って50~60m位歩きました。 -
正門(鶴鳴門) 3
正門から右に進むと受付です。
写真、左奥に小さく映っているのは、「公門」です。 -
受付と石塀
入場しました。
石塀の断面が、思っていた以上厚くて、ちょっとびっくり。 -
正門(鶴鳴門) 4
備前焼の瓦が葺かれ、鯱が据えられています。 -
正門(鶴鳴門) 5
資料館展示の鯱。 -
正門(鶴鳴門) 6
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正門(鶴鳴門) 6
聖廟から撮影。 -
公門
講堂に相対する門です。 -
講堂 1
堅固で壮麗な建物です。
凜とした佇まいに、自然と背筋が伸びます。 -
講堂 2
靴を脱いで上がります。
内室には入れませんが、内室の四方を囲む広縁を歩くことはできます。
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講堂 3
内室の磨き込まれた拭き漆の床は、火灯窓から障子越しに入る光を反射し、輝いています。
正面には、「克明徳」の額。
言葉にならない程、美しいです。 -
講堂 4
火灯窓は内室と外を仕切る壁に設けられています。
素人目で見ても、とても良い木材が使われていることがわかります。
最高品質の物を庶民対象の学校に使う、藩主池田光政の志の高さが看て取れます。 -
講堂 5
毎月1と6の付く日に、四書の講釈がおこなわれました。
全生徒50~60名がここに座し、講釈に耳を傾けます。
火灯窓から差し込む光、その光の中で徳を学ぶ、得難い体験の為の建物設計であるように感じられました。 -
講堂 6
釘隠し。軒瓦と同じモチーフ。 -
習芸齋
講堂に隣接した部屋。
毎月、3と8の付く日に、五経の講義が行われました。
また、1日には、朱子学のわかりやすい講義も行われ、近隣の農民も参加することがありました。 -
飲室
生徒の休憩室。
写真奥の隣室は、習芸齋。更に、その奥が、講堂。
生徒の講堂・習芸齋への出入り口でもあります。 -
習芸齋・飲室・文庫
習芸齋・飲室は、講堂と棟続きになっております。
手前、石積みの基礎のある建物が、習芸齋。
その左隣が、飲室。
奥の白い別棟が、文庫。
文庫の奥に、建物を火災から守る「火除山」が、その山の向こうには、生徒の日常の教室や寄宿舎等簡素な建物がありました。 -
火除山
火災の可能性もある生活空間からの類焼を防いでいます。 -
聖廟と閑谷神社 遠景
講堂を出ると、雨が降りだしていました。
講堂東側の庭を横切り、聖廟と閑谷神社に向かいました。
聖廟の前には二本の楷の木が植えられています。
孔子の墓所にある楷の木の種を持ち帰り、育てたものです。秋の紅葉が素晴らしいそうです。 -
閑谷神社 1
創始者池田光政を祀る神社です。
1682年池田光政が亡くなると、学校建築に当たっていた津田永忠は、学校の存続と繁栄を願い、芳烈祠(現閑谷神社)と、隣地に光政の爪と髪を埋め椿山墓所を造りました。
津田永忠は、学校と池田光政の祠と墓所を同じ場所にすることで、先々藩主が代わっても、学校が軽んじられることがないようにしました。 -
閑谷神社 2
拝殿と本殿。 -
閑谷神社 3
石塀の向こうが椿山墓所。 -
閑谷神社 4
備前焼の瓦。
雨に濡れ、色が鮮やかになっています。 -
閑谷神社 5
揚羽蝶紋、池田家の家紋瓦。 -
閑谷神社 6
聖廟から撮影。
重なり合う白壁と赤い備前焼の瓦。 -
聖廟 1
孔子廟。大成殿。
学内で最も重要な施設。
思いのほか小規模で、簡素な造りでした。 -
聖廟 2
大成殿、内部。 -
聖廟 3
雨が、本降りになってきました。
歩くには、生憎の空模様ですが、雫の行方を追い、濡色の風情を味わい、春雨を楽しむことができました。
軒瓦の下、小さな管が埋め込まれています。
備前焼の瓦は、堅牢ではありますが、歪みが生じ、隙間から雨が漏ります。
この管は、漏れた水を抜く為のものです。 -
石塀 1
左側が石塀、右は火除山。
資料館まで、50m程、塀に沿って歩きます。
雨に濡れた石は、美しい。 -
石塀 2
説明板によると、高さ2m、幅1.8m。塀の下には、2mもの石を積んだ基礎があるようです。
以前観た閑谷学校を特集したTV番組『美の巨人たち』では、石塀内部の割栗石は雑草が生えぬよう徹底的に水洗したと解説していました。 -
石塀 3
石塀の地下部分の写真に注目。地上部分以上の体積が埋まっています。
この工法で、総延長約750mを成し遂げています。 -
資料館 1
明治38年建設。中学校、高等学校の校舎として使われた後、平成7年、資料館開館。
この校舎で、大原孫三郎、三木露風、正宗白鳥が学んでいました。 -
資料館 2
窓から学房跡が見えます。
江戸時代、この場所が、閑谷学校で学ぶ生徒や教員の日常生活の場でした。
閑谷学校の修学期間は、概ね1年間。
朝6時起床、7時から学習、10時から講堂等での講義、夕方2時間の食事・休憩を除き、就寝10時まで自習。5と10の付く日が休日。 -
資料館 3
展示室。 -
資料館 4
土木巧者、津田永忠像。
閑谷学校・資料館を一通り見終わりました。
石塀の造形の面白さに惹かれて閑谷学校を旅先に選びました。
実際に、石塀を目にすると、映像情報からは伝わって来ない津田永忠の思いを感じることができました。
何故、築地塀や生け垣では無く、地下2mもの基礎を有する石塀が山中の学校の塀として必要だったのでしょう?
永忠は、14歳から仕えた主君池田光政の徳政の象徴として、未来永劫まで朽ちることの無い学校を造り上げたかったのだ思います。
石塀は、光政の理念を永遠に留める聖域の境界として造られたのではないでしょうか?
多分、東京に戻ったら、「凄い建物だった!一度は見ておくべき。」「学校造った津田永忠って言う人が本当に凄い!」「石塀最高!」って、旅行の話をする度に、閑谷学校について、熱く語ると思います。 -
閑谷学校のバス停から吉永駅に戻らず、赤穂線の伊里駅方面に向かいます。
バスの行き先は、マルナカ行きです。岡山ブルーラインを南下、伊里駅を過ぎ、瀬戸内海の奥まった湾まで行きます。
マルナカは、魚売り場が充実していているスーパーマーケットです。
地元の鮮度の良い魚を求める地元のお客さんで賑わっていると、ネットで情報を得て、旅先だから、買えないとはわかっていましたが、珍しい魚に出会えるかもと、行ってみました。
想定通り、夕方近くでしたので、魚売り場は、空っぽ。
さあ!帰りましょう!
バスの車窓から海が見られただけでも、旅行の成果十分です。再び、コミュニティバスに乗り、吉永駅へ、そして、姫路に帰りました。
本日、耐火煉瓦の町→閑谷学校→瀬戸内海。
大満足!
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