2013/07/20 - 2013/07/20
176位(同エリア1120件中)
キートンさん
2010年のグランドサークルから3年ぶりのアメリカ国立公園めぐり。
とうとうこの旅も最終日。
フィナーレの地はワシントン州のシアトル。
アメリカ西海岸北部で最大の都市は、メジャーリーガーとなったイチローの活躍で日本での知名度もメジャーとなりました。
かつては「グレート・ノーザン鉄道を父とし、日本郵船を母とする」とも言われ、歴史的にも日本とのつながりが強い都市。
シアトルの主要な産業のひとつは航空機産業。
ヨーロッパの「エアバス」と世界市場を二分する大型旅客機メーカー「ボーイング」の誕生の地です。
前編では「航空博物館(The Museum of Flight)」を見学します。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「エンパイアビルダー号」は一路シアトルをめざす。
寝台ではなくシートでの一夜はやはり少し眠りが浅い。 -
「カスケードループ」と呼ばれるルートに沿って西へと走る。
雲行きが怪しくなってきた。 -
シアトル着は定刻では10:25だが、やはり約2時間遅れの到着となった。
-
シアトル・キングストリート駅を出ると、「センチュリーリンク・フィールド」の競技場が見える。
シアトル・マリナーズの本拠地「セーフコフィールド」はその向こうにあるようだ。 -
歩道橋を渡ってキングストリート駅の西側にサウンドトランジット・リンク・ライトレイル(以後ライトレイル)のインターナショナル・ディストリクト駅がある。
ホームはトンネルバスと共有で地下にあるので、少々わかりにくい。
ここからシータック空港へと向かう。
料金は片道2.75ドルだが、複数回使うので5.50ドルの1日パスを購入。 -
30分少々でシータック空港の駅に到着。
シータック空港は正式には「シアトル・タコマ国際空港」のことで、その名の通りシアトル市とタコマ市の中間あたりに位置する。 -
歩道橋を渡って今日の宿へと向かう。
ところで「タコマ」と聞けば、「タコマ橋」を思い出す人も多いのではないだろうか。
架橋後間もない1940年に、強風で生じる「共振」により崩落した。
http://www.youtube.com/watch?v=HA2nBIlZjzI
崩落の瞬間が動画で残っているので、日本のテレビでそのシーンが流れることもある。
この事故をきっかけに,長大橋の設計で耐風設計の重要性が認識されたという。 -
今日の宿は、ライトレイルの駅から徒歩5分くらいの「シータックイン」である。
ダウンタウンから移動する間に晴れ間が広がってきた。 -
13:30頃チェックインはできたものの、まだベッドメイクが終ってなかった。
写真は外出から帰って来てから撮ったもの。
広さは十分で、料金は安かったが部屋の中で小さい虫をみかけたので衛生面で少し問題ありかなという感じ。 -
小さい冷蔵庫付きで、バスタブも付いている。
-
14:00前にシータックインを出発し、ライトレイルに乗ってひと駅のタックウィラ駅に来た。
ここから「航空博物館」前を通る124番のバスが出ている。
バスは約30分毎で、次の便は14:16発のようだ。 -
「航空博物館」のバス停はわかりにくいので、乗る時に「地球の歩き方」の「航空博物館」のページを見せて、そこで降りることを言っておいた。
タックウィラ駅から「航空博物館」前へは約15分で到着。 -
14:30頃、「航空博物館」に入場。
入場料は18ドル。
17:00閉館なので、見学時間は最大2時間30分だ。 -
ライト兄弟が開発した「ライトフライヤー号」の復元機。
一般に「世界で初めて飛行に成功した航空機」とされる。
これより以前にも気球やグライダーや飛行船などの友人飛行の前例があるので、「最初の継続的に操縦を行った、空気より重い機体での動力飛行」というのが正しいようである。 -
初期の飛行機は1914年から1919年の第一次世界大戦での軍用機として大きく発展し、その後郵便運送の手段として活躍する。
-
1930年頃には機体が大型化され、金持ち階級が利用する旅客機が登場する。
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ひときわ目を惹くのが、「ブラックバード」と呼ばれるM-21超音速・高高度偵察機。
上部に取り付けられた偵察用無人航空機D-21を発射するための母機である。
先進的な形状に見えるが、1960年代に開発され60年代後半に実戦投入されていたようだ。 -
艦上戦闘機F-4Cファントム?。
F-4ファントム?は1960年代に開発され、ベトナム戦争での活躍で多くの西側諸国に採用された、アメリカの代表的な超音速戦闘機。
現在でも現役で使用されている機体もあるそうだ。
同時期のソ連を代表する超音速戦闘機に「ミグ-21」がある。 -
「UH-1」は1959年からアメリカ陸軍で採用され、ベトナム戦争などで活躍したヘリコプター。
日本の陸上自衛隊をはじめとして多くの国で現役で活躍している。 -
旅客機の胴体断面。
客室の床下に貨物室がある。
無造作に積まれたスーツケース類を見て、預け入れ荷物の扱われ方がわかる気がする。 -
「鳥人間コンテスト」に出てきそうな人力飛行機。
「ゴッサマーアルバトロス」は、1979年にドーバー海峡横断に成功した。
その時操縦したのは自転車レースの選手で、2時間49分かけて35.8kmを飛行した。
全長:10.36m、翼幅:29.77m、全高:4.88m、重量:32kg。 -
飛行機だけの展示ではなく、飛行する動物の展示もある。
始祖鳥(学名Archaeopteryx)は、ジュラ紀に生息した現在発見されている中で最古の鳥類である。 -
鳥の羽ばたきのパターンを3種類に分けて説明している。
早く飛ぶ時は羽を上下に、離陸や着陸時にスピードを緩めた飛行は羽を斜めに、空中で静止する「ホバリング」は羽を前後にはばたくようだ。
ホバリングができる鳥として知られるハチドリは、毎秒50回を越える高速ではばたく。 -
人類の「飛行」の歴史年表。
中でも、ライト兄弟が1903年に人類初の動力飛行を成功させる以前の19世紀の様々な試みが面白そうだ。
なお、飛行機の歴史を3分間にまとめたアニメーション動画を見つけたので、参考までに。
http://www.frablo.jp/2012/02/07/animated-history-of-aviation/ -
NASAのアポロ計画の展示もある。
アポロ計画で使用された「サターンV型ロケット」は、使い捨て方式の液体燃料多段式ロケットである。
全高約110mのロケットで地球を飛び立つが、地球に帰還するのは宇宙飛行士を乗せたこの有人帰還カプセルだけである。 -
月着陸船LMと月面車LEVの模型。
1961年から1972年の間に実施されたアメリカ航空宇宙局(NASA)の「アポロ計画」は、人類初で全6回の有人月面着陸に成功した。
現在においても人類が唯一地球以外の天体に到達した、人類史における科学技術の偉大な業績である。
科学技術の進歩がめざましい現代において、その後40年以上の間、人類は有人飛行により地球以外の天体に到達していないことから、一時期アポロ計画捏造説が囁かれた。 -
当時使用された宇宙食の数々。
-
「航空博物館」は主に下記の4つのゾーンに分かれている。
「グレート・ギャラリー」
「レッド・バーン」
「ワールドワー?・?ギャラリー」
「スペース・ギャラリー&エアパーク」
ここは「レッド・バーン」。
「レッド・バーン」とはボーイングの初期の社屋のことらしい。
昔の飛行機の製造過程や構造がわかる展示がされている。 -
初期航空機のロータリーエンジン。
シリンダーを放射状に配列した星型エンジン。 -
歩道橋を渡ると「スペース・ギャラリー&エアパーク」がある。
「スペース・ギャラリー」には、スペースシャトルの胴体部の復元機がある。
全長約56m、直径約8.7m。
機体の「再使用」をコンセプトとしているところがアポロ計画と大きく異なる。
1981年から2011年にかけて135回打ち上げられた。
(1986年チャレンジャー号、2003年コロンビア号の事故を含む)
「コロンビア」、「チャレンジャー」、「ディスカバリー」、「アトランティス」、「エンデバー」の5機がミッションで飛行したほか、「エンタープライズ」がテスト飛行で使用された。 -
「エアパーク」には、屋外にいくつかの実物の旅客機が展示されている。
「コンコルド」は、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機。
初飛行は1969年で2003年に全機が退役した。
航空会社向けには16機が製造されたに過ぎず、採算ラインに乗ることなく1976年に生産中止となり、商業的には失敗に終わる。
無給油で太平洋を越えられなかったため、大西洋横断路線の運航しかできなかったことと、乗客の定員が100名と少なかったことが影響したようだ。 -
「コンコルド」の客室座席。
1970年前後の製造なので極めてシンプル。 -
1990年までのアメリカ大統領が搭乗した「エアフォース・ワン」(ボーイングVC-137B)。
内部を見学できるが、ある程度人数制限しているので数分の待ち時間がある。 -
C-137は、民間旅客機ボーイング707を改良した機体。
座席の配置も当然民間旅客機とは異なるが、想像していたよりは座席数は多かった。 -
執務室、会議室、通信室、調理室などが備わっている。
-
コックピットには凄い数のメーターやスイッチ類。
-
トランス・カナダ航空(現エア・カナダ)の「ロッキード・スーパー・コンステレーション」1049G。
レシプロエンジン旅客機の歴史の最後を飾る存在として著名な大型プロペラ旅客機である。
「コンコルド」と「エアフォース・ワン」以外の旅客機は、残念ながら内部の見学はできない。 -
「ワールドワー?・?ギャラリー」の1階は、「ワールドワー?ギャラリー」。
第二次世界大戦の戦闘機の数々が展示されている。
P-40「ウォーホーク」はアメリカ陸軍の戦闘機。
機首を鮫に見立てて口や牙・目を書き込む「シャークマウス」のノーズアートが描かれている。 -
大日本帝国の戦闘機。
残念ながら海軍の零式艦上戦闘機「ゼロ戦」なのか、陸軍の一式戦闘機「隼」なのか未確認。 -
「FG-1D」は、アメリカ海軍のレシプロ単発単座戦闘機F4Uコルセアのグッドイヤー製の機体。
主翼が胴体から翼端への途中で上向きに曲がっている「逆ガル翼」が特徴。
エンジン出力増加を活かせるよう直径の大きなプロペラを採用するためや爆弾取り付の作業性を向上させるために胴体を地面から離しつつ、主脚を短く設計できる等のメリットがある。
翼を折りたたんで航空母艦の収容スペースを節約する艦上機としての機能を持っている。 -
2階の「ワールドワー?ギャラリー」に上がる階段から見た、1階の「ワールドワー?ギャラリー」。
展示内容が豊富なので、じっくり見て回るには半日でも足りない博物館である。 -
1914年から1918年にかけの第一次世界大戦は、飛行機や戦車が本格的に投入された最初の戦争となった。
当時の飛行機は、主翼が2枚以上ある「複葉機」が主流だった。
飛行機の発展当初においてはエンジンが非力で速度が小さく、そのため機体を飛ばすのに必要な揚力を確保するには翼面積を大きくする必要があった。だが当時の翼は布張り木製で強度がなかった為、短い翼を上下に配置しその間に桁やワイヤーをめぐらす事で、強度を保ちつつ翼面積を大きくすることに成功した。 -
第一次世界大戦中の1917年に、ドイツ帝国のフォッカー社が製作した三枚翼の戦闘機(三葉機)「フォッカー Dr.I」。
撃墜王「レッドバロン」(赤い男爵)ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェンも愛用していたことで知られる。 -
「航空博物館」の閉館時間17:00が近付いてきたので、退館してダウンタウン行きのバス停に。
シアトル到着が遅れたこともあり、少しあわただしい見学だった。
バス停は「スペース・ギャラリー&エアパーク」へ行き来する歩道橋のすぐ近くにある。
17:00頃のバスでシアトルのダウンタウンに向かう。
そして、この旅もいよいよ最終章へと向かう。
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