2019/02/10 - 2019/02/10
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Vol.2は橿原市、明日香村がメインだ。橿原市の今井町を散策したあと、明日香村に移動し、中尾山古墳、高松塚古墳、亀石、橘寺、岡寺、飛鳥寺と回った。明日香村内はマイカーで巡ったが、3連休で人出が多く、石舞台などは最寄りの駐車場が満車で入ることができなかった。
- 旅行の満足度
- 5.0
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環濠集落の今井町。もともとは寺内町として繁栄し、その後は経済的な活動で重きをなした街だ。東西約600メートル、南北約310メートル。戦乱の時代も環濠で周囲を囲み、独立性を維持した。重要伝統的建造物群保存地区で、建物約1500棟のうち約500棟が伝統的建造物として存続している。家々が立ち並ぶ様子や環濠、城下町のように食い違いの通りなど町の造りそのものにも自治都市の面影が残されている。歩いて楽しむまちだ。
今井町 江戸時代の町並み 名所・史跡
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今井町の中心部にある称念寺。今井町はこの寺の境内地を中心として発達した寺内町だ。もともとは浄土真宗の道場だったが、安土桃山時代に寺院となり、その後、奈良の浄土真宗をすべる立場だったという。2002年に本堂が国の重文に指定されたが、訪れたときは10年以上の工期をかけて解体修理をしていた。写真を撮影するならば、ちょっと絵になりにくいタイミング。修理が終わってから再度足を運びたいお寺さんだ。ここの山門は明治天皇行幸の際に談山神社から移築されたという。
称念寺 寺・神社・教会
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ここから明日香村へ。村の玄関と言える近鉄飛鳥駅前には「道の駅飛鳥」が広がる。
道の駅 飛鳥 道の駅
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「飛鳥びとの館」は道の駅の施設の一つだ。観光案内機能が中心で、交通案内のほか、各種パンフレット、手荷物預かり、特産品の販売などのコーナーがある。名物の自転車貸し出しは道の駅内に他施設がある。道の駅なので駐車場は豊富にあるし、電車利用客にとっても駅を出たすぐ左側にあるので使い勝手がいいだろう。
飛鳥総合案内所 飛鳥びとの館 名所・史跡
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道の駅から近い中尾山古墳。八角形の墳丘墓だ。八角形は高貴な人物のみに許された形とみられ、7~8世紀の古墳時代最末期のスタイルだ。文武天皇の墓とされているが、現在は天皇陵に認定されていないため、近寄ることが可能だ。現地に行くとそんなに大きくはない。大王墓といえば巨大な前方後円墳を連想するが、この時代は大きさよりも形で差別化したのだ。高松塚古墳がある国営公園内にあり、駐車場から近い。
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国営公園の駐車場から結構歩いた場所にある。終末期古墳だけにそう大きくない円墳だ。古墳が、外観よりも内部の細かな装飾や造り、副葬品で差別化されるようになった時期の遺構のうえ、説明も少なく<観光的>ではない遺跡だ。古墳そのものを観賞するよりも、近隣にある他の古墳との関係や時系列、想像力を掻き立てるような資料の展示などがあればもっと楽しめるのではないか。何も、くさしているのではなく、この素晴らしい古墳の価値をもっと平易に、多くの人々に浸透させるにはどうしたらいいのかということだ。
高松塚古墳 名所・史跡
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考古学史上最大の発見として騒がれた高松塚古墳。壁画は連日のニュースで流れたうえ、切手にもなったのでよく目にした。その後、多くの発見が相次ぎ、高松塚古墳のことも忘れつつあったが、壁画館で久しぶりに目にした。レプリカとはいえ、精密な出来で、十分な資料だ。石室から出土した副葬品などもレプリカで展示している。
高松塚壁画館 美術館・博物館
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明日香村には謎の石造物が数多くあるが、亀石は代表的な存在だ。当麻の蛇の策略で大量に死んだ亀をあわれみ村人が据えたというが、この亀が西(当麻の方角)を向くと奈良盆地は泥沼になるという言い伝えが残されている。最大長4・3メートル、幅が2・7メートルと結構な大きさがある。用途は境界石などとされるが定説はない。周辺はのどかな住宅地+田園で、すぐそばに地元の人が開いたとおぼしき売店がある。
亀石 名所・史跡
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往時の姿が「跡」になっているのが明日香村の現状だ。それがゆえに想像力をフル回転させなければならないのが、明日香村観光の常識でもある。この川原寺跡もそうだ。近くの飛鳥寺とともに飛鳥の三大寺とされる大寺院だったが、現在は24の礎石や塔跡が残るのみだ。さらにいえば、このお寺は川原宮跡に天智天皇が建てたものなので、ここには王宮があったはずだ。室町時代末期に落雷で焼失し、かつての規模は復活しなかったという。
川原寺跡 名所・史跡
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川原寺跡の反対側には橘寺がある。石碑にあるように聖徳太子が生まれた場所とされる。
橘寺 寺・神社・教会
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橘寺はすこし小高い丘にあり、田園の中にたたずむ伽藍は雰囲気がある光景だ。
橘寺 寺・神社・教会
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境内はそんなに広くないが、聖徳太子像を本尊と仰ぐ本堂(太子堂)と観音堂がある。写真は太子堂。
橘寺 寺・神社・教会
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二面石。橘寺の境内にある高さ、幅とも1メートル強の岩だ。説明版によると、右善面、左悪面とあり、人間の心の二面性を表現したものという。裏側は平らに加工してあり、他の石と組み合わせて使われていたのではないかと推測されている。ただ、橘寺との関連がないことから近世になって付近から運ばれてきたとの観測がもっぱらだ。飛鳥村を代表する謎の石造物の一つ。これで何を表現しようとしたのだろうか。他の町に明日香村のような石造物がないのはなぜだろうか、など謎がますます深まった。
橘寺 寺・神社・教会
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橘寺から少し見下ろす場所にある川原寺。二つの寺は対で語られることが多く、昔は国分寺と国分尼寺のように尼寺だったとする説もある。
川原寺跡 名所・史跡
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ここからは岡寺。山門は朱塗りの楼門だ。江戸時代初めの1612( 慶長17)年に再建された建築物だという。明日香村はさすがに古代日本史の中心だけあって重要文化財は埋蔵文化財がほとんどで、建築物の重文は非常に珍しく、岡寺の仁王門と開山堂の二件だけだという。門に掲げられた「厄除祈願」の四文字が何とも、いい。
岡寺 寺・神社・教会
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大ぶりで派手な本堂だ。このお寺に足を踏み入れると、読経が放送されている。最初はBGM的に流していると思ったが、実は現在進行形で厄除けをしている読経の音色だった。その厄除けの舞台が、この本堂だ。創建1300年以上の古刹だが、現在の本堂は棟札などから文化2年(1805)の上棟だという。塑像としては国内最大の4メートルを超える本尊が安置されている。
岡寺 寺・神社・教会
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境内を散策すると、苔むしたお地蔵さんが。
岡寺 寺・神社・教会
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三重塔。室町時代の1472(文明4)年に大風で倒壊。再建は進まず、結局、解体され、現在の仁王門や楼門の部材に転用されたという。実に約500年後の1984(昭和59)年に弘法大師千百五十年御遠忌を契機に復興に着手し、1986年に完成。さらに扉絵などの荘厳も整備し、最終的には2001(平成13)年に完成を見たという。本堂を見下ろすような高台にあり、朱塗りがまぶしい。軒先に荘厳として「琴」がつるされている例は珍しいという。
岡寺の三重塔 名所・史跡
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山門前に「飛鳥大佛」と大書した石碑がある飛鳥寺へ。
安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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最初、奥さんは仏像の顔が怖いというのでおっかなびっくりだったが、拝観を終えるとすっかりこのお寺のファンになっていた。入場者がたまると寺男が説明するシステム。2人の寺男が代わる代わる説明してくれたが、これが名調子でとても楽しめた。本尊で日本最古の仏像とされる飛鳥大仏は重さ15トンの威容だ。あまりに重たく下には石が敷かれている。
安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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大仏が鎮座する本堂。大仏を運び込んだというよりも、仏像を据えてから建物を建てたのかもしれない。鎌倉時代に火災に遭い、寺も仏像も焼け、雨ざらしになったが、信心深い周辺の民が雨露をしのぐ小屋を作った伝説が残る。
安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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大抵の寺院が所蔵する仏像の写真撮影を禁じているが、このお寺は自由だった。お顔には傷もあるが、この仏像が刻んできた歴史を見るかのようだ。
安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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蘇我入鹿首塚は飛鳥寺に隣接したところにある。ちょうど蘇我氏の邸宅があった甘樫の丘を望むような場所だ。大化の改新(今は乙巳の変か)で飛鳥宮で暗殺された蘇我入鹿の首がここまで飛んできたとされる伝説に基づいた首塚だ。五輪塔が安置されている。笠に厚みがあるなど鎌倉時代後半から室町期の特色を残していることから、当たり前だが、後年に安置されたものだろう。陥れられた人々のたたりを恐れた御霊信仰の一つではないかと思ってしまう。都が転々と変わり、人々の権謀術数が渦巻いた時代のあだ花か。反逆の徒とされる人物でも神社仏閣を構えるのが鎮魂の常だが、首塚なのは藤原氏の権勢を忖度したからか。
蘇我入鹿首塚 名所・史跡
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飛鳥坐神社。飛鳥寺から歩いて数分の場所にある神社。大国主命の息子で「えびすさん」で知られる事代主命などを祭る。
飛鳥坐神社 寺・神社・教会
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毎年2月にある奇祭おんだ祭りで有名だ。男女の和合を露骨に描いており、古代の性の取り扱いがおおらかだったことを今に伝えているかもしれない。そのせいかもしれないが、境内にある石や掲示物が祭りに関連したものに見えるような気がする。
飛鳥坐神社 寺・神社・教会
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明日香村で最後に訪れたのが、万葉文化館。万葉集に対する理解を深める文教施設だが、広大な駐車場が無料だけに観光の拠点としても使いやすい。施設内は日本画展示室が有料だが、はっきり言って無料ゾーンでも結構楽しめる。アニメや人形、音楽などを使って和歌の魅力や当時の暮らしなどをわかりやすく再現しており、家族連れには好適だ。カフェレストランやミュージアムショップもある。
奈良県立万葉文化館 美術館・博物館
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