2025/02/11 - 2025/02/13
489位(同エリア5963件中)
たっくん&ゆうすけさん
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四天王寺,法隆寺,薬師寺と【 SETRE NARAMACHI 】。
https://www.hotelsetre.com/naramachi/
瑜伽(ゆうが)神社に歌碑のある大伴坂上郎女の「平城(奈良)の明日香(飛鳥)」の歌を手掛かりに,飛鳥寺から四天王寺,法隆寺,薬師寺,東大寺に至る伽藍配置の変遷の跡を訪ねます。
まずは【セトレならまち】の「紅 -くれない-(和洋デラックスルーム,38㎡)」を動画でどうぞ。
https://youtu.be/O-AXwGE1bTk
宿泊料金は,一休の素泊まりプランを宿泊前日に予約して,1名1室,総額14,950円(2名1室の場合は 19,500円)でした。建国記念日の飛び石連休最終日ということもあるのか,お得な料金設定,「奈良ホテル」の前泊として急遽利用しました。
2泊3日の行程は以下に記した通りですが,この旅行記では【奈良ホテル】以外の部分を,時系列に拠ることなく,
■■四天王寺,法隆寺,薬師寺■■
■■■セトレならまち■■■
■■■■ならまち逍遥■■■■
の3部構成で編集しています。
ただし,■■四天王寺,法隆寺,薬師寺■■の部分は,口の悪い京都人の友人K君によると「くちゃらくちゃらと何を書いてるのか,さっぱりわからん!」ということなので読み飛ばしてくださいw
[2025年2月11日(祝・火)]
自宅→(自転車)→伊丹空港→(8:40発のリムジンバス)→大和西大寺→(近鉄橿原線)→西ノ京(9:39着)→【薬師寺】。
薬師寺見学後,近鉄線で近鉄奈良へ。徒歩で【ならまち】界隈を散策,14時から【うな菊】でランチ。
【セトレならまち】泊
[2025年2月12日(水)]
【セトレならまち】の早朝散歩に参加後,朝食。徒歩でならまち界隈を散策後,奈良ホテルへ,13時チェックイン,この日はホテルにお籠もり。13:30からホテルでランチ,夜はバー。
【奈良ホテル】泊
[2025年2月12日(木)]
7時から朝食,8時発の送迎バスでJR奈良駅へ。大和路線で法隆寺駅(8:26着)から往路・徒歩,復路・バス(10:44 法隆寺参道発・奈良交通)で【法隆寺】へ。
11:15 JR奈良発の送迎バスで奈良ホテルに戻り,ティータイム。13時チェックアウト。
13:15発の送迎バスで近鉄奈良へ。近鉄奈良線+大阪メトロ・谷町線で大阪上本町~谷町九丁目乗換え,四天王寺前夕陽ヶ丘(14:30着)へ。四天王寺見学後,伊丹空港経由,チャリで帰宅。
奈良ホテルにつきましては,『2025年 至高の『奈良ホテル』本館デラックスパークサイド宿泊記(ブログ)』をご覧ください。
https://4travel.jp/travelogue/11961008
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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■■四天王寺,法隆寺,薬師寺■■
【瑜伽(ゆうが)神社】
https://narashikanko.or.jp/spot/shrine/yuga-jinja/
一の鳥居から見上げる瑜伽神社。昨年6月,M君と「ふふ奈良」に泊まった折,夜にこの神社の前を通りかかって気になっていたのですが,今回,行ってみました。階段が大変そうに見えるけど,大したことはありません。
https://4travel.jp/travelogue/11911481
瑜伽(ゆうが,ゆが)は仏教用語で,サンスクリット語の「yoga, ヨガ」の音写語だそうです。「ふふ奈良」も「瑜伽山園地(旧山口氏南都別邸庭園)」の中にありました。
https://youtu.be/zViXiK82QSo
瑜伽神社は奈良ホテルのすぐ東側に位置しています。神社からは,南の大和三山や飛鳥(明日香)の方向を望みます。動画でご覧ください。瑜伽神社 寺・神社・教会
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[写真左上]
中腹の右手にある「飛鳥神並社(あすかかんなびしゃ)」
[写真右上]
拝殿に向かって右手の「一言稲荷社(ひとこといなりしゃ)」
[写真左下]
拝殿に向かって左手の「猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)」
[写真右下]
拝殿に向かって左手の「久恵比古社(くえひこしゃ)」瑜伽神社 寺・神社・教会
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「平城の飛鳥の万葉歌碑」
一言稲荷社の右手にあります。万葉仮名で
『大伴坂上郎女乃歌
古郷之 飛鳥者雖有 青丹吉
平城之明日香乎 見楽思好裳』
と記されています。
[読み下し文]
「大伴坂上郎女(おおともの さかのうえの いらつめ)の歌
古里の 飛鳥はあれど あをによし
奈良の明日香を 見らくし良しも」瑜伽神社 寺・神社・教会
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画像出典:類聚古集(平安時代,国宝) 龍谷大学図書館所蔵
https://da.library.ryukoku.ac.jp/page/160999
歌碑は,万葉集 第6巻 992番歌です。題詞には
『詠元興寺之里歌』
「元興寺の里を詠める歌」
とあるので,それを踏まえると,
[私訳]
古い都(飛鳥京)の法興寺(飛鳥寺)も良いけれど,奈良に移された元興寺(平城の明日香)を目にするのも,なんと素晴らしいことであろうか。
「見らく」は「見ること」の意で,上一段活用動詞の未然形+接尾語「らく」,そのあとの「し」は強意の副助詞。「良しも」の「も」は詠嘆の終助詞。
元興寺については,下記の旅行記を併せてご覧ください。現在の「ならまち」は,ほぼその全域が古の元興寺の境内でした。
https://4travel.jp/travelogue/11911481 -
画像出典:類聚古集(平安時代,国宝) 龍谷大学図書館所蔵
https://da.library.ryukoku.ac.jp/page/160999
大伴坂上郎女(生没年不詳)は万葉集の代表的歌人で,万葉集を編纂したとされる大伴家持(718?-785)の叔母にあたる人です。
同じく万葉集に,
『塩満者 入流礒之 草有哉 見良久少 戀良久乃大寸』
「潮満てば 入りぬる磯の 草なれや 見らく少なく 恋ふらくの多き」
という歌があります。
「見らく」「恋(こ)ふらく」も「見ること」「慕い思うこと」の意で,「あなたに会うことは少なく,慕い思うことばかりが多い」という恋の歌です(「恋ふらく」は上二段活用動詞の終止形+接尾語「らく」)。
源氏物語第7帖「紅葉賀」で幼い「紫の上」が口ずさむこの歌は,万葉集(第7巻,1394番歌)では作者未詳とされていますが,拾遺和歌集(第15巻,967番歌)では,平城の明日香の歌と同じく坂上郎女の作として収載されています。彼女には,飛鳥寺のある古郷に思ひ人がいたのでしょうか。 -
さて,この法興寺(飛鳥寺)は日本史の教科書の「伽藍配置の変遷」図で覚えている方も多いでしょう。(図中,黄色で示した)仏舎利をおさめる塔は,時代とともにその意義を失って装飾的なものとなり,寺の中心から周縁部に移動していきます。
①飛鳥寺(明日香村)では,塔が寺の中心に置かれ,それを3つの金堂(中金堂,東金堂,西金堂)が取り囲んでいました。現在の飛鳥寺(安居院,あんごいん)本堂は,旧中金堂の跡地に,江戸後期の1826年に再建されたものです。
⑤東大寺や ⑥大安寺では,本尊をまつる金堂が寺の中心に置かれ,塔は周縁部に追いやられています。しかし,現在では東塔も西塔も失われているため,その伽藍配置をイメージしにくい面があります。
②四天王寺(大阪市天王寺区),③法隆寺(斑鳩町),④薬師寺では,①と⑤⑥の間の過渡期の伽藍配置が見られます。しかも塔が現存ないしは再建されているため,伽藍配置が視覚的に明らかです。
②四天王寺の盂蘭盆会(うらぼんえ)にはよく出かけますが,20余年ぶりに ③法隆寺,④薬師寺を訪ねることにします。安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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【四天王寺(大阪市天王寺区)】
https://www.shitennoji.or.jp
四天王寺の境内地図,右が北の方角です。中央伽藍は北から順に,講堂,金堂,五重塔,中門が一直線上に並び,それを回廊が取り囲む形式です。
四天王寺は,1934年の室戸台風で五重塔が倒壊するなど大きな被害を受けたほか,1945年の大阪大空襲により,本坊方丈,五智光院、六時堂などを残して境内のほぼ全域が灰燼に帰しました。
四天王寺では,江戸前期の1623年に,いずれも徳川家康によって造営された
◆本坊西通用門
◆本坊方丈
◆五智光院
◆六時堂
◆元三大師堂(がんざんだいしどう)
◆石舞台
の各棟が,文化財名称[四天王寺]として国の重要文化財に指定されています。しかし,中央伽藍はいずれも第二次大戦後に再建されたものです。四天王寺 寺・神社・教会
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四天王寺中門
写真は四天王寺南大門から望む中門(仁王門),五重塔です。
◆四天王寺中門(1963年,登録有形文化財)
◆四天王寺廻廊(1963年,登録有形文化財)四天王寺 寺・神社・教会
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四天王寺講堂,金堂,五重塔
写真左奥(北側)から順に,
◆四天王寺講堂(1963年,登録有形文化財)
◆四天王寺金堂(1961年,登録有形文化財)
◆四天王寺五重塔(1959年,登録有形文化財)
講堂,金堂,五重塔,中門,回廊はいずれも鉄骨鉄筋コンクリート造ですが,詳細な発掘調査に基づき,古代寺院の姿を復元した初例とされています。四天王寺 寺・神社・教会
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【法隆寺(奈良県斑鳩町)】
https://www.horyuji.or.jp
法隆寺の境内は,世界最古の木造建造物群である西院伽藍と,厩戸王(聖徳太子)の斑鳩宮跡に太子を偲んで建立された東院伽藍に大きく分かれます。法隆寺 寺・神社・教会
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法隆寺南大門と西院伽藍
西院伽藍から見ていきます。法隆寺南大門から中門を望んでいます。
◆法隆寺南大門(室町中期 1438年,国宝) -
法隆寺中門
写真は中門,その北側には,金堂と五重塔が東西に並立しています。これは,塔と金堂がほぼ同等に枢要なものとして捉えられていたことを示唆しています。
◆法隆寺中門(飛鳥時代,国宝)
エンタシスの柱,雲斗・雲肘木(くもと・くもひじき)によって構成される組物,卍崩しの組子と人字形割束(ひとじがた わりづか)を配した高欄など,壮麗な飛鳥建築の特徴がみられます。7世紀後半の金堂,五重塔に続いて,中門が建立されたものと考えられています。法隆寺 寺・神社・教会
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法隆寺大講堂,金堂,五重塔
中門の北側から大講堂を望んでいます。回廊は元は大講堂の南側で閉じられ,大講堂は回廊外に独立して建っていましたが,平安時代中期に回廊が北側まで延長されました。
◆法隆寺大講堂(平安中期 990年,国宝)
◆法隆寺金堂(飛鳥時代,国宝)
◆法隆寺五重塔(飛鳥時代,国宝)
◆法隆寺廻廊(飛鳥時代,国宝)法隆寺 寺・神社・教会
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法隆寺中門,金堂,五重塔
今度は逆に,大講堂から南の方角,中門を望んでいます。
金堂の初層と五重塔の初重には,裳階(もこし)が付いています。裳階とは,仏堂や仏塔の軒下に,庇(ひさし)状に屋根を架けた構造物のことです。建物自身を風雨から守る役割も果たしています。 -
法隆寺金堂
金堂,五重塔,中門に共通してみられる特徴である ①雲斗,②雲肘木,③卍崩しの組子と,④人字型割束(五重塔には見られません)を写真中に表示してみました。
写真では橙色の楕円で囲んである,龍の彫刻の施された支柱も目を引きます。金堂の二層目の軒を支えるこの柱は,必ずしも装飾的なものではなく,この柱なしには,屋根の荷重による四隅の軒の垂れ下がりを抑止することができなかったものと考えられます。同様の柱は,次の写真の五重塔の四重目と五重目の間にもあります。
また,金堂の裳輿と初層の屋根の間では,口を開けた獅子が屋根を支えています。赤色の楕円で囲んだ部分です。同様の構造は,次の写真の五重塔の裳輿と初重の屋根の間にもみられます。
法隆寺金堂には,鞍作止利(くらつくりのとり)作の
◇法隆寺金堂釈迦三尊像(飛鳥時代 623年,国宝)
[銅造釈迦如来及両脇侍像〈止利作/(金堂安置)〉]
などが安置されています。[]内は文化財指定名称。
https://www.horyuji.or.jp/garan/kondo/detail/#kondodetail01
鞍作止利の「釈迦三尊像」は,後述する「救世(ぐぜ)観音」や「百済観音」とは異なり,体部の抑揚がほとんどなく,正面観照性に力点が置かれています。飛鳥文化を代表する美術作品の一つです。法隆寺 寺・神社・教会
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法隆寺五重塔
古代の塔は上層にいくほど縮減率が大きく,安定感があります。雲斗・雲肘木によって構成される組物,卍崩しの組子など,飛鳥建築として金堂や中門と共通する特徴がありますが,二重目以上の高さがないため,人字型割束による高欄の腰組は省略されています。法隆寺 寺・神社・教会
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法隆寺大宝蔵院
大宝蔵院には「百済観音」や「玉虫厨子(たまむしのずし)」など,飛鳥文化を代表する美術作品が展示されています。
◆法隆寺大宝蔵院(1998年完成)
◇法隆寺百済観音像(飛鳥時代,国宝)
[木造観世音菩薩立像(百済観音)]
◇法隆寺玉虫厨子(飛鳥時代,国宝)
[玉蟲厨子]
https://www.horyuji.or.jp/garan/daihozoin/
杏仁形(アーマンド形)の目,古拙の笑み(アルカイック・スマイル)など,百済観音には他の飛鳥仏と共通する特徴もあります。
しかし,水瓶(すいびょう)を軽やかに手にし,すらりとした長身の百済観音は,華奢ではあるけれども微かな丸みを帯びた肉付き,その優しく柔和な表情も相俟って,止利の「釈迦三尊像」や後述する「救世観音」とも,かなり異質な印象を与えます。
また,「百済観音」は正面からだけではなく,側面観が強く意識された仏像です。法隆寺大宝蔵院では,百済観音を側面からも十分に鑑賞できるよう配慮されています。法隆寺大宝蔵院 寺・神社・教会
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法隆寺東大門
西院伽藍の東面の門で,門を抜けさらに東に進むと,夢殿を中心とする東院伽藍に至ります。
◆法隆寺東大門(奈良時代,国宝) -
法隆寺東院伽藍 夢殿
八角円堂の夢殿は,聖徳太子をまつる法隆寺 東院伽藍の中心となる建物です。夢殿と呼ぶには些か武骨な感じがするのも否めませんが,これは大改造を伴った鎌倉時代(1230年)の修理によるものです。甍には華麗な露盤宝珠(ろばんほうじゅ)を乗せています。
本尊は救世(ぐぜ)観音で秘仏。春秋の一定期間に限って特別開扉されます。
◆法隆寺東院夢殿(奈良時代 739年,国宝)
◇法隆寺夢殿救世観音像(飛鳥時代,国宝)
[木造観音菩薩立像(夢殿安置)]
https://www.horyuji.or.jp/garan/yumedono/
仰月形の唇をもつ救世観音の神秘的な表情は,見る者に鮮烈な印象を与えます。衣文の左右対称性は守られていますが,下半身は長くのびやかで,体部の抑揚が意識されているなど,止利の鋳造仏とは異なる特徴もみられます。
「救世観音」を7世紀前半の作,「百済観音」を7世紀中ごろの作,中宮寺の「木造半跏思惟像」を天武・持統期(7世紀末ごろ)の作と比定するならば,広隆寺の「木造半跏思惟像(宝冠弥勒)」をどう捉えるかにもよりますが(渡来仏とする説が有力),日本で製作された現存最古の木造仏は「救世観音」と考えてよいのではないかと思います。法隆寺 寺・神社・教会
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【薬師寺(奈良市西ノ京町)】
https://yakushiji.or.jp
薬師寺の伽藍図,左が北の方角です。
金堂が中央伽藍の中心に置かれ,塔は回廊の中にはありますが,東西の二塔に分かれて装飾的な意味合いを帯びています。
東大寺では東西の塔が回廊よりも外に置かれ,大安寺ではさらに南大門よりも外に置かれるようになります。薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺中門
薬師寺南門から中門,そして西塔(さいとう)と東塔(とうとう)を望んでいます。
◆薬師寺南門(室町後期 1512年,重要文化財)
◆薬師寺中門(1984年再建) -
薬師寺金堂
逆に,北側の大講堂から金堂,東塔と西塔を望んでいます。両塔は回廊の内側には位置しているものの,本尊をまつる金堂が中心伽藍の枢要な位置を占めていることがわかります。
◆薬師寺金堂(1976年再建)薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺金堂薬師三尊像
[銅造薬師如来及両脇侍像(金堂安置)]
薬師寺金堂の本尊。わが国の仏像彫刻史上,代表的な傑作です。堂外の地上から撮影しています。
◇薬師如来坐像(奈良時代,国宝)薬師寺 寺・神社・教会
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両脇侍像は腰がくびれ,流れるような三曲法の姿勢をとっています。
[写真左]
◇月光菩薩立像(奈良時代,国宝)
[写真右]
◇日光菩薩立像(奈良時代,国宝)薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺大講堂
中央伽藍の最も北側に位置する大講堂。
◆薬師寺大講堂(2003年再建) -
薬師寺西塔
◆薬師寺西塔(1981年再建)薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺東塔
◆薬師寺東塔(奈良時代 730年,国宝)
毎重に裳階(もこし)の付いた三重塔。比類なき卓抜した造形美は「凍れる音楽」と評されます。薬師寺東塔と薬師寺金堂薬師三尊像は,白鳳文化を代表する美術作品です。
東塔は,2009年から2020年にかけて,全面解体修理が行われました。それにより屋根の撓みが解消され,若々しい張りのある姿を取り戻しています。
https://youtu.be/rruiJE7K4UU
東塔と西塔を動画でご覧ください。薬師寺 寺・神社・教会
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解体修理前の薬師寺東塔
この写真は23年前,2002年9月24日に撮影した薬師寺西塔(左)と東塔(右)です。平成から令和にかけての解体修理前の東塔は,一見して明らかに軒が垂れ下がってきているのがわかります。しかしそれは,歳月を重ねた東塔の枯れた趣きでもありました。薬師寺 寺・神社・教会
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薬師寺東塔の相輪
水煙の部分には楽奏天人彫刻。笛を吹きながら踊る飛天や飛雲がデザインされています。この水煙は解体修理に伴い新調されたものです。 -
薬師寺東院堂,龍王社
東塔の東,回廊の外側には,時代は一気に5世紀半下りますが,鎌倉時代後期の仏堂・東院堂があります。しかし,このお堂の本尊は,飛鳥時代の聖観世音菩薩像です。東院堂・聖観世音菩薩像は,金堂・薬師三尊像とほぼ同時期の造立と考えられています。
◆薬師寺東院堂(鎌倉後期 1285年,国宝)
◇聖観世音菩薩像(飛鳥時代,国宝)
[銅造観音菩薩立像(東院堂安置]
https://yakushiji.or.jp/guide/garan_toindo.html
東院堂の南側にある龍王社は,龍神を祀る小社殿です。加藤朝胤 管主による以下の記事を参照してください。
https://yakushiji.or.jp/column/20240122/ -
■■■セトレならまち■■■
https://www.hotelsetre.com/naramachi/
今回の旅の1泊目は猿沢池の畔の【 SETRE NARAMACHI 】。全室,無料のラウンジが利用できて,しかもアルコール類も15時から翌朝6時半まで提供されています。ラウンジの飲食物の客室への持ち帰りも自由です。
客層は礼節を弁えた若い人が多く,ここぞとばかりに飲み食いしまくるような醜い中高年は見かけません。 -
【紅 401号室 @SETRE NARANACHI 】
宿泊したのは,401号室の紅 -くれない-(和洋デラックスルーム,38㎡)。スタバのある猿沢池を見渡します。
【セトレならまち】の401号室を動画でご覧ください。
https://youtu.be/O-AXwGE1bTk -
歯ブラシなど使い捨てアメニティは用意されていません。持参するよう推奨されています。
客室にあるのは,Waphyto のシャンプー,コンディショナー,ボディウォッシュ,ハンドソープ,アロマスプレー(ひのきの天然蒸留水,部屋・衣類用)に加え,緑茶のティーバッグ,ドリップコーヒーなどです。
水は各階にあるウォーターサーバーで提供されます。また,湯沸かしポット,小型の加湿器(写真左上),パジャマも用意されています。空の冷蔵庫があります。 -
【宿泊者専用ラウンジ @SETRE NARANACHI 】
セトレならまちのクラブラウンジは利用できる時間が長いこと,特にアルコールが15時から翌朝6時半まで提供されていることと,飲み物やおつまみを客室に持ち帰ってよいことが特長です。呑兵衛にはたまりませんね。
FOOD 15:00-23:00
ALCOHOL 15:00-6:30
SOFTDRINK 15:00-11:00
ラウンジとレストランは同じ空間を共有しており,16:30以降,一部の席が「ディナー専用席」となります。
夕食付のプランでこちらで食事をする場合,ペアリングのドリンクなどもすべて料金に含まれています(all inclusive) 。
https://www.hotelsetre.com/naramachi/restaurant/ -
クラブラウンジのドリンクのプレゼンテーション
生ビール,コーヒー,紅茶(ティーバッグ)などのほか,
[写真右上]
アップルジュース,ウーロン茶,グァバジュース,ぶどうジュース,オレンジジュース。
[写真左下]
カシスリキュール,梅の宿の梅酒,あらごしれもん(リキュール),あらごしもも(リキュール)。
[写真右下]
春鹿 白滴,スパークリングワイン,白ワイン,赤ワイン。 -
クラブラウンジのフードのプレゼンテーション
[写真左上]
乾き物は,バニラクッキー,ドライ苺,スモークチーズ,カルパス(サラミスティック)
[写真右上]
キャラメル ナッツ バナナ マフィン
[写真左下]
自家製野菜ピクルス(味噌),自家製野菜ピクルス(酒粕)
[写真右下]
ブルーベリークリームチーズ,蜂蜜,酒粕クリームチーズ,奈良漬けクリームチーズ -
【マイスタールーム @SETRE NARANACHI 】
ラウンジに隣接する「匠室(マイスタールーム)」。中継ぎ表の畳,土壁,手漉き和紙,三方(みかた)格子の茶室です。こちらでラウンジの飲物やおつまみをいただくこともできます。 -
【ライブラリー&レコードルーム @SETRE NARANACHI 】
各種のボードゲームなどもあります。ラウンジの飲食物を持ち込むことができます。 -
ビートルズを聴きながら,夜のひと時を過ごしました。閉ざされた空間ではありませんので,あまり大音量で聴くことはできません。
-
【階段 @SETRE NARANACHI 】
屋上には「星宙テラス」があります。興福寺の五重塔が素屋根に覆われているのが残念ですが…。 -
【各階案内図 @SETRE NARANACHI 】
案内図は上が西側で,猿沢池に面した側です。それ以外の部屋は中庭に面しています。 -
【 BIO YARD @SETRE NARANACHI 】
セトレならまちの中庭「BIO YARD」には,檜パウダーを微生物の力で発酵させた「ASHIYOKUドーム」があります。いわゆる足湯ではありません。
使用後の醗酵パウダーを「醗酵堆肥」として,エディブルフラワーや大和野菜を栽培しているそうです。 -
「ビオヤード」では大和肉鶏が平飼いされています。
-
【朝活 @SETRE NARANACHI 】
セトレならまちで朝7時から参加できる1時間の早朝散歩。ガイドさんが奈良公園を中心としたホテル周辺を案内してくれます。写真はそのごく一部です。
[写真左上]
明治40年に料亭として創業した「料理旅館 江戸三」。奈良公園内に数寄屋風の離れが点在します。ほうれん草と伊勢海老を使った若草鍋が名物。
[写真右上]
土塀と鹿。廃仏毀釈により打ち棄てられた,興福寺の古い塔頭の跡か。
[写真左下]
浮見堂と洞水門(水琴窟)。鷺池は水が抜かれ,水質改善のための池干しと浚渫が行われていました。
[写真右下]
「菩提院大御堂」。唯一現存する興福寺の子院(塔頭)。「十三鐘」と通称される梵鐘,神鹿を誤って殺傷した少年を石子詰(いしこづめ)の刑に処したと伝承される塚があります。 -
【朝食 @SETRE NARANACHI 】
朝活から帰ってきて朝食を。素泊まりのプランだったので,3,000円で朝食を追加しました。ジュースはラウンジから。朝は植村牧場の牛乳がありました。奈良ホテルでも,朝食には植村牧場の牛乳が用意されます。 -
7種類の中から好みのおにぎりを握ってもらいます。写真は「完熟梅おかか」と「海苔の佃煮」。もちろんお代わりできます。
■曽爾(そに)米 自家製塩むすび
■片山醤油 焼きむすび
■大和牛 しぐれ煮
■海苔の佃煮
■大和肉鶏甘辛豆乳仕立て
■月ヶ瀬完熟梅おかか
■白鳳卵と鮭マヨ
ホテルを出て,ならまち界隈を散歩してみましょう。 -
■■■■ならまち逍遥■■■■
荒池から鷺池の浮見堂を遠望荒池 自然・景勝地
-
【菊水楼】
https://www.kikusuiro.com/
現在は料亭と結婚式場。
[写真左上]
◆菊水楼表門(江戸期,明治期移築,登録有形文化財)
本瓦葺の薬医門。
[写真右上]
門内から見た表門と東大寺・修二会の松明。
[写真左下]
◆菊水楼庭門(江戸期,明治期移築,登録有形文化財)
桟瓦葺(さんかわらぶき)の薬医門。
◆菊水楼本館(1901(明治34)年,登録有形文化財)
旧本館に接続して明治34年に増築。
[写真右下]
◆菊水楼旧本館(1891(明治24)年,登録有形文化財)
春日大社参道に面した角地,荒池を望む景勝地に建っています。料亭菊水楼 グルメ・レストラン
-
庭門(にわもん)を抜けて庭園を通り,「うな菊 奈良本店」で「菊御膳 半尾(3,700円)」を,肝吸い(+150円)に変更していただきました。
http://www.kikusuiro.com/unakiku/
予約をしてあっても,客の顔を見てから鰻を蒸すのでしょう。提供までに30分弱かかります。タレが上品過ぎるかな。もう少しがっつり甘辛いほうが好み。デザートは干し柿羊羹です。ごちそうさまでした。うな菊 奈良本店 グルメ・レストラン
-
【興福寺三重塔】
https://www.kohfukuji.com
東向(ひがしむき)通りの東の高台に位置する興福寺では,2031(令和13)年3月までの予定で,五重塔の保存修理事業が行われています。現在,五重塔は全天候型足場(素屋根)にすっぽりと覆われていて,見ることができません。この状態がしばらく続きます。
◆興福寺五重塔(室町中期 1426年,国宝)
写真は五重塔よりも古い興福寺三重塔です。
◆興福寺三重塔(鎌倉前期,国宝)興福寺三重塔 寺・神社・教会
-
【御菓子司 千代乃舎 竹村】
https://chiyonoya-takemura.jp
近鉄奈良駅から南に伸びる東向(ひがしむき)通り・東向商店街にある和菓子屋さん。甘味処を併設しているので,わらびもち,わらびもちソフト,生菓子とお茶のセットなどを eat in, 一部の商品は to go できます。
讃岐の和三盆糖を使った干菓子「一口好み(860円)」を購入。この旅では3日間で6万歩程度歩いたので,よい糖分補給にもなりました。千代の舎 竹村 グルメ・レストラン
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【茶論(さろん) 奈良町店】
https://salon-tea.jp
猿沢池の南西の角を西に入ったところ。中川正七商店が運営するお店で,喫茶部門があります。
「茶事(3,300円)」のコースをいただきました。まずは,焼き塩と紫蘇の「香煎」が供され,「主菓子と濃茶(と白湯)」「干菓子と薄茶」と続きます。練った濃茶なんかいただいたの何十年ぶりかな。薄茶は3種類の中から好みのものを選べます。
他にも,薄茶三服飲み比べ+主菓子・干菓子の「茶カフキ(2,750円)」,薄茶一服+主菓子の「自点て(2,200円)」,単品の飲み物では,濃茶,薄茶に加え,氷点抹茶,濃茶ラテ,煎茶,焙じ茶,さらには,主菓子と飲み物のセット,葛焼き団子と飲み物のセットがあります。 -
【茶論】の季節の主菓子は,葛焼き,百合根きんとん,椿餅から選択でした。近くの【樫屋(かしや)】さんの主菓子だそう。百合根を選びました。淡い萌黄色の餡を包んでいる金団は,百合根そのものの甘み。
外国人からは「お菓子なのに全然甘くない!」と文句言われそうやけど。京都人なら「ええ舌してはりますなぁ!」とやり返すところか。笑 -
【萬御菓子誂處 樫屋】
https://www.kasiya.jp/wagasidukuri/
場所はスタバのある猿沢池の西側の通りを南へ,ならまち大通りまで下ったところ。元興寺より手前。
樫屋のぜんざい(数量限定,1,540円),饅頭蒸しと抹茶(数量限定,1,430円),季節の生菓子と飲み物(抹茶・煎茶・珈琲,1,210円)など,イートインもできます。 -
樫屋のウインドウに並んだ季節の生菓子
葛焼き,薯蕷饅頭,百合根きんとん,東風,うぐいす餅,椿餅。 -
母がお世話になっている方に,椿と梅の干菓子,鹿とお雛様の焼き印の入った小種(餅米と阿波の和三盆糖の煎餅)を詰め合わせてもらいました。
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【春鹿 今西清兵衛商店】
https://www.harushika.com
甘いもんなんか要らん,酒持って来い!という御仁にはこちらです。700円で5種類の利き酒ができます。場所は旧大乗院庭園の南側,福智院町のバス停近く。
①春鹿 純米吟醸生酒 しぼりばな
②春鹿 純米超辛口生原酒
③春鹿 純米吟醸生原酒 酒造見学限定酒
④春鹿 純米吟醸生原酒 鹿鳴 雄町
①は16度,②は18度,③④は17度だそうです。今西清兵衛商店 専門店
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⑤春鹿 発泡清酒 ときめき (6.5度)
きゅうり,うり,燻製瓜の奈良漬とともに。うぇ~い,ほろ酔い気分。今西清兵衛商店 専門店
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【旧大乗院庭園】
https://www.narahotel.co.jp/facilities/daijyo_in_toha/
室町時代の善阿彌の作庭遺構で,かなりの変容を被ってはいるものの,全体としては室町時代の地割を残しています。奈良ホテルの南側です。
◆旧大乗院庭園(名勝)名勝大乗院庭園文化館 美術館・博物館
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【奈良ホテル】
https://www.narahotel.co.jp
奈良ホテルにつきましては,次の旅行記をご覧下さい。
https://4travel.jp/travelogue/11961008
(つづく)奈良ホテル 宿・ホテル
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