ウィキペディアによるとジリナ（Žilina）は人口規模でスロバキア第４の都市とのこと。あれ？ニトラも第４だったはず…。どうやら統計をとった年によって順番が変わるくらい人口が拮抗しているのが両市らしい。街を歩いた感じからすると、ジリナの方が都会に見えました。<br />　ところで、ジリナの「ジ」は実際は「ジェ」に近い音です。単純にジェではないのですが、現地で町の名を伝える場合はジェリナと言ったほうが通じます。<br />

2015秋のスロバキア　12　ジリナ(Žilina)到着

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2015/10/21 - 2015/10/27

11位(同エリア50件中)

#街歩き

エリア

その他の都市(スロバキア)

旅行の満足度: 5.0

同行者: 一人旅

一人あたり費用: 10万円 - 15万円

交通手段: 鉄道徒歩

旅行の手配内容: 個別手配

　10月23日金曜日、旅行３日目。
　15：40。列車は予定より少しだけ遅れてジリナに到着しました。
　乗ってきた列車はジリナが終点だとばかり思っていましたが、まだ車内に乗客が乗ったまま走り去っていったので終点じゃなかったのね。
地図を見る

　ジリナ駅。
　ニトラやレオポルドフとは比べものにならない賑わい。

ジリナ駅駅

 市街地に近く利用しやすい駅です by binchanさん
　天井付近の飾り。
　ジリナ駅のアイコンでもあるステンドグラス。世界の車窓からでも出てましたよね。
　不思議なペイントを施した民家と手仕事の伝統で名高いČičmany（チチマニ）。
　ジリナからバスで行けるのですが、時間が足りませんでした。
　スロバキア最大（貯水量）の湖があるLiptov（リプトフ）。周辺地域の民俗が描かれています、
　切符を売る窓口とは別に鉄道のインフォメーションがありました。何をするとことなのかは不明。
　切符を売る窓口は国内線用と国際線用がわかれていました。
　スロバキアの線路は私鉄各社も兼用で使っています。普通の窓口ではスロバキア鉄道の切符のみを扱っていて、私鉄はそれぞれ専用のブースを持っています。

　こちらはRegio Jet社の窓口。列車が運行する時間帯しか営業していないので注意。
　Leo Express社の窓口。
　こちらはよく観察してきませんでしたが、便がない時刻には閉まっていると思われます。
　旧式の時刻表。
　個人的にマニ車型と呼んでいます。円筒を回して見ます。
　構内にあったプレート。それぞれの方の業績はわかりませんが、第二次世界大戦末期に亡くなり、碑文に「私たちが生き残るために亡くなった」とあるので、1944年のスロバキア民衆蜂起の活動家らでしょうか。
　第二次世界大戦中のスロバキアは親ドイツ政権で、枢軸国側でした。民衆が蜂起したのはその自国政府に対してですが、蜂起自体はドイツ軍によって制圧されました。その後スロバキアからドイツ軍を駆逐したのはソ連であり、戦後は共産圏でチェコスロバキアが成立したわけです。
　この蜂起はSlovenské národné povstanie、略してＳＮＰ。各地の通りや建築物の名前となっています。
　スロバキア鉄道のＨＰによるとジリナ駅には荷物預かりがあることになっていますが、実際あるのはコインロッカーです。預り所は探してみましたがありませんでした。コインロッカーに切り替えているんでしょうね。
　荷物を入れて扉をきっちり閉めると、液晶画面にロッカー番号と投入すべき金額が表示されます。お金を入れるとコイン型のＩＣチップが出て、荷物を出すときにはそのチップを投入すると扉が開くというシステム。
　ロッカーの大きさは大中小とありますが、私の機内持ち込みサイズのスーツケースは小に余裕で入りました。
　正面に書かれた使い方はスロバキア語オンリー。
　画面もやっぱりスロバキア語オンリー。
　安心してください、側面には英語の説明もありました。写真はボケちゃってますが…。
　駅から市街地へは大きな通りを渡らなくてはなりません。この地下道を使うのが便利。
　地下道はホームの方へもつながっています。
　これは夜に撮影したものですが、地下道を抜けたところにこのホテルがあります。ものすごく立地がいいし、４トラの旅行記での口コミもよかったので、ここに泊まりたかったのですが満室でした。
Best Western Plus Palace Hotel Polom
　地下道を抜けた先に伸びるのはNárodná通り。車両通行止めなので歩きやすいです。
　通りは250メートルほど続きます。お店が並んでいて楽しい。
　通りを抜けた先のアンドレイフリンカ広場（Námestie Andreja Hlinku）に旅行案内所があります。
　係員さんはもちろん英語ＯＫ。簡単な地図をもらい、ホテルへの道を教えてもらいました。
　夜の旅行案内所。もちろん夜は閉まっちゃいますよ。土日もお休みになっちゃうのでご注意。
http://www.tikzilina.eu/en/
　ジリナの情報は主に↑このサイトで集めました。
　案内所の裏は市内交通の営業所。ジリナでは市内交通を利用しなかったので、こちらにも寄っていません。
　旅行案内所のある広場の名前は、このアンドレイ・フリンカさん（1864-1938）からつけられています。
　フリンカさんはユーロ導入前のスロバキアコルナ紙幣に描かれていた人。
　スロバキアの聖職者であり政治家でした。オーストリア・ハンガリー帝国からの脱却を目指し、それがチェコスロバキア独立で達成されるとスロバキアとしての独立を目指しました。彼の死の直後にスロバキアはドイツの後ろ盾で独立を果たしますが、もし彼が生きていたらどう思ったでしょう。
　広場にあったもう一つの像。
　1945年４月30日と台座に彫られています。ほかに碑文はなかった気がします。
　この日付はヒトラーが自殺して事実上ヨーロッパでの戦争が終結した日ですが、スロバキアにとっては何を表すのでしょう。ドイツの敗北によって、それを後ろ盾として独立していたスロバキアは、再びチェコスロバキアとなりました。実際にドイツ勢力を国内から排除したのはソ連とルーマニア軍。ではこの像の人物の軍服は何軍のもの？
　ヨーロッパを旅すると、いたるところでナチスを駆逐したことを記念する碑が見られます。たいがいの場合はそれを成し遂げた勢力（それが現勢力であることが多い）を讃えるものなのですが、戦時中枢軸国側だった地域の場合はちょっと複雑です。
　私が思うにこの像はまとっている軍服が何であれ、戦争から夫や父親が戻ってきたことを素直に喜ぶ像なんではないかと。
　広場はなかなか広いです。
　聖トリニティ教会。1400年創建。これがジリナのランドマーク。
　前に建つ銅像はやはり聖キリルとメソディウス。
　下の広場から上がってきました。教会の脇にはもっと広くてなだらかな階段があり、それを通って坂の上の広場に行くことができます。
　教会の前にあったプレート。何の数字でしょう？
　プレートに刻まれている文字を翻訳ソフトに入力したけれどよくわからない。ジリナ市の面積？
　実は世界の車窓からでこのプレートが写ったのですが、なんと数字が違っていました。その数字は「１１５０１」。全く違いますよね。面積なら変わることはないだろうし…。一体何の数字なんでしょう。ご存知の方、教えてください。
　ジリナは坂の町です。
　坂の下のアンドレイフリンカ広場と、上にあるマリアンスケ広場の２つの広場があります。教会横の階段で上と下を行き来できますが、ショッピングモールのエスカレーターを使えばもっと楽ちん。下の広場がショッピングモールのＢ３入り口になっています。
　こちらが１Ｆの入り口。坂の上の高さにあります。
　スーパーも入っているこのショッピングモール。私もＳＤカードが必要になってお買い物しました。
　予約したホテルは坂の上の広場に面しています。
　Mariánske Square（マリアンスケ広場）。

　ホテルにチェックインして荷物を置き、街の散策へ。
　広場に面して建つ聖パウロ教会。
　中央には噴水がありますが、水は出ていませんでした。
　井戸の蓋に南京錠が。
　フェンスや金網に南京錠をぶら下げるのも世界共通？
　Town hall（町役場？）。まさか現在の市役所ではないと思います。
　窓の上のカリヨン（音階を奏でる鐘）が15分毎に鳴ります。夜中でも鳴ります。遠くで聞いている分には風情があるのですが、間近に住んでいたらうるさいんじゃないでしょうか。
　Radničná路にあった民芸店。民族衣装や楽器を売っていました。
　本格的で土産屋気分では入れない感じ。
　ニトラでは見かけなかった町の偉人の記念碑。ジリナではよく見かけます。
　右は1938〜1945年の市長さん。
　左の方は聖職者であり政治家であった方。（1886-1979）
　聖トリニティ教会。中には入りませんでした。
　独立した塔が２つ並んでいます。教会は坂の上にあるので、この塔は街のどこからでも見ることができます。
　また故人の碑がありました。
　1944年に亡くなっていますので、これも民衆蜂起で犠牲となった方の碑だと思われます。
　名前の上に彫られた文を翻訳ソフトに入れると、「There he fell in the struggle for libelation of Czechoslovakia」。下の文は左が「honor to his memory」、右が「honor their memory」と英訳が出ます。
　広場があるあたりは古くは城壁内だったのでしょう、広場を囲むように円形に道があります。その円の外に出てみました。
　外側にはトラムやバスが通る広い道がありました。トラムは乗ってみたかったなあ。
　聖バルバラ教会。
　旧ジリナ大学。
　大学は別の場所に移転しています。
　現在は廃墟のようですが、かっこいい建物なので何らかの形で利用されるといいですね。
　寿司屋発見。もう寿司は食べませんけど。
　
　ジリナは郊外に韓国企業の大きな工場があるせいか、東洋人っぽい人も見かけました。ケバブ店も何軒かあって、ニトラより多民族な感じ。

　本日の観光はこれで終了。ホテルへ帰ります。