見送り・見学にはちょっと残念な熊本空港＆豊肥本線でがんばる「かわせみやませみ」【みんなの九州きっぷで鉄旅再開！その7の2】

2023/06/03 - 2023/06/03

　復活！ みんなの九州きっぷの旅は、１日目の後半戦。2023年４月にオープンしたばかりの、阿蘇くまもと空港の新ターミナルビルに突撃してみました。
　大津から熊本までは、本来の活躍路線ではない豊肥本線でアルバイトをがんばる「かわせみやませみ」に乗車。子どもたちは、夕方まで元気いっぱいでした。

エリア 山都・熊本空港(熊本)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JR特急

　阿蘇からの特急「あそ」を、肥後大津駅で降りました。青い衣装に身を包んだ、特別仕様のくまモンがお出迎え。

肥後大津駅 駅

　肥後大津駅には、くまモンの秘密基地「くまモンベース」が、２０２３年の3月にオープンしたばかり。青いユニフォームは、くまモンベースオリジナルです。
　面白そうだから、帰りに寄ってみようね。

　熊本空港までは、ワゴンタクシーの「空港ライナー」で向かいます。熊本市内からだと、バスよりも定時性にすぐれるルートです。しかも、運賃は無料！
　大好きなハイエースに乗れて、我が子はとても ごきげんでした。

空港ライナー (阿蘇くまもと空港～肥後大津駅) 乗り物

　大津の市街地を抜けると、外輪山を望む阿蘇の麓らしい景色が広がります。ラッピングで車窓が見にくいのは残念。

　ハイエースの機動力を生かし、なんでもない集落の中を突き抜けていくのが楽しいです。まるでコニュニティバスみたい。
　バイパス道路に出たバスは、急勾配をぐんぐん登ります。熊本空港って、ずいぶん高い位置にあるんですね。10年前に来たけど、あの時は小学生の引率だったので、周囲の様子なんてまったく目に入っていませんでした。

　ピカピカの阿蘇くまもと空港に到着。

熊本空港 (阿蘇くまもと空港) 空港

　随所に木を活かした、温もりあるビルです。TOKYO2020のロゴが焼印されていて、選手村で使われた木材の再利用みたい。
　サイン類のバックに描かれた円は、加藤清正の家紋「蛇の目の紋」がモチーフです。

　熊本の誇るあの有名漫画のコーナーも。

　新ターミナルの最大の特徴が、保安検査場通過後のレストランやショッピングエリアが充実していること。はやめに検査を終えれば、搭乗直前まで熊本を満喫できる楽しい空港です。

　逆に、保安検査前のエリアの売店や飲食店は、最小限しかありません。見送りや見学の人が立ち寄れる場所は、ほんのわずかです。
　搭乗客の利便性を最優先に、大胆に割り切ったレイアウトと言えそう。遊びに来る人も歓迎の福岡空港とは、対局のスタイルです。

　というわけで、行き場を失ってしまった見学客の我々。
　しかたがないので、変哲もないタリーズコーヒーで一休みです。カドリードミニオンでほとんどご飯を食べなかった５歳児は、パスタを遅いランチにしていました。

　はやめに喉を潤した組から、屋上の送迎デッキに上がってみました。
　廊下の天井には県産材が貼られ、木のぬくもりを演出します。

　空が大きな空港。

　地方便は小型機が中心です。

　送迎デッキへの通路からは、保安エリア内の様子を見ることができました。まるでショッピングモールみたいで、はやめに検査を受けて楽しむのが吉ですね。
　我が家の６週に１度の東京行きの際も、一度熊本経由で行ってみたいほどです。

　帰路の空港ライナーの乗り場は、降り場とはまったく違う場所なので注意！ターミナルを出て「左」へ進むと、乗り場が現れます。
　帰路の空港ライナーは、僕らの乗車をもって満員になりました。台湾からの旅行客も乗っていて、よくご存じだなと感心します。

　そして帰路の車窓には、その台湾の会社が建設中の大工場が見えました。
　台湾の超大手半導体メーカー・TSMCの熊本工場、周辺経済への波及効果が見込まれ、もう期待しかありません。

　また乗れた無料ハイエースに、我が子も大満足の様子でした。

　列車まで時間があったので、くまもんベースに立ち寄り。狭いですが、靴を脱いでおもちゃで遊べるコーナーがあり、子どもたちはめちゃ楽しんでいました。
　今日イチ、楽しい場所だったんじゃないかな？

　もちろん我が子は、色彩のはっきりした列車たちにも夢中。鮮烈なレッドが目にも鮮やかなキハ２００系に、「あか！」と大喜びです。

JR豊肥本線 (阿蘇高原線) 乗り物

　そして熊本駅までは、「うー！」（我が子の言うところの「みどり！」です）色の特急「かわせみやませみ」に乗車しました。
　もともとは肥薩線の人吉までを結ぶ特急ですが、豪雨で被災し復旧の見込みも立たないため、今は阿蘇方面へのバイトに勤しんでいます。

観光特急かわせみやませみ 乗り物

　この列車も熊本県産材を贅沢に使った内装が特徴。ビュッフェコーナーもあって、あれこれ飲み食いしながらの旅を楽しめます。
　往復で「あそぼーい！」と乗り分けると、楽しめること請け合いです。

　本来の活躍区間である、球磨焼酎のボトルがずらり展示。もちろんビュッフェでもいくつか銘柄を揃えており、水割りをオーダーしました。
　片手に我が子を連れ、片手にグラス。慎重を期しながら、後ろの車両に移動しました。

　車両後部の一般席を予約していましたが、ボックス席を使う人が現れなかったので、客室乗務員さんに着席の許可を頂きました。
　大きなテーブルとゆったりソファ。飲み食いを考えているなら、ぜひ抑えたい席です。ネット予約はできず、窓口限定販売の席になります。

　窓向きのシートも指定席の一種。小さめの席は、子ども用のフリースペースです。
　水戸岡氏の列車デザインには賛否はあるけど、子ども目線に立っているという点では、いろいろ助かることが多いです。

　子ども用席のシートベルトには、日韓航路「ビートル」のロゴが刻まれていました。
　コロナ禍でジェットフォイルがすべて退役する際、回収された部品なんでしょうか。まさかこんなところで、お目にかかろうとは。

　ステップ付きで、立てば子どもでも車窓を楽しめる丸窓。２年前、博多～門司港間の出張運行で乗った時にも、すぐに気に入った場所でした。

　壁にさりげなく飾られた模型にも、興味津々。

　楽しい列車を満喫していれば、熊本までの３１分なんて あっという間。熊本の親子とはここでお別れのはずが、せっかくの乗り放題きっぷだからと、久留米まで一緒に来てくれました。

九州新幹線 800系 つばめ 乗り物

　熊本駅のファミマで買った阿蘇のクラフトビールで、パパたちの即席慰労会。レジで抜栓してもらい、慎重に車内まで持ってきました。
　がっつりIPA風味でウマく、苦労した甲斐がありました！

　熊本～久留米をとんぼ返りしても１時間かからないんだから、驚くべき時代になったものです。明日もよろしくね！

久留米駅 駅