2014/06/12 - 2014/06/12
23位(同エリア127件中)
さっくんさん
急遽の思い付きでスペイン、タリファから足を伸ばしてモロッコ、タンジェに日帰り旅行に出かけました。そこで思わぬ発見がありました。
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白い街を抜け、いざタンジェに向かうべく港へ向かいます。
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海に到着です。
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いざ乗船します。
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堕ちていったイスラームの民はどんな想いでこの海を渡ったのでしょう?
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うっすらとアフリカ大陸が見えてきました。
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ジブラルタル海峡は常に多くの船が行き交います。
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タンジェが見えて来ました。
タンジェがバックパッカー達に悪名高い原因の一つに悪質なガイドとのトラブルが有名です。 -
また日本人のパスポート盗難が一番多い国は、なんとスペインなのですが、そのパスポートはこの航路を渡りタンジェに持ち込まれ偽造されるとか囁かれています。
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何故その様な悪名が立つのか?
それは嘗てタンジェが国際管理地域とされ、結構何でもありの無法地帯に等しい時期があった様なのです。 -
そんなこんなで身構えて、ちょっと遅れて下船すれば、もう誰もいません!
あれほど身構えていたのに誰も出迎えてくれないなんて肩透かしです(笑) -
沢山いた筈の自称ガイドは、もう鴨を捕まえて仕事中って事でしょうか?
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そんなこんなでボッチでタンジェ散策を始めます。
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昨日タンジェ探訪を決めたから、当然ガイドブックもありません。取り敢えず地図を写メしたけど、迷路の様なイスラームの街では地図なんて全く意味を為しません。どうせすぐ現在地なんて解らなくなってしまうから。
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いざタンジェに突入します。
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グランド・モスクです。緑は確か聖なる色。
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美しいイスラームのドア。
イスラームは華美な外観を嫌うので、モスリムはドア等ピンポイントにお洒落心を集約します。チュニジアやザンジバルドアが有名です。 -
地図も無いの住宅街の小径をむやみやたらと進んで行きます。
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なんかツートンで纏められた彩色。
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丁目毎とか法則があるのでしょうか?
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どうせなら青丁目に住みたいな!
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最早自分が何処にいるのか解らない程進んだところで、私はふと目についた小規模の廟の様な建物が妙に気になりました。普通なら通り過ぎてしまいそうなその建築の謂れを知り驚愕しました。
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私は驚きました。その廟に書かれた名前はイブン・バトゥータ。中国からトンブクトゥ迄旅を続け大旅行記を書き上げたイスラームの偉人です。イスラームの旅を続け、その旅先毎に彼の足跡に触れ、彼を尊敬し、また彼の足跡と自分の旅を被らせていた私にとって憧れの人物です。
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彼がモロッコ出身であった事は知っていましたが、タンジェとは知りませんでした。タンジェ探訪を決めたのも先日の事。しかもこの迷路の様な街で迷う事も無く…導かれたとしか思えない…暫し呆然自失の私でした。
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なんか浮き足だった様な足取りで先に進みます。
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漸く人で賑わう繁華街に出ました。
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幼い頃賑やかな商店街が近くにある下町で育ったせいか、アラブのスークに懐かしさを感じます。
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ただ今回は更に自分の尊敬した旅人の故郷と言う想いも加わって親近感に拍車がかかってます。
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リアル三丁目の夕陽と言うか、突然路地裏から小学生時代の旧友が飛び出してきそうと言おうか…
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街の北端からは地中海が見渡せます。
その北方にうっすらとアンダルシアが。 -
お昼ご飯は迷わずタジン鍋。可愛らしい円錐形の蓋はデザインのみならず、対流が起こりつらく、また水を使う事無く食材の水分を極力引き出せる魔法の調理器具です。
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存分にタジンを楽しめたのですが、入店前にちょっとしたトラブル。なんと客引きのお兄さんが私を取り合って揉めてしまいました。スペインではウェイターは涼しい顔でチップさえ貰えるのにと思えば、彼等の必死さや熱さを感じ、私は好印象。結局二杯タジンを楽しむ事となりました。二杯でもスペインより安上がりでもありますし。
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悪名高いガイドさんとは結局絡みが無かったので、どれ程のものかは解りませんが、トラブルはあったとは言えマラケシュの客引きよりはアッサリしているかな?って感じました。
マラケシュでは「もう食べたばかりだから!」って断ったら、何処で覚えたか?意味も解って無いのでしょうが「そんなの関係ネェ!」と返され、一本取られてもう一食。
モロッコに暮らしたら間違いなく私はデブになるでしょう(笑) -
探索中往きの船内で見かけた日本の若者とすれ違いました。隣にはガイド。ガイドに乗りこなされちゃダメだぞ!ガイドは乗りこなしてこそナンボだぞ!グッドラック!心の中で彼にエールを送りました。
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イスラームの街は小径が迷路状に張られていますが、これは防衛の為で、出鱈目に作られたものでは無く道幅も含め計算された上作られています。
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小径が合わさる場所にはよろず屋や喫茶店等がある事が多いです。
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家並みの外観では窓が少なく、或いは小さく感じると思います。
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これは質実剛健で華美を嫌う、他人に見せびらかす様な行為を忌避するイスラームの考え方が影響します。
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また、イスラームは砂漠や乾燥帯で信仰されていた事。砂嵐を防ぐ為周囲を家で囲い中庭を築く事で、外観こそ質素なれど、中は外観から想像出来ない程華やかだったりします。
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もしそんな内側を覗きたくなったら中庭を改装したレストラン等でその雰囲気を味わう事が出来ます。
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この道を、嘗てイブン・バトゥータが歩いたのかもしれません。
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そう想うと感慨深いなぁ。
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イスラームの街に猫はつきものです。
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私の好物ミントティーを嗜んでいると、隣のベルギー人のオジサンと話が弾んだ。昔、此処が国際管理時代、密入国、密売何でもアリの野望を持ったゴロツキが夢を見る場所だったそうです。
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そんな昔を懐かしみ、此処を故郷と呼ぶ彼は嘗てのゴロツキだったのかもしれません。
先程イブン・バトゥータの出来事を体験した私が
「私はタンジェは初訪問なのですが、なんか懐かしく感じるんですよ。」
と返すと、彼は一瞬驚いた様な表情を見せ、次の瞬間グラスを合わせました。
タンジェに乾杯!) -
ロンダが荒廃した後、荒くれ者と共に芸術家や小説家が集まった事は書きましたが、此処タンジェもドラクロアが活躍した歴史があります。
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高台で一休み。
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再び街歩きを続けます。
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タンジェは、これぞ!と言う観光スポットはありません。
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でも、路地裏の迷宮巡りが好きな私には格好の街でした。
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可愛らしい猫ちゃんに逢えました。
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迷宮を抜ければ小広場、ついついあちこち目がいきますが
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そろそろ戻らねばなりません。
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にゃんこが見送ってくれました。
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再訪を約束して旧市街の門を潜りました。
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タンジェの港に戻ってきました。
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モロッコともお別れです。
でもきっとまた戻って来ます。 -
再びアル・アンダルースを目指します。
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遥か昔、ローマ帝国が東西に別れた時、嘗てギリシャで産まれた叡知は分断されました。その叡知はビザンティン帝国、そしてその領土を掠め取っていったイスラーム帝国に引き継がれました。
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北アフリカを西進したイスラーム帝国は地中海を渡りイベリア半島に到達します。こうして嘗てギリシャで生まれた叡知のかずかずが、地中海を遠回りしてヨーロッパにもたらせ、それはルネッサンスを後押しします。コスタ・デル・ソルに沈む夕陽に歴史ロマンに耽りました。
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最後まで御覧下さりますありがとうございました。
持戒はスペイン一美しい村にも選ばれた事があるフリフィリアナを旅します。
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この旅行記へのコメント (4)
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- TKさん 2023/07/25 11:49:40
- イブン・バトゥータはタンジェの産まれだったとは!
- さっくんさん
こんにちは!
タンジェの街の旅行記、街の様子の写真集、懐かしかったです。普通ガイドを雇うとかしないと、うるさくて歩けない。と言われているタンジェで、ガイドなしで自由自在に大活躍。さすが、旅の達人です。
国境の街って、なぜか緊張感一杯ですのに、いつもとおりさらっと街歩き。ゆっくり街を楽しまれた様子が伝わってきました。
私がタンジェへ行ったのは1995年ごろでした。フェズなど少しこぎれいな街から、タンジェへ来た時の、すさんだ街並みに、これが国境の緊張感か!と変な感動を覚えた思い出があります。スペインへ密入国しようとする若者を目撃したり、緊張しました。メキシコの国境の街でも、密入国の家族連れのおばさんを見たり、ティワナに行った時の緊張感に似た、高揚感を持ったものです。
さっくんさん旅行記の写真を見た感じですが、昔より街がきれいになった様子ですね。経済発展したのかな?
懐かしい昔の旅の思い出が蘇りました。
ありがとうございます。
TK
- さっくんさん からの返信 2023/07/25 21:09:06
- RE: イブン・バトゥータはタンジェの産まれだったとは!
- こんばんは
コメントありがとうございます。私も現地を訪れて、初めてタンジェがイブン・バトゥータの出生地であり眠る街だと知りました。スペイン滞在時に急遽タンジェへ赴きたくなり、まともな地図もガイドブックも無いまま、あの迷宮の様なイスラームの街で、まるで実家へ帰る様に偶然彼の廟に辿り着いてしまった事は本当に驚きでした。自分を和製イブン・バトゥータなどと思い上って、イスラームの街を旅してきただけあって感無量と言うか、呼ばれたのか?と今でさえ感じています。タンジェはスペインと大きく関りがあるので、他のモロッコの街より豊かである様な気はします。1990年代のタンジェはもっとワイルドで昔の「何でもあり」な時代の香りを残していたのでしょうね。香港の廟街、バンコクのカオサンロードも昔と今では余りにもかけはなれた世界観となってしまいました。在りし日のタンジェの姿を体験出来たのは、財産ですね。
> さっくんさん
>
> こんにちは!
>
> タンジェの街の旅行記、街の様子の写真集、懐かしかったです。普通ガイドを雇うとかしないと、うるさくて歩けない。と言われているタンジェで、ガイドなしで自由自在に大活躍。さすが、旅の達人です。
>
> 国境の街って、なぜか緊張感一杯ですのに、いつもとおりさらっと街歩き。ゆっくり街を楽しまれた様子が伝わってきました。
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> 私がタンジェへ行ったのは1995年ごろでした。フェズなど少しこぎれいな街から、タンジェへ来た時の、すさんだ街並みに、これが国境の緊張感か!と変な感動を覚えた思い出があります。スペインへ密入国しようとする若者を目撃したり、緊張しました。メキシコの国境の街でも、密入国の家族連れのおばさんを見たり、ティワナに行った時の緊張感に似た、高揚感を持ったものです。
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> さっくんさん旅行記の写真を見た感じですが、昔より街がきれいになった様子ですね。経済発展したのかな?
>
> 懐かしい昔の旅の思い出が蘇りました。
> ありがとうございます。
>
> TK
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- LesCrayeresさん 2022/05/15 13:38:25
- 何故ルーと伸ばすのですか
- 何故アルアンダルースとルを伸ばすのですか。
- さっくんさん からの返信 2023/07/25 20:57:59
- RE: 何故ルーと伸ばすのですか
- > 何故アルアンダルースとルを伸ばすのですか。
コメント見逃してしまいました。お返事遅れて大変申し訳ございません。
ちょっと気になって軽く調べましたが、おっしゃる通りほとんどがルを伸ばさない場合が多い様ですね。ほんの一部ルを伸ばすものも見かけました。多分私がアンダルースと言う単語と出逢った時代、若しくはジャンルでそう呼ばれたものをそのまま私が覚え、その後アップデートしないままとなっていたのではないかと思います。その様な訳で、イスラムでは無くイスラーム。メッカでは無くマッカと意識して表記している訳では無く、寧ろアップデートされていない今では死語となりつつある表記となってしまったのかもしれません。ご指摘ありがとうございました。
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