2024/06/24 - 2024/07/12
23位(同エリア89件中)
クリスさん
2024年6月24日から7月11日までのスペイン旅行。カスティーリャ・レオン州のアビラ県を除く8県とリオハ、アストゥリアス、カンタブリア、バスクの5自治州にある主に西ゴート、モサラベ様式のロマネスク教会を巡る旅になります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
6月24日9:40羽田発のの全日本空輸のフランクフルト便は映画スターウォーズのR2-D2を描いた特別塗装をしたボーイング787でした。途中経由のフランクフルトでルフトハンザ機に乗り換えビルバオに到着したのは夜の22:50分。日中はシャトルバスの送迎もあるのですが、22:45分がシャトルの最終になるためタクシーを拾って、この日予約したホリデイ・イン・エクスプレス・ビルバオ(Holiday Inn Express Bilbao, an IHG Hotel)に向かいます。
-
空港からは3キロ程の距離になりタクシーの料金でも10ユーロ程になります。客室数も多く使い勝手の良い印象です。早朝初の帰国便や到着便への対応には街中に宿泊するよりは都合がよいかと思います。
-
翌朝のレストラン。5時過ぎから開いているので早い出発でも食事をとる事が出来ます。ただ早いとまだ並んでいる品も少ないので満足な食事にはならないかと思います。
-
ホテルの横には地元資本のレンタカーオフィスが併設されています。またOKの表示のああるバスがレンタカーとホテルの送迎を兼ねていますので、空港にオフォスのあるレンタカー会社に戻る手間いらない事もこのホテルを選択した理由となりました。ただ中小ですので係員の数が少なく利用者が多いと待たされる時間が長くなります。私も9時予約だったのですが、早めに行って待っていても手続きが完了したのは9時半になっていました。
-
最初の訪問地はアイェガ(Ayega)のサン・ぺラヨ教会(Iglesia de San Pelayo)。空港のあるビルバオからは南西方向に50km程の距離にあります。
ここはビルバオのあるバスク自治州とカスティーリャ・レオン州の州境に近くカスティーリャ・レオン州のブルゴス県に属し、県北部にあるメナ渓谷(Valle de Mena)の東端に位置しています。 -
雑木に囲まれた林の中にある教会で、対向車とのすれ違いも難しいボコボコの細い山道を抜けてやってきました。アーケード式の鐘楼のある西正面は生長した樹木で阻まれて行く事も出来ません。
-
南側には後付けの柱廊玄関がついています。修道院として建設され記録の上では1168年にその存在が証明されています。
-
しかしながら現存しているのは、南側にある脇扉口と後陣だけであり、17世紀、18世紀の再建された身廊などは放棄されたままであり、20世紀に修復がされるまでは完全に廃墟となっていました。修復後も盗難略奪の被害があり、現在は修復困難状態にあって教会としての機能は失われています。
-
単身の内陣部分。この教会で最も興味深い部分になります。この写真ではわかりませんが中やや北側には上部から下まで貫く亀裂が入っています。
-
後陣にひとつだけ設置された窓は、2つのアーキボルトに囲まれたアーチによって構成されています。後陣内側にあった柱頭は建物が放棄されている間に盗まれたとあります。
-
窓枠の明り取りの空間はふさがれてしまっています。左右に残された柱頭は植物文様と動物の頭のようです。この写真では樹木の陰影が強くわかりにくいなっていますがよく見ると上部、下部ともにセメント処理された亀裂が確認できます。
-
上部のコーベル、持ち送りの彫刻が注目に値します。
-
ここでは、天使、怪物、動物、または植物や幾何学的なモチーフのさまざまな比喩的なレパートリーを見ることができます。
-
右手に何かを持ちたぶん幼児を抱く像。
-
-
奇妙なポーズですが犬のようです。
-
-
-
北側の身廊部分には目立ったものはありません。
-
南側扉口。このポータルは元々この位置にあった物ではなく、建物の壁が造り直された時に移動されたと考えられています。残念ながらどこにあったかは現在となっては不明のようです。
-
タンパンはとてもユニークな物です。多くのタンパンにみられる最後の審判や聖母に関といった一般的な様式に倣った図像ではないからです。アーキヴォルトは2重で構成され内側は市松模様、外はシンプルなアーチになっています。
-
タンパンの図像解釈には諸説あります。上部の7人天使と考えられ天界を示すとの説が有力です。ローブを着た中央の4人は数字的は福音史家と見られがちですが、前に手を組んでいるので縛られた捕虜との見方があります。左右に騎馬?した人物と頭をかじられる人物。これはライオンと戦うサムソンとライオンの穴の中のダビデとの説があります。全体としては信仰の勝利と罰、天上界と現世と表現であると考えられているようです。
-
扉口の左右の柱頭。こちらは動物が彫られています。
-
左側は植物文様となっています。
-
まぐさ石にはラテン語で"EGO UM PEAGI CORDUBA"の碑文が刻まれています。訳すと「私はコルドバのペラヨです」となり教会の守護聖人である聖ペラヨを示します。聖ペラヨは926年頃にコルドバで殉教した少年で、レコンキスタの精神的支柱の一人としてスペインでは人気のある聖人です。碑文は後で彫られた物のようで構図とは関係がなさそうです。
-
教会は閉鎖されているので内部には立ち入る事はできません。ロマネスクの洗礼盤があるそうですが、内部は廃墟の様子です。11時に次の教会の見学予約を入れてありますので、ほどほどに切り上げて目的地に向かいます。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2024年スペイン旅行1
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編1 アイェガ(Ayega)
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編2 バジェホ・デ・メナ(Vallejo de Mena)
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編3 シオネス・デ・メナ(Siones de Mena)
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編5 フリアス(Frías)、トベラ(Tober...
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 リオハ州編1 サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ
2024/06/24~
ラリオハ地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 ラ・リオハ州編3 レデシリャ・デル・カミーノ、オチャンドゥリ
2024/06/24~
ラリオハ地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編6 ソト・デ・ブレバ(Soto de Bureba)
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 メリンダデス地方編7 サン・ペドロ・デ・テハダ(San Pedro de ...
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 サラス・デ・ロス・インファンテス編1 キンタニージャ・デ・ラス・ビニャス
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 サラス・デ・ロス・インファンテス編2 コバルビアス
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 サラス・デ・ロス・インファンテス編3 サント・ドミンゴ・デ・シロス
2024/06/24~
ブルゴス
-
2024年スペインロマネスクの旅 ソリア編1 サン・エステバン・デ・ゴルマス(San Esteban de ...
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 ソリア編2 ベルランガ・デ・ドゥエロ(Berlanga de Duero)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 ソリア編3 ゴルマス(Gormaz)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 ソリア編4 カラセナ(Caracena)アイヨン(Ayllón)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 パレンシア編1 バーニョス・デ・セラト(Baños de Cerrato)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 バリャドリッド編 ワンバ 、サン・セブリアン・デ・マソテ
2024/06/24~
バリャドリッド
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編1 トーロ(Toro)
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編2 エル・カンピージョ(El Campillo)
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編3 サモーラ(Zamora)1
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編4 サモーラ(Zamora)2
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編5 サモーラ(Zamora)3
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編6 サモーラ(Zamora)4
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 サモーラ編7 ベナベンテ (Benavente)
2024/06/24~
サモーラ
-
2024年スペインロマネスクの旅 エル・ビエルソ編1 ポンフェラダ (Ponferrada)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 エル・ビエルソ編2 コルヨン (Corullón)
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
-
2024年スペインロマネスクの旅 エル・ビエルソ編3 サンティアーゴ・デ・ペニャルバ (Peñalba d...
2024/06/24~
カスティーリャ・レオン地方
旅行記グループをもっと見る
この旅行記へのコメント (2)
-
- マリアンヌさん 2024/07/16 12:07:42
- 魅力的なタンパン
- クリスさん
始まりましたね、クリスさんのディープなロマネスク旅。
とてもほっこりする可愛いタンパンですね。
Instagramで拝見した時からとても気になっていました。
4福音史家でなく捕虜かもというのも珍しいですし、7人の天使や左右の騎馬の図像、見たことがないです。ビルバオ近くなんですね。
予約された教会も楽しみにしています。
マリアンヌ
- クリスさん からの返信 2024/07/18 20:21:38
- RE: 魅力的なタンパン
- コメントありがとうございます。すごい辺鄙なところにある教会というかほぼ廃墟なのですが見応えのあるタンパンでしたね。行くかどうか最後まで迷った教会でしたが他には代えがたい教会でした。田舎ならではでこんな風景もあるのだという山国スペインを堪能しました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ブルゴス(スペイン) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2024年スペイン旅行1
2
26