2000/10/06 - 2000/10/13
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旅人のくまさんさん
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<2000年10月9日(月)>
今日も素晴らしい天候に恵まれました。午前中がドゥオモを主体としたフィレンチェ市内観光、午後が、ピサの観光です。
今回の旅行で、私自身最も期待していたイタリアの観光スポットでもあります。
<ドゥオモ、花の大聖堂>
フィレンチェ市内は車の乗り入れが制限されていると言います。それで、車を降りて徒歩で観光することになりました。そんなに広い地域ではありませんし、徒歩が一番似合っています。渡辺さんが引き合わせてくれたのは、佐藤さんと言われる日本人の現地ガイドさんです。長くこの地に棲まれているようです。フィレンチェの魅力にとりつかれた、おひとりなのかも知れません。それだけの魅力を持った町に感じました。
佐藤さんの解説は、十分な下調べに基づいていたようです。歴史、文化、技術などの面から多様な解説を分かりやすくして頂き、つい、その説明に聞き入りました。
花の大聖堂の別称で知られるドゥオモについては、少し解説書から引用させてきます。「1296年、アルノルフォ・ディ・カンビオの設計で建造がはじめられた大聖堂は、八角形の内陣にキュポラを乗せるという産後の難事業を、ブルネレスキの発案による二重構造の建築法で16年の歳月をかけ、1436年に完成した」とあります。実に140年の歳月を要しています。ここの部分を佐藤さんは更に詳しく解説してくれました。
ドゥオモの付属博物館も、佐藤さんの詳しい解説を聞きながら見学する事ができました。サン・ジョバンニ礼拝堂も隣接しており、ミケランジェロが「天国の門」と絶賛したロレンツォ・ギベルティの旧約聖書をモチーフにした扉もゆっくり見学する事ができました。
フィレンチェは、ゆっくりと滞在して、のんびりと芸術、文化、そして情緒豊かな町並みを楽しんでみたい町です。できることなら、今回をその下見、練習としたいところです。
<街中の彫刻群>
フィレンチェの町並み自体が一つの幻術、文化、歴史を感じさせますが、町の至る所に飾られた彫刻群を見ると、その思いが一層強くなります。どれがオリジナルで、どれがレプリカかは判断がつかないものの、その詮索は全く必要ありません。レプリカであろうと、それ自体が十分な価値と、時代を経てきた重みと落ち着きがます
<フィレンチェで見かけた樹木、草花>
フィレンチェの駐車場へ向かう途中で見かけた街路樹や、歩きながら見つけた樹木は、次のようなものでした。楓(かえで)、ポプラ、プラタナス、夾竹桃(きょうちくとう)、槿(むくげ)、赤松、欅(けやき)、黄楊(つげ)、百日紅(さるすべり)、ピラカンサ、石榴(ざくろ)、ユッカ、車輪梅(しゃりんばい)、ヒマラヤシーダー、琵琶(びわ)、泰山木(たいさんぼく)、エンジュ、棕櫚(しゅろ)、樅(もみ)、木蓮(もくれん)、楠(くす)、ブナ、藤等でした。草花の種類は少なく、気が付いたのは、ペチュニア、バラ、ゼラニウムなどに過ぎませんでした。
<昼食、好き嫌いについて>
昼食はパスタでした。私は今まで「食べ物の好き嫌いが無い」と言ってきましたが、良く考えてみると、余り正確な表現ではないかも知れません。「嫌いなものは無いが、好きなものはある」の方が正しいようです。しかし、一般的な表現ではありませんから、このニュアンスを込めながら、先ほどの表現を使ってきました。グループの中には、そろそろ日本食が恋しくなってきた人達がいるようでした。「パスタ」と聞いたとたん、少しがっかりしたような声も聞こえてきました。私は美味いワインがあれば、言う事はありませんので、いつも存分に食事を楽しむことができました。
<トスカーナのワイン>
どの範囲がトスカーナ地方なのかは、詳しくは知りません。しかし、フィレンチェとピサは、間違いなくこの地方に含まれているようです。このトスカーナ地方はイタリアでも有数なワインの産地、葡萄の産地です。ワイン解説書によれば、「キャンティ、キャンティ・ブット、キャンティ・クラシコは、サンジョベーゼ種、カナオーロ種と言う黒葡萄を主体に、これにトレビアーノ・トスカーノ種、マルヴァジア種という白葡萄が一部混醸されている珍しいタイプ」とありました。ただし、全部の種類に混ぜてあるのではなく、「若いうちに飲むことを目的としたキャンティ・ワイン等で行われている」とありました。
キャンティの軽さ、飲みやすさが、この解説で少し理解できたような気がしました。
<ピサの斜塔>
ピサはフィレンチェから北西の方向に当たります。距離は90km程度です。イタリア半島の長靴の付け根に入りこんだリグニア海に面した港町です。フィレンチェからピサへ向かう街道は田園地帯の中に有り、その高速道と平行して送電鉄塔が立ち並び、遠くには低い山並みが見えました。採石の跡が残ったところもありました。
ピサの斜塔は、ガリレオ・ガリレイの重力の実験で世界に知られる名所です。12世紀の建設途中から傾き始めたとされ、上の階は身をよじるように、傾きと反対方向に修正されて積み上げられています。これは、肉眼でも十分に読み取る事ができます。
近年傾きが更に進み、倒壊、または折損する恐れがあるとされ、修復作業の真最中でした。このため付近に立ち入る事も、まして登る事はできません。修復作業は、真空引きで北側と東西の土を吸い取り、北側に鉛の重石を載せるなどで行われていました。太いワイヤーロープが中層階に取り付けられ、北側の支柱で支えられていました。
ピサへ向かう車中にて
午後の陽を頬に受けつつ只管にピサへと向う風も無き日に
半島の西の向てピサへ往く高速道路に続く鉄塔
両側の山並の端消えし時町の外れにピサの塔見ゆ
道の脇並べ植たるプラタナス終の住処を待つ育む
山並は人の伏たる姿にて雲は動かじ秋晴の空
午後の陽をポプラ殊更葉に受て大樹もありき幼樹も又
向日葵の黒き姿で萎たり土堀起す畑の傍ら
ピサの斜塔にて
傾ける塔は西陽を受て建ち紅き大旗の緩くはためく
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- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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小高い岡から見下ろしたフィレンチェの街です。中央のドームがドゥオモです。昨日撮った写真もまとめて、ここで紹介します。
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風景画家が、それぞれに自作を並べて販売していました。水彩画が1000円相当でしたたので、2枚買い求めました。
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フィレンチェの岡の上に立つダビテ像です。余りに有名な作品ですから、レプリカかも知れません。ブロンズ製です。
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ベゴニアが綺麗に咲き揃っていましたので撮影しました。車が多く、道路越に写しましたので、余り綺麗には写りませんでした。
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フィレンチェの重要な建造物が纏めて写りました。サン・ジョバンニ礼拝堂、ジオットの鐘楼、そしてドゥオモです。
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フィレンチェでも最も古い建造物の1つで、サン・ジョバンニ礼拝堂と解説書に載っていました。11世紀の建造といいます。
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洗礼堂の入り口の1つ、青銅でできた扉の飾りは、名のある人の作と思われます。3体の彫刻も、同じかも知れません。
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この門は「天国の門」です。「余り人を誉めなかったミケランジェロが絶賛した」と、現地ガイドさんからお聞きしました。日本人の佐藤さんという男性の方で、薀蓄の深い解説をして頂きました。後で、ガイドブックで確認しましたら、ギベルティの傑作とありました。
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天蓋を架ける最後の難工事は、ブルネイスキの発案による二重構造の建築法です。16年の歳月をかけ、1436年に完成したといいます。
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ドゥオモと呼ばれるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂です。その天蓋の下のステンドグラスの紹介です。
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続けてステンドグラスを紹介します。余りの大きいドームですから、ステンドグラスは、むしろ地味に見えました。
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高い位置にあった三連のステンドグラスです。その部分だけ切り取ってアップしましたが、これが限度です。文様の細かな点までは読み取れません。
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上が3連、下側が1つだけのステンドグラスです。ステンドグラスの部分だけ明るくなりすぎて、文様までは判りません。
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教会内の階段です。滑り止めが施されていました。この階段を登って見学することも出来ました。
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天井に近い分部にあった飾りです。中央の円形の飾りには1から24までの数字が記されています。24時間刻みの時計かも知れません。
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ドゥオモの見事な天蓋です。技術的に大変難しく、その建築過程を、現地ガイドの佐藤さんが詳しく解説してくれました。
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ジオットの鐘楼を真下から見上げたところです。解説書によれば、1334年にジオットの設計により建設がはじめられ、幾人かの手を経て1359年に完成したとされます。高さは84mです。
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建ったすがタウや据わってスケッチしているのは、画学生さん達でしょうか。それを熱心に見詰める人達もいました。
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修復作業中のドームです。今は足場だらけで無粋ですが、文化財の保護のためには、必要な事に違いありません。
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足元の丸い円を写しました。現地ガイドの佐藤さんによれば、屋根の一番高いところから落下した飾りが、この位置まで飛んで来たと言った話でした。
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ドォウモの付属博物館の展示品をいくつか紹介します。残念ながら、作家名、作品名はほとんど判りません。聖人像のようです。
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大聖堂の門主の一人でしょうか。解説書にも無いのでよくは分かりません。台座の数字は8世を意味しているようです。
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中央は、幼子イエスを抱いた聖母子像でしょうか。その左の像や、背後の飾り等も、一体として作られたもののようです。
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マグダレナのマリア像との解説を聞いたような気がします。キリスト亡き後の、苦難の修行とも聞いたような気がします。
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かなりリアルな表現のキリストの磔刑像です。釘を打ち付けられ、流れる血の色も表現してあります。
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ミケランジェロの作品と伝えられます。中央が十字架から下ろされたキリスト、右がマリアです。
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精巧な彫刻を施したテラスです。何に用いたのかは良く判りません。説教をする時の演台になったのかも知れません。
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現地ガイドの佐藤さんは、上のテラスと下のテラスとの違いを、レリーフ部分の遠近法の技術差などで説明されていました。
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修復作業のために取り外されたオリジナルの作品が展示してありました。これは木製レリーフです。聖人、羊と牧用犬が描かれています。
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これも撮り外されて展示してあった菱形のレリーフです。少し高い位置にありました。マリア像のように見えます。同じ木製品です。
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