2020/08/03 - 2020/08/03
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たびたびさん
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世界遺産に登録された合掌造りの集落は白川郷と五箇山。その独特な山里の風景は、日本の世界遺産を代表するものの一つというくらい有名です。
ただ、私は、これまで、春と冬の白川郷に行ってますけどそこまでのいい印象はない。豪雪地帯で暮らしやすいようにと作られた茅葺き屋根の掌を合わせたような三角形の大きな家は、江戸時代から明治にかけてのもの。屋根裏の作業スペースが広くとって養蚕をしたり、鉄砲の火薬の原料となる塩硝を作っていたのは特徴的かもしれませんが、それでも、それで歴史が動いたわけでもないでしょう。まあ、だから何?という感じかな。私が興味を持ってやまない歴史とか文化というのはお互いに影響し合って何かを生み出していってなんぼという世界。人里から離れて世の中の動きとは隔絶された生活をする環境ですから、そこからするとまったく相反するものを感じてしまうんですね。
しかし、そんなに頭を固くしても仕方がない。そもそも、旅は郷に入れば郷に従えの精神が大事。そう思い直して、ちょっと特殊な環境の中でも綿々と営まれた生活のありさまをそのまま味わってみるのも意味のないことではないかも。五箇山は初めてだし、白川郷ではうまくキャッチできなかったそこのところを少し素直に感じてみようと思いました。
ところで、五箇山の世界遺産登録は相倉合掌造り集落と菅沼合掌造り集落の二つ。菅沼合掌造り集落の方は9戸の合掌造り家屋が集まるごく限られた一角なんですが、対して、相倉合掌造り集落の方はもう少し大きくてお土産物屋さんやお茶屋さんなんかもさらに充実しています。どちらも、お勧めは展望所かな。集落の全景を見渡せるのですが、山々に囲まれた一角にある集落のロケーションと合掌造りの家が微妙にあちこちを向いていてちょっと不規則のようなのですが、それでいて全体としての調和がなくもないて、それなりに楽しめます。まあ、それでも、白川郷と比べるとかなり小規模ですが、こちらはこちらでひなびた山里の感じを楽しめばいいと思います。
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早朝、井波の宿を出発して五箇山に向かうのですが、ちょっとその前に。
瓜裂清水は、井波の市街の少し外れ。きちんとした案内表示をひょっこり見つけて訪ねました。 -
この清水は、全国名水100選。600年前のこと、井波の中心、瑞泉寺の開祖である綽如上人が連れていた馬の蹄が陥没し、その跡から清水が湧き出たのだとか。名前は、瓜が自然に裂けるほどの冷たさだったから。
今でもこんこんとわき出ていて豊かな湧水です。 -
国道156号線に入ってすぐの小牧ダムは、庄川水系の水力発電用のダム。昭和5年に竣工。
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関西電力が管理しているようですが、美しいひだに沿って水が流れ下ってなかなか壮観です。
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また、遊覧船も運航するダム湖も素晴らしい。青い水もちょっと神秘的なんです。
小牧ダムから上流へ向かう、この辺りは庄川峡。五箇山方面に向かう国道156号がその脇を走っていて、かなり長い間、その景観を楽しむことができます。
渓谷は庄川遊覧船から眺めるのが一番いいんでしょうが、国道からでも十分楽しめる。 -
この利賀大橋もなかなかの見どころ。
平成30年に開通した鋼上路橋式のアーチ橋なんですが、赤い骨組みが庄川峡の緑に美しく映えています。
ちなみに、庄川峡遊覧船のコースもこの橋の手前辺りでUターンするので、遊覧船からもその雄姿は拝めます。 -
かなり走って、五箇山エリアに入りましたが、実は五箇山エリア自体がかなり広いというか長い地域。まだ時間が早いので、まずはその南端の方まで行って、そこから戻ってくるように回ることにしました。
で、これは合掌大橋。五箇山エリアの南の外れ。もう白川郷にも近づいた辺りです。
国道156号の途中にあって、白川郷の切妻合掌造りを形どって命名されたという橋なのですが、橋のたもとから見ても全体が見えないので、そうインパクトはないですね。 -
庄川にはたくさんの橋が架かっているし、残念ながらこの橋が特別どうということではないと思います。
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合掌大橋から戻って。
道の駅 上平 ささら館は、五箇山エリアの南端。駐車場とか広いし、見逃すことはないですが、道の駅としての賑わいは少し落ちるかも。裏手に庄川の小さなダムとかこれも地味ですが真背戸の滝というのがあって、それが見どころになっています。 -
で、これがその真背戸の滝。対岸にあって庄川に注ぎ込む滝。細い滝で木々に少し隠れているし、正直言えば、かなり地味。手前に標識があって、それと分かるのですが、標識がなかったら、気が付かないくらいです。
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さらに少し戻って、行徳寺。国道156号線のすぐ脇です。
この寺は蓮如上人の弟子となり五箇山に浄土真宗を広めた赤尾道宗を祖とする古刹。なんといっても目立つのは藁ぶきの山門。鐘楼堂と山門を兼ねた鐘楼門の形式です。 -
本堂の右手にある
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有料の道宗遺徳館には柳宗悦のコレクション、棟方志功らの作品があったようですが、私は見逃してしまいました。
今でもけっこう心残り。白川郷だと明善寺の浜田泰介の障壁画が素晴らしかったですからねえ。 -
続いては、岩瀬家。
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こちらは、300年前に8年の歳月を費やして建てられた五箇山でも最大の合掌造り。
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当時、岩瀬家は加賀藩の塩硝を取りまとめ納入する上煮役であり、
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その威光を示すために総けやき、漆塗り、書院造りといった
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イチオシ
ほかの合掌造りにはない特徴を持っています。
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いろりの脇で係の人からそうした概要を伺ってから、
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内部を拝見しました。
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話を伺ったのもあって、それなりに立派な作りだというのは分かりますね。
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ただ、始めにここを見て五箇山を回りましたが、確かに、その後に見た合掌造りはここに比べるとちょっと格落ちの感がある。つまり、後になってから、ようやくこちらの価値に気が付いたような次第です。
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合掌造りは、屋根裏の広いスペースが特徴ですから、ここから二階に上がって
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なるほどねという感じ。
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まあ、何度か見たことはあるのでびっくりはしませんが、改めて、その丁寧で堅牢な造りを感じます。
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続いては、三階。
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三階でも、まだまだ広いですね。
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ここもしっかりと骨組みの結束。縄でぐるぐる巻きにしてあるのですが、調べるとマンサクの枝条である「ねそ」でも結束されるという情報も。しかし、そうしたものはもう手に入らないんでしょうかね。この後も、縄ばかり。「ねそ」らしいものを見かけることはありませんでした。
ところで、合掌造りについてはよく「釘を使うことなく」という説明もありますが、あんまりそれでは説明になっていない。というのも、在来工法の組木だって釘は使いませんからね。むしろ、組木と結束を比較しないと意味はないでしょう。で、私的にはやはり、比較をすれば組木または組木プラス結束の方が優れていると思います。しかし、そうであれば、組木の技術がなくても結束で組木と同じ強度が実現できたの説明になると分かりやすいです。ただ、一方で、もしかしたら、雪の重みで屋根がしなる。そのしなりに対しての強度では結束の方が優れているというのはあるかもしれません。どっちにしても、合掌作りの特徴は広い空間や雪が積もった時に二階や三階からでも出入りできるといった構造的な説明ばかり。屋根裏で一番目につく結束についてだって、もう少しいろんなイメージが膨らむような分かりやすい説明はないのかなと思います。 -
続いては、五箇山合掌の里。国道156号線から少し下ったところ。広い駐車場があって、その中心施設は五箇山生活館です。
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ただ、無人の施設だし、訪れる人も少なくて寂しい感じなんですけどね。しかし、五箇山の民謡をモチーフにしたジオラマ展示は見ごたえあり。何か明るくて透き通った民謡の調べに素朴な山里の暮らしぶりがコラボして、五箇山の魅力がパワーアップしたような気がしました。
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五箇山 合掌の里には、その名の通り移築した合掌造りの家並。ただ、合掌造りの家々はちょっと傷んで粗末な感じもなくはないし、ただ並んでいても逆にありがたみは薄れるような感じ。感動は薄いと思います。
五箇山菅沼集落にも歩いていける距離ですが、また帰ってこないといけないし。菅沼展望広場駐車場の方に向かうことにします。 -
イチオシ
さて、五箇山の世界遺産登録は相倉合掌造り集落とこの菅沼合掌造り集落の二つです。庄川の河岸段丘に9戸の合掌造り家屋が集まる一角。国道156号線沿いにある有料の菅沼展望広場駐車場に車を停めてから、エレべーターで下に下りて行きます。ただ、国道156号線から見下ろす集落の眺めは悪くないので、これも確認しておくことをお勧めします。
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規模的には相倉合掌造り集落より一回り小さいですが、
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集落内にはお土産物屋さんやお茶屋さん、食堂もひととおりあるので安心です。
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大きなお土産物屋さんを過ぎて
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その奥にあるのがお茶屋さん。これはあらい。お土産物屋さん兼お茶屋さんで、集落の中心といった存在でしょう。
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朝からお店は開いていて、
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イチオシ
五箇山名物のとうふのさしみをいただきました。少し薄く切った豆腐をそれこそ刺身醤油でいただくのですが、これがなかなか合いますねえ。添えられた漬物も悪くないんですが、やっぱりこの豆腐の味わいは確かに主役。なんでこんなに自然にうまいのか。固さとかもあるんでしょうか。ちょっと不思議な感覚でした。
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元気が出たところで、集落を回りましょうか。まあ、限られた範囲ですから、あっという間でしょうけどね。
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吾郎平は、食堂をやっていて、菅沼では一番本格的な食堂です。ここにも、五箇山の名物、堅豆腐の定食がありますね。
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イチオシ
建物自体もよく整備されていて、美しい。前に広がる田んぼの風景とこの建物がよく調和しています。
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五箇山民俗館は、資料館。塩硝の館とセットで拝見します。
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チケットを買って、奥へ。
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五箇山の暮らしで使われた素朴な民具が中心ですが、
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なんでしょうねえ。
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ご飯を食べる時の赤い朱塗りの膳とか。こういうのを見ると合掌造りの生活が何となく具体的に想像できて面白いですね。建物は合掌造りとしては比較的小さいので、余計生活感が漂っているようにも思います。
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二階にも上がってみますか。
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ちょっと小ぶりですけど
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面白いのは、五箇山の籠渡しの籠。
五箇山では川に橋を架けることが基本許されていなかったので、これを使って人や物を運んだということです。加賀藩の流刑地として利用されたので、罪人もこれで川を渡ったとかの説明がありました。 -
続いて、塩硝の館。
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五箇山は加賀藩の支配下にあり、鉄砲で使う塩硝を造っていました。
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山の中なので幕府の目を逃れるという利点も大きかったようです。
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ヨモギ、ウド、蚕の糞。そうしたものが原料となったようですが、そう説明をされても鉄砲と結びつくイメージはほとんどしない。実感がわかないのが正直なところです。
以上で菅沼合掌造り集落を切り上げて、相倉合掌造り集落に向かいますが、 -
その途中にもいろんな見どころがるんですよね。
このお小夜塚は、お小夜という流刑者の墓。お小夜は金沢の遊女だったのですが、流刑となりこの地へ。しかし、地元の若者と恋仲になり子供を宿したことで川に身を投げる。156号線から少し脇に入った人家のまばらなエリアですが、きちんと屋根の付いた祠のような構え。生花が活けてあって、地元では今でも大事にされていることが窺われました。 -
五箇山総合案内所は、五箇山地区の中ほどの国道156号線沿い。周辺には村上家や白山宮、流刑小屋があって、この周辺も外せないですよね。
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案内所では近くの食事場所を聞きまして、そばの拾遍舎の情報をいただきました。
片隅に、こきりこささら踊りの人形があって、これもちょっと目を引きました。 -
駐車場にそのまま車を止めて、歩いて回ります。
まずは、国指定重要文化財村上家。国道156号線のすぐ脇。総合案内所の隣りに建つ大型の合掌造りです。 -
内部は
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囲炉裏を切った座敷の
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広い空間。
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奥には
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仏間なんかもありますが、
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殺風景といってもいいくらいシンプルな姿です。コロナ過じゃなければ、こきりこ踊りや麦屋節傘踊りの鑑賞もできるようですが、この広い空間があれば全く悠々なんでしょうね。
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民具を展示しているのは
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二階から。
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数多くの鍋窯とかも壮観です。
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村上家もこうしてかなり堂々とした構えなんですが、岩瀬家を見てきていますから、なんか普通に見えてしまいます。
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白山宮は、奈良時代の初めを起源とする古い神社。泰澄大師が人形山の山頂に建立したものを移築したとされています。
参道から見えてくる神社の全景は、石の囲いで囲まれた四角いエリアに背の高い杉が立ち並ぶというまとまりのいいもの。 -
境内一面にも美しい苔が生えて本当に清々しいです。
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奥には藁ぶきの本殿。こちらは一風変わった趣のはずですが、五箇山だとこれの方が馴染むかもしれません。
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流刑小屋は、国指定重要文化財村上家の方から橋を渡った向かい側。小さな建物に比べるとやけに分厚い藁ぶき屋根が印象的です。流刑人がここで暮らしていたということですが、粗末なのかそうでもないのかはよく分かりませんね。今は橋が架かっているので、行き来は自由ですが、橋がなければ移動はかなり限られていたのでしょうか。それも想像してみましたが、よく分かりませんでした。何かと微妙です。
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あと、中を覗くとお役人らしき人形が見えました。
これも実際はこういう場所ではなかったはずですから、リアルな感じを出すためという意味では微妙です。 -
そのまま先に進んで、羽馬家住宅はさらに高い場所。庄川のこちらの側はかつては行き来が制限されるエリアだったと思います。
そこに建つこの合掌造りは、江戸中期以前の合掌造り。当時の古い形態をよく残す民家なのだそうです。藁屋根の縁のところが細かくザクザクと切ったような跡で、なかなか美しいデザインに見えますね。
内部の拝観はできませんが、荒れた感じはなくて保存状態はいいのではないかと思います。 -
作助は、村上家住宅のはす向かいにあるお土産物屋さん兼喫茶店。拾遍舎がまだ開かないので時間調整もあって、
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こちらで五平餅をいただきました。
注文するとご主人が時間をかけてじっくり焼いてくれているのが分かりますね。五平餅はちょっと大きめ。意外に食べ応えのある五平餅でした。 -
拾遍舎は、最近、マスコミとかでも取り上げられて人気急上昇中のお店と聞いて訪ねました。
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外観から想像するよりずっと広い店内。これはいいですね。
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イチオシ
そして、おそばの方ですが、なんとも透明感があって素直な優しい味わい。このタイプの出汁はなくはないんですが、その洗練さにおいてはちょっと他の追従を許さないくらいのものを感じます。トッピングの豆腐も秀逸。出汁のうまさに引けを取らない上品さ。なるほど、確かにこれならね。人気急上昇の理由が分かったような気がしました。
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ここから、五箇山のもうひとつの世界遺産登録、相倉合掌造り集落に到着です。
菅沼合掌造り集落と比べると相倉合掌造り集落の方が一回りか二回りくらい大きい感じですね。 -
相倉合掌造り集落の一番手前に建つ民宿 勇助。
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集落に建つ合掌造りの中では最も立派で大きな建物です。
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民宿なんですが、中の見学(有料)もやっています。
合掌造りの建物は、五箇山だと資料館とかも含めればあちこちで見る機会があるのですが、やっぱり大きな建物の方が見ごたえがありますよね。そういう意味だとここはお勧め。相倉合掌造り集落だとここが一番だと思います。 -
少し進んで、茶店 まつやは、相倉合掌造り集落の中心。
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お土産物屋さんも兼ねていて、集落に訪れた観光客はまずここに寄ってみるといった感じでしょう。
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いただいたのは一番人気というとちもちのぜんざい。どろんとしたぜんざいは甘さ控えめの素朴な味わい。お餅はとちもちらしさはあまり感じませんでしたが、まあそれはそれでいいかな。開放感のある飾らない店内で、しばし寛ぎました。
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地主神社は、その裏手。
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相倉集落の守護神であり、場所からしても本当に集落の人々の生活とともにあるといった身近な存在に感じます。
拝殿は入母屋、銅板葺、平入。桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付。まあ、特別な感じはしない。普通の神社かなと思います。 -
集落の中を
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少し散策。
ぽつん、ぽつんと建ってる感じがいいですね。 -
相倉民俗館は、集落の奥の方にある資料館。五箇山の江戸時代の生活道具などを展示しているのですが、この建物自体が合掌造りの建物なので、実感をもって拝見できるのがウリなんだと思います。なお、相倉伝統産業館との共通券があるるのでセットでどうぞ。
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相倉伝統産業館は、江戸時代の五箇山の産業である塩硝、養蚕、和紙づくりの道具を展示しています。展示はごちゃごちゃしていないので、比較的見やすいかな。
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集落の中にも撮影ポイントとされている場所がいくつかあって、私も確認してみます。ここはまあまあだけど、のんびりとした雰囲気が伝わりますか。
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部分部分だと、こんなのもいかがでしょうか。
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天狗の足跡は、集落の中心部から五箇山和紙体験館に向かう途中。平らな道岩の頭が一部顔を出しているような感じ。標識があるのですぐにわかりました。集落の周りの山に住む天狗が誤って足を落としたというのですが、どの部分が足跡なのかよくわからない。後になって調べると岩がくぼんで足跡のような穴になっている部分があるんですね。どっちにしても、気を付けて見ないと分からないと思います。
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で、これが五箇山和紙。
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和紙漉き体験館ともあって、和紙漉きが自分でも体験できるようですね。
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ただ、私は中に展示してある和紙の作品や商品を拝見。
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和紙の傘やウエディングドレスまであったのには少し驚きましたが、お店の商品の方はお面やかわいらしい置物の人形たちには癒された思い。楽しい気分になりました。
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イチオシ
ここから駐車場の方に戻って、
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イチオシ
そこから展望所を目指します。
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田んぼの中の道を抜けて
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だんだん山の方に上がっていく。
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イチオシ
これがポスターでも使われる眺めなんですよね。
ただ、私的にはここに至る途中からの眺めの方が集落の息使いが感じられるようで好きですね。 -
展望所から正面に見える山は、人形山。相倉合掌造り集落の背後に壁のようにそびえています。展望所に人形山の名前の悲しい由来が書かれていて。白山権現に祈願していた母の病が治ったので、お礼のために2人の姉妹が山の権現様にお詣りをした。しかし、姉妹は吹雪に閉じ込められて亡くなってしまう。翌春からはこの山に姉妹が手を繋いだ姿が残雪で現れるようになったということです。残雪の写真もあって、確かにそんな風にも見えました。
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最後は合掌茶屋 相倉屋。相倉合掌造り集落の広い駐車場の手前側で、
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これも藁ぶき屋根の民家を活用したお店です。
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いただいたのは、冷たい甘酒。糀の香りがしっかりあって、さわやかな甘さがとってもいいですね。縁側に腰かけてくつろぐと風が吹き抜けていくし、あちこち歩いてちょっと疲れていたのですが、すっかり元気になりました。
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相倉合掌造り集落を後にして。
今度は道の駅 たいら。 -
五箇山エリアの北端の少し高台にあります。
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道の駅なので普通にお土産物とか置いていますが、
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特徴的なのは和紙の関係があれこれあって。
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一つは和紙漉きの体験コーナー。
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親子連れが和紙ではがきを作っていました。
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そして、二階には有料ですが、和紙の作品の展示室。
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全国の各地の和紙人形とかもあって、
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まあまあ楽しめました。
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道の駅たいらを見下ろす高台には、たいら郷土館も。五箇山の歴史と塩硝の製造や養蚕の道具等を展示する資料館。しかし、この時期はコロナ過で休館中でした。ただ、建物は五合掌作りもイメージしたんでしょうか。それでいて、シャープな三角のデザインは意外に見ごたえありかなと思います。
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さて、ここからまた国道156号線を井波の方に戻ります。
時間があるので、庄川温泉のエリア、庄川水記念公園にも行ってみましょう。 -
その途中にちょっと寄り道して。
閑乗寺公園は、砺波平野の散居村を一望することができる公園。公園の一番高いところに展望台があります。ただ、公園の魅力としては、山の斜面一杯が芝生の広場になっていて、なんかゴルフ場みたいな美しさ。その眺めの方が印象に残りました。 -
庄川水記念公園に到着。
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庄川沿いに整備された公園なんですが、広場みたいなのをイメージするとそういう公園ではなくて、むしろ、美術館や資料館、木製品の販売ショップとか施設が充実していて、庄川町の文化ゾーンといった側面も強いような気がします。
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では、順番に。
庄川美術館は、大正時代から平成時代にかけて活躍した地元出身の彫刻家、松村外次郎氏の作品がメイン。 -
通路から一番奥の円形の展示室には力強いメッセージ性のある作品がずらりと展示されています。
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少し詰め込みすぎな感じもしなくはないですが、この迫力ならどっちにしても庄川町の文化資産かなと思います。
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庄川水資料館は、
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庄川の治水や木材の運搬等の産業を支えてきた庄川の恵みの歴史について
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解説、展示する資料館。
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川狩りの着祝いという水運で生業を立てていた地元の人々の賑わいの様子など今からすると想像を絶するもの。豊かな庄川の恵みがダイナミックに想像されますね。
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川底に沈めて流れを緩めた石と木の土木技術なんかもリアルで興味深いです。
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鯉恋の宮は、庄川を臨む場所。芝生の先に赤い幟が立っていてそれと分かると思います。鉄筋コンクリートの建物の神社なんですが、中に入ると神社の奥には庄川を正面に眺めるガラス窓。たぶん庄川をご神体としているような感じです。恋愛の神様とのつながりはよくわかりません。
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最後に庄川ウッドプラザ。けっこう大きな目立つ建物で、中に入っても悠々とした雰囲気。
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庄川で木材が運搬されてきた歴史もあって、地元では木工の伝統産業が生まれたよう。その木工製品を扱っています。漆塗りは春慶塗が多いかな。お盆の類とか木目をきれいに出して、なかなか品格がありました。
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イチオシ
庄川水記念公園から、今度は庄川大仏へ。庄川町のごちゃごちゃした市街の一角です。
雨ざらしの大仏ですが、色合いからしてこれも高岡鋳物かと思ったら、そうではなくてコンクリート製。どっちにしても、真緑の鮮やかな色彩がちょっと毒々しくて、妙なパワーを感じます。昭和7年に完成したようですが、それにしても新品のような感じです。 -
道の駅 庄川といっても、気持ち的には井波市街の外れといった場所ですね。大きな通りの十字路に建っていて、入り口がちょっと分かり辛いかな。
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ただ、内部はけっこうおしゃれな雰囲気。庄川ゆずという特産品を使ったゆずまるというお菓子をいただきました。柚の香りのする白餡のお菓子。まあ、想像通りの味わいです。
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川なべ菓子舗も庄川の市街。店の前に駐車スペースがあって、普通の地元のお菓子屋さんといった感じかな。
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いただいたのは、いが饅頭。もっちりしたお餅の歯ごたえがいい感じ。それにちょっと大きめなところも悪くない。けっこうお得な感じのするいが饅頭です。
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ここから少し市街を離れて、マイナースポットをいくつか。
弁財天公園は、庄川の河川敷を整備した公園。ただ、これだけ広い公園なのに、すべてが芝生。 -
それも、雑草とかも生えていなくて、これだけきれいに保たれているのは何気にすごいことじゃないかなと思います。一方で、市街からは離れているし、地元の人も普段は来ないような感じ。もったいない気もしてきます。
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西行歌碑も、庄川町の郊外。あんまり目印になるようなものもなくて、不安に思いながら探しました。
こんなところの西行?っていう感じもしなくはないのですが、ここは西行とともに諸国を旅していた西住が亡くなったところ。西行は塚を作り、手向けの桜を植えたと言います。西行の別れの歌は「もろともに ながめながめて 夜の月 ひとりにならん 事ぞ悲しき」。
なお、元の石碑は、慶長16年(1611年)前田利長が大清水の御亭に持って行ってしまい、現在の石碑はその後のものです。 -
公卿九人塚は、薬勝寺という寺を訪ねて、そこで場所を聞きました。薬勝寺のすぐ近くです。
薬勝寺の縁起にあるようですが、応仁の乱を避けた御花園院の皇子淳良親王が安川の里に3年間侘び住まいをしていたところ、増山城主がひそかに殺害し、同寺の南に墓所を営んだという言い伝え。詳しい物語が看板に書かれていました。
なお、中央の宝篋印塔は昭和44年のものですが、周辺には古い五輪塔がいくつか残っています。
物語は分かりましたが、しかし、貴重なものなのかどうかはイマイチ分からない。微妙です。 -
もう井波に帰るんですが、御菓蔵はその途中。工場の敷地に設けられた販売所。といっても、構えとかはけっこう立派ですけどね。
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中に入ると、おかきやせんべいの袋詰めが山のように置いてあって、より取り見取りの大量安売り販売。しろえびの煎餅をいただきましたが、まあ大袋で安いというだけのこと。あまり便利な場所でもないし、お客さんは少ない。観光客には縁遠いかなとは思います。
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さて、晩飯なんですが、水記念公園で気になっていた鮎料理の店 鮎の里へ。水記念公園に隣接するアユ料理のお店でちょっとオーラを感じたんです。悠々とした店内はとっても気持ちがいいですね。
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このお店に入って知ったんですが、庄川のアユは日本一のアユといわれる絶品なんだとか。へー、そうですかといただいてみます。
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イチオシ
型は小さいんですが、頭からもぐもぐいただくと少し苦み走ったアユの香ばしさはもうこれ以上はない上品な大人の味わい。私はこれまでアユはどちらかというと大きい方が脂がのっていて旨いという理解でしたが、それが完全に打ち砕かれたような感じ。ちょっと言葉にならないおいしさです。これはすごいものに会ってしまいましたね。この衝撃はしばらく尾を引きそうです。
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で、今夜の宿は東山荘。瑞泉寺の真向かいにあって、部屋からは瑞泉寺の山門が目の前に見えました。
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昔から瑞泉寺の参詣者が泊まってきた歴史ある宿なんですね。女将さんの応対や内部の雰囲気まで、さすがといった感じがありました。かつては、こうした宿が何軒もあったようですが、今はここくらいのもの。とっても価値ある宿だと思います。
明日は、レンタカー最後の日。庄川、砺波経由であちこち回りながら高岡まで帰ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- フロンティアさん 2021/02/28 20:34:51
- いろいろ見所がありますね
- こんばんは。いつもお世話になります。
僕自身、両親が富山在住(呉東の富山市内)ということもあり、興味深く拝見させて頂きました。
富山にある実家に帰省した際、呉西エリアはそれなりに立ち寄りますが、大抵は伏木から氷見辺りと海王丸パーク付近に向かうので、たびたび様の今回の旅行記は参考になります。特に旧福岡町エリアは観光という認識がなかったので、数多くの史跡があることを教えていただきました。ありがとうございます。
五箇山の合掌造りも結構見ごたえがあるようで、富山に帰省する機会があれば参考にしてみたいと思います。
トラベラーネーム フロンティア
- たびたびさん からの返信 2021/03/01 10:03:25
- RE: いろいろ見所がありますね
- 富山はいろんな顔があって楽しいところ。伏木や氷見も懐かしく思い出します。旅行記はあと3本を予定していますが、さすがにこれでひと区切りかなと思います。今月中には完結させたいと思っていますので、またよろしくお願いします。
たびたび
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