2020師走の野島から八景島の海岸線と消え行くブルーフォールの見物行脚記

2020/12/19 - 2020/12/19

2020年師走、野島沖の海苔のひび、海の公園の砂浜を眺めたあと、八景島を早足で散策した。
横浜八景島シーパラダイスのアイコン「ブルーフォール」が長期続いた点検調査から復旧せず、2020年3月末に営業終了となり、12月前半に足場で取り囲まれ、1週間あまりで高さが半減し、すっかり景観が変わった。急変する景観をじっくり記録すべきと思ったが、年の瀬でほとんど実現できなかった。金沢湾、海の公園、八景島シーパラダイスやブルフォールの歴史や活用に興味をもち、今後の旅行などの参考になれば幸いである。

エリア 八景島(神奈川)

横浜シーサイドラインの野島公園駅と海の公園南口駅の間の、金沢漁港の南側のとなりの公園から、野島運河越しに野島方向を眺めると、秋から春にかけて海苔の養殖が行われている「ひび」が見える。
かつては富岡や磯子区の沿岸でも海苔の養殖が盛んに行われていたが、沿岸が埋め立てられ目にすることはない。野島には3社の海苔製造所があり、個人への販売もされている。
右手の樹木に覆われたこんもりした丘が野島山。野島山の手前には復元された伊藤博文別邸を横浜市が公園の一部として無料公開している。

野島公園 公園・植物園

海苔のひびの向こうの対岸の横須賀には周囲を埋め立てられた夏島、日産追浜工場や住友重機械などの工場を遠望できる。

夏島貝塚 名所・史跡

海の公園の砂浜の南端から約1kmの長さの渚を眺める。造成時に千葉から運んだ砂を用いた人工海浜ではあるが弓なりの造形はそれなりに美しい。
海藻が打ち上げられているとおり、付近の遠浅の海底アマ藻を植えられ海水の浄化と魚などの繁殖に効果が上がっているようである。

海の公園 公園・植物園

海の公園南部のBBQ場は冬季は営業してなく利用できないので静かだ。

海の公園 公園・植物園

八景島シーパラダイスのアイコンだったブルーフォールは２週間でかなり進みほぼ半分の高さになっている。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

良く観ると上部の足場が大組みで分解され、クレーンで吊り降ろされようとしている。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

玉掛けなど段取りには時間が掛かるものの、クレーンで一旦吊り上げられ切り離されると、巻き下げられるのは非常に早く、吊り荷が空中を移動する状態を観られるのは貴重だ。
先週からの解体のペースから察すると来週には塔の姿は観られなくなりそうなので、再び近くで最後の姿と工事状況を見物することにした。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

シーサイドライン八景島駅、八景大橋側からアクセスすると、巨大クレーン車に比べて足場に囲われたブルーフォールの残存部は低くなっている。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

ちょうど使い終わって分解された足場材がトラックで搬出されて行った。全体の一部に過ぎなく、全量はかなりの多量だ。「デッ海」はブルーフォールの解体のため休止中、付近は通行禁止で、八景島シーパラダイスのホームページによると1月下旬に再開予定だ。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

マリンゲートから夕景をバックにブルーフォールの見納めだ。
すでに今日のクレーン作業は終了し、反対側を向いている。
心象に合わせるかのように、一瞬雪が散ら付いてきた。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

地上に降りて、小さく分割されて並べられた塔とともにラストショット。
右手にシーサイドラインが通り過ぎて行く。工事状況はシーサイドラインからも良く見え、通勤通学中に目にする方も多かっただろう。

金沢シーサイドライン (横浜シーサイドライン) 乗り物

シーパラダイスの中心部からも解体中のブルーフォールはまだ見えるが、クレーン車の方が目立っていて、間もなく姿を消して行く。

横浜 八景島シーパラダイス アクアリゾーツ 動物園・水族館

夕暮れのアクアミュージアム、派手なプロジェクションマッピングが無いと少々寂しい。

横浜 八景島シーパラダイス アクアリゾーツ 動物園・水族館

八景島はひとつの島ではなく、八景島シーパラダイスインやふれあいラグーンは橋を渡って別の島にある。別の島にはシーパラダイスとは別の運営の八景島マリーナ・ヨットハーバーがある。関東の12の大学のクラブが所属していて、クラブハウスやヨットスクールもあり、数百艇以上収用できる規模だ。
良く観ると帰還した複数の艇がスロープで運ばれているところで賑わっている。
海ファームとふれあいラグーンのあるところは、八景島ができた当初はシーパラダイスマリーナとしてクルーザーの停泊設備があり、大型のマリーナクレーンはまだ残っている。
八景島の当初の姿といえば、ブルーフォールも数年経ってから建設され、シーパラダイス開園当初からあったのではなく、元の姿に戻ることになる。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

シーパラダイスマリーナはマリーナ以外の用途に転用されていて、シーパラダイスインはクルーザーでマリーナから入島した者以外も宿泊可能だ。
マリーナクレーンはかなり大型で35t仕様だ。

ホテル　シーパラダイス　イン 宿・ホテル

たくさんあるレストランも頑張って営業を続けている。賑やかさは少ないものの、感染を避けてゆったり食事するには都合が良いかもしれない。

マンジャーレ 八景島シーパラダイス店 グルメ・レストラン

海の公園側の本格イタリアンが大船駅近隣へ移転したのに続き、海ファーム隣のメインエリアにあり、連休等の花火開催時は特等席だった水上レストランまで営業終了し、閉鎖されていた。非常に残念だが、メンテナンス費用の問題だろうか。良い後継利用が早く決まることを祈る。

トロピカルインパーマーストン グルメ・レストラン

パラダイスインとジェットコースターの間に、約4,000㎡の人工芝が敷き詰められたフリースペース「イベント広場」がある。
「横浜金沢クラフトビール＆グルメフェスタ」は2019秋にアクアミュージアム前からイベント広場に会場を移して開催される予定だったが台風で中止、昨年はコロナ禍で開催されてなく、今年2021は3年振りに開催できるか？
復活開催後に、空いたレストランスペースに常設のクラフトビールバー、レストラン、醸造施設が出来ると期待している。飲んだあと八景島駅まで歩くのは距離があるので、シートレインで無料送迎してもらえると良いと思う。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

ジェットコースターとタワーは島内からよりも、金沢湾を挟んで対岸からの眺めが良い。
どちらも健在で人気だ。新型コロナウィルス感染症対策のため、運行毎に係によって拭き取り除菌清掃しているようで、ジェットコースターはさほど列が長くなくても週末は乗車まで30分以上になっていて、繰り返し乗車するエキスパートは平日にすべきだ。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

大型観光バスのみ進入できる国道357号の未成区間の終点付近は緩やかなスロープ状になっている。この先夏島の日産追浜工場を経て追浜駅前の夏島通りにつながる計画がある。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

綺麗に草刈り整備された周遊道路を八景島駅方向に進むと左手に「たこ」が現れる。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

営業終了していて足を止めて観察する来島者は少ない。かつて異常動作で怪我をされた方がいるようで、レジャー設備の安全管理は簡単ではないようだ。ブルーフォールと同様に海外メーカからの導入だ。長期の運用保守には自国に技術者を育成し、経験ノウハウを蓄積すべきと感じる。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

もう費用を掛けて営業運転を続けても乗りにくる愛好家は少なく商売にならないのだろうか。営業終了しても構造材や塗装はまだ朽ちてなく、分解してどこか需要のあるところで復活してもらいたい。
シーパラのホームページに、オクトパスと類似した回転するタイプの遊具「ドランケン・バレル」と「ピーターパン」も1月24日をもって営業終了とアナウンスされた。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

アトラクションが減るのは寂しいが「なお、「プレジャーランド」では今後も皆さまにお楽しみいただけるようエリアのリニューアルを予定しておりますので、是非ともご期待ください。」と掲示されており、大いに期待したい。何時間も並ぶのはいやであるが、コロナ禍が終息してリニューアルした直後は必至だろう。
地形を活かして人気のジップラインで海上を渡るとか、シーカヤック基地、各種VR体感、水産畜産畑作園芸体験、防災・国防訓練体験、海上交通・物流高度研究学習施設、クラフト酒醸造・飲食施設などなど多様なプレジャーを先駆的に開拓して、年間数千万人の来場増を達成して経済活性に大いに貢献して頂きたいものだ。
定番のバイキングはそこそこ活況だ。バイキングの向こうにクレーンが見えるが、ブルーフォールは低く目立たなくなっている。
なお、１月上旬に解体は終了し、クレーン車も居なくなり、１月中旬の現在は片付け作業中だ。
最後まで熟読して頂き感謝。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク