2015/10/13 - 2015/10/14
356位(同エリア3449件中)
玄白さん
今年の紅葉巡りは、今のところもっぱら安上がりな県内のみ。なにしろカナダのツンドラ紅葉で旅行予算のかなりの割合を使い果たしてしまったので・・・(^ ^;)。
那須岳に続いて、栃木の紅葉の名所、奥日光へ。今回は奥日光に散在する湖の畔の紅葉を中心にあちこち巡ってきた。まずは、中禅寺湖。半月山頂上近くの展望台から見下ろす八丁出島の紅葉が目的。次は西ノ湖から中禅寺湖千手ケ浜まで千手ケ原の林間ハイキング、その後低公害バスで赤沼に戻り、金精峠を越えて丸沼へ。ここで車中泊して、翌日は湯ノ湖に立ち寄り、午前中に帰宅。ちょっともったいないのだが、午後は所用のため昼前に自宅に戻らねばならないので、こんなスケジュールとなった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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奥日光の紅葉シーズンがスタートした。例年よりちょっと早めだ。いろは坂の渋滞が懸念されたが、朝6時半に自宅を出たので、幸いいろは坂はスムーズに通れた。
まずは、中禅寺湖南岸の半月山へ。湖畔から頂上までハイキングコースがあるのだが、今回は中禅寺湖スカイライン(県道中宮祠足尾線)をドライブ。
終点の半月山駐車場へ。すでに大勢のカメラマンが紅葉を撮影中。半月山 自然・景勝地
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駐車場からは中禅寺湖は見えないが、周囲の山々は紅葉真っ盛り。赤、黄色、緑の斑模様が斜めに射し込む日の光で立体的に見えている。
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イチオシ
三脚を立てたカメラマン達は、この紅葉を狙っている。
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半月山。展望台は、駐車場から0.6km登ったところにある。さっそく行ってみよう。ハイキングコースではあるが、距離が短いのでトレッキングシューズに履き替えることなく、ウォーキングシューズで登る。歩行時間およそ15分。
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ダケカンバが多いが、ところどころ真っ赤な紅葉も見られる。
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展望台への登山道の途中から西に目を向けると、草木が生えていない荒涼とした山肌の山が見える。足尾荒廃地である。明治期の足尾銅山精錬所からの排煙で山林が枯れ死、農作物も全滅し、この付近にあった村が消滅してしまったのである。精錬所からの排水を渡良瀬川に垂れ流した結果、下流での洪水による農地の汚染(いわゆる足尾鉱毒事件)とともに、日本の公害の原点となった。
現在では県や国によって緑化活動がされているが、排煙で酸性化した土壌での植生復元は難しく、緑の復活にはまだまだ年月を要するという。一旦人の手で破壊された自然を回復することがいかに困難であるか、この景色が訴えかけている。 -
イチオシ
半月山展望台からの眺め。正面に男体山、中禅寺湖の西から東まで一望できる。こういう絶景が見られるのは、ここだけである。足元から対岸の二荒山中宮祠へニョッキリと延びている半島が八丁出島だ。
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南に目を向けると、一昨日の初雪で頂上が白くなった富士山がくっきりと見えた。
栃木県北からこれだけはっきりと富士山が見える日はそんなに多くはない。 -
望遠ズームで目いっぱいアップで。
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南東方向には筑波山の頂上が雲海に浮かんでいる。
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天気がよく空気が乾燥しているので、靄は全くない。しかし雲が次第に多くなってきた。雲の合間に日の光があたるのを待って八丁出島を撮影。
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中禅寺湖西側。このあと行く千手ケ浜や戦場ヶ原が見える。南岸から100mほどのところにポツンと小さな島がある。上野島(こうずけじま)という中禅寺湖で唯一の小島である。
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上野島を目いっぱいアップで。この島には日光山の開祖、勝道上人の遺骨(首の骨)が埋葬されている。勝道上人の遺骨は他にも2ヶ所に分納埋葬されているという。他にも徳川家康のブレーンだった天海大僧正の遺骨も埋葬されているようだ。
これらの納骨所を守るためであろう、島の周りには護岸工事がされている。 -
しばらく、この景色を眺めていると遊覧船がやってきた。中禅寺から菖蒲ケ浜まで行った帰りの便である。
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上野島のそばに行き・・・
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さらに近づき・・・
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イチオシ
八丁出島に沿って進み・・・
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八丁出島をぐるりと廻ってから、遊覧船は出発地の「船の駅中禅寺」に戻っていく。
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登ってきた道を、ところどころで紅葉を撮影しながら駐車場まで戻る。
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半月山から戦場ヶ原赤沼駐車場へ移動。
ここで低公害バスに乗り換え、西ノ湖入口バス停で降りる。
ここから、西ノ湖まで行き、引き返して途中から千手の森歩道を千手ケ浜まで歩く。
ずっと平坦な歩きやすい道で、一応ハイキングコースということになっているが、スニーカーでも歩ける散歩道といった感じのところである。 -
歩き始めは、しばらくカラマツ林が続く。カラマツの黄葉は、モミジなどより遅いのだが、今年はもう黄色になり始めている。
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このコースは、きれいな紅葉が見られるが、竜頭の滝や戦場ヶ原より人が少なくとても静かである。奥日光の穴場的存在である。
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カラマツ林をぬけると、ミズナラやカエデの林に変わる。わずかな距離で植生が変化する様子を見るのも面白い。
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20分ほどで西ノ湖に到着。
西ノ湖は、もともとは中禅寺湖と繋がっていたが、中禅寺湖に流れ込む柳沢川の土砂で埋められ独立した湖になった。このような湖を遺留湖(いりゅうこ)という。
西ノ湖を作った柳沢川は、中禅寺湖に注ぎ、西ノ湖に流れ込む川は一本もない。そのため、降雨量によって湖の大きさが大きく変化し、景観が変わる珍しい湖である。
今年は夏の終わりの長雨で水量が多く、林のそばまで湖岸が迫っていた。西ノ湖 自然・景勝地
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ここは小さな湖で周りを山に囲まれているので、風が弱く湖面が水鏡になり紅葉が写りこんでいる情景を撮影したかった。しかし、あいにく今日は風が強く水鏡になっていない。残念!
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しかし、さざ波が日の光を反射してキラキラ輝いている。
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岸辺には鹿の足跡がクッキリ。今朝歩いた跡なのだろう。
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湖岸のそばは水分が多く、多湿を好むヤチダモ、ハルニレやズミの木が多いという。
この巨木は、幹の肌の模様からハルニレのようだ。(自信なし) -
湖岸の枯れ木。それ以上朽ちることなく、3年前に来たときのまま残っている。
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イチオシ
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こんな紅葉を見ながら湖畔でランチ。最近はもっぱらコンビニで買ったおにぎりやサンドイッチの簡素なランチなので写真は無し。
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手前の葉が落ちて赤い実だけが残っている木はズミである。
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たわわに実ったズミの実。この実はやがて渡って来るであろう冬鳥の貴重な餌になる。
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ズミの実をアップで
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来た道を引き返し、途中の吊橋のところまで来た。橋のたもとの紅葉も黄色からオレンジ色のグラデーションが美しいモミジである。
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川岸の紅葉。この付近のモミジの紅葉が一番鮮やかだ。
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ここから、千手の森歩道に入る。このルートは1997年に開放された比較的新しいハイキングルートである。
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ミズナラの巨木。幹の半分は朽ちて空洞になっている。根元の空洞は人がすっぽり入れるほど大きい。
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倒れ掛かった巨木。ハイキングルートに覆いかぶさるように傾いている。いつ倒れるか判らないので、ハイカーは迂回するようにという注意書きの立て札があった。しかし、迂回ルートらしき踏み跡はない。みんな、倒れそうな木の下をくぐって通過しているのだろう。
そういう危険はあっても、人工的に切り倒さず自然のままにしておくというのが、ここを管理している自然公園財団日光支部の方針のようだ。 -
この付近の下草は、よく見るとほとんどすべてシロヨメナである。
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シロヨメナは、このあたりでは初秋に咲く花。もう花期は終わりかけている。九月に来れば一面に白い小さな可憐な花が咲く見事な群生が見られるだろう。
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林床には苔むした倒木がそのままにしてある。できるかぎり自然のままに・・・
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黄色とオレンジが入り混じったカエデの黄葉
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黄色のカエデ。これから赤くなるのか、このままなのか?
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ミズナラの幹に出来たコブ。猿が木から顔をのぞかせたように見えて面白い。
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蔦も紅葉している。
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木のコブと蔦の紅葉
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緑、黄色、赤、三色紅葉だ。普通、三色紅葉というと、赤、黄色に雪の白なのだが、ここでは緑で三色紅葉としておこう。
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千手ケ浜に到着。中禅寺湖西岸の紅葉。
千手ケ浜 自然・景勝地
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イチオシ
モミジと男体山
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外山沢川に架かる橋を渡って、低公害バス千手ケ浜バス停に向かう。
橋の下を流れる川には、9月には中禅寺湖のマスが産卵のため遡上するのが見られるという。
シロヨメナの群生とマスの遡上を見に、来年9月にまた来ようかな。 -
千手ケ浜の桟橋と男体山。
遊覧船がここまで来るのは季節が限られているらしい。定期運行があるのは、千手ケ浜のクリンソウが咲く6月だけ。7月〜9月は、貸切専用で団体申し込みがあったときだけの随時運行だそうだ。 -
千手ケ浜の紅葉
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14:45の低公害バスで赤沼駐車場に戻る。14:10のバスにタッチの差で乗り遅れ、35分、時間の無駄遣いをしてしまった。
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金精峠を越えて片品村の丸沼へ。丸沼の国道120号とは反対側の岸辺に一軒宿、丸沼温泉環湖荘がある。純和風の高級感ある宿である。湖畔の風景を撮影したあと、ここで日帰り入浴。(入浴料\1,000)
丸沼温泉 環湖荘 宿・ホテル
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岸辺には、立ち枯れた木の幹が散在している。
丸沼 自然・景勝地
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丸沼を訪れる客は、観光客というより、日光白根山の登山客やマス釣りの太公望が多いようだ。
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ひときわ大きな立ち枯れ木。
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ここも今日は風が強く水鏡は出現せず!
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イチオシ
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一通り湖岸の風景を撮影したあと、環湖荘で日帰り温泉に浸かってから、ここで車中泊の準備。(環湖荘に泊まらず、車中泊というのが我ながらいじましいが、カナダのオーロラとツンドラ紅葉旅行で旅行予算を使いすぎ、年末にはタイ旅行が控えているのでやむをえない)
さて、なぜここで車中泊なのかというと・・・ -
イチオシ
こんな写真を撮りたかったからである。煙突から煙が立ち昇るイメージの、沼の立ち枯れた古木と天の川のコラボ写真。このところ、星景写真に興味がつのっているのである。
しかし、日が落ちて空が十分暗くなったころに、突然雲が湧いてきた。みるみる雲が広がり、結局撮影できたのは、この一枚だけ。すでにこの時点で雲が出てきて天の川の一部が隠れてしまっている。 -
さらに翌朝、湖面を漂う朝霧と沼の中の古木、そして紅葉という幻想的な写真を撮りたかったのだが、夜中に雨が降り、霧は発生せず。
ウ〜ム、重ね重ね残念! -
朝になると雨は上がったので、湖岸を朝の散歩
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7:30に車中泊した車内を片付け、帰路につく。
途中、金精峠に車を停め、湯ノ湖の写真を一枚。カラマツの黄葉真っ盛りである。
湯ノ湖の奥に見える戦場ヶ原にも今朝は朝霧はでなかったようだ。或いは遅かったのかもしれない。 -
湯ノ湖南岸の湯川の付近
湯ノ湖 自然・景勝地
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湯滝を滝の上から撮影。湯滝も紅葉のピークである。
湯滝 自然・景勝地
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イチオシ
まだまだ、じっくり撮影を続けたかったが、午後一番の所用が気になり、早めに奥日光に別れを告げる。
奥日光は、気軽に来られるところなので、時間を作ってまた来ようと思う。
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