2018/12/23 - 2022/12/23
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本格的に奈良を訪れてみようと思った旅の第1弾の2日目。奈良はいろいろな意味で〝深い〟が、旅行の内容は浅いので、あくまで「奈良の輪郭をなぞる旅」だ。この日は唐招提寺、薬師寺、興福寺をじっくり、まったりと訪問した。移動した距離は短いが、中身は濃い。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
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この日は唐招提寺へ。門前の景色は子供の頃の記憶とずっと変わらない。
唐招提寺 寺・神社・教会
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唐招提寺の規模に比して少し小ぶりな感じがする山門。同寺の開祖である鑑真和上1200年忌を記念して1962(昭和37)年に天平様式で再建された。唐招提寺には珍しく朱塗りの建築だ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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山門をくぐり、正面に広がる金堂の姿を見ると「嗚呼」と感嘆する。屋根の建築年代は8世紀後半とされ、この時代の現存建築物としては国内を代表する存在だ。よくぞ、残っていたものだと思う。
唐招提寺 寺・神社・教会
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いらかの一直線な美しさは、どうだ。何とも言えない。金堂と対峙するかのような、逆に寄り添うかのような、灯籠の姿もいい。この日はじっくりと見たくて開館と同時に入場した。天平の空気をたたえた単純さ。シンプルなゆえに立ち去り難い名建築だ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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金堂正面にある8本のエンタシス。「まろきはしらの…」と会津八一が詠んだ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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金堂の西側にある戒壇の跡。僧となるための授戒が行われる場所だが、建物は焼失しており、現存するのは石段のみだ。エキゾチックな建築はインドの古い塔を模したもので1978年に建築された。
唐招提寺 寺・神社・教会
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金堂と講堂の間に建つ鼓楼。鑑真の仏舎利を納めているため、舎利殿とも呼ばれる。鎌倉時代築の国宝だ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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鼓楼の横に建つ礼堂。鼓楼に安置されている鑑真和上の仏舎利を拝むための施設。僧坊としても使われていた
唐招提寺 寺・神社・教会
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境内には二つの高床式校倉造がある。経蔵と宝蔵。唐招提寺創建前の建築で、正倉院よりも古く、日本最古の校倉とされる。地味な存在だが、双子のように並ぶ校倉造はいずれも国宝だ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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講堂。教義を説く場所とされているが、唐招提寺の講堂は平城宮の東朝集殿を移築したものだ。東朝集殿は儀式に出席する臣下が控える場所だったため、講堂に使用するにあたってかなり改修したらしい。ただ、平城宮の宮殿建築が現存している例はここだけだという。金堂同様、軒先のラインの真っ直ぐさが、とてもいい。
唐招提寺 寺・神社・教会
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開山御廟。鑑真和上の墓所だ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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静謐で清浄な場所。心が洗われるような雰囲気に満ちており、参拝の折には足を運びたいエリアだ。
唐招提寺 寺・神社・教会
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森厳とした緑に囲まれており、苔むした一帯はとても静か。1250年以上にわたって寺を見守ってきたような雰囲気がある。
唐招提寺 寺・神社・教会
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小高い墓所だが、ここに鑑真和上が眠っているのかと思うと、自然と手を合わせてしまう。
唐招提寺 寺・神社・教会
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椿の花が咲いていた。
唐招提寺 寺・神社・教会
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唐招提寺を後にし、薬師寺へ。道沿いにある「蕎麦切り よしむら」でランチ。
蕎麦切り よしむら グルメ・レストラン
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ざるは十割、温かいそばは二八だという。奥さんと2人でざるを頼んだ。そばを持ってきた花番の女性が「最初の一口は塩で食べてほしい」と机上のフランス製という塩を勧めてくれた。
蕎麦切り よしむら グルメ・レストラン
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唐招提寺と薬師寺を結ぶ道は、奈良市内を一巡する「歴史の道」の一部だ。1972年に奈良市が定めた全長約 27キロ のハイキングコース。広大な「平城京」を巡るルートだが、薬師寺と唐招提寺の間と西大寺ー秋篠寺付近から奈良公園に向かって古墳を巡るコースは、奈良らしくて個人的に好きだ。
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ここから薬師寺。唐招提寺側から歩くと、玄奘三蔵院がある寺域にたどり着く。玄奘三蔵院は、白鳳時代の伽藍復興で建てられたお堂とは別に、三蔵法師の分骨を納めるために建築された。写経道場もこのエリアだ。建物はいずれも新しいが、お寺さんらしい落ち着いたスペースだ。
薬師寺 寺・神社・教会
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北受付。金堂があるエリアへ足を踏み入れる。ここで入場料を支払う。
薬師寺 寺・神社・教会
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金堂と背後の五重塔。2018年当時は〝凍れる音楽〟と称された東塔の改修中だったため、覆屋しか見ることはできなかった。
薬師寺 寺・神社・教会
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大講堂。横に長い建物だ。あの金堂よりも大きいというのだから恐れ入る。講堂とは僧侶が集まって仏教の教義について学ぶ場所だという。天井が高く取られているほか、僧侶が並んでお経をあげるスペースが広く、いかにも学ぶ場のようだ。
薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺が長年の悲願にしていた伽藍復興のシンボル的な存在だ。写経を通して寄付を集める地道な運動が実を結び、竣工したのが1976年。本尊である薬師三尊像を安置する巨大な建物は本堂にふさわしい風格だ。子どものころに初めて行った時は新しい姿で違和感があったが、半世紀近くたった今はすっかりなじんだ。
薬師寺 寺・神社・教会
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西塔。法隆寺の宮大工で同寺の解体修理や法輪寺三重塔の再建を手掛けた西岡常一氏(故人)による建築だ。もちろん国宝である東塔を手本にしての再建だが、エイジングが進んだ東塔とは雰囲気が異なる朱塗りの姿は、もう一つの芸術作品のようだ。
薬師寺 寺・神社・教会
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中門。薬師寺の中央にある回廊の南側に建築された門だ。回廊と同じく1984(昭和59)年に再建されたもので、朱色がとても鮮やか。門の両脇には仁王像ではなく「二天王像」が置かれている。四天王のうち二体が置かれたもの。薬師寺に南側から入ると、印象的な門だ。
薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺の門を出て南へいくと薬師寺鎮守の休ヶ岡八幡宮がある。この時の薬師寺は〝改修の季節〟だったのだろうか。朱塗りの本殿は覆屋に囲まれ、仮の本殿が寂しげに設けられていた。
休ケ岡八幡宮 寺・神社・教会
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薬師寺の後は奈良市中心部に戻り、興福寺へ。おなじみの南円堂だ。エイジングが進む興福寺の建築物の中では、派手な印象がある仏殿だ。興福寺が藤原家の氏寺だった縁で平安遷都後の813年、藤原冬嗣が建立した。建設には空海もかかわっており、当時の熱の入れ方がうかがえる。八角堂としては日本最大であり、霊場西国三十三カ所の第九番札所と話題も豊富。絵になる意匠も手伝って人気スポットだ。
興福寺 南円堂 寺・神社・教会
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興福寺は国内で最も有名なお寺の一つだが、伽藍を焼失したため、全体的な形を思い描くことができなかった。興福寺の「絵」といえば長らく東金堂と五重塔がその重任を担ってきたが、これからはこの「中金堂」がその一端を担うかもしれない。この年(2018年)10月に落成後、初めて現地を訪れたが、新しいながらも興福寺の姿に具体性を与えるような役割を果たすだろうと感じた。
興福寺 中金堂 寺・神社・教会
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興福寺東金堂と五重塔の調和は奈良を代表する風景の一つだ。東金堂といっても中・西の金堂がないので妙にバランスがとれない。その不自然さを補ってきたのが、五重塔との〝タッグ〟だろう。塔の高さは50.1メートルで、国内の仏塔としては東寺の五重塔(約55メートル)に次ぐ。今でもそうだろうか、奈良県内における建築物の中で最も高いという。
興福寺五重塔 寺・神社・教会
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最も美しい八角堂とされる興福寺北円堂。興福寺を建立した藤原不比等の没後一周忌に建てられた。鎌倉時代に焼失し再建されたが、奈良時代の様子をよく残しているという。中金堂の西側、人通りのないところに建っているからか、普段は非公開だ。
興福寺北円堂 寺・神社・教会
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興福寺三重塔。興福寺の塔といえば五重塔であり、今回見つけるまで三重塔の存在すら知らなかった。創建は平安後期であり、他の建物と比べて新しい。伽藍様式の一部ではなく、個人的な権力の誇示や信仰心で建築されたがゆえに、現代においては観光ルートから外れてしまった。それがゆえの知名度の低さだろう。
興福寺三重塔 寺・神社・教会
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日が暮れたので、本日のツアーはこれでおしまい。JR奈良駅近くのホテルに歩いて帰ることにした。目抜き通りの三条通はこれからが本番かも知れない。
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学生時代に国鉄(現JR)奈良駅を見て、趣に感心した。久しぶりに足を運んだが、駅舎はビルディングになり、昔の駅は市の総合観光案内所になっていた。内装は大仏殿の釘を使わない材木組みをベースにしたような柱があしらってあり、いかにも奈良だ。夜に行くと、灯りの漏れ方が素敵な建物だ。
奈良市総合観光案内所 (JR奈良駅旧駅舎) 名所・史跡
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