2023/04/26 - 2023/04/26
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たびたびさん
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今日は、いよいよ念願の河内藤園。ネットで見事な藤の景色や評判を拝見して、これはいつか行ってみたいと思っていたところ。アクセスにちょっと難があることもあって、これまでなかなか機会がありませんでしたが、今回は割り切ってクラブツーリズムのバスツアーで訪ねることにしました。ただ、人気のツアーなのでかなり前から予約したこともあって、当日の開花状況や天気がどうなるかは運を天に任せるみたいな気持ちでしたが、なんとすべてがドンピシャ。バスガイドさん曰く、なかなかこんなに条件が揃うことはないという絶好のお花見日和になりまして、一期一会の満開の藤の花を楽しむことが出来ました。
ところで、河内藤園の創設者は樋口正男。「俺も何か一つこの世に生きた証を残したい」という小学生の頃の夢を実現すべく、家族とともに山の斜面を切り開く気の遠くなるような作業の末、昭和52年4月、敷地面積3000坪の私設藤園を開園しました。そして、今や開墾から50年。入口から始まる長さ80mと110mの藤のトンネルでは、木漏れ日がキラキラ輝く中、22種類の藤の花が優雅に咲き誇って幻想的。まさに見る者を圧倒します。続きの約1000坪の大藤棚の藤は樹齢100年を超え、丹精込めて手入れされてきた花は房が長く見事に垂れ下がって豪華だし、藤棚の背景に見える山の青さとのコラボもここならではかな。アメリカCNNの「日本の最も美しい場所31選」にも選出されて、世界中から観光客が訪れる藤の名所となったというのは確かに伊達ではありませんね。
そうなるとどうしても、足利フラワーパークと比べてしまうのですが、こちらは季節限定。完全に藤に特化しているし、大自然を背景にしていることもあって、純粋に藤の花を楽しむという意味ではこちらに軍配が上がるのは仕方ないように思います。
なお、河内藤園のほかは、小倉駅の集合時間までの小倉市内の街歩きとクラブツーリズムのプログラムにあった門司港レトロの観光など。一日がほどよい時間配分で無事終了。そのまま、今夜の宿、長崎県諫早に向かいます。
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クラブツーリズムのツアーは小倉駅出発9時半。そうなると朝の時間がそれなりにありますから、例によって、近場の街歩きといきましょう。
コースは小倉駅の東側から時計回り。それなら時間を見て、いつでも小倉駅に戻れますからね。
ではでは。
毎日新聞西部本社は、小文字通りという大通りに面したビル。新聞社と思って眺めるからかもしれませんが、このビルはいかにも新聞社っぽいイメージがありますね。エリアは九州全域と沖縄・山口とか。それでいて、西部本社が福岡市になくて小倉というところが、門司港にも近いとか歴史的なものも感じます。毎日新聞西部本社 名所・史跡
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菅原神社は、菅原道真を祀る天満宮。旦過市場にも近い市街の一角なので、境内はアスファルト敷とかはまあ仕方ないかな。ただ、正面の石灯籠、石の鳥居から石橋を渡って手水舎を過ぎて
菅原神社 寺・神社・教会
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本殿まで。
しっかりコンパクトに必要なものが配置されていて、最低限の威厳は感じるもの。悪くはないと思います。 -
菅原神社から川沿いに出たところにある無法松の碑です。
もう少し目立っていてもいいような気がしますが、ちゃんと花は活けてあるし、大事にはされていますね。
無法松は、映画「無法松の一生」の無法松。小倉出身の作家、岩下俊作の「富島松五郎伝」を映画化したものですが、小倉の街のイメージをかなりの部分作り上げたような気がします。火野葦平の「花と龍」や五木寛之の「青春の門」も似たイメージがありますが、「花と龍」は若松だし、「青春の門」は田川ですから、小倉はやっぱり「無法松の一生」。小倉に碑を建てたくなるのは当然かもしれません。無法松の碑 名所・史跡
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旦過市場に回ります。令和4年に大火災があって、その後どうなっているかなあと思って訪ねました。
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確かに、かなりの部分が焼けていますが、中心の通り自体はほとんど昔ながらの雰囲気のまま残っていて、ちょっと安心。
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焼けたのは裏手の方の辺りですね。
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まだまだ工事中のエリアもあって復興中ですが、旦過青空市場というプレハブの店舗もできていたり、活気は少しづつ取り戻されているように感じました。
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同じエリアの小倉昭和館も焼けてしまっていましたが、尋ねると現在は復活のための工事中でした。昔からの施設は、こうした被害を受けるとそのままなくなってしまう例も少なくないと思いますが、ここはそうはならないよう。新しい小倉昭和館を待ちたいと思います。
旦過市場 市場・商店街
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旦過市場から紫川沿い。リバーウォークの方に出てきました。
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小倉北区を流れる紫川には紫川十橋と呼ばれる10の個性的な橋が架かっていて、NHK北九州放送局のところに向かう勝山橋もその一つ。
歩道に石が敷き詰められているので石の橋と呼ばれるようですが、明治44年に路面電車を通すために架けられたもの。魚町、京町の商店街とリバーウォーク方面を結んでいて、今でも表通りのメインストリートを通す堂々とした橋です。勝山橋 (石の橋) 名所・史跡
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勝山橋の少し上流。紫川の常盤橋東詰め近くにある伊能忠敬測量200年記念碑。ここは小倉の五街道 であった長崎街道、唐津街道、中津街道、秋月街道、門司往還の起点であり、伊能忠敬が九州測量を行うにあたっての起点となった基準点なのだそう。九州は小倉からといった誇りのようなものを感じます。
伊能忠敬測量200年記念碑 名所・史跡
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こんな地図もあって、先ほど触れた10の橋の位置と名前が分かります。
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これは、室町大橋。
火の橋の愛称があって、それは欄干に紫川で明治時代まで行われていた鵜飼いの記憶を留める漁り火をモチーフにしたデザインが施されているから。しかし、この形で、すぐに漁り火を想像するのはちょっと難しいかもしれませんけどね。 -
勝山公園の方に移動して、今度は北九州市平和のまちミュージアムです。
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さほど大きな建物ではないですが、中はけっこうきれいです。
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「戦前の北九州」「戦時中の暮らし」「広がる戦争と空襲」といったゾーンに分かれて、太平洋戦争の実相を丁寧に記録・解説しています。
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小倉や門司は大陸進出への出発地。
軍都としての発展があったし、 -
八幡製鉄とか重厚長大の産業を基盤に
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軍需工場も多かったのですね。
古いところだと、森鴎外の小倉駐留も軍の関係だったし、日清戦争、日露戦争も前線に近い場所という感覚があったでしょう。ちなみに、広島市の宇品港整備も日清戦争に対応するための陸軍の肝いりによるもの。太平洋戦争ではすべてが無に帰すのですが、明治維新以降というか戊辰戦争以降、富国強兵の名のもとで日本はずっと戦争が続いていたような気もします。 -
国民はいつのまにか戦時体制に組み込まれるし、
敗色が濃くなると空襲にもおびえる日々。 -
街を焼け野原にした焼夷弾も生々しいです。
ほか、長崎ではなく小倉の街に落とされるはずだった原爆の逸話も淡々と語られて、静かに戦争の怖さが伝わってくる。小倉にあって戦争の記憶をこうして後世に伝えることは意義深いものがあるはず。それにふさわしい内容の施設だと感じました。 -
イチオシ
またリバーウォークの方に戻ってきました。
北九州は紫川のほとり。小倉城にも近い場所に赤や黄色の原色を使った前衛的なデザインの巨大な建物が建っていて、今ではすっかり小倉の顔となっていると思います。建物の中は工夫された空間が多くて、来場者を喜ばせる要素がいっぱい。同じビルには美術館や博物館もあって、単なるショッピングセンターではないですよね。 -
今回は、前から気になっていたゼンリンミュージアムという住宅地図の会社ゼンリンが運営する企業博物館を訪ねます。
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内部は撮影禁止なので、なかなかうまくお伝え出来ないのですが、
文字よりも地図の方が早かったとか。プトレマイオスの地図を持ち出したりして、地図の歴史をその起源から解きほぐそうという意欲を感じます。そういう流れで伊能忠敬の地図や江戸時代の日本が鎖国をしていた時代の西洋の日本地図なども丁寧に展示・解説されていましたが、ただ、よく考えてみると日本の地図の起源は一つには大宝律令の国の制定かも。戦国時代の国盗り物語もこの国を巡ってのものだし、その国は幕末まで続いたのですが、その国ってどのようなところから生まれていたのか。まったく解明されていないと思いますが、それこそが日本の地図の起源でしょう。これだけの意欲があるゼンリンにはぜひチャレンジしてもらえればと思います。 -
NHK北九州放送局はこれもリバーウォーク北九州の一角。紫川に面して建つ球を一部切り取ったような奇抜なデザインの建物です。
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入った一階と上の階が見学スペースになっていますが、ごく限られた範囲ですね。外観から期待して訪ねた分、ちょっとがっかりに近かったかもしれません。
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最後の水環境館も、紫川のほとり。ちょっと地下に入って行くように階段を降りた先にひょっこりとありました。
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小さな水槽がいくつもあったりして、水族館みたいな感じもしますが、これらも含めて、紫川の環境を考えるというのがコンセプト。かつては鵜飼いもあったくらいのきれいな川ですからね。川を大切にするという気持ちを少しでも持ってもらえたらということでしょう。
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小倉駅の方に戻ってきました。
セントシティ小倉は、小倉駅からペデストリアンデッキで結ばれたショッピングセンター。雨の日でもぬれずに行けますね。
建物は大きくて中も悠々。ユニクロが入っていたり、レストラン街も。地下にはスーパーもあるようです。 -
北九州総合観光案内所は、小倉駅の改札を出たすぐのホールに面した場所。それなりに大きな構えだし全面ガラス張りの施設なので、外からでも中の様子がよく見えています。パンフレットの類もけっこう充実していて、小倉が意外に観光地であることを認識すると思います。
では、時間のようですね。 -
朝方は曇っていましたが、すっかり晴れていい感じ。
道々、ガイドさんが河内藤園のあれこれを紹介してくれて、創業者の熱い思いや現在の園のスタッフの日ごろの努力なんかも知りました。これはいよいよ期待が高まりますね~
駐車場からは、少し歩くようです。 -
山に向かって、上り道をしばし。
山の新緑も美しいです。 -
あ、これが入口ですね。
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こんもり続いているのは藤のトンネルです。
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ではでは
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ほ~
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紫の藤の花の長い房が垂れ下がって
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爽やかな日の光が差し込んでいるし
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イチオシ
見事ですねえ
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藤の花なんかもう何度も見ていて初めてではないですが
これだけの迫力は想像していた以上かも -
シャワーか滝のように藤の花が降り注いでいますよ~
それか
このゆっさゆっさと揺れる豊かさは、ぶどう棚でぶどうが目いっぱい垂れ下がっているような感覚もありますね -
イチオシ
そして、さらに進んでいくと
紫だけじゃなくて -
白っぽいクリーム色や
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イチオシ
淡い赤み掛かった紫もあったりして
その変化も面白い。 -
花を通して
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春の日の光も
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キラキラ揺れています
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みなさん、
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うっとりと眺めて
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夢心地ですね
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イチオシ
バスガイドさんの話を振り返ると
種類の違う藤をこうしてちゃんと一斉に咲かせるのもいろんな技術や手入れの賜物なのかなあ -
豪華で優雅で幻想的な藤のトンネルですが
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創業者の熱い思いや
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今に至るまでの歴史を思うと
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この美しさは長い年月の積み重ねがあってのもの。
とても貴重で愛おしい気持ちにもなってきます。 -
それにしても、ゆらゆらと揺れるこんなに長い藤の房。
遠目で見ると目立たないのに懐に入って間近で見上げると一転して豪華な美しさですから、藤の花って、やっぱり独特ですよね
その美しさを最大限に引き出すのは、やはり生半可なことではできないのでしょう。それなりに扱いにくい厄介な面も持っていそうな気もします。 -
藤のトンネルを抜けるとこれは藤のドーム。
こうして外側から見るとさっきの豪華さはありませんからね。 -
中に入るとどうでしょう。
ちょっと光の差し込みが弱いかな。悪くはないですが、トンネルの迫力からすると物足りないと思います。 -
では、さらに高い場所に上がっていきますよ~
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あ、藤棚です
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100年以上の藤がいくつかあるという藤棚。
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紫の一色ですが
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ここの藤の花の房もとっても長くて
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豪華絢爛。
房が風に揺れると日の光もキラキラ踊って
これぞ藤棚って感じですね -
イチオシ
藤棚の背景には遠くの山の青さも加わって
これもなんともいいじゃないですか。 -
トンネルと比べるとシンプルなようですが
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イチオシ
この太い枝か幹も力強いし
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いろんな視点で楽しめる。
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藤は藤棚。
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やっぱりいいものですね~
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周囲の山との組み合わせもここでもう一枚。
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そして、これがメインストリートかな。
藤の花の房をよけながら -
イチオシ
腰をかがめてそぞろ歩き
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春の爽やかな風も通っていきます
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大藤棚を終わって、
入り口の方へと下っていきます -
ここもちょっとした藤棚の道
最後まで手を抜いているところはありません。 -
もうすぐ出口というところで
もうひとつ少し短い方の藤のトンネルがありました。 -
ありゃりゃ
これも豪華ですよ~ -
大藤棚もよかったけど
やっぱりトンネルもいい -
それに少しお客さんが少なくなっていて
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今度は落ち着いて見れますね。
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少しカーブしているので
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視界の範囲もほどよくて
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長く長く続くという感覚ではないのもいいような
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ここでうまくクールダウンが出来たような気がします
以上でおしまい
十分に堪能いたしました。旅に当たり外れは付きものなんですが、こんな大当たりはなかなかない。しっかり目に焼き付けれたと思います -
引き続き、バスツアー。
昼飯は門司の旧門司三井倶楽部の海鮮焼きカレーです。
旧門司三井倶楽部は、一階がレストランですが、二階はかつてのホテル。 -
アインシュタインが宿泊したという部屋が残されています。ベッドやお風呂など、いまでもそのまま使えそうな状態で、当時の快適な滞在ぶりが想像できます。また、門司で生まれた林芙美子の「林芙美子資料室」もあって、愛用の品が展示されています。ただ、林芙美子が門司で生まれたというのは後年の説。林芙美子自身は下関で生まれたとしていて、そちらの方が定説になっていると思います。
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入り口入ってすぐのロビーから
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その続きの大広間がレストラン。
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三井倶楽部の名物は焼きカレーということですが、焼きカレーは門司の名物ですから、正確にはここにもありますということかな。
海鮮焼きカレーなので大きなエビが入っていたりして豪華版ではあるのですが、私的にはちょっと面倒くさいし、味も無用にくどいような。こってりが好きな人にはいいかもしれません。 -
昼飯後は少し散策の時間があるので、ちょっと頑張ってみましょう。
青空をバックに高層マンション「レトロハイマート」。門司港レトロのランドマークといったところですね。 -
まずはその近くのエリアに向かいます。
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門司港の第一船溜まりの出入口に架かる歩行者専用の可動橋が、ブルーウィングもじというはね橋。これを渡りますが、はね橋としては日本でも最大級の規模なのだそうです。1日に6回開閉するので、門司港レトロにしばらく居れば開閉の場面に簡単に出くわせますし、夜のライトアップも青い灯がともってきれいなんですよね。
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これを渡ると
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すぐに、おみやげ かいもん市場。場所的には、ちょっと離れている感じがなくもないですね。
まあ、外観は門司港レトロの風景に馴染んで洒落ているし、 -
中もすっきり。買い物はしやすいと思います。
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北九州おみやげ館にかいもん市場で構成されるのが港ハウス、別名、北九州市門司港レトロ観光物産館です。食品関係のお土産物が中心で、目立っていたのはふぐの加工品やレトルトの焼きカレー、バナナのお菓子とかですね。
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少し先に行って。これはワンマン(ボギー)車100形電車。昭和60年まで北九州市街で運行されていた路面電車。1935年から1936年にかけて17両が製造されて、その一台が公園の隅に保存展示されています。茶系のツートンカラーは落ち着いた感じ。行き先は門司駅前と表示されています。
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イチオシ
そして、この辺りで一番シンボリックな建物は北九州市立国際友好記念図書館かな。
北九州市と中国大連市の友好都市締結15周年を記念して建てられた洋館です。 -
帝政ロシアが大連に、東清鉄道のオフィスとして建てたドイツ風建築を複製した建物。月曜日は図書館は休みでしたが、内部の見学は可能。
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三階まで上がって、内部の様子が確認できました。
ちょっと浮世離れしていて、まったく優雅なものですね~ -
門司港レトロ中央広場は、北九州市大連友好記念館の隣りにある広場。何かイベントが行われる時に使われる小さなステージや日陰の休憩スペースもありますが、何もなければただのアスファルトの広いスペースというだけ。積極的にどうというものではありません。
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そこから海峡プラザの前を通って門司港駅の方に戻ります。
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バナナマンもお馴染みですね。
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門司港駅の方に戻って
JR九州第一庁舎は、1937年に建てられた旧三井物産門司支店。建設当時は九州一の高層建築だったとか。
エントランスには黒花崗岩が使われたりして、雰囲気があったのですが、関門海峡らいぶ館もマリンゲートもじの2階へ移転。 -
現在は工事中です。
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JR九州第一庁舎のはす向かいにある旧門司郵船ビル、現在のJP門司港ビルは、昭和2(1927)年に建設された鉄筋コンクリート造4階建。門司港駅を出てすぐの場所にあって、しっかりした外観です。
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内部は衣料品の店舗になっていて、天井や柱のモダンなデザインもあって、一見の価値ありのお店だと思います。
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イチオシ
もうひとつの旧大阪商船は、大阪商船の門司支店として、大正6年建設されたもの。八角形の塔が特徴的です。2階には、有料スペースの「わたせせいぞうと海のギャラリー」。
ちなみに、わたせせいぞは、北九州の出身で高校までを北九州で過ごした漫画家。海や自然を楽しむ若い男女のさわやかな描写が印象的です。 -
門司港駅の入り口は
凱旋門的な威厳も感じます。 -
その前の広場にある横山白虹句碑。駅を出てすぐの左手です。句は「和布刈る 神の五百段ぬれてくらし」。
和布刈神社で行われる和布刈神事を詠んだもので、句碑の上にある銅像も神官がわかめを刈りとる様子のよう。しかし、知識がないと訳が分からない像になりそうです。 -
ここから門司港駅の構内に入って、これは帰り水。大正3年、駅舎が完成した時に設置された水飲み場で、以来、100年以上もの間現役で稼働しているというもの。帰り水の名前は、戦後、海外からの復員や引き上げで門司港に上陸した人の喉を潤したから。歴史を感じる名前です。
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トイレに設置されている幸運の手水鉢は、青銅製の手水鉢で、大正3年の建設当時から残っているもの。”幸運の”という名前は、戦時中の貴金属供出から免れたということから。確かに供出はしやすい場所だし、逃れたのは幸運というしかないのかもしれません。
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門司港駅の改札内の旅立ちの鐘は、改札からホームの方を見ると正面です。
これは、大正3年、現在の建物に建て替えられた時に列車が出発する際の出発合図の鐘として使用されていたもの。鐘にはちゃんとロープが掛けてあって今すぐにでも使えそうな姿です。 -
続いては、ちょっと離れた場所ですけど、旧大連航路上屋を目指します。
門司港旅客船ターミナルは、その途中。門司港駅から海岸に向かって少し歩いたところ。愛称はマリンゲートもじ。大きさはそうありませんが、まだ出来て新しいような近代的な建物です。
下関唐戸に向かう関門連絡船、巌流島連絡船、海峡クルージングが発着します。 -
マリンゲートもじ前のロータリー向かいにある門司港出征の碑。
碑には「ご存じですか。先の大戦中、ここ門司1号岸壁から200万人を越す将兵がはるか南方の戦線にあるいは大陸の戦地へと赴いたことを そして、半数の100万人の将兵は生きて再び故国の地を踏むことが出来なかったことを・・」と刻まれています。
戦争の記憶を留めんとするものですが、なにより世界は今またきな臭さが漂っていて、戦争は過去のものではない。なかなか現実は厳しいものがあります。 -
その並びには、出征軍馬の水飲み場。
コンクリート製の古そうな遺構ですが、昭和6年の満州事変勃発から第二次世界大戦までの期間、全国の農村から軍馬として徴発された農耕馬が戦地に向かう前にここで水を飲んだというところ。徴発された馬は100万頭もの数。国を挙げての戦争だったことが分かります。 -
旧大連航路上屋までやってきましたが、ここは門司港駅からしばらく西に歩いた西海岸。やっぱりちょっと距離がありますね。昭和4年、門司税関1号上屋として建設され、門司港の国際ターミナルとして使われていた建物が、当時は、大連航路だけでなく欧州航路など40もの航路があって、神戸や横浜と並ぶ国際ターミナルだったとか。今眺めても壮観な建物です。
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中に入ると
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船の模型とか海事関係の展示。
広いスペースに悠々と展示されてあって、気持ちの良い雰囲気。往時の隆盛も伝わってくるようです。 -
その奥に進むと松永文庫。映画・芸能関係の資料館です。
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展示資料は、地元出身の松永武氏が60年に渡り
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個人的に収集した大正期以降の映画資料等5万点超のコレクションから。
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かつては一世を風靡したであろう映画のポスターを拝見すると世相も感じるし、
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映画がいかに多くの人を元気づけてきたかと思わずにはいられない。
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今でもその感動は褪せることのないコレクションだと思います。
港は人やモノや情報が行きかって、そこに暮らす人たちも知らず知らずその刺激を受けて育っています。たぶん、その肌感覚もあってこうしたジャンルに目が向いたんじゃないかな。そういう意味では、これも門司港の生んだ文化の一面かもしれません。 -
最後は門司港駅から少し市街の方へ。
北九州銀行門司支店は、九州鉄道門司駅跡地に建設されたかつての横浜正金銀行門司支店。昭和9年に建設されました。今の北九州銀行の看板は軽いですが、建物は石造りの重厚な印象です。
ちなみに、横浜正金銀行は外国為替の取り扱いを専門としていた銀行。当時は日本銀行の西部支店もあって、門司は九州の金融の中心地だったことが窺えます。 -
市街地中心部に入って、これは三宜楼。坂道の上、正面のまた一段高い場所に建っていて、ロケーションからして迫力がありますね。
昭和6年に建造され、平成26年にリニューアルオープンした料亭です。木造3階建て。現存する料亭の建物としては九州最大級で、百畳の大広間もあったり。なお、食事は完全予約制です。 -
さて、時間が来たので門司港レトロを出発。もう一つの目的地、白野江植物公園に向かいます。
白野江植物公園は、個人の自宅兼植物園だったものを北九州市が買い取ったもの。 -
入り口を入ってすぐの広場で簡単な説明を受けて、そこから順次、園内を回ります。
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まずは、今が見ごろというハンカチの木。
ひらひらとハンカチのような白い花が見えるんですが、わかりますか。 -
ちょっとした池にはアヤメかカキツバタの鉢。
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全体としては、小高い山の裾を整備して、植物園というより邸宅の庭といった雰囲気があるのですが、やはり元は個人の住宅だったということからでしょうね。
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小さな草花は
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繊細なものばかり。
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花壇に寄せ植えしてあったりしますが
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それも含めて、野原に出て植物を細かく観察するような感覚で楽しむ植物公園かなと思います。
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今は特定の花をドーンと植えてインスタ映えする公園や植物園が人気なので、それからするとちょっと対極。
そんな話をしたら、若い人とかこれを見て少し期待はずれに感じるお客さんもいるようですと園のスタッフさんがおっしゃっていました。 -
園内にはかつての住居も残されていて、
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上がって、少し休ませてもらいました。
これはらくちんです。
さて、以上でツアーは終了。たまにはこういうバスの旅も悪くない。これから体力が落ちて行ったら、利用させてもらう機会が増えるかもしれませんね。
小倉駅で解散して、今夜の宿、諫早に向かいます。 -
小倉駅から博多駅で途中下車して駅弁を買おうと思ったのですが、駅弁ではちょっと寂しいなと思って、こちら利久の牛タン弁当をテイクアウトすることに。
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仙台で食べるのと違って、気分が出るかなとかちょっと心配しましたが、うまいものはどこで食べても同じですね。しっかりおいしくて、この選択は間違っていなかったなと思いました。
西九州新幹線も初めてだったし、快適快適。明日からの長崎の旅もまた元気に頑張れそうです。
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この旅行記へのコメント (6)
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- ことりsweetさん 2024/05/05 22:54:06
- 藤!♪
- たびたびさん、こんばんは。
長崎旅にイイネをありがとうございます。
またまた九州に行きました(*^^*)
九州はなぜか尾っぽが繋がっている感じです。
それにしてもたびたびさんが今年行かれた河内籐園の
藤は見事ですね~~
今年は出遅れて藤はみてないんです。
こちらの藤をみて楽しませてもらいました。
藤の重なりの厚みがすごい!!
香りもハチもすごかったのでは。
良い一日でしたね。
ことりsweet
- たびたびさん からの返信 2024/05/09 07:59:31
- RE: 藤!♪
- 2024年4月春の福岡・佐賀・長崎旅いいですね。
九州はなぜか尾っぽが繋がっている感じです。とのことですが、あれこれ九州の魅力に気が付いていただいているんだろうなあと感じます。焼きものなんかも九州じゃないとなかなかこうは楽しめない。私も九州に住んでいた時にはまってしまい、それが今でも続いています。磁器から始まって土ものに興味が変わって、また磁器、それも染付に戻ったという流れ。最後は三川内で祥瑞のいいのに出会って一区切りがつきました。
有田の辺りは少しごちゃごちゃッとしているのですが、鍋島藩窯が大川内山、平戸藩窯が三川内、大村藩窯が波佐見です。有田はこれらに対して民窯ですからね。
いろいろ考えていたら、なんかまた九州の旅に出たくなってきました。コメントありがとうございました。
たびたび
-
- うふふ♪♪さん 2024/04/05 19:41:51
- 藤、とても綺麗ですね♪
- たびたびさんへ
うふふ♪♪です♪
こんばんは♪
藤、とても綺麗ですね~💕
藤、大好きです♪♪
今年は、うふふ♪♪も藤を観に行きたかったのですが、
前後に予定が詰まっていて・・
岡山の藤公園か広島に行きたかったのですが・・
行けそうだったら、奈良の万葉植物園に行きます(苦笑)☆
それも無理そうだったら、近所のマンションの藤棚で我慢です(笑)。
GW、たびたびさんはどちらへ??
明日は、お花見でしょうか??
美しい旅行記をありがとうございます♪
うふふ♪♪
- たびたびさん からの返信 2024/04/11 00:05:16
- RE: 藤、とても綺麗ですね♪
- 藤の花は、世の中的にはそこまで注目される花ではなかったと思いますが、関東で足利フラワーパークの大藤とかがアピールに成功して、がぜん注目をされるようになったという印象があります。しかし、うふふさんがお調べになった通り、藤の名所はやはりそれなりにあるようで。岡山の藤公園も奈良の万葉植物園もあまり知りませんでしたが藤の名所なんですね。これからがまさにシーズン。タイミングがうまく合うといいですね。
一方で、桜の方は、去年はばっちりだったんですが、今年はイマイチ。先般も早くから計画して楽しみにしていた奈良の又兵衛桜はまだつぼみの状態。残念なことになってしまいました。それでということではないですが、今年はしばらくぶりに仏像の方に焦点を切り替えているところです。ほか、先日まではディズニーランド。かなりへとへとになってしまって、今は体力を回復中かな。なんにせよ、4〜5月は季節がよくて大事な時期。うまく回していかないといけないんですけどね。まあ、そんな感じです。
たびたび
-
- くわさん 2024/02/20 12:45:46
- 小倉にたくさんの博物館があったのですね
- たびたびさん、こんにちは。
私、実は元小倉北区民でした。小倉駅や西小倉駅は通勤経路で、たびたびさんが歩かれたところは目をつぶっていても歩けるはずでしたが・・・・
いや~、知りませんでした。あのあたりにこんなにたくさんの博物館があったとは、たびたびさんが行かれたところ、どこも行ったことがありませんでした。近くの小倉北区役所は転入届で行っているのに。
http://kuwa72.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/2014-3dd7.html
地図好きなのでゼンリンの博物館は非常に興味がそそられます。機会があれば是非行ってみたいですね。
くわ
- たびたびさん からの返信 2024/02/20 23:04:35
- RE: 小倉にたくさんの博物館があったのですね
- そうですか。
しかし、行った施設はどれもマイナーな施設。ご存じなかったとしても、まあそんなものかなとは思います。
ただ、気になられたゼンリンの博物館はその中にあっては意外に立派なものでした。ゼンリンは地図のトップ企業ですからね。今はグーグルとかに押されたりしていないか心配ではありますが。。機会があればまたどうぞ。
たびたび
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