1956/11/23 - 1956/12/04
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Berg Heilさん
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11月下旬 大学創立記念日を中心に「EVE」と称して一週間休講になる。この休暇を利用して毎年初冬の山に入る。この時は4パーティーに分散して縦走を主とした山行となった。我々のパーティーは 細野ー八方尾根ー唐松ー五竜ー鹿島槍ー爺ー種池ー扇沢ー大町 の縦走計画であった。
ところが思わぬ悪天候の連続 唐松小屋に3日 白岳小屋(現・五竜山荘)に3日 吹雪で閉じ込められ、日程と持参糧秣の関係もあって、遠見尾根を神城へ下山する事になった。ところが遠見尾根は首まで潜る新雪で 夏なら5時間で下山出来るのに2日半かかってしまった。 一日目は大遠見下で、2日目は小遠見下でビバーク、新雪は柔らかく雪洞が掘れず 仕方なく大きな木の下を踏み固め、くぼ地を作りツエルトを被って2晩を過ごした。
下山して神城から大町に出、なじみの食堂へ立ち寄ったら、我々があまりにも下山が遅れていたので心配した先輩がすでに捜索準備の為 大町に来ていた。あと半日遅れたら各方面を煩わす遭難騒ぎとなっていた。
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第3ケルン(?) 向こうに 天狗の大下り 不帰の峰々
当時は未だ八方尾根にはケーブルカーもリフトも全く無い時代 細野部落から最初の宿泊予定の黒菱住友小屋迄3時間かけて登った。 -
八方尾根を行く。 黒菱から唐松小屋迄 7時間半
向こうに目的の 五竜岳(右) 鹿島槍ヶ岳(左)
未だこの時は高曇りで行動に差し支えなかった。 -
八方尾根 稜線迄は まだまだ
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氷ついている 唐松小屋 不帰の岩場が光っている。
白馬岳からはここの難所を越えてくる。 -
唐松小屋の鐘 濃霧の時は小屋の方角を知らせる。
向こうに黒部の谷を隔てて剣岳。 -
吹雪で閉じ込められて4日目、見事に晴れ上がった。強風の稜線を白岳へ向かう。 正面は五竜岳 その左が白岳。
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晴れ上がった初冬の空の下、新雪に装った剣岳が。直下は餓鬼谷が黒部へと落ちる。
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五竜岳も近くなってきた。昨日までの荒天がうそのように晴れ上がった中を縦走。 アイゼンが快適に軋む。
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牛首岳付近 惚れ惚れとする新雪の剣・立山連峰の美しさにしばし見とれる。
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五竜岳 手前の山が白岳 この間に白岳の小屋がある。
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左が信州側 白岳沢 小屋へ一泊したら次の日は吹雪、さらに翌日も。 縦走計画を断念して遠見尾根を下山することにしたが、吹雪止まず、早朝小屋を出てみたものの 白岳のピークにも全く近けず、小屋にひき返す。 翌日は見事に晴れ上がった。
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白岳のピークから長い急なナイフリッジを何とか下り、平坦なところに出た。ところがこの尾根をご存知の方はわかると思うが大遠見から平坦な尾根になる。と言うことは新雪がどっかり積もり首まで埋まるラッセルである。先頭を5分交代で進むが一行にはかどらない。 横へ倒れればそのまま逆さに埋ってしまう。こんなラッセルは 後にも先にもなかった。
向こうに輝く鹿島槍を越すつもりだったはず。 -
わっぱ(わかん)をつけてはいたが あまりの積雪で足が雪の上まで上がらない。仕方が無いので小型のスコップ(円匙 エンピと読んでいた おそらく軍隊用語か?)で雪の上を叩き、へこましてからラッセルをした。かなりの体力を使うアルバイトである。
鹿島槍の直下は平家落人伝説の谷 カクネ里
それにしてもこんな谷に人間が住めたものか?
(カクネ里とは隠れ里から来たものの由) -
こんなラッセルが丸2日の連続。体力もあり、なんと行っても若かったのだ!! したがってこの尾根で2日間のビバーク。
八方尾根にもゴンドラやリフトが無い時代、ましてや遠見尾根に無いのは当然。 -
遠見尾根からの鹿島槍。
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五竜岳直下 信州側
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1956年の「信濃四谷駅前」 現・白馬駅 こんなボンネット型のバスだった。このバスで八方尾根登山口の細野迄。
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