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 台風18号崩れの低気圧による大雨は、各地に甚大な被害をもたらした。被災した方々には心からお見舞い申し上げたい。<br /> さて、この大雨で、日光地域も一日に600mmを超える記録的な降雨量を記録した。過去の大雨では、奥日光小田代ケ原は水没し、あたかも湖のような景観に変貌したことがある。今回の大雨でも幻の小田代湖が出現したのではないかと期待して、大雨の翌日に出掛けてみた。<br /> 大雨一過、秋の長雨の間の束の間の貴重な晴れ間である。夜のうちに出掛けて戦場ヶ原で星景写真にもトライしてみた。急に思い立ったので、三本松駐車場で車中泊である。翌朝、日の出前から小田代ケ原、いや小田代湖(であって欲しい)での撮影に臨んだのであった。<br />

大雨直後の小田代ケ原と星降る戦場ケ原 ~幻の小田代湖は出現しているか?~

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2015/09/11 - 2015/09/12

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旅行記グループ 奥日光

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玄白

玄白さん

 台風18号崩れの低気圧による大雨は、各地に甚大な被害をもたらした。被災した方々には心からお見舞い申し上げたい。
 さて、この大雨で、日光地域も一日に600mmを超える記録的な降雨量を記録した。過去の大雨では、奥日光小田代ケ原は水没し、あたかも湖のような景観に変貌したことがある。今回の大雨でも幻の小田代湖が出現したのではないかと期待して、大雨の翌日に出掛けてみた。
 大雨一過、秋の長雨の間の束の間の貴重な晴れ間である。夜のうちに出掛けて戦場ヶ原で星景写真にもトライしてみた。急に思い立ったので、三本松駐車場で車中泊である。翌朝、日の出前から小田代ケ原、いや小田代湖(であって欲しい)での撮影に臨んだのであった。

旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  • 何気なく天気予報をチェックしていると、今夜(9/11)から明日にかけて、久しぶりに晴れの予報。今回の大雨で小田代ケ原が水没し湖のようになっているかもしれない、晴れであれば戦場ヶ原で星景写真にもトライしてみたいと思い立ち、急遽奥日光に出掛けた。<br />夕方6時ごろ、戦場ヶ原の三本松駐車場に到着。暗くなるまで、待機。<br />8時になり、あたりはすっかり暗くなったので、駐車場前の展望台で、星空撮影。しかし、空のところどころに雲が出ている。予報では、深夜から快晴になるというので、一旦、車に戻り仮眠することにした。<br />

    何気なく天気予報をチェックしていると、今夜(9/11)から明日にかけて、久しぶりに晴れの予報。今回の大雨で小田代ケ原が水没し湖のようになっているかもしれない、晴れであれば戦場ヶ原で星景写真にもトライしてみたいと思い立ち、急遽奥日光に出掛けた。
    夕方6時ごろ、戦場ヶ原の三本松駐車場に到着。暗くなるまで、待機。
    8時になり、あたりはすっかり暗くなったので、駐車場前の展望台で、星空撮影。しかし、空のところどころに雲が出ている。予報では、深夜から快晴になるというので、一旦、車に戻り仮眠することにした。

  • 夜中12時前に、再び戦場ヶ原展望台へ。すでに星景写真を撮影している先客が3人ほど居た。戦場ヶ原は、星空観測のメッカなのである。<br /><br />西の方角に戦場ヶ原が広がっている。すでに西に傾きかけた天の川がくっきり見えているが、天の川が一番明るい射手座は地平線の下に沈んでいる。

    夜中12時前に、再び戦場ヶ原展望台へ。すでに星景写真を撮影している先客が3人ほど居た。戦場ヶ原は、星空観測のメッカなのである。

    西の方角に戦場ヶ原が広がっている。すでに西に傾きかけた天の川がくっきり見えているが、天の川が一番明るい射手座は地平線の下に沈んでいる。

  • 北極星、カシオペア座方向の夜空。北斗七星は林の下に隠れてしまっている。

    北極星、カシオペア座方向の夜空。北斗七星は林の下に隠れてしまっている。

  • 再び、天の川を狙う。戦場ヶ原の湿原には夜霧が漂い始めた。

    再び、天の川を狙う。戦場ヶ原の湿原には夜霧が漂い始めた。

  • 南の方向の夜空。この時間は、明るい星がないみずがめ座、うお座といった地味な星座しか無い。

    南の方向の夜空。この時間は、明るい星がないみずがめ座、うお座といった地味な星座しか無い。

  • 長時間露光で、星の日周運動の光跡を撮影してみた。実際には20秒露光を90回繰り返し、比較明コンポジット合成した。

    イチオシ

    長時間露光で、星の日周運動の光跡を撮影してみた。実際には20秒露光を90回繰り返し、比較明コンポジット合成した。

  • 北の空の星の日周運動の光跡を撮影していたので、1時間ほど経過。<br />東の空には、冬の星座であるおうし座が昇ってきた。中央やや右の星が固まっているのがスバル(プレアデス星団)である。

    北の空の星の日周運動の光跡を撮影していたので、1時間ほど経過。
    東の空には、冬の星座であるおうし座が昇ってきた。中央やや右の星が固まっているのがスバル(プレアデス星団)である。

  • しつこく、西の空に傾いた天の川をもう一度。<br />夏の大三角(織姫星、彦星、白鳥座デネブ)が沈みゆく。湿原の霧が徐々に濃くなっているようだ。<br /><br />この後、赤沼駐車場に移動し、再び仮眠タイム。

    イチオシ

    しつこく、西の空に傾いた天の川をもう一度。
    夏の大三角(織姫星、彦星、白鳥座デネブ)が沈みゆく。湿原の霧が徐々に濃くなっているようだ。

    この後、赤沼駐車場に移動し、再び仮眠タイム。

  • 早朝4:30の低公害バス始発で赤沼駐車場から小田代ケ原に向かう。6月1日から11月9日までの土日、祝日のみ、こんなに早く小田代ケ原行きのバスが出ているのである。乗客はすべて朝の小田代ケ原撮影に向かうカメラマン達である。この日もバスは超満員!<br /><br />夜明け前の小田代ケ原。今日も良い具合に霧が出ていて幻想的な光景である。<br />しか〜し! 小田代湖にはなっていないではないか、あれだけの大雨だったのに・・・!!

    早朝4:30の低公害バス始発で赤沼駐車場から小田代ケ原に向かう。6月1日から11月9日までの土日、祝日のみ、こんなに早く小田代ケ原行きのバスが出ているのである。乗客はすべて朝の小田代ケ原撮影に向かうカメラマン達である。この日もバスは超満員!

    夜明け前の小田代ケ原。今日も良い具合に霧が出ていて幻想的な光景である。
    しか〜し! 小田代湖にはなっていないではないか、あれだけの大雨だったのに・・・!!

    小田代ガ原 自然・景勝地

  • 隣で撮影していた数人のグループの人達によると、最近、小田代ケ原の水捌けをよくする排水管工事をやったらしい。そのため、こんな大雨でも水が溜まらないのだそうだ。小田代ケ原はノアザミ、ホザキシモツケなど貴重な湿原植物が豊かに自生している。2005年には戦場ヶ原、小田代ケ原一帯がラムサール条約登録湿地となっているため、こうした植生の水没によるダメージをなくすための工事なのだろう。<br />湿原の生態を守るためなのでやむをえないが、小田代湖が見られなくなるのは、ちょっと残念ではある。

    イチオシ

    隣で撮影していた数人のグループの人達によると、最近、小田代ケ原の水捌けをよくする排水管工事をやったらしい。そのため、こんな大雨でも水が溜まらないのだそうだ。小田代ケ原はノアザミ、ホザキシモツケなど貴重な湿原植物が豊かに自生している。2005年には戦場ヶ原、小田代ケ原一帯がラムサール条約登録湿地となっているため、こうした植生の水没によるダメージをなくすための工事なのだろう。
    湿原の生態を守るためなのでやむをえないが、小田代湖が見られなくなるのは、ちょっと残念ではある。

  • 日の出間近。東の空が茜色に明るくなってきた。<br />貴婦人の樹冠が、うっすらと霧の中に浮かび上がってきた。

    イチオシ

    日の出間近。東の空が茜色に明るくなってきた。
    貴婦人の樹冠が、うっすらと霧の中に浮かび上がってきた。

  • ほんのりとした朝焼け。霧を通してみる男体山には暈雲がかかっている。

    ほんのりとした朝焼け。霧を通してみる男体山には暈雲がかかっている。

  • 朝焼けもこれ以上は赤く染まらなかった。

    朝焼けもこれ以上は赤く染まらなかった。

  • 夜が明け、太陽が日光連山の上空に顔を出した。しばらく経てば霧は消滅し、撮影タイムも終わる。

    夜が明け、太陽が日光連山の上空に顔を出した。しばらく経てば霧は消滅し、撮影タイムも終わる。

  • 蜘蛛の巣に霧の水滴が並び、自然のネックレスのようだ。

    蜘蛛の巣に霧の水滴が並び、自然のネックレスのようだ。

  • 奥日光を代表する夏の花、ホザキシモツケ。全国的には珍しい花である。見頃は7月中旬〜8月中旬だが、一輪だけ遅れて咲いていた。秋になると、葉は紅葉し草紅葉になる。

    奥日光を代表する夏の花、ホザキシモツケ。全国的には珍しい花である。見頃は7月中旬〜8月中旬だが、一輪だけ遅れて咲いていた。秋になると、葉は紅葉し草紅葉になる。

  • コオニユリもポツンと寂しく一株だけ咲いていた。草紅葉間近の色が変わりはじめつつある緑の草原にオレンジ色の花がワンポイントアクセントになっている。

    コオニユリもポツンと寂しく一株だけ咲いていた。草紅葉間近の色が変わりはじめつつある緑の草原にオレンジ色の花がワンポイントアクセントになっている。

  • コオニユリをアップで。

    コオニユリをアップで。

  • 日が昇り徐々に霧が薄れていく。

    日が昇り徐々に霧が薄れていく。

  • 太郎山の頂上には暈雲がかかっている。

    太郎山の頂上には暈雲がかかっている。

  • 小田代ケ原全景。

    小田代ケ原全景。

  • 小田代湖になり損ねた水溜り。

    小田代湖になり損ねた水溜り。

  • 雲をかぶった男体山。

    雲をかぶった男体山。

  • 霧のミニ小田代湖。

    霧のミニ小田代湖。

  • 男体山上空の日は高くなってきた。時刻は7:00

    男体山上空の日は高くなってきた。時刻は7:00

  • 大真名子山の暈雲が、そのまま小田代ケ原に流れ落ちているように見える。

    イチオシ

    大真名子山の暈雲が、そのまま小田代ケ原に流れ落ちているように見える。

  • 小田代ケ原の北側はすっかり霧が晴れた。

    小田代ケ原の北側はすっかり霧が晴れた。

  • 葉についた霧の水滴で、うっすらと雪を被ったようにみえるカラマツ林。

    葉についた霧の水滴で、うっすらと雪を被ったようにみえるカラマツ林。

  • 貴婦人をアップで。<br />あと一ヶ月もすれば、貴婦人も背後のカラマツ林も黄色に染まる。

    貴婦人をアップで。
    あと一ヶ月もすれば、貴婦人も背後のカラマツ林も黄色に染まる。

  • 大真名子山の暈雲の形がきれいに整ってきた。

    大真名子山の暈雲の形がきれいに整ってきた。

  • 7時20分。撤収した人も大勢いるが、まだこんなに大勢のカメラマンが残っている。

    7時20分。撤収した人も大勢いるが、まだこんなに大勢のカメラマンが残っている。

  • 最後に、湖になり損ないの水溜りに映り込んだ貴婦人をカメラに納めて撤収。<br /><br />残念ながら、今回は期待した小田代湖は見られずに終わった。

    最後に、湖になり損ないの水溜りに映り込んだ貴婦人をカメラに納めて撤収。

    残念ながら、今回は期待した小田代湖は見られずに終わった。

  • 早朝のカメラマン向けバスの赤沼に戻る7:15発の最終便は過ぎてしまった。次のバスは8時54分までないので、ハイキングルートを歩いて戻る。<br /><br />林間にわずかに残った霧が光芒を作っている。

    早朝のカメラマン向けバスの赤沼に戻る7:15発の最終便は過ぎてしまった。次のバスは8時54分までないので、ハイキングルートを歩いて戻る。

    林間にわずかに残った霧が光芒を作っている。

  • この花の名前は何だったかな。一度覚えた記憶があるが忘れてしまった。<br /><br />追記(2015/9/16)<br />これはゴマナでした。琉球熱さんにご指摘いただきました。

    この花の名前は何だったかな。一度覚えた記憶があるが忘れてしまった。

    追記(2015/9/16)
    これはゴマナでした。琉球熱さんにご指摘いただきました。

  • ゴマナ越しに貴婦人を一枚。<br /><br />

    ゴマナ越しに貴婦人を一枚。

  • 35分で赤沼駐車場に戻る。<br />予定がなければ、このまま戦場ヶ原歩きか、高山あたりに登ってから帰りたいのであるが、あいにく昼は所用があるので、8:20に撤収、自宅へ戻る。<br /><br />今回は残念ながら小田代湖は現れなかったが、早朝の霧が漂う小田代ケ原は、いつ来ても幻想的でドラマチックな風景を見せてくれる。あと3週間も経てば、小田代ケ原は草紅葉で赤く染まる。時間を作ってそのころまた来ることにしよう。

    35分で赤沼駐車場に戻る。
    予定がなければ、このまま戦場ヶ原歩きか、高山あたりに登ってから帰りたいのであるが、あいにく昼は所用があるので、8:20に撤収、自宅へ戻る。

    今回は残念ながら小田代湖は現れなかったが、早朝の霧が漂う小田代ケ原は、いつ来ても幻想的でドラマチックな風景を見せてくれる。あと3週間も経てば、小田代ケ原は草紅葉で赤く染まる。時間を作ってそのころまた来ることにしよう。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • 銭形幸一さん 2015/09/17 20:41:41
    もう庭ですね ( ´,_ゝ`)
    こんばんは。
    いやはや、フットワーク軽さにただただ驚くばかりです。
    急に、見たい、行きたいと思うと居ても立ってもいられなくなる感じ、わかります。
    それにしても思い立ってすぐに日光に行けるって良いですね。
    来月、日光の山縦走しようと考えてます。
    中禅寺湖の南岸の山を縦走するか、またはもっと奥に入って鬼怒山に行くかもしれませんし…。
    草紅葉の湿地帯歩き絡め歩けたらと思ってます。
    どこ歩くにしろ下山後温泉には不自由しなさそうですからね(笑)。

    稜線上で雲が流れる様子は散々見ておりますが、湿地帯の霧が立ち込める様子はとても絵になります。
    山の上から霧が立ち込めた戦場ヶ原見ることができたらいいのでしょうが、近くの山域で気の利いた営業小屋無いですし…。

    星の撮影はやはり根気が必要ですね。
    飽きっぽい私には決して真似できません。
    夏に赤石岳山頂で、山小屋の管理人さんの解説付きで見た星空もとても綺麗でした。

    玄白さんが撮影された錦秋の戦場ヶ原を今年もまた見てみたいものです。


    玄白

    玄白さん からの返信 2015/09/18 11:53:00
    RE: もう庭ですね ( ´,_ゝ`)
    銭形幸一さん

    このところ、精力的にハードな山歩きしておられますね。

    > 山の上から霧が立ち込めた戦場ヶ原見ることができたらいいのでしょうが、近くの山域で気の利いた営業小屋無いですし…。
    >
    ↑湯ノ湖から金精峠に向かう国道120号の途中で、夜明け前の湯ノ湖と霧が立ち込める戦場ヶ原を俯瞰することができます。夜明け前は交通量は少ないので短時間であれば、路駐できますし、車2,3台は止められるスペースもあります。
    三本松駐車場で車中泊して、霧の戦場ケ原を見たあと、菅沼登山口より日光白根山→五色沼南岸→前白根山→五色山→金精山→金精峠→菅沼登山口と奥日光の山を縦走する手もあるんではないでしょうか。健脚の銭形さんなら一日で回れるのではないでしょうか。
    玄白は3年前に五色沼の見事な紅葉を見て、山の紅葉の美しさの虜になり、それ以来毎年紅葉の写真を撮るようになりました。最近では山歩きより紅葉撮影がメインになってしまいましたが・・・

    玄白





  • 琉球熱さん 2015/09/15 23:53:19
    ゴマナ?
    玄白さん、こんにちは

    相変わらず見事な写真の数々。圧巻です。
    星の連続写真も見事だし、夜明けの靄に包まれた湿原も幽玄そのものですね。
    小田代ヶ原は私も以前訪れたことがありますが、マイカーをシャットアウトしているおかげで、植物だけでなく鳥類も豊富でとても魅力的なエリアですね。

    いやはや、また良いものを見せていただきました。

    ちなみに、あの白い小さな花は「ゴマナ」ではないかと・・・

    玄白

    玄白さん からの返信 2015/09/16 09:56:21
    RE: ゴマナ?
    琉球熱さん、こんにちは

    ああっ、ゴマナですね。ご指摘ありがとうございました。
    加筆・訂正しておきます。

    戦場ヶ原、小田代ケ原は我が家からは1時間半と気軽に行けるお気に入りの場所です。

    玄白

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