★春のチュニジア＋イタリア（１３） −チュニス近郊、カルタゴとシディ・ブ・サイドへ

2006/03/20 - 2006/03/20

さて、明日の朝はチュニジアを出るという日。
午前中はラフ・ラフの海辺周辺を回り、久々に水気の多い風景で目の保養。

午後にはやっぱりカルタゴの遺跡だよね〜。
そのあとはまたシディ・ブ・サイドの青と白の町へ行こう。

と、話しつつ向かうカルタゴ。

カルタゴは戦争と復興の歴史を繰り返した土地らしい。
フェニキアの女王によって建設され、その後はローマとの３度にわたる戦争で陥落。
その後復興したものの、アラブの侵入に遭って衰退してしまった町…。

歴史の移り変わりを示すものはまだあるのか。

表紙の画像は、カルタゴの遺跡の１つ≪ローマ別荘≫跡から見たチュニス湾

エリア カルタゴ(チュニジア)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー

ラフ・ラフからカルタゴ到着。

遺跡の一つ、≪ローマ別荘≫前に駐車スペースがあってラッキー！

ここの入り口でチケット購入。
８つの見所を含めたチケットが７ディナール。カメラ１台につき、別途１ディナール。

見所は一ヶ所に固まっているわけではなく、直径１ｋｍちょっとの円の中に点在している形なので、事前に見たい場所をチェックしていくのをお勧め。

≪ローマ別荘≫は、別荘跡地と言ったほうが適切。


カルタゴの古代の栄華はいずこへ？


…と思わせる敷地には、今も昔も変わらず春の訪れ。

草生す丘と化した敷地に崩れた昔の建物が点在。

今も青い空はこの地の栄枯盛衰を見て来たに違いない。


その敷地の中の小道を、今、私も歩く。

春の花咲く向こうに、一本だけ残った石柱が侘しげ。

復元されていない石柱が横たわる光の中。

丘の上から見下ろせば、霞の中のチュニス湾。


カルタゴ征服にやって来たローマ兵もアラブ人も、この海を渡ってきたんだなあ。


そんな歴史を微塵も感じさせない、のどかな眺め。

そこここに残る栄華の残骸も、春の日の中で物悲しい。


ハチの羽音、花の香り。

修復が進んでいるらしい所もあった。


そのうちにミニ博物館になるのかな。

床のモザイク画が残っていた。

楽園の中の水鳥？

シチリア島の遺跡を想い出す。

ん？　あの中には何が？


入ってみたら、出土品がずらりと並ぶ中で、修復しているらしい人が数人作業中。


こういう地道な仕事が歴史研究に役立つことを祈りつつ、そっと立ち去るSUR SHANGHAI。

太陽の色だね。

春の空に向かって背を伸ばす植物。

ここでも旦那は「なんだ、別荘って言ったって、何も無いじゃないか。」


う〜ん、旦那は歴史のロマンを感じない男なのでありました…。


≪ローマ別荘≫を去る途中で見た不思議な形の街路樹。

「俺はギリシャ劇場が見たい。」


ギリシャ劇場は新しく復元された所だって聞いたけど…。


チケット料金に含まれているし、≪ローマ別荘≫からも近いので、旦那の希望も尊重してご入場。

二人を迎えてくれたのは、トイレ標識のあるレプリカ美女。(^^ゞ

劇場脇の階段を上る。


爽やかな午後。

復元された劇場は、この日も何かの催しの準備途中。

劇場上のフェンス周りも春の色。

「≪アントニヌスの共同浴場≫も見に行こうよ。」


答えは「昔の風呂場を見てどうする。」だって…。(T０T)


「それよりシディ・ブ・サイドに今のうちに行かないと暗くなるぞ。」


自分が喉が渇いたから一休みしたいんでしょ。

しぶしぶ…。

カルタゴからシディ・ブ・サイドにかけての道はご用心。

大統領官邸や政府関係者（？）の住居が多いので、駐車禁止や立ち入り禁止の道多し。


シディ・ブ・サイドに着いても、住民しか駐車できない所もありますよ。

前日と同じく、近郊駅近くに駐車できてハッピー。


あれ、この絵は旗の模様が違うけど、我が住む中国っぽい色と絵柄。

ここがシディ・ブ・サイドの丘の麓。

この駐車場は、観光バスと許可がある車しか駐車できないのでご注意。
黄色いタクシーが客待ちしているので、帰りの足が欲しい方はどうぞ。

丘への上り口。

街路樹がオレンジなのは気が利いている。

あ、やっぱり暗くなる前に来てよかった、かな。
青と白と赤の取り合わせが一層鮮やか。


≪アントニヌスの共同浴場≫には未練があるけど。

ぼくの大好きなモハメドさんちのミーちゃん、いつも今頃出てくるんだよね。


ワクワク　♡♡　ドキドキ　♡♡

あれ？　今日はどうしたのかなあ。

戸は開いてるから出て来られるはずだけど…。


もうどっかに行っちゃったのかなあ…。

待ちぼうけ？

もう！　イライラする〜〜〜〜！！！

この日見つけた素敵なカフェは、チュニス湾を見下ろすこの建物横の入り口から。

そのカフェの名は≪SIDI CHEB’AANE≫。
斜面に沿って段々畑のようにしつらえられた席がいっぱい。

チュニス湾がよく見えますよ。

夏は木陰の席にどうぞ。

チュニジアでは最後のオレンジの生ジュース。

青いテーブルに映える色。

向かいの席のおねえさんたちは、何やら濃厚な雰囲気なのでありました。


「おいおい、あのねえちゃん…。」

「なによ…。」

「ストッキングの中の脚、お前より毛深い。」

余計なお世話！

濃厚チックなおねえさんたちを後にして、再び彷徨う青と白の町、シディ・ブ・サイド。

白い壁に落ちる影も薄青いシディ・ブ・サイドの町。

青と白の風景の中の紅数点。

青い扉ばかりじゃありません。

ニャ〜ニ？

夏には緑で埋め尽くされそうな青い窓。

向こうに見える小さい窓の形が面白い。

いい感じのホテル発見！

さっそく後学のために中を見せてもらうSUR SHANGHAI。

上の入り口から入ると、カフェもある中庭の周りを青い扉の部屋が取り囲んでいる造り。

その部屋のうちの一つ。

う〜ん、いい風情。

空きがあって見せていただいたツインはこんな感じ。インテリアがエキゾチック。
小さなシャワースペース＋トイレ付き。
お値段はシングル２８、ダブル６５、トリプル７０ディナール。

ホテルの名は≪HOTEL BOU-FARES≫
場所はシディ・ブ・サイドの名物カフェ≪カフェ・デ・ナット≫手前左側の小路を２，３０ｍ入った所。

所在地：15, RUE SIDI BOU FARES
ホームページは残念ながら無し。[e-mail]

こういうホテルがあると知っていたら泊まりたかった。

また丘の下に向かう道からそのホテル方向を見上げたシディ・ブ・サイドの町並み。

観光客や地元の人も集まるカフェ辺り。

真っ青な空、白い壁、赤い旗の影。

他の建物の影の中にひっそりとあった扉。


「開け、ゴマ！」と言ってみたくなる。

幾何学模様に区切られた町並み。

こんなトンネル風の通路もあって。

オレンジと青い窓。

シディ・ブ・サイドとお別れの街角。


また会える日は来るんだろうか。

小高い丘の上に建つ≪シェラトン・チュニス≫の部屋からの夕景。

ああ、チュニジア最後の夜。

明日からは数日イタリアへ。

この旅行記へのコメント （13）

• バートンさん 2008/05/23 23:44:34

  シティーブサイドのカフェ

  SUR SHANGHAIさん、こんにちは。
  
  懐かしいチュニジアにお邪魔してます。
  私が行ったのは２月。なのでどこも、かしこも乾いた大地でした。
  アフリカって砂のイメージなので緑が無いと思ってましたが
  こんなにも草木の溢れるんですね。
  
  このカフェに私も行きましたよ。
  松の実のお茶を頂きながらまったりタイム。
  階段状の店内から見た地中海はとても綺麗だった。
  ２月と言えど日差しがとても強く海がキラキラしてましたっけ。
  SUR SHANGHAIさんの旅行記を拝見し
  懐かしい思いにふける事ができました。
  
  ばーとん

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2008/05/24 10:57:12

  RE: シティーブサイドのカフェ

  > 私が行ったのは２月。なのでどこも、かしこも乾いた大地でした。
  > アフリカって砂のイメージなので緑が無いと思ってましたが
  > こんなにも草木の溢れるんですね。
  同じ場所でも、季節によって雰囲気がガラリと変わるのは自然の摂理と言えど不思議なものですね。
  私もチュニジアのほかの場所では砂と岩だらけの風景を見たので、チュニスあたりは水気がある風景だと気付いて驚きました。
  
  > このカフェに私も行きましたよ。
  > 松の実のお茶を頂きながらまったりタイム。
  > 階段状の店内から見た地中海はとても綺麗だった。
  > ２月と言えど日差しがとても強く海がキラキラしてましたっけ。
  ここのカフェ、段々畑のようになっているから、誰でも海の風景が見えていいなあと思いました。(*^。^*)
  白い街の中から見る青い青い空と海。今も幻だったような気がします…。

• chicorinさん 2007/09/28 22:15:55

  チュニジア旅行記拝見しました。

  はじめまして。
  sur　SHANGAHAIさんは、たくさんの国を訪れているのですね。
  57カ国なんてすごい！びっくりしました。
  旦那様と一緒に世界中を旅されているのですか？
  私も未来の旦那様と世界中を旅するのが夢なんです！
  いつか、SUR　SHANGAHAIさんみたいに旦那様と
  世界中を旅できたらいいなと思います。
  
  一月ごろにチュニジアに行く予定です。
  旅行記拝見しましたが、チュニジアって
  結構リゾートっぽい感じですね。
  やしの木がたくさん生えてて、
  ホテルなんかもリゾートっぽくて。
  私、リゾート大好きなので
  今からとっても楽しみになりました。
  
  シェラトンチュニスいかがでしたか？
  シェラトンチュニスに泊まるツアーと
  そうでないツアーとどちらにしようか迷ってます。
  
  一月はプールで泳げるでしょうか？
  三月の気候はどうでしたか？
  お花の写真がとってもきれいでしたね。
  
  
  
  
  

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2007/09/29 09:36:04

  RE: チュニジア旅行記拝見しました。

  はじめまして。ご訪問と書き込み、ありがとうございます。m(__)m
  
  その時々で主人との旅行の時もあれば、一人旅の時もあります。
  多くのトラベラーさんの中には、さらに多くの国々を回られた方もいらっしゃいますよ。
  chicorinさんもこれからあちこちお出かけしてみてくださいね。(*^。^*)
  
  チュニジア旅行記を見てくださったんですね。ありがとうございます。m(__)m
  チュニジアは砂漠とオアシスの風情がよかったです。
  たまたま旅の途中で見つけて泊まった宿も、思いがけなく楽しめました。
  
  シェラトン・チュニスはちょっと繁華街から離れた小高い丘の上にありました。外に出るとすぐに街の中と言うわけではありませんでしたが、お部屋や設備の方はよかったですよ。
  ここに泊まるなら街を見下ろせる位置のお部屋にするのがいいと思います。
  
  １月の気候はよく分かりませんが、私たちが行った３月は朝夕はジャケットが必要なくらい、昼は長袖シャツだと歩いているうちにちょっと汗ばむ感じでした。
  
  あまりお役に立てない答えですみません。
  次の「教えて！トラベラー｣で質問してみると、もっと情報が得られるかもしれませんよ。http://4travel.jp/qa/
  
  では、chicorinさんのチュニジア旅が素晴らしい物になるよう、お祈りしています。(*^。^*)
  
  

  chicorinさん からの返信 2007/10/04 18:47:22

  RE: チュニジア旅行記拝見しました。

  
  アドバイス、ありがとうございました！
  
  

• sunnyさん 2006/04/20 00:41:28

  ふらりと訪ねてまいりました

  SUR SHANGHAIさん
  
  はじめまして。チュニジアブルーに誘われてふらりと訪ねてまいりました。
  写真を拝見して目の前に本当に景色が広がっているような錯覚に陥りました。力のある作品ですね、素敵です。
  
  こちらと同じブルーの都、秋に行こうと考えているサマルカンド、こんな写真が撮れたらいいなと思うのですが・・・
  
  じっくり見させてくださいね。
  お邪魔しました。
  
  sunny321
  
  

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2006/04/20 01:24:16

  RE: ふらりと訪ねてまいりました

  ご訪問と書き込み、ありがとうございます。m(__)m
  
  青の名所は世界各地にあって、チュニジアの青もその一つ。
  幸い天候もまずまずで、その青も楽しんできました。
  
  サマルカンドは写真でしか見たことがありませんが、やはり青が有名ですよね。光に映える空の青と町並みの青。
  
  秋にはそれらを存分に味わって来てくださいね。(*^_^*)

• まみさん 2006/04/19 08:15:11

  まだありましたね、チュニジア編

  SUR SHANGHAIさん、こんにちは。
  
  春爛漫。遺跡と春の花の姿がステキです@
  私がカルタゴに行ったときは、ブーゲンビリアはよく咲いていましたが、草花は枯れたのも多かったです。
  これのなれの果てかな〜。違うかな〜。

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2006/04/20 00:32:14

  RE: まだありましたね、チュニジア編

  いや〜、チュニジア編完了でごわす。(^○^)
  
  はあ〜、しんど。目がショボショボ、指もプルプル。
  
  何事もテキパキ出来ないたちなので、１日にせいぜい二つアップできれば上出来の私。
  
  チュニジアにも季節季節のつわものの花があったのでは？
  私が行った時にはブーゲンビリアは影も形もありませんでしたよ。
  
  

• ぶらぼ〜ゲンさん 2006/04/19 00:55:11

  初めまして。

  写真に惹かれました！
  お上手なんですね＾＾（プロの方でしょうか？）
  
  海外も色々行かれててビックリです！！
  
  まだ全部は見てないのですが、時間のある時、見させて頂きます！！

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2006/04/20 00:26:37

  RE: 初めまして。

  ご訪問と書き込み、ありがとうございます。m(__)m
  
  写真は好きで撮っているだけなんですよ。
  自分で見て、「ああ、いいなあ。」と思うものをパチリだけ。(^^ゞ
  光が、絞りが、スピードが、と言うことはまるっきり(?_?)です。
  
  後程そちらにもお伺いさせていただきます。(*^_^*)

• RiEさん 2006/04/18 22:36:24

  チュニジアンブルーに誘惑されてしまぃました★

  チュニジアって建物が素敵なイメージしか湧かなかったけど、緑もとっても豊かなんですね(^^ゞ
  
  Cafeのテーブルも、家も、空もチュニジアンブルーで本当にオシャレ★★★
  素敵すぎデス(*^_^*)
  私もあんな街に住みたぃなぁ・・・。
  ドアや窓枠も凝っていてときめいてしまぃます。
  
  チュニジアは遠ぃからきっと憧れだけで、私はきっと行けなぃ国だけれどSUR SHANGHAIさんの旅行記で気持ちはチュニジアンブルーに染められてしまぃマシタ(^。^)

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2006/04/20 00:19:36

  RE: チュニジアンブルーに誘惑されてしまぃました★

  私もう〜〜〜〜んと若かった時には、将来こんなに旅行できる日が来るとは思っていませんでしたよ。
  小学生だった時には、一生に一度でいいから外国に行ってみたい！なんて思ってたし。(^^ゞ
  
  まだまだどこにでも行けるチャンスはある！と信じましょう。(*^_^*)
  まずは身近な所でも楽しめればいい旅、だと思ってます。