2024/01/13 - 2024/01/13
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kojikojiさん
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夕方に石垣島を出港したベリッシマは夜明け前に那覇港に着きました。まだ真っ暗な時間でしたが那覇空港の明かりが見えたので大体の位置は分かります。そのうちに夜が明けてきますが、下船まではまだまだ時間があります。台湾周辺では見ることの出来なかった日本のテレビ番組も石垣島から見られるようになりました。ベッドに横になってテレビを眺めているとジャパネットたかたのベリッシマの放送がやっていました。すぐ近くにあるプロムナードやレストランがテレビに映っているのはまた違った意味で面白かったです。前日の深夜にトランクなどの荷物は廊下に出しておいたのですが、それらは回収されてターミナルに運ばれます。膨大な荷物はカゴに入れられ、それをフォークリフトで運んでいるのが眼下に見えます。部屋は午前8時に開けなければならないので、早めに朝食を摂って、部屋に戻って廊下の様子を見ながら時間を稼ぎました。さすがに9時前には部屋を出て、ずっと世話してくれた女性スタッフにお礼を伝えます。最後部の「CAROUSEL」が下船前の集合場所でしたが、初めて中に入りました。円形ステージの周りは下船待ちの人で一杯です。ガラス張りの美しい内装だったので、有料でも一度観に来ればよかったなと後悔します。ようやく10時前に順番になってベリッシマを降ります。テント張りの仮設ターミナルで荷物をピックアップして入国手続きかと思ったのですが、ここではパスポートチェックだけでした。ガッカリしましたが、後でよくパスポートを確認したら石垣島の入国スタンプが押されてありました。船のシャトルバスは空港行きと市役所前行きがあり、那覇に3日滞在するので市役所方面行きの列に並びます。荷物を積んで一安心と思ったのですが、なんだか様子が違います。バスのドライバーが行き先を間違えて一度空港に行ってしまいました。まあ那覇市内は空港が近いので笑い話で済みましたが、少し遅れて市役所前でバスを降ります。荷物を持って国際通りの入り口まで移動しますが、すべての荷物を持ったのは今回の旅では初めてです。自宅から大きなトランクは宅急便で船に送っていましたから。5個の荷物を持っての移動は大変でした。が、タクシーに乗ってしまえば「沖縄ホテル」まであっという間の移動です。ツアーで来る場合利用されることは無いホテルですが、一度泊まってみたいと長年思っていたホテルです。ここは沖縄で最初に出来たホテルで、往時は沖縄に公演に来た昭和の大物芸能人も泊まったホテルです。現在は一時休業になったりでしたが、リニュアルされたので楽天トラベルから予約してありました。今回はふるさと納税で那覇市に納税したので実質は無料になります。妻は「どうしてもここじゃないとだめなの?」といいましたがダメなものはダメです。さすがにお昼前にはチェックインできないので、フロントに荷物を預けますが、荷物の多さにちょっと恥ずかしいです。タクシーで「沖縄県立博物館」へ向かい、「第一牧志公設市場」でお昼を食べて、壺屋を散策しましたが、この間はまた別の旅行記にします。一度ホテルに戻ってチェックインした後は部屋で休み、晩ご飯は予約してあった琉球料理の「美栄」です。1年ちょっと前にも来たことがあり、女将さんはよく覚えてくれていました。大満足の美味しい料理を楽しんだ後は「BARサクラザカ」に電話してみます。20分後に2人と席を予約してタクシーで向かいます。少し前のクレアトラベラーで知った店でしたが、不定休が多く店が開いていて良かったです。ここでの2時間は店の雰囲気と調度品、3台のジュークボックスの中の曲は自分の10代20代が詰まっているようでした。不思議な「昭和」を感じて美味しいお酒に酔いました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー ANAグループ 私鉄 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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石垣島を時計回りに周回したベリッシマは純順調に沖縄本島へ向かっています。
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MSCベリッシマのクルーズも最終日になりました。夜明け前に目が覚めてバルコニーに出てみると沖縄本島の明かりが見えました。
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滑走路のライトが見えたので那覇空港の沖合いだということが分かりました。
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しばらくすると「那覇港 第二 クルーズバース」に着岸し、東の空が明るくなってきます。
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きれいな朝焼けが見えたのでこの日も晴れることでしょう。
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今回唯一船で申し込んだエクスカーションが、那覇での下船後の送迎バスでした。1人5ドルで港から那覇空港又は県庁前まで運んでくれます。下船時は14番の荷物タグのステッカーを胸に貼って、14番の集合場所である「CAROUSEL」に集合します。
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部屋は午前8時には明け渡ししないとこの日の午後には南西諸島クルーズのお客のために全室の清掃が入ります。偶然付けたテレビにはジャパネットたかたのべりっしなのクルーズの案内が放映されていました。
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埠頭では籠車に積み込まれた乗客のトランクがフォークリフトに積まれて運ばれています。空身の時は前に進みますが、荷物を積んだ後は前が見えないのでバックで運転しています。そのハンドルさばきが見事なのでずっと見ていても飽きません。
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部屋でなるべく遅くまで待機しましたが、清掃が始まりそうなので「Market Place」に移ります。下船前なのでさすがに混雑していましたが、うまいタイミングで席に座れました。最後はやっぱりご飯とみそ汁です。
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食事の後はデッキに出て沖縄本島の景色を眺めてみます。北の方角には残波岬がきれいに見渡せます。白い建物は2016年に母と妻と一緒に泊まった「残波ロイヤルホテル」だと分かります。1人で「残波岬灯台」まで歩いた懐かしい風景です。
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西側には慶良間諸島の島々が見えています。那覇滞在中はホエールウォッチングのクルーズも申し込んであるので、この沖合い辺りを鯨を探して航行するのでしょう。
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クジラが見えないか目を凝らしますが見えるわけがありません。沖縄で行きたいところとして残っているのはこの慶良間列島と宮古島です。この数年間で何度か沖縄には訪れましたが、まだ行けていません。
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南西の方角には那覇空港が見えます。午前8時ではまだ到着する飛行機の数は少ないです。
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沖合いをセメントタンカーが航行しています。文字通りセメントをばら積みで運ぶために設計されたタンカーの一種です。
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朝一番のピーチが本土に向けて飛び立っていきました。以前「瀬長島 ウミカジテラス」に行ったときは自衛隊機の離着陸が見えたのでそれを期待して望遠レンズを構えています。もっともα6600の不良品レンズのおかげで望遠レンズしか使えません。
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小さな「神山島」と白い灯台が見えます。神山島は沖縄戦においてアメリカ軍が沖縄本島を直に砲撃するため砲兵陣地を敷設し、M2 155mmカノン砲(ロング・トム)24門が設置されていたという過去があります。
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沖縄本島には「キラマー ミーユシガ マチゲー ミーラン」(慶良間は見えるがまつ毛は見えない。遠くは見えても自分の近くは見えない)という灯台下暗しに近い諺があります。
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入港してきたコンテナ船をタグボートが全力で押しています。大型のクルーズ船は着岸と離岸時に船体を横移動させる「サイドスラスター」という装置が設けられているのでこのような作業は不要となってきています。
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船尾には船籍を示す国旗が掲げられています。この船はマルタ船籍だと改めて気が付きました。
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那覇の泊港を8時30分に出港した「ジンベエ・マリン」が名護漁港に向かって疾走しています。片道1000円なのでいつか乗ってみたいものです。名護漁港からは本部の渡久地港を経由して那覇に戻ります。
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これから漁に出掛ける漁船と港に戻ってくる漁船。同じような漁船ですが漁の種類が違うのでしょうか。
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どこかの空港から朝一番で飛び立ったANA便が到着しました。
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自衛隊機が離陸する姿を見ることができました。第5航空群は那覇市に所在する海上自衛隊の航空部隊でで、第5航空群が保有する固定翼哨戒機P-3Cを運用し、空から日本の海の安全を守っています。
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P-3Cは初飛行から60年以上が経過していますがアップデートを重ねつつ、アメリカ海軍や海上自衛隊など各国軍の航空隊、アメリカ沿岸警備隊など国境警備隊の他、気象観測や消防機など非軍事用などにも転用され20以上の国で運用されているベストセラー機です。
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川崎重工業がライセンス生産した機体は全て海上自衛隊向けで、合計98機を製造しています。
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集合時間になったので船尾の有料シアターの「CAROUSEL」に向かいます。ここへ来るのは初めてでした。
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既に満席の状態でしたが、うまい具合に座ることができました。こんなシアターなら1回くらい来ても良かった何と思いますが後の祭りです。船尾側はガラス張りで、壁面は巨大なモニターで、この時は下船の案内が放映されていました。
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ようやく14番の解せなんないが始まりました。午前10時前には下船できたので予定よりは少し早いようです。
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1週間お世話になったMSCベリッシマともお別れです。この後テント張りのターミナルの中で荷物をピックアップしますが、全部揃ったらものすごい量になりました。自宅からは2個のトランクを宅急便で船内まで送ったのでここで初めて全部が揃って持つことになります。返却されたパスポートのチェックがあって、ターミナルを出ます。那覇ではパスポートにスタンプがもらえないと思っていましたが、よくよく考えたら石垣島で入港しているので、スタンプが押されてありました。
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申し込んでいたシャトルバスは那覇空港行きと県庁前行きがありましたが、チケットのチェックも無いまま県庁行きのバスに乗りました。ところがドライバーが間違えて那覇空港に着いてしまいました。
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そのまま誰も席も立たないままUターンして那覇市内に向かいます。市内から近い空港で良かったと思います。
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無事に那覇市内に戻りました。急ぐ旅でもないので長くバスに乗れてよかったかもしれません。
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2012年に建て替えられた「那覇市庁舎」の建物が青空に映えます。深い庇と有孔ブロックが特徴的な沖縄らしいデザインです。旧庁舎の壁面を覆っていたアマミヅタやブーゲンビリアを外壁に再植栽し、建物全体ではホウオウボク・フクギ・ハイビスカスなどの南国植物を約90種類植栽しているようです。
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スクランブル交差点を渡って国際通りの入り口でタクシーに乗って2泊する「沖縄ホテル」に向かいます。荷物は後ろのトランクに入りきりませんでしたが、沖縄のドライバーさんはゴムを持っていて扉が開いたままでも安心です。
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さすがに午前11時ではチェックインできないのでフロントで荷物だけ預かってもらいます。あまりの荷物の多さにフロントの人もびっくりしていました。
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身軽になったところで那覇市内の観光に移ります。ツアーでは何度も来ている那覇ですが、市内の観光といえば首里城周辺だけで行きたいと思ったところには行けていません。
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今回は3日かけて「沖縄県立博物館」、新しくなった「第一牧志公設市場」、「壺屋やちむん通り」と「壺屋焼き博物館」、「玉陵」「識名園」などを訪れる予定です。この日は博物館と公設市場と壺屋を散策しましたが、次の旅行記で紹介します。
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ホテルには午後4時過ぎに戻ってきました。チェックアウトの手続きを済ませた後はフロントの方に案内されてレストランへ。ここでは滞在中ずっとオリオンの生ビールと泡盛の瑞泉、ハイボールなどが好きなだけ飲めます。
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これは最高で滞在中は風呂に入った後でも朝食時でもいつでも気兼ねなくお酒がいただけました。
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まずは沖縄に着いたところなのでオリオンビールをいただきます。
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生ビールを何杯か飲んだところで部屋に向かいます。ここまで家を出てから1週間かけての到着です。
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荷物を部屋にあげてくれていたのには助かりました。持てないほどの荷物ですが、この日も壺屋で金城次郎の作品を買ってしまったり荷物が増えています。
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部屋はスタンダードのツインルームです。予約前は妻はホームページなどで「どうしてもここじゃなきゃダメなの。」と行っていました。確かに那覇市内にはいくらでも新しくて快適なホテルはあります。
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一時は閉鎖される恐れもあったホテルですが、リニュアルして蘇ってはいました。ここに泊まりたい理由は別にありました。
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「沖縄ホテル」歴史は昭和16年から始まります。沖縄の観光ホテル第1号として那覇市の西海岸である「波の上」に沖縄で最初の観光ホテルを設立され、国賓や日本政府要人や皇室が宿泊されました。その当時の建物は太平洋戦争の末期に焼失して失われます。
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太平洋戦争後に沖縄県で映画興行を行っていた琉球映画貿易株式会社が、沖縄県外から多くの有名タレントを招くようになったものの宿泊するホテルが無く、創業者の宮里定三は現在地の那覇市大道に2階建て7室の木造レンガ造りの『沖縄ホテル』を再開しました。
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その当時の「沖縄ホテル」は日本航空の指定宿として歴代の所長が長期宿泊したり、沖縄を訪れた山下清や棟方志功、濱田庄司、柴田錬三郎氏などがこのホテルに宿泊しました。昭和45年にはホテル棟が建設され、現在の姿になります。ここへ来て知りましたが、2023年に「旅館棟」「レンガ棟」「瓦石垣」「大道門」が登録有形文化財に認定されたそうです。お祝いの胡蝶蘭が飾ってありました。
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この日の夕食は旅行前に予約してありました。ちょうど1年振りの琉球料理「美榮(みえい)」です。
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同じような時間に予約していましたが、12月と1月では明るさが違うなと感じます。
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県庁から歩いて7分ほどのゆいレールの駅の近くですが、こんな古い建物と庭が残されています。今回の沖縄は「昭和」がテーマなのですが、「沖縄ホテル」にもこの料亭にもそんな空気が残っています。
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最後の琉球国王だった尚泰王の四男で美食家だった尚順男爵の料理に所縁のある老舗で昭和33年の1958年創業です。昭和35年の1960年に現在地に店舗兼住宅として新築しています。
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この料亭は1歩足を踏み入れたところから調度品などが侮れないので気合を入れなければなりません。また女将さんと勝負です。
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玄関には前回来たときに欲しいと思った土人形が並んでいます。これは「郷土玩具こくら」で作っている「土人形(んーちょふぅとぅきー)」というものです。左から「ちじん」真ん中の花笠が「ぬふぁ節」右手前が「さんしん」奥左が「むんじゅるー」で右が「かあちゃしー」です。同じものをこの日「沖縄県立博物館」で発見して買い求めることができました。
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「民族舞踊」という版画は儀間比呂志の作品です。儀間比呂志は那覇市生まれの版画家で絵本作家でもあります。
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前回は1階の部屋でしたが、今回は2階の部屋なので階段を上がることができました。
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階段上のスペースにも何やら由来のありそうなものが置かれてあります。
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水屋箪笥の棚の中にもとボヤの古そうな陶器が並んでいます。何気なく色紙が額装されていますが、山下清がサインペンで描いたとんぼの絵でした。ここで「沖縄ホテル」と「美榮」と我々が繋がりました。
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紅型のような絵柄の古い献立表も額装されています。現在は本のような献立表に、その日に食べた料理にしるしをつけたものを最後にもらえます。
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イストテーブルの脚部のデザインは同じだったので元々組のものだったのでしょう。来歴は分かりませんが、益子にある濱田庄司の「益子参考館」に並んでいそうな雰囲気です。
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ようやく部屋でくつろげました。年長なので妻が上座に座ります。家でも一番湯は妻が入ります。
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椅子に座っても床の間が気になってしまいます。壺屋の博物館を見てきたばかりなので下に置かれた按瓶(あんびん)も気になります。縦長の額に入ったのは「琉球かすり」です。伝統柄が織り込まれているのですぐに分かりました。イチチマルグムーという5つの丸い雲を表現した文様は琉球かすりの代表的な柄のひとつです。他にもティージクンピーマーという握り拳に似た文様、八ナアシーという三筋を織り合わせて花の形にした模様などが読み取れます。
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琉球玩具製作の第一人者といわれ、玩具の復元と普及に取り組んだ古倉保文の首振り張り子のニワトリです。闘鶏を模したもので名前もタウチ―といいます。
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さりげなく額装された紅型にも由緒があるのだと思います。女将さんが挨拶に来られて一昨年の12月の話をするとよく覚えていてくださいました。角萬漆器で懐石盆を誂えた話がポイントでした。
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前回は「百合」というコースだったので、今回は「梯梧」という東道盆盛り合わせ七種類を含んだコースにしました。まずはお通しといった感じで苦菜の豆腐和えと豆腐ようです。
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この豆腐用があまりにも濃厚で滋味深く美味しいので女将さんに尋ねてみると知り合いのおばあさんに造ってもらっているとのことでした。泡盛と行きたいところですがワインを注文しています。
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続いて大きな東道盆(とぅんだあぶん)が出てきて妻はびっくりです。
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中央に盛られた「花いか」は甲イカの厚い身に包丁をいれて湯がきます。包丁の入れ方により蟹とか花の形をつくります。料理人の遊びでどのような形を作るのかを楽しむものです。手前の中央が「昆布巻き」です。カジキマグロの身を昆布で巻いて醤油と砂糖と酒で煮付けたものです。その右が「揚げかまぼこ」で、グルクンという魚のすり身に人参の細長くすりおろしたものを加え揚げたかまぼこです。左側が「蒸しかまぼこ」で、グルクンのすり身にからし菜の搾り汁を加えて蒸したかまぼこです。インドで延々と咲き誇るからし菜を見てきたばかりなので感慨深いです。一番奥が「ぽーぽー」で、メリケン粉を水で溶かし薄く焼き、すり潰した豚肉と白味噌生姜を練った車ものを芯にして巻きます。中央左が「カステラかまぼこ」で、グルクンのすり身に卵を加えて焼き上げたかまぼこです。最後が「牛蒡の肉詰」で、豚肉をチョップしてすり身のようにしたものに人参と椎茸のみじん切し芯をくり貫いた牛蒡に詰めだし汁で煮込みます。
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前回来た時に飲んで美味しかった「かーりー」というワインです。神戸市内産のシャルドネを使用した白ワインをベースに、本部(もとぶ)産のシークヮーサー果汁をブレンドしてすっきり辛口のワインです。
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女将さんと話が弾んだらお宝が出てきました。これは「チンチン馬」という玩具で、国王主催の競馬の日に馬場に急ぐ王様の晴れ姿を模したものです。地面にとどこうとする豊なたてがみに胸も足も美しく化粧した馬が特徴です。箱型の台車を引っ張ると馬の首が上下に動きだす仕組みになっています。
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こちらは張り子の「弥勒(ミルク―)」だとすぐに分かりました。
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さらに女将さんが見せてくださったのがこの新聞です。そこには古倉保文のお孫さんで、「郷土玩具こくら」を継いだ中村真理子さんを紹介していました。
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一昨年この店で人形に出会い、この日「沖縄県立博物館」で「郷土玩具こくら」の人形を買い求めることができて、再びこの店に来て新たに学んだことが1つに繋がった気がします。
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「なかみの吸いもの」
「なかみ」とは豚の胃と腸のことです。材料の性質上、この吸いものをつくるにはたいへん手数がかかります。何度も水洗いをしてのちにあぶら身を除き、オカラをまぶしてよくもみ、アクをとってからオカラを洗い流します。次は九年母(くねんぼ)の皮、しょうがとともに煮てニオイを消し、さらに洗いなおして短冊に刻み、鰹節と肉ダシで、吸いものに煮込みます。香料としては沖縄特産のフイフアチを使います。フィファチはコショウ科で和名はヒハツです。胡椒の辛みとほのかな甘さを感じる風味です。 -
「地豆豆腐」
地豆とは土の中にできる豆という意味で、南京豆を指します。それをすりつぶして布巾でこし、くずを加えてトロ火で煮ます。精進料理の胡麻豆腐とつくりかたは似ています。 -
「昆布いりち」
いりちは沖縄の言葉で炒めることです。水洗いした昆布を千切りにして、ふたたびよく洗ってぬめりを取り除きます。ゆでた豚の三枚肉を短冊に切ってなるべく鉄鍋で炒め、これに用意しておいた昆布を加えます。昆布がやわらかく煮えたころさらに薄揚豆腐とカマボコを入れて仕上げます。調味料としてはほんの少量の醤油を使うだけで、昆布に含まれている塩分を生かします。 -
「みぬだる」は黒ごまをすりつぶしたものを砂糖と泡盛と醤油でのばし、これに豚ロース肉の薄切りを浸しておき、肉に味が浸みたころにゆっくり蒸します。
「田芋から揚げ」は田芋を蒸して皮をむき、適度の厚さに切って、そのまま揚げます。
「地漬け」は大根と瓜を黒砂糖で漬けます。壺のなかで黒砂糖はアルコールに変わり、瓜と大根にひなびた風味を与えます。 -
「芋くずあんだぎい」いもくずとはさつまいもからとった澱粉のことで、これを水でとき、ふかしたさつまいもと一緒につぶして少々塩味を生かしてから、こねあわせ適当な大きさの丸い玉につくり、指で平たく押しひろげたのをさっと揚げます。
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「らふてえ」は豚の肩ロース肉と三枚肉を大きめに切って、醤油と泡盛と砂糖で半日以上も気長に煮込んだものです。皮まで柔らかくなって味は格別です。
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「耳皮さしみ」沖縄では酢のもののことを「さしみ」といいます。豚の耳とほほのコリコリした部分を炭火で焼き、雑物をこそぎとって水たきにしたうえ、薄切りにして塩をふって一晩おきます。和えるときは塩抜きして、南京豆とキュウリで風味を加えます。
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「どるわかし」田芋およびその茎を炒めながらつぶし、小さく切った肉にカステラカマボコ、しいたけとえんどう豆などを混ぜます。田芋とは水田で作られる芋で沖縄特有の産物です。
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「豚飯(とんふぁん)」は小さく切った肉、人参とカステラカマボコなどを炊き込んだご飯に出汁をかけてサラサラといただきます。
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最後にさんぴん茶とデザートが出ます。
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砂糖で漬けた「冬瓜漬け」は素朴な甘さです。
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「黒糖寒天」も素朴なほのかな甘さです。タクシーを呼んでもらい、ここで次のお店に電話をしておきます。クレアトラベラーに掲載されていた「BARサクラザカ」はすぐにつながり、20分くらいで行くので席を取っておいてもらいます。
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タクシーの運転手さんは店が分からなかったようで少し離れたところで車を降りました。風情のある飲み屋街といったところで、ふらふらと入ってしまいそうになります。
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若い頃に那覇へ2カ月出張した際には地元の職人さんにいろいろな所へ連れて行ってもらいました。場所はよく覚えていませんが川沿いのクラブのような店で、床も壁も天井もソファもベルベットでミラーボールの周る店だったことを覚えています。何のお礼もしないまま東京に戻ってそれきりになってしまったのを心苦しく思っています。もう40年も前の話ですが。
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一筋歩いたところに探していた店はありました。今回のテーマ「昭和」の匂いがプンプンする店です。
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店の中は昭和50年前後で時間が止まったままのようですが、この店が出来たのは2015年だそうです。店内に飾られたものはマスターが探したものだそうです。4人掛けのソファ席が1つと8人座れるかどうかのL型のカウンターだけの店なので電話しておいて良かったです。後から来たお客さんは皆断られていました。
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カウンターの一番奥の落ち着く場所に座りました。久し振りにジントニックとかモスコーミュールを注文してみます。オリジナルのコースターが「昭和」です。
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ドイツのジュークボックス「Wurlitzer 」が置いてあります。この店には3台のジュークボックスがあり、1街は日本の懐メロ、2台には60年代から70年代の懐かしい洋楽がずらりとあります。
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中央に置かれたこちらは「1962 AMi XJDB-200 Continental II (JB-069)」というタイプです。まずは中学生で初めて自分で買ったヴァン・マッコイの「ハッスル」。初めて買ってもらったのはフォーク・クルセーダーズの「帰ってきたヨッパライ」でした。https://www.youtube.com/watch?v=SFzMs2SN--s
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10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」とか「トロピカル・ラブ」なんて曲もあります。100円で2曲選べるのも嬉しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=STugQ0X1NoI
https://www.youtube.com/watch?v=fUNTk5xsxk4 -
キャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」、ツェッペリンの「天国への階段」なんて曲をこんな店で聴いていたら泣きそうになります。ミラーボールの下で壁に目をやるとサミー・デイビスJrと目が合いました。
https://www.youtube.com/watch?v=hqwLrJ6QWho -
最後に山崎のロックをいただきますが、こんな値段で飲めるとは思いませんでした。もっとじっくり腰を据えて飲みたいところですが、この店は不定休で午後9時から12時までの営業なので要注意です。最高の「昭和」が味わえました。
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国際通りに出ると「令和」に戻りましたが、タクシーに乗って「沖縄ホテル」に着くとまた「昭和」に戻れました。
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