2024/08/10 - 2024/08/18
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RiEさん
旅行6日目(8月15日)前編。
今日は弘前まで足を延ばして日帰りで観光するため7号線を走り、1667年に釘を1本も使用しないで建立された東北一の美塔と称される五重塔を持つ“最勝院”を訪れた。
その後1610年に津軽一円の曹洞宗33の寺院が連なる“津軽弘前城下の禅林街”へ移動すると、盆の墓参り参拝客が次々と訪れるので真っすぐ伸びる片側一車線の道路が大渋滞で驚いたけど、禅林街の中にある“蘭庭院”で鍵を借りて朱色の八角形の仏堂“栄螺堂”を見学してから、禅林街の突き当りにある津軽家菩提寺“長勝寺”を訪ね、江戸時代初期の厨子建築の遺構を残す貴重な厨子堂を見学する。
正午過ぎに立ち寄った“藤田記念庭園”は大正時代をしのぶ数々のレトロな建築と、岩木山を借景とした庭園が広がっていて思いのほか広く、たっぷり1時間かけて散策した。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
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9:00にHOTELを出発して7号線沿いに弘前方面を目指していると、反対車線から20-30人くらいの暴走族グループが派手な走行していて「暴走する人たちを久々にみたけど朝からめちゃくちゃ元気だな」と思っていたら、一定間隔を開けて同じ規模の暴走族グループが5組ほど青森方面に通過していった。
カーナビでは到着時刻が2時間弱と表示されていたのに10:20に津軽真言宗五山の筆頭“金剛山光明寺最勝院“に到着。最勝院 寺・神社・教会
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最勝院の隣には並立する八坂神社があって参道を共有している。
どっしり構える仁王門前で狛犬ならぬ狛兎が鎮座しているのは、津軽地方には一代様という独特の干支信仰があり、最勝院は卯年の守り神とされていることに繋がるそう(境内から仁王門を見ると幕がかけてあり「卯歳一代様」と書いてある)。 -
近寄ってみると何だか偉そうな顔をしている。
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参道を進んでいくと、右側だけ色づいて妙に鮮やか。
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真夏なのにここだけ切り取ると秋の足音が聞こえてくるようだった。
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境内の北西には、高さ31.2mの五重塔が南向きに鎮座していて、下から見上げた時のバランスが取れてて大変美しい。
この五重塔は1658年着工し1667年建立されたそうで釘を1本も使用せず建てられており、弘前藩の3代藩主:津軽信義と4代藩主:津軽信政父子によって寄進された。 -
ちなみに鐘楼は参道沿いにあるけど、五重塔は1段下がった場所にある。
国宝や重要文化財の五重塔なかで東北地方にあるのは最勝院の五重塔と、2022年GWに訪れた山形県の出羽三山神社の羽黒山五重塔の2基のみで、文化財に指定されている塔建築として日本最北に位置している。 -
本堂は1970年竣工し、2002年改修が行われているそうで、大振りな千鳥破風が目を惹いた。
扉が閉まっていたので下から参拝したけど、本尊は大日如来。 -
兎が頑張って背中で支えているけどツラそう。
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本堂の左に建っているのは護摩堂。
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護摩堂を曲がると奥にも建物があったので結構広いのかも。
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八坂神社前を通過しようとしたら、ぽてぽてした大きな茶トラを発見。
近づいても逃げる様子はなく、薄目でチラッと一瞥しただけでまた眠り始めて堂々としていた。 -
津軽弘前城下の禅林街手前で偶然発見した“茂森会館消防西第一分団屯所“。
1936年に建築され、寄棟屋根正面中央にハーフティンバー風のドーマーを配し、その後方に宝形屋根の望楼を設けているのが可愛らしい。
向かいには花屋があって、ここで墓参り用の花を調達する人でにぎわっている…と思っていたら、禅林街も大渋滞。 -
これは渋滞の波が引いてから撮った写真だけど禅林街入口には“黒門”があり、真っすぐ伸びている道を正面に長勝寺を臨むことができ、この黒門は長勝寺の総門であると同時に弘前城の城郭門とも考えられていた。
津軽藩2代藩主:津軽信枚が弘前城の南西の抑えとして領内の寺院を集めたのが禅林街で、黒門から長勝寺までの間には道路を挟んで向かい合うように19の禅宗寺が並び、この通りを長勝寺構え(上寺通り)と称している。黒門 名所・史跡
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その中の1つ“蘭庭院”を訪ねて…
栄螺堂(蘭庭院) 名所・史跡
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鍵を借りて、結構距離があるので車で黒門までUターン。
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黒門斜め向かいに建つ六角形の建物へ。
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建物前にはちょうど車1台停められるスペースがあるので、墓参りで大混雑の寺町に路駐することなく済んだ。
1839年頃に弘前の豪商:中田嘉兵衛の寄進により創立されたこの御堂は、天保の飢饉での餓死者の供養のために建てられたそうで、内部構造が巻き貝のサザエのように見えることから“栄螺堂“と呼ばれており、東北地方では2022年GWに訪れた福島県会津若松にある飯盛山さざえ堂と、この弘前の栄螺堂しかなく、江戸時代後期に建てられた姿を今に残す。栄螺堂(蘭庭院) 名所・史跡
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錆びついた大きな錠前に鍵をさして何度もグルグル回すと開錠した。
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観音開きの扉を開けると内側に木の格子があったので開けて中へ入り、虫などが侵入しないよう格子扉だけ閉めておく。
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正面には観音菩薩像や小さな仏像が安置されていて、斜めに凭れ掛かった日本人形がこちらを覗いているのに気付いてゾクッとする。
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上りになっている左側を進むことに。
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壁際の棚に無数に並べられているのは、木の板のような物に1体-3体くらい仏像が彫られている小振りの像。
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会津のさざえ堂は確かスロープ状だったけど、こちらは緩やかな階段が続いていく。
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堂内中央部分は飾り棚になっていて様々な仏像が安置されていて、堂内を巡ることによって巡礼と同じご利益があるとされ、信仰の対象となってきた。
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何も置かれていない棚や、このようにスカスカで寂しい棚も多い。
写真を見るとわかるけど壁面が格子状だから隙間から光と風が入ってきて、循環しているお陰なのか真夏で閉め切っているのにジメジメした感じはなく、堂内が妙に涼しかった。 -
あとお盆だから禅林街の四方八方から読経する声が聞こえてきて、閉塞空間を2人きりで見学するという状況のせいか、薄気味悪さはないけど背筋にゾクッとするものがある。
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この仏像までがカーブが続き、更に45度曲がったところで突き当りになった。
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一般的な栄螺堂内は二重螺旋と呼ばれる構造をしているので、入口から歩み進めているうちに気づくと頂上に居て、進行方向のまま下って入口とは異なる出口に辿り着くけど、弘前の栄螺堂は下りが普通の階段になっている。
しかも光が入らないので肉眼だと真っ暗で踏み外しそうだったから、スマホの明かりを照らしながら降りた。 -
そして出口に向かうと、最初は行ってきた場所に戻る(観音菩薩像の右側から出てくる)構造になっており、会津のように一文字ではないけどよく考えられている。
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コンパクトなのであっという間だけど、非日常的な空間を独占状態で見学できる高揚感に包まれながら、しっかり施錠して蘭庭院に鍵を返却した。
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禅林街の突き当りに建つ“長勝寺”は1528年に津軽氏の祖である大浦盛信が父の菩提を弔うために開山したのが始まりとされていて、当初は現在の鰺ヶ沢町に造られたものの、弘前城築城に際し裏鬼門を守るために移転した。
長勝寺 寺・神社・教会
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約2万平方mある長勝寺敷地には様々な国の重要文化財があるけど、予約していないと見学出来ないエリアも多い。
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「太平山」の山号額が掲げられている三門は1629年二代藩主津軽信枚によって建立されたもので、後で調べたところ16.2mあり一般的なビルの4階分相当の高さにあたるそうで圧巻だった。
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重要文化財である銅鐘は、嘉元4年の紀年銘があることから「嘉元の鐘」と呼ばれていて、寄進者の筆頭に鎌倉幕府の執権だった北条貞時の法名があり、さらに津軽曽我氏の統領・安藤一族と考えられる名前なども陰刻されており、北条氏と津軽の関係を示す貴重な資料になっている。
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参道正面が本堂だけど、入口は右側にある庫裡から入場する。
1610年に建てられた本堂は木造平屋建てで8室からなり、方丈形の曹洞宗本堂として全国的に最古の建物とされており、1993年に国の指定重要文化財に指定された。 -
大浦城の台所として建てられたものを移したものと伝わる庫裏は、室町時代後期に建てられた遺構として国指定重要文化財に指定されていて、現在は御影堂と津軽家霊屋の入口も兼ねている。
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予約していないと見学範囲が限られるので、庫裡の通路を左手に進んでL字に曲がると、土間づたいに土足で本堂まで参拝出来るようになっていた。
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大幅の曼陀羅と地獄極楽図掛け軸が飾られている前を通り…
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上がることなく土間から本堂を参拝。
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長勝寺では2006年-2008年にかけて耐震補強を含む大規模な半解体修理を行い、何度か修理を繰り返してきた正面向拝玄関はその際に撤去して、本堂正面の板敷廊下東半分に長縁前方の土間も復元したそうで、現在このような形になっている。
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庫裡の向かいに建つ蒼龍窟。
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内部中央には厨子堂が配置されており、三尊仏厨子堂と五百羅漢が並んでいる。
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この三尊仏は岩木山百沢寺(現在の岩木山神社)大堂の本尊として、津軽藩の初代藩主:津軽為信が1603年に祭ったものと伝えられており、三体とも寄木造り・胡粉箔仕上げの桃山時代の作とみられる。
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厨子堂は明治初期に長勝寺境内の蒼龍窟に移されたけど、元々は岩木山百沢寺大堂の内陣に置かれていた1638年頃に造られた建築型厨子で龍や松の彫刻が施してあり、漆を塗り金箔を押して極彩色の文様を描いていることから華御堂と呼ばれ、江戸時代初期の特徴をよく示している。
三尊仏と逗子の左右に五百羅漢像約100体と、棚上に十六羅漢が安置されていた。
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津軽藩2代:津軽信枚は岩木山百沢寺に五百羅漢を寄進している。
その後明治時代初期の神仏分離令によって、五百羅漢は三尊仏や十六羅漢とともに岩木山百沢寺から現在の長勝寺蒼龍窟内に移設された。 -
表情・視線・ポーズ・仕草が異なる五百羅漢像はどこか人間臭く、ユーモラスで、かつての美しく配色された姿を想像した。
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長勝寺を後にする頃には正午を過ぎていて墓参りに訪れる人もまばらになり、寺前の路駐が緩和されていた。
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12:15に弘前公園に隣接する“藤田記念庭園”に到着。
ここは弘前出身の藤田謙一氏が1921年に別邸を構えるにあたり東京から庭師を招いてつくらせた江戸風景趣の庭園で、その後市政施行百周年記念事業として整備して1991年7月に開園した。
園内は高さ13mの崖地を挟んで、高台部と低地部に分かれていて異なる趣きが楽しめる。藤田記念庭園 公園・植物園
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勧められたので3施設共通券を購入、大人1人:520円。
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総面積は約6600坪あり、東北地方においては平泉毛越寺庭園に次ぐ大規模な庭園なのだそうで、じっくり見学していたら結局丸1時間経過していた。
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駐車場側から入園(西側入口)してすぐ広がるのは低地部で、池泉廻遊式庭園になっている。
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季節が合えば花菖蒲が楽しめる八橋を渡っていくと…
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朱色の太鼓橋が掛かる滝の景趣が見事だった。
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太鼓橋を渡っている人がいたので、ぐるっと回ってみると緩やかな階段を発見。
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太鼓橋には木漏れ日がさして、真夏の昼間とは思えない穏やかな空気が流れていた。
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石段の高低差は大したことないけど、日陰とはいえ一気に上ると汗が滲んだ。
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上りきった場所は高台部にあたり、岩木山を眺望する借景式庭園になっている。
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平屋建ての建物は和館と呼ばれており高台庭園側の主座敷と、岩木山を借景するはなれ座敷を棟分けして、廊下で連結して建てられている。
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広縁を囲う硝子戸越しに覗く建物は趣があり、どこか懐かしい気持ちになった。
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洋館はステンドグラスや窓ガラスなど当時のまま使っている物が多く残っているそうで、正面入口前にあって大正浪漫喫茶室が入っているから藤田記念庭園に入園しなくても利用できるけど、ランチタイムということもあり名前を書いて建物前で待機している人が沢山いた。
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階段を下って低地部戻る。
木々に囲まれているけど虫がいなくて快適だった。 -
茶屋(松風亭)前の青々とした芝。
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茶室奥には水琴窟があったので耳を傾けて涼を取った。
この後は老舗中華の蝦仁チャーハンに舌鼓してから、駐車場に車を停めて徒歩で弘前城周辺を観光する。
続きは07へ。
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