2025/06/29 - 2025/06/29
5位(同エリア543件中)
旅猫さん
旅の二日目は、今回の旅の発端となった寒風山へと向かう。寒風山を訪れるのは、27年ぶりである。併せて、近くにある滝の頭と呼ばれる湧水地にも立ち寄る。宿は秋田市内に取り、夕飯は、市内の麦酒工房で食べることにした。
(2025.07.18投稿)
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- タクシー JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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横手駅を7時56分に出る列車に乗り、秋田駅へ向かう。日曜日と言うことで、通勤通学の混雑は無いが、秋田駅に近付くに連れ、結構混み合った。一時間余りで秋田駅に到着し、男鹿線のホームへ移動した。そこには、すでに列車が入っていた。停まっていたのは、新型の車両であった。蓄電池で動く車両で、電化されていない区間でも走ることが出来るのだ。
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9時24分に出発した列車は、追分駅から男鹿線に入る。かつては、気動車がエンジンを唸らせて走っていたのだが、蓄電池で走るので静かなものである。そして、50分ほどで終点の男鹿駅に着いた。降り立った男鹿駅は、駅舎の位置が変わり、新しくなっていた。
男鹿駅 駅
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駅前から、予約していた乗り合いタクシーの『寒風山ライナー』を利用する。8年前の旅では、『なまはげシャトル』を利用したが、バス路線が減って行く中、このような交通手段を用意してくれるのはありがたい。
寒風山、滝の頭への乗合タクシー by 旅猫さん寒風山ライナー 乗り物
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10時25分に男鹿駅前を出て、寒風山を経由して滝の頭へと向かう。車が寒風山を出ると、急に山深くなり、少々不安になって来た。そして、40分ほどで滝の頭水源浄水場に着いた。ここは、男鹿市の水源のひとつであるため、見学には受付が必要である。
怖いくらい静かな湧水地 by 旅猫さん滝の頭水源浄水場 自然・景勝地
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施設内には、滝の頭への遊歩道がある。歩き始めると、すぐ、円形分水工と呼ばれる分水施設があった。昭和30年代に造られたもので、湧水を均等に分けるための穴から水が噴き出している。穴は38個あるそうだ。
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その先は、深い森となった。その緑を映し込んだ池がある。
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その池を過ぎると、樹々の間に再び池が見えて来た。それが、滝の頭であった。この辺りは、寒風山の北東の裾野にあたり、溶岩流の先端部分となっている。寒風山に降った雨や雪が、長い年月を掛けて湧き出しているのが、その先端部分なのだ。しばらく歩くと、遊歩道は水源地帯に入った。
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よく見ると、至る所から水が湧きだしている。その上の方に、小さな社が立っていた。今木神社とある。
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今木神社は、滝の頭湧水の守り神なのだそうだ。苔生した石段を登り、その社に参拝する。もちろん、美味しい水が飲めるようにと祈願した。
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帰りは、管理用の道を歩いて行く。その道の脇には、上堰水路と呼ばれる流れが寄り添う。この水は、農業用水として使われているそうだ。
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その先で、右手の視界が開け、池の姿がようやく見えた。上流から流れ込んだ水が溜まって出来ているのかと思っていたのだが、何と、その池自体が湧水なのだそうだ。水面が濁っているが、透明度はかなり高いようだ。
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30分ほどで駐車場に戻って来たが、まだ一時間ほどある。そこで、すぐ近くの湧水を飲める場所に行ってみる。地元の方が次々と水を汲みに来ていた。飲んでみると、やや軟水と言った感じであった。
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文庫本を読みながら待っていると、12時30分発の『寒風山ライナー』がやって来た。次に向かうのは、寒風山である。15分ほどで、寒風山の山頂にある回転展望台の前に着いた。
寒風山回転展望台 名所・史跡
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入館料を払って中へ入る。すると、途中に、脇本城跡に関する展示があった。脇本城は、男鹿半島の南の付け根に位置する城で、戦国時代は安東氏の支配下にあったそうだ。訪れてみたいが、またの機会とする。
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最上階には、回転展望台がある。昭和に流行った座ったまま360度の景色が楽しめる施設である。こんな施設が現役とは驚きだ。
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展望台からは、日本最大の干拓地である八郎潟干拓地などが望める。八郎潟は、かつて琵琶湖に次ぐ日本で二番目に大きい湖であったが、昭和30年代に干拓され、現在では一部が調整池として残されているだけである。
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展望台を出て、外から景色を眺める。南側には、弓なりの海岸線が続き、なかなかの眺めである。
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西側には、寒風山の第二火口が見える。その奥には、男鹿三山の真山、本山、毛無山も見えていた。8年前、真山の麓にある真山神社やなまはげ館に立ち寄ったことが懐かしい。
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北寄りに目を向けると、小さなカルデラのような場所がある。これが、第一火口の跡である。第二火口との境に、『鬼の隠れ里』と呼ばれる場所がある。次回は、その辺りも歩いてみたい。
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回転展望台へ戻り、一階の食事処でお昼とする。頼んだのは、男鹿名物『しょっつる』を使った『しょっつる空上げ定食』である。『空上け』とは、鶏の唐揚げの事で、航空自衛隊加茂分屯基地で考案されたものだそうだ。秋田県産の米粉を使った衣はサクサクで、なかなか美味しかった。
スカイレストラン ファミリオ グルメ・レストラン
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食後、周辺を散策する。展望台から下って行くと、途中からも開放的な景色が望めた。そう言えば、菅江真澄も寒風山を訪れ、この素晴らしい眺めを観ている。
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直下の駐車場まで降りて振り返ると、先程までいた回転展望台が見える。
寒風山 自然・景勝地
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駐車場の先には、パラグライダーの滑空場があった。かつてはは無かった施設である。その近くからは、南側の景色が良く見える。晴れていれば、海の向こうに鳥海山が見えるのだが、雲が多くて見えなかった。
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展望台に戻り、お土産を物色。その後、『男鹿塩ソフトクリーム』を買い求め、食べながら『寒風山ライナー』を待つ。
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14時15分に寒風山を出て、男鹿駅へと戻る。この日の宿がある秋田駅へ向かう列車まで小一時間あるので、駅周辺で時間を潰すことにした。駅前にあった『森長旅館』は、2006年に廃業してしまったそうだ。今は、別の事業者が改装して使っているようだ。
文化財と蔵サウナの宿 森長旅館 宿・ホテル
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適当に歩いていると、男鹿市のご当地マンホールを見つけた。描かれているのは、男鹿半島に多く自生する藪椿である。
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その近くでは、立葵の花が満開であった。
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駅の方へ戻ると、かつての男鹿駅の駅舎が残っていた。かなり綺麗に整備されてしまい、かつての趣は無い。よく見ると、『稲とアガベ醸造所』とある。気になったので立ち寄ってみると、やはり醸造所であった。
旧男鹿駅を利用した醸造所 by 旅猫さん稲とアガベ醸造所/ 土と風 グルメ・レストラン
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その一角に、『土と風』と言う店舗兼バーがあったので、時間まで試飲をすることにした。まずは、三種飲み比べをお願いする。この日飲むことが出来る六種類の中から、『花風』二種と『EMANON』を選ぶ。ここのお酒は、日本酒ではない。米とホップなど、日本酒とは原料が異なるもので醸されているそうだ。
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続いて残りの三種、『どぶろく』、『稲とアガベ』、『稲とホップ』と、特別酒『試し桶014』をいただく。すべて試飲して感じたのは、悪くも無いが、旨くもないである。但し、『どぶろく』はかなり、美味しかった。
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15時38分発の列車に乗り、秋田駅で下車。駅からは、歩いて宿へと向かう。すると、秋田市のご当地マンホールがあった。図柄は、もちろん『竿灯』である。
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今宵の宿は、『ダイワロイネットホテル秋田駅前』である。今年二月に開業したばかりの新しいホテルである。このグループのホテルは、部屋が広く、トイレと風呂が分かれていることが多いのが気に入っている。
秋田駅と川反の間に位置する便利なホテル by 旅猫さんダイワロイネットホテル秋田駅前 宿・ホテル
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荷物を置き、早速、夕食を求めて外に出る。今回は、珍しく店を決めている。とは言え、予約はしていない。とりあえず、空いていれば入るだけである。途中、久保田城跡の大手門の濠を通った。
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旭川を渡ると、すぐの場所にその店はあった。『あくらビール』が運営する『ビアバールあくら』である。思ったよりも立派な施設である。
ビアバールあくら グルメ・レストラン
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ところが、中へ入ると店は狭かった。一人で予約は無いと言うと、店員さんの顔が一瞬困った感じとなるのが分かった。それでも、カウンターの一番端の席に入れてくれた。
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まずは、『セッションIPA』をいただく。最近、個人的には『セッションIPA』がお気に入りなのだ。アルコール度数が低めなので、飲みやすいからである。とは言え、ホップもしっかり効いているので、美味しいのだ。
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料理は、『かわい農場のソーセージ』の盛り合わせ。
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それと、『生ハムとチーズの盛り合わせ』を注文。
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二杯目は、あくらビールの定番である『なまはげIPA」とした。ホップの一部に、横手産のIBUKIホップを使用した麦酒である。ホップの苦みが効いた味わいで、悪くは無い。
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最後は、『秋田美人のビール』を味わう。ドイツ産の麦芽と横手産IBUKIホップを使ったミュンヒナーヘレスである。これは飲みやすかった。
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不完全燃焼のまま店を出る。まだ明るいので、散策する。すぐの場所に、観光案内所があった。明治34年(1901)に建てられた旧大島商会の店舗を利用している。
秋田市まちなか観光案内所 名所・史跡
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秋田市内を貫く旭川沿いに歩いて行く。この旭川を命名したのも、菅江真澄である。彼の随筆『筆のまにまに』の中に、命名に関する記述がある。かつては美しい流れであったそうだが、今は市街地の中に佇んでいる。
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竿灯大通りを渡ると、川反通り飲食街の入口となる。その脇にある公園の一角に、那波家の水汲み場がある。藩政時代、旭川の川反には、『カド』と呼ばれる共用の水汲み場があったそうだが、現在残っているのは、ここだけだそうだ。
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通りを歩いて行くと、右手に料亭『濱乃家』の風情のある建物がある。大正7年(1918)創業の老舗であったが、今年五月末で閉業している。以前にも訪れたことがあったので、寂しい限りである。
料亭 濱乃家 本店 グルメ・レストラン
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川反と言えば、多くの飲食店が軒を連ねる秋田随一の繁華街である。しかし、新型コロナの影響で多くが閉店し、かなり廃れてしまったそうだ。
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しばらく歩いていると、ちょこんと猫が座っていた。市街地とは言え、飲食店が多いこの界隈は、猫にとっても棲みやすいのだろう。
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押し潰されたような『江戸中』が見えて来た。昭和6年(1931)創業のおでん屋で、川反最古の店である。空いていれば立ち寄りたかったが、日曜日は休業のようである。
江戸中 グルメ・レストラン
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暗くなってきたので、宿へ戻ることにする。帰りは、一本隣の道を行く。そこには、地元の酒蔵『新政』の大きな看板が掛かっていた。明日は、秋田城跡を訪ねた後、再び秋田市街地を歩く予定だ。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ポテのお散歩さん 2025/07/19 01:52:04
- 秋田
- 旅猫さん こんばんは。
寒風山の回転展望台、いいですね(^^)
一面 緑で何も無いのかと思ったのですが
火山だったのですね。
なだらかな丘陵の様なイメージを持っていました。
展望台からの景色は遠くまで望めて、しかも手前は緑で
とても綺麗です。
秋田市内は車で通った事はあるのですが
いざ観光となると秋田城しか思い浮かばず
市内を歩いた事がないと、今 気付きました(^^)
その秋田城の城主は誰かなと調べたら、戦国時代ではなく
もっと古い時代のお城だったのですね。
何も知らずに行ったら、天守閣が聳えるお城ではないので
ビックリするところでした(*^-^*)
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2025/07/19 06:44:59
- RE: 秋田
- ポテさん、おはようございます。
いつもありがとうございます。
寒風山の展望台、久しぶりに行きましたが、変わらぬ佇まいでした。
鳥海山が観えなかったのは残念でしたが、景色も素晴らしかったです。
男鹿半島は、元々火山島だったのです。
砂州で陸地と繋がって、今の姿に。
その火山が寒風山です。
火口跡が今でもしっかり残っています。
緑の季節は、とても美しい風景が観られます。
秋田市内は、やはり久保田城跡が有名ですね。
あとは、竿灯まつりですかね。
県都なので、近代的な建物ばかりですが、微かに歴史を感じます。
郊外に、古代の城柵、秋田城跡があり、その辺りがかつての中心でした。
関東以北では、会津と庄内が人気で、奥羽越列藩同盟を裏切った久保田藩佐竹家は、今でも人気がありません(^^;
旅猫
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