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多賀城で壷碑に涙した芭蕉は、一旦塩釜の宿へ入り、御釜神社を参拝の後再び多賀城に立ち戻り、歌枕の地を散策。<br /><br />その夜は塩釜の銭湯で久しぶりに長旅の垢を洗い流し、月を愛でながら琵琶の音に耳を傾けた。<br /><br />芭蕉達は陸奥を代表する歌枕の地・塩釜の夜をを心に刻んだことであろう。<br /><br />翌朝塩竃神社を参拝した芭蕉達は、昼過ぎに塩釜の港で船を雇い、島伝いに待望の松島に向かう。<br /><br />塩釜の港のレストランで昼食を済ませた我々は、塩竃神社で芭蕉達の旅と歩を同じくし、その後志波彦神社、塩竃神社博物館を経て、塩釜の旅の最後に、前日芭蕉達が訪れた御釜神社を参拝し、塩釜港から松島クルーズの船に乗る。<br /><br />松島での芭蕉達は瑞巌寺、円通院、五大堂、そして芭蕉がここからの月が見たかったという雄島を廻るが我々もその後を追う。<br /><br />これらの訪問地もさることながら、芭蕉の心を一番印象つけたのは、洞庭湖や瀟水、西湖といった中国の名勝にも劣らない、松島湾の全体の景観であったようだ。<br /><br />その景観に感動のあまり、芭蕉は句を詠む事さえできなかった。<br /><br />”造花の天工、いずれの人か筆をふるい詞を尽くさむ”(奥の細道)<br /><br />”私には感動のあまり句を詠めなかった。誰かその感動を句を詠める人あらば聞きたいものだ”と。<br /><br /><br />芭蕉達は松島湾を見晴らす二階建ての旅籠に泊まる。<br /><br />幸い我々のホテルは松島湾を見晴らす松島センチュリーで、ホテルの窓からは松島湾のパノラマが広がり、美しい朱色の欄干橋で繋がれた松島湾最大の島・福浦島も目の前にあった。<br /><br />松島を発った芭蕉達は、石巻港を訪れ、日和山からも”黄金の花咲く”石巻港を眺め下ろしている。<br /><br />しかし日和山から我々が目のあたりにした石巻港は、大きな病院などの建物以外は建物らしいものは見当たらず、海辺に山と詰まれた瓦礫と、折り重なる自動車が3.11の物凄さを実感させた。<br /><br />奥の細道を訪ねて第9回の旅の最終地登米の手前で、芭蕉が旅籠も泊めてくれる家もなく、やっと泊めてもらったという村役人(検断)の家が昔あったという、”芭蕉翁一宿の地”を訪れ、その近くの縣社登米神社境内に建つ芭蕉碑を見に行く。<br /><br />登米は明治村を髣髴とさせる楽しい地区だったが、しかしこの一帯も3.11の災害は免れず、そこの6月に入ってやっと再開したという”蔵の資料館”で昼食。<br /><br />芭蕉達が登米村を訪れた形跡はない。<br /><br />奥の細道を訪ねて第9回の旅は登米を最後に、新幹線駅松島に向かった。<br /><br /><br />奥の細道を訪ねて第9回陸奥の国、塩釜より松島・登米まで 目次<br /><br />①塩釜での芭蕉の旅籠近くの塩を製造する四基の鉄釜が御神体の御釜神社 in 塩釜<br />②伊達政宗が再興した奥州一ノ宮・塩竃神社  in 塩釜 <br />③塩竃神社の別宮・志波彦神社と塩竃博物館と庭園 in 塩釜<br />④昼食を摂った松島クルーズの出航地塩釜港 in 塩釜<br />⑤貸切ボートで塩釜~松島クルーズ in 松島<br />⑥ホテル松島センチュリー前の松島湾最大の島・福浦島散策 in 松島<br />⑦松島湾のパノラマのヴューポイント双観山展望台 in 松島<br />⑧伊達家の菩提寺・瑞巌寺 in 松島<br />⑨通称”薔薇寺”伊達光宗の菩提寺・円通院 in 松島<br />⑩芭蕉がこの島から見る月を切望していた雄島 in 松島<br />⑪松島湾のシンボル五大堂 in 松島<br />⑫日和山公園から望む惨事後の石巻湾一帯と中瀬の変貌 in 石巻<br />⑬義経伝説”袖の渡り”の住吉公園 in 石巻<br />⑭西行ゆかりの地”西行の戻り松”と松島湾のパノラマ in 松島<br />⑮芭蕉翁一宿地跡と縣社登米神社の芭蕉の句碑 in 登米<br />⑯明治村の面影を髣髴とさせる登米歴史地区 in 登米<br />⑰復興再開早々の蔵の資料館で昼食 in 登米<br /><br /><br /><br />

奥の細道を訪ねて第9回陸奥の国、塩釜より松島・登米まで (目次)

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2012/06/13 - 2012/06/15

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WT信

WT信さん

多賀城で壷碑に涙した芭蕉は、一旦塩釜の宿へ入り、御釜神社を参拝の後再び多賀城に立ち戻り、歌枕の地を散策。

その夜は塩釜の銭湯で久しぶりに長旅の垢を洗い流し、月を愛でながら琵琶の音に耳を傾けた。

芭蕉達は陸奥を代表する歌枕の地・塩釜の夜をを心に刻んだことであろう。

翌朝塩竃神社を参拝した芭蕉達は、昼過ぎに塩釜の港で船を雇い、島伝いに待望の松島に向かう。

塩釜の港のレストランで昼食を済ませた我々は、塩竃神社で芭蕉達の旅と歩を同じくし、その後志波彦神社、塩竃神社博物館を経て、塩釜の旅の最後に、前日芭蕉達が訪れた御釜神社を参拝し、塩釜港から松島クルーズの船に乗る。

松島での芭蕉達は瑞巌寺、円通院、五大堂、そして芭蕉がここからの月が見たかったという雄島を廻るが我々もその後を追う。

これらの訪問地もさることながら、芭蕉の心を一番印象つけたのは、洞庭湖や瀟水、西湖といった中国の名勝にも劣らない、松島湾の全体の景観であったようだ。

その景観に感動のあまり、芭蕉は句を詠む事さえできなかった。

”造花の天工、いずれの人か筆をふるい詞を尽くさむ”(奥の細道)

”私には感動のあまり句を詠めなかった。誰かその感動を句を詠める人あらば聞きたいものだ”と。


芭蕉達は松島湾を見晴らす二階建ての旅籠に泊まる。

幸い我々のホテルは松島湾を見晴らす松島センチュリーで、ホテルの窓からは松島湾のパノラマが広がり、美しい朱色の欄干橋で繋がれた松島湾最大の島・福浦島も目の前にあった。

松島を発った芭蕉達は、石巻港を訪れ、日和山からも”黄金の花咲く”石巻港を眺め下ろしている。

しかし日和山から我々が目のあたりにした石巻港は、大きな病院などの建物以外は建物らしいものは見当たらず、海辺に山と詰まれた瓦礫と、折り重なる自動車が3.11の物凄さを実感させた。

奥の細道を訪ねて第9回の旅の最終地登米の手前で、芭蕉が旅籠も泊めてくれる家もなく、やっと泊めてもらったという村役人(検断)の家が昔あったという、”芭蕉翁一宿の地”を訪れ、その近くの縣社登米神社境内に建つ芭蕉碑を見に行く。

登米は明治村を髣髴とさせる楽しい地区だったが、しかしこの一帯も3.11の災害は免れず、そこの6月に入ってやっと再開したという”蔵の資料館”で昼食。

芭蕉達が登米村を訪れた形跡はない。

奥の細道を訪ねて第9回の旅は登米を最後に、新幹線駅松島に向かった。


奥の細道を訪ねて第9回陸奥の国、塩釜より松島・登米まで 目次

①塩釜での芭蕉の旅籠近くの塩を製造する四基の鉄釜が御神体の御釜神社 in 塩釜
②伊達政宗が再興した奥州一ノ宮・塩竃神社 in 塩釜
③塩竃神社の別宮・志波彦神社と塩竃博物館と庭園 in 塩釜
④昼食を摂った松島クルーズの出航地塩釜港 in 塩釜
⑤貸切ボートで塩釜~松島クルーズ in 松島
⑥ホテル松島センチュリー前の松島湾最大の島・福浦島散策 in 松島
⑦松島湾のパノラマのヴューポイント双観山展望台 in 松島
⑧伊達家の菩提寺・瑞巌寺 in 松島
⑨通称”薔薇寺”伊達光宗の菩提寺・円通院 in 松島
⑩芭蕉がこの島から見る月を切望していた雄島 in 松島
⑪松島湾のシンボル五大堂 in 松島
⑫日和山公園から望む惨事後の石巻湾一帯と中瀬の変貌 in 石巻
⑬義経伝説”袖の渡り”の住吉公園 in 石巻
⑭西行ゆかりの地”西行の戻り松”と松島湾のパノラマ in 松島
⑮芭蕉翁一宿地跡と縣社登米神社の芭蕉の句碑 in 登米
⑯明治村の面影を髣髴とさせる登米歴史地区 in 登米
⑰復興再開早々の蔵の資料館で昼食 in 登米



同行者
一人旅
交通手段
観光バス 新幹線 JRローカル
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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  • ①伊達政宗が再興した奥州一ノ宮・塩竃神社 と塩竃博物館 in 塩釜 <br />

    ①伊達政宗が再興した奥州一ノ宮・塩竃神社 と塩竃博物館 in 塩釜

  • ②明治天皇の思し召しにより、国費で建設された最後の社殿・志波彦神社 in 塩釜<br />

    ②明治天皇の思し召しにより、国費で建設された最後の社殿・志波彦神社 in 塩釜

  • ③塩を製造する四基の鉄釜が御神体の御釜神社 in 塩釜<br />

    ③塩を製造する四基の鉄釜が御神体の御釜神社 in 塩釜

  • ④松島クルーズの出航地塩釜港で昼食 in 塩釜<br />

    ④松島クルーズの出航地塩釜港で昼食 in 塩釜

  • ⑤貸切ボートで塩釜~松島クルーズ in 松島

    ⑤貸切ボートで塩釜~松島クルーズ in 松島

  • ⑥伊達家の菩提寺・瑞巌寺 in 松島<br />

    ⑥伊達家の菩提寺・瑞巌寺 in 松島

  • ⑦通称”薔薇寺”伊達光宗の菩提寺・円通院 in 松島<br />

    ⑦通称”薔薇寺”伊達光宗の菩提寺・円通院 in 松島

  • ⑧芭蕉がこの島から見る月を切望していた雄島 in 松島<br />

    ⑧芭蕉がこの島から見る月を切望していた雄島 in 松島

  • ⑨松島湾のシンボル五大堂 in 松島<br />

    ⑨松島湾のシンボル五大堂 in 松島

  • ⑩松島湾のパノラマのヴューポイント双観山展望台 in 松島

    ⑩松島湾のパノラマのヴューポイント双観山展望台 in 松島

  • ⑪西行ゆかりの地”西行の戻り松”と松島湾 in 松島<br />

    ⑪西行ゆかりの地”西行の戻り松”と松島湾 in 松島

  • ⑫ホテル松島センチュリー前の松島湾最大の島・福浦島散策 in 松島<br />

    ⑫ホテル松島センチュリー前の松島湾最大の島・福浦島散策 in 松島

  • ⑬日和山公園から望む惨事後の石巻湾一帯 in 石巻<br />

    ⑬日和山公園から望む惨事後の石巻湾一帯 in 石巻

  • ⑭芭蕉一宿の地で袖の渡しがあった登米神社の辺りの景観 in 登米<br /><br />

    ⑭芭蕉一宿の地で袖の渡しがあった登米神社の辺りの景観 in 登米

  • ⑮芭蕉翁一宿地跡と縣社登米神社の芭蕉の句碑 in 登米

    ⑮芭蕉翁一宿地跡と縣社登米神社の芭蕉の句碑 in 登米

  • ⑮明治村の面影を髣髴とさせる登米歴史地区 in 登米<br />

    ⑮明治村の面影を髣髴とさせる登米歴史地区 in 登米

  • ⑯復興再開早々の蔵の資料館で昼食 in 登米

    ⑯復興再開早々の蔵の資料館で昼食 in 登米

  • 塩釜〜登米旅行マップ

    塩釜〜登米旅行マップ

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