京都初もうで旅＜静かな都編＞

2024/01/07 - 2024/01/07

初日の＜伏見稲荷編＞に続いて、２日目は行きたかった静かな京都編だ。京都の魅力の一つである門前菓子を食べ歩いたほか、京都市北区を中心に観光客が少ない観光地や神社仏閣を訪ね歩いた。桜でもなく、青紅葉でもなく、紅葉でもないが、この時季ならではの魅力にあふれている。静かな京都は、いい。

エリア 今出川・北大路・北野(京都)

スタートは京都東急ホテル。和モダンのしつらえ。

京都東急ホテル 宿・ホテル

洛中三銘水のひとつ左女牛井（さめがい）の跡だ。京都東急ホテルのすぐ南側、堀川通沿いの歩道にある石碑だ。古くは源頼義がこの地に築いた邸宅の井戸だったという。後年、千利休も愛用した。堀川通の拡張に伴って消滅したという。

左女牛井之跡 名所・史跡

それでは西本願寺へ。敷地内の北東にあるのが太鼓楼だ。時を知らせる太鼓を打ち鳴らした場所だが、幕末には新撰組の屯所として使用されていた。新撰組といえば壬生の屯所が有名だが、名声が高まるにつれ、人数が拡大。手狭になったことから広大な西本願寺に屯所を移した。

西本願寺(お西さん) 寺・神社・教会

この日の初もうで第一弾は西本願寺。

西本願寺(お西さん) 寺・神社・教会

阿弥陀堂。相変わらず巨大だ。ザッザッと砂利が鳴る。

西本願寺(お西さん) 寺・神社・教会

手水舎の龍吐手水。辰年にふさわしい。

西本願寺(お西さん) 寺・神社・教会

阿弥陀堂よりもさらに巨大な御影堂。

西本願寺(お西さん) 寺・神社・教会

西本願寺の隣の興正寺へ。

興正寺 寺・神社・教会

西本願寺と深い関係がある寺院だけに、伽藍がそっくりだ。現在は本願寺から独立し、真宗興正派の本山だ。

興正寺 寺・神社・教会

ここからは門前菓子へ。七条堀川からバスに乗って桂離宮前の中村軒へ。バスの一日券の範囲を過ぎるので手前の桂小橋バス停で下車。写真は桂川に架かる桂橋。

桂川 自然・景勝地

中村軒に到着。今年も白みそ仕立てのお雑煮をいただいた。かつお節をトッピング。

御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン

中村軒のようなおまんやさんでお赤飯をいただく。至福だ。

御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン

ああ、かぜしらず。これを食べぬことには。ゆずと葛の合作だ。

御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン

ここからは西賀茂編。一度行ってみたかった西賀茂の正伝寺を目指して再び桂小橋バス停へ。京都駅行きに乗り、堀川七条で西賀茂車庫行きのバスに乗り換え、神光院前で下車。バス停の名前の由来である神光院を参拝した。

神光院 寺・神社・教会

弘法大師とゆかりがあり、東寺、仁和寺と並んで京都の三弘法と呼ばれる。元日から節分まで霊場である三弘法を参拝すると、その年の厄除けになる。異名は「西賀茂の弘法さん」。眼病祈願のご利益でも知られる。

神光院 寺・神社・教会

神光院から正伝寺に向かう途中にある法雲寺。結界があるので観光対応はしていないようだが、説明版に庭からの庭からの比叡山は絶景とある。

正伝寺山門に到着。ここから森林の中の参道を抜けて本堂へ向かう。

正伝寺 寺・神社・教会

紅葉の名所でもある参道。青紅葉もきれいだろう。

正伝寺 寺・神社・教会

山腹にある本堂。

正伝寺 寺・神社・教会

「獅子の児渡し」と呼ばれる庭園。

正伝寺 寺・神社・教会

正伝寺は英ロックスターのデヴィット・ボウイが好んだ寺院として知られる。庭から眺望する比叡山。

正伝寺 寺・神社・教会

本堂は伏見城の遺構とされており、天井は京都各地の寺院にある「血天井」。

正伝寺 寺・神社・教会

正伝寺から今宮神社へ。天気がよかったので歩いて行くことに。途中には大将軍神社。方角の神様なので京都市内あちこちにある。

大将軍神社から南下すると、大宮交通公園が見えてくる。３０数年ぶりに訪ねたが、見違えるほどきれいに整備されていた

大宮交通公園 公園・植物園

大宮交通公園から南下し、北山通を越えたところにあるのが、牛若丸誕生井。住宅街のぽこっとした広場の中にある。

牛若丸誕生井 胞衣塚 名所・史跡

あちこち寄りながら、今宮神社に到着。１月７日だが、初もうで客で大にぎわいだ。

今宮神社 寺・神社・教会

境内の織姫社。祭神は栲幡千千姫命（たくはたちぢひめのみこと）で、織姫に機織を教えた神とされる。西陣織業者が創始した。社前の献灯碑は機織で使われる杼（ひ）の形。

織姫神社 寺・神社・教会

今宮神社の門前菓子である「あぶり餅」を求めて、この日も長い列が。神社境内まで延びている。

今宮神社 寺・神社・教会

二十五代目ののれん。平安時代から1000年続く。

一和 一文字屋 和輔 グルメ・レストラン

2人であぶりもち４人前を注文。ペロリだ。

一和 一文字屋 和輔 グルメ・レストラン

今宮神社からバスに乗って上賀茂神社へ。久しぶりに訪れると鳥居前の通路や町並みがきれいに整備されていた。昔はぶっきらぼうなロータリーがあるだけだったが。そうそう、到着した午後3時４５分頃に門前菓子のやきもちを神馬堂と葵家やきもち総本舗に買いに行ったが、売り切れだった。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

上賀茂神社は最後に回し、まずは太田神社へ。途中、伝統的建造物群保存地区（伝建群）。いかにも、という社家の町並みが広がる。家屋の色が風水だ。

上賀茂伝統的建造物群保存地区 名所・史跡

社家の町並みに流れる明神川のそば。藤木社は上賀茂神社の末社だ。社殿もさりながら、このクスノキが印象的。四十年前から見ているが、ランドマークのようにずっと存在感を放っている

藤木社 寺・神社・教会

上賀茂神社の摂社・大田神社。鳥居前の池がカキツバタの群生地として有名だ。

大田神社 寺・神社・教会

祭神は天細女神。アメノウズメノカミ。アマテラスが天岩戸に隠れた際に、激しい踊りを披露して人々の歓声を呼び、結果的にアマテラスを呼び戻した。芸能の神様だ。

大田神社 寺・神社・教会

大田神社の前に北大路魯山人の誕生地の石碑がある。歳をとり、器や食に対する興味や造詣が深まってくるにつれ、美の巨人である魯山人への興味は当然深まってく。この碑は今後、もっと耳目を集めていくはずだ。

北大路魯山人生誕地 名所・史跡

再び上賀茂神社へ。あまりに門前がきれいに整備されていたので、写真を。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

こんなに華やかになって。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

昔からだが、上賀茂神社にはちゃんと神馬がいる。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

上賀茂神社の立て砂。背後の神山をかたどったとされる。

上賀茂神社の立て砂 （盛砂） 名所・史跡

この二重門は、いい。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

上賀茂神社中門。ここから本殿に向かって拝礼する。

賀茂別雷神社(上賀茂神社) 寺・神社・教会

上賀茂神社の奥地にある新宮神社。上賀茂神社、下鴨神社共に「水」がとても大切な要素で、境内を流れ抜けるという感じだ。新宮神社はその「水」を司っている。摂社とはいえ規模が大きく、専用の御朱印などの授与品も。
これで初もうで京都旅はおしまい。初日の稲荷山山頂、二日目の正伝寺と念願の地を踏破できた。ちょっと、濃い場所ばかりで満足。

新宮神社 寺・神社・教会