2017-10月　東部エストニア　32　Narva⑨　Kreenholm地区　その2　ナルヴァ病院ほか

2017/10/05 - 2017/10/11

10月９日月曜日、旅行５日目。

　今日は観光できる最後の日です。昼前からナルヴァのクレンホルム地区を散策しています。

　19世紀にできた織物工場が発展し、その企業城下町として栄えた地区です。そこには独自の病院、学校、教会などがあり、現在もその建物の多くが残っています。

　この旅行記でナルヴァ篇は終わりなのですが、ここで声を大にして言いたい。ナルヴァはソ連時代のつまらない街並みの残念な都市と言われがち。確かに、かつてバルトの真珠と謳われたナルヴァの街並みは失われています。でも！戦後修復されたナルヴァ城と川沿いの風情、そして産業革命期の力強い建物を今に伝えているクレンホルム地区を見ずしてナルヴァを語る勿れ。ナルヴァの産業都市としての美しさは全て失われたわけではありません。実際に訪問してみて、現在観光化に力を入れているように思いました。
　ヨーロッパの旅行先、ぜひナルヴァを候補に入れてみてください。人込みと渋滞とは無縁、それでいて充実した観光が楽しめるはずです！（物価も安いし(#^.^#)）

エリア ナルヴァ(エストニア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　11：49、Narva haigla （ナルヴァ病院）。
　1913年、ロマノフ王朝300年を記念して創られた病院です。クレンホルム織物工場の従業員らが利用していました。1944年の空襲で損害を受けましたが、1960年代に修復され、以後ナルヴァの市民病院となりました。

　王朝時代の風格を残す堂々とした外観。

　軒下の飾りにロマノフ朝300年記念と書いてあります（と思う）。ソ連時代に復元されたのにちゃんと残しているんですね。

　中はしっかりとリノベーションされた近代的病院。

　造りは豪華です。

　機能的で美しいなあ。

　控えめなシャンデリアも素敵。

　奥の方へ行くのはやめておきます。

　向かいにあった建物。
　病院には現代になってから建てられた棟もたくさんあります。先ほどの建物とこれだけが歴史的な建物のようでした。何に使われる建物かはわかりませんが、結構出入りがありました。

　建築家の名前、Aлиш, Павел Васильевич(Pavel Vasilyevich Alish)。
　クレンホルムの建物をたくさん設計しています。駅前にあるロシア教会も彼の設計です。

　次に向かいます。
　何かの壁のあと。クレンホルム織物工場の建物はたくさん残されていますが、なくなってしまっているものもたくさんあるのでしょう。

　今は使われていない様子の建物。
　目の前の通りが「学校通り」なので、学校だったのかもしれません。

　公園にあった円形の壁。中に何かあったのかな？

　のぞいてみた。プールか何か？

　平日のお昼。子供は遊んでいませんが、近所の人の通り道になっている様子。

　公園にあったソ連兵の記念碑。
　1941～45年とありますからドイツ軍と戦った兵たちのものでしょう。

　その先にはFjodor Afanasjevの銅像。
　クレンホルム織物工場の職工から社会運動家となった人物。クレンホルム織物工場はエストニア初の近代的ストライキが行われた労働現場なのです。彼はその主導者の一人らしいです。

　August Abelの銅像。
　この人物もクレンホルム織物工場の従業員から労働運動に身を投じた人物。

　Vassili Gerassimovの銅像。
　ペテルブルグ（現サンクトペテルブルグ）の孤児院からクレンホルムの労働者となり、1872年のストライキに参加。その後はロシアで革命活動に参加し逮捕されたりし、最後はシベリアで亡くなっています。近くに彼の名前がついた通りがもあります。

　３名とも労働活動家なので、おそらくソ連時代に建てられた銅像だと思います。アベルの像は名前や生没年が彫ってありますが、あとの二人は名前さえわからない状態でした。（名前以外は個人のブログからの情報です。）

　これらの銅像があるのはこの廃墟の前。かつてカルチャーセンター（ソ連時代につくられた労働者のための娯楽施設）。

　これまで見てきたカルチャーセンターは今でもちゃんと利用されていたけれど、ここはボロボロ。

　ネオクラシック様式のエレガントな面影は…。若干は残っているかな。

　1957年に建てられたんでしょう。

　夜は近寄りたくない雰囲気です。

　線路の近くまで来ました。
　遠くにロシア教会が見えます。あの教会も、アレクサンドリ教会もクレンホルム織物工場の従業員のために建てられたものです。

　線路の近くに給水塔がありました。

　給水塔全景。赤レンガ造りというのはお金がかかっていそう。

　クレンホルム地区を振り返って。

　跨線橋を渡って線路の向こうへ。

　側線がたくさんある線路を越えます。

　線路の写真撮っていいのかな～、とちょっと躊躇しましたが…

　注意書きとかないのでしっかり撮りました。ユフヴィ方面。

　ロシア国境方面。

　12：19、駅前側に出ました。丸い建物はキオスク。

　この後は13：13の列車でラクヴェレへ移動するのですが、ちょっと時間がなくなってきました。ホテルへ荷物をピックアップに戻りますが、タクシー利用します。駅前に常にタクシーが待機しているわけでありませんが、ちょうど誰が乗り捨てたタクシーが目の前に。「ホテルインゲルにお願いします！」
　ホテルまで２～３分で、２ユーロでした。

　12：30、荷物をピックアップする前にスーパーで昼ごはんの買い出し。
　12：45、ホテルから荷物ピックアップ。

　12：53のナルヴァ市バス20番で駅へ。
　12：56、jaam（駅前）バス停下車。

　ナルヴァ駅。
　13：13、ラクヴェレへ移動します。

　切符は車内で購入。

　スーパーで買ったパンでお昼ご飯。旅行中に時間が足りなくなると、食事時間が最も犠牲になりがち。でもこのパンおいしかったですよ。