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「ポガチャPogača 土鍋で焼くセルビアのパン<br /> <br /> バルカンの人々はパンを生命の源だと考えています。ポガチャは丸型のパンで,名物料理であり,お祝いの場面などでいただく儀礼食でもあります。そのままで食べたり,プロシュート,チーズ,カイマック,バターやジャム,はちみつなどを付けて食べたりもします。内戦中は食べものを手に入れづらかったため,家で作っていたものですが,現在は毎朝パン屋さんで買えるようになりました。セルビアにはたくさんの種類の穀物があります。一般的にポガチャは小麦で作られますが,トウモロコシ,ソバ,オート,ライ麦,スペルト小麦などで作られることもあります。」<br /><br />「ギバニツァGibanica  バルカンのチーズパイ<br /><br /> ギバニツァはセルビア,マケドニア,ブルガリア等,バルカンの料理で最も広く愛されている料理のひとつです。家庭で作るフィロ生地は,一般的に市販されているフランス製のものより少し厚めで,新鮮なチーズ,カイマック(クロテッドクリーム),卵を詰めて焼いたものです。ギバニツァには『レイヤードスタイル』『しわくちゃスタイル』の2種類があります。ヨーグルトと一緒に朝食として,また祝祭日のランチやディナーの前菜として登場します。ギバニツァが焼ける匂いは,セルビア人にとって子ども時代を思い出させてくれるものです。」<br /><br />「アイヴァルAjvar  ローストパプリカとナスのスプレッド<br /><br /> パプリカが焼ける匂いは,秋の訪れを告げてくれます。この時期になると,街中に大きな赤いパプリカがあふれます。アイヴァルは大きくて先の尖った形をしたパプリカで作ります。日本のスーパーでよく見かける赤ピーマンとは違い,セルビアでは価格も手頃です。赤くツヤのあるパプリカは生でいただき,残ったものや食べられなかったものは,最後にアイヴァルにします。<br />バルカン地域では,パプリカを使って冬の保存食を作ってきました。ほとんどの家庭は(もちろん我が家も!)大型ホーロー鍋を持っています。長い冬の間に保存できる十分な量のアイヴァルが作れます。アイヴァルを作るのは,温かい季節の終わりを知らせ,心のこもった温かい食事を作る季節を迎えるための行事のようなものです。」<br /><br />「プロヤProja  セルビアのコーンブレッド<br /><br /> アイヴァルには焼きたてのパンが合います。アイヴァルとセルビアのコーンブレッド,プロヤは最高の組み合わせです。日本で料理教室やイベントを開催するさいにも,プロヤをいつもメニューにいれています。必要な材料は手頃な価格で手に入るし,何より簡単に作れます。<br />プロヤとヨーグルトの組み合わせは朝食の定番。冷めてもおいしいので,お祝いの席では前菜としても喜ばれます。最近ではピクルス(私は大好き!),パプリカ,ネギなどを刻んだものを生地に入れることも。味にアクセントが加わるし,見た目も豪華になります。セルビアでは街のパン屋さんでも売られています。」<br /><br />「セルビアの調理器具<br /><br /> バルカンでは,まだ多くの人が伝統的な調理法,調理道具を好んで使っています。<br />この章で紹介したズラクサ鍋は,家庭でもレストランでも使われています。直火焼き,とくにサチュと呼ばれる調理方法に利用されます。食材を入れた鍋(普通は鍋料理やポテトなど)を熱い石の下に埋め,何時間も火にかけゆっくり調理する方法です。<br /> コトリッチという銅製の鍋はリブリャ・チョルバのレシピでも使っていますが,家族や友達をひとつにする不思議な調理道具です。料理ができるのを,皆でおしゃべりをしながら待っていると,あたりに香ばしい匂いが広がりはじめ,新しい思い出も生まれます。<br /> そしてもう1つの古くて価値のある道具は,スメデレヴァッツです。薪を使うオーブンで,昔の家庭料理の独特な味を生み出すと信じられています。半世紀以上前から使われてきましたが,今なお使われています。とくに,田舎や休暇を過ごす家で使います。なぜなら部屋を温め,ゆっくり時間をかけて作る料理に向いているからです。電気は必要ありません。薪と火さえあればよいのです。土鍋を乗せたら,すぐにそのよさがわかるでしょう。」<br />  イェレナ・イェレミッチ著「イェレナと学ぶセルビア料理」(セルビア日本音楽交流推進の会)より

バルカンドライブ2200km(2019年6月セルビア)~その10:ウジツェ

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2019/06/05 - 2019/06/15

24位(同エリア104件中)

タヌキを連れた布袋(ほてい)

タヌキを連れた布袋(ほてい)さん

「ポガチャPogača 土鍋で焼くセルビアのパン
 
 バルカンの人々はパンを生命の源だと考えています。ポガチャは丸型のパンで,名物料理であり,お祝いの場面などでいただく儀礼食でもあります。そのままで食べたり,プロシュート,チーズ,カイマック,バターやジャム,はちみつなどを付けて食べたりもします。内戦中は食べものを手に入れづらかったため,家で作っていたものですが,現在は毎朝パン屋さんで買えるようになりました。セルビアにはたくさんの種類の穀物があります。一般的にポガチャは小麦で作られますが,トウモロコシ,ソバ,オート,ライ麦,スペルト小麦などで作られることもあります。」

「ギバニツァGibanica バルカンのチーズパイ

 ギバニツァはセルビア,マケドニア,ブルガリア等,バルカンの料理で最も広く愛されている料理のひとつです。家庭で作るフィロ生地は,一般的に市販されているフランス製のものより少し厚めで,新鮮なチーズ,カイマック(クロテッドクリーム),卵を詰めて焼いたものです。ギバニツァには『レイヤードスタイル』『しわくちゃスタイル』の2種類があります。ヨーグルトと一緒に朝食として,また祝祭日のランチやディナーの前菜として登場します。ギバニツァが焼ける匂いは,セルビア人にとって子ども時代を思い出させてくれるものです。」

「アイヴァルAjvar ローストパプリカとナスのスプレッド

 パプリカが焼ける匂いは,秋の訪れを告げてくれます。この時期になると,街中に大きな赤いパプリカがあふれます。アイヴァルは大きくて先の尖った形をしたパプリカで作ります。日本のスーパーでよく見かける赤ピーマンとは違い,セルビアでは価格も手頃です。赤くツヤのあるパプリカは生でいただき,残ったものや食べられなかったものは,最後にアイヴァルにします。
バルカン地域では,パプリカを使って冬の保存食を作ってきました。ほとんどの家庭は(もちろん我が家も!)大型ホーロー鍋を持っています。長い冬の間に保存できる十分な量のアイヴァルが作れます。アイヴァルを作るのは,温かい季節の終わりを知らせ,心のこもった温かい食事を作る季節を迎えるための行事のようなものです。」

「プロヤProja セルビアのコーンブレッド

 アイヴァルには焼きたてのパンが合います。アイヴァルとセルビアのコーンブレッド,プロヤは最高の組み合わせです。日本で料理教室やイベントを開催するさいにも,プロヤをいつもメニューにいれています。必要な材料は手頃な価格で手に入るし,何より簡単に作れます。
プロヤとヨーグルトの組み合わせは朝食の定番。冷めてもおいしいので,お祝いの席では前菜としても喜ばれます。最近ではピクルス(私は大好き!),パプリカ,ネギなどを刻んだものを生地に入れることも。味にアクセントが加わるし,見た目も豪華になります。セルビアでは街のパン屋さんでも売られています。」

「セルビアの調理器具

 バルカンでは,まだ多くの人が伝統的な調理法,調理道具を好んで使っています。
この章で紹介したズラクサ鍋は,家庭でもレストランでも使われています。直火焼き,とくにサチュと呼ばれる調理方法に利用されます。食材を入れた鍋(普通は鍋料理やポテトなど)を熱い石の下に埋め,何時間も火にかけゆっくり調理する方法です。
 コトリッチという銅製の鍋はリブリャ・チョルバのレシピでも使っていますが,家族や友達をひとつにする不思議な調理道具です。料理ができるのを,皆でおしゃべりをしながら待っていると,あたりに香ばしい匂いが広がりはじめ,新しい思い出も生まれます。
 そしてもう1つの古くて価値のある道具は,スメデレヴァッツです。薪を使うオーブンで,昔の家庭料理の独特な味を生み出すと信じられています。半世紀以上前から使われてきましたが,今なお使われています。とくに,田舎や休暇を過ごす家で使います。なぜなら部屋を温め,ゆっくり時間をかけて作る料理に向いているからです。電気は必要ありません。薪と火さえあればよいのです。土鍋を乗せたら,すぐにそのよさがわかるでしょう。」
  イェレナ・イェレミッチ著「イェレナと学ぶセルビア料理」(セルビア日本音楽交流推進の会)より

旅行の満足度
3.0
観光
3.0
ホテル
3.0
グルメ
3.0
ショッピング
3.0
交通
2.0
同行者
その他
一人あたり費用
25万円 - 30万円
交通手段
レンタカー 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 部屋のバルコニーから見えていたジェティニャ&#272;etinja&#160;川の堰。<br /><br />ここへ行ってみよう。

    部屋のバルコニーから見えていたジェティニャĐetinja 川の堰。

    ここへ行ってみよう。

  • ウジツェのジェティニャ川には,セルビアが生んだ天才科学者二コラ・テスラが発明した交流方式による発電所の欧州第一号が遺されている。<br /><br />建設したのはテスラの友人でセルビアの電力の父ジョルジェ・M・スタノジェヴィッチ(&#1026;ор&#1106;е M. Стано&#1112;еви&#1115;)。1900年竣工。

    ウジツェのジェティニャ川には,セルビアが生んだ天才科学者二コラ・テスラが発明した交流方式による発電所の欧州第一号が遺されている。

    建設したのはテスラの友人でセルビアの電力の父ジョルジェ・M・スタノジェヴィッチ(Ђорђе M. Станојевић)。1900年竣工。

  • 堰のところからさらに上流へ歩いていくと,

    堰のところからさらに上流へ歩いていくと,

  • すぐに水力発電所の建物が見えてきた。<br /><br />2000年に竣工百周年を記念して復元され,小さな博物館になっていたようだが,今はちょうど改修工事をしていて見学することはできなかった。<br /><br />「Hidrocentrala Pod Gradom」(Google座標:43.851646,19.830044)

    すぐに水力発電所の建物が見えてきた。

    2000年に竣工百周年を記念して復元され,小さな博物館になっていたようだが,今はちょうど改修工事をしていて見学することはできなかった。

    「Hidrocentrala Pod Gradom」(Google座標:43.851646,19.830044)

  • 仰ぎ見るような方向に,ウジツェのスタリ・グラードが目に入る。<br /><br />あまりに高いところにあるので,はじめから登る気が失せてしまう。

    仰ぎ見るような方向に,ウジツェのスタリ・グラードが目に入る。

    あまりに高いところにあるので,はじめから登る気が失せてしまう。

  • ここから川を2kmほど遡ったところには,紡績工場のために造られたせき止め式のダムもあるようだ(1929年操業開始)。<br /><br />「Велика брана(Big Dam)」(Google座標:43.848965,19.816358付近)

    ここから川を2kmほど遡ったところには,紡績工場のために造られたせき止め式のダムもあるようだ(1929年操業開始)。

    「Велика брана(Big Dam)」(Google座標:43.848965,19.816358付近)

  • 今回は歩くことができなかったが,川の上流部は大規模に遊歩道・トレッキングルートとして整備されているようだ。<br /><br />おそらく昨日訪れた,シャルガン(モクラ・ゴラ)を経由してサラエヴォへ通じていた軽便鉄道の廃線跡を利用して造ったのではないだろうか。<br /><br />ここは鉄道が通じる以前からウジツェ~ヴィシェグラードを結ぶ重要な交易路だったようで,案内板に「ボスニア古道Cтари босански пут」と紹介されている。

    今回は歩くことができなかったが,川の上流部は大規模に遊歩道・トレッキングルートとして整備されているようだ。

    おそらく昨日訪れた,シャルガン(モクラ・ゴラ)を経由してサラエヴォへ通じていた軽便鉄道の廃線跡を利用して造ったのではないだろうか。

    ここは鉄道が通じる以前からウジツェ~ヴィシェグラードを結ぶ重要な交易路だったようで,案内板に「ボスニア古道Cтари босански пут」と紹介されている。

  • ウジツェの中心部のほうへ戻る。

    ウジツェの中心部のほうへ戻る。

  • 街角では,結婚を祝うパレードのようなものが催されていた。

    街角では,結婚を祝うパレードのようなものが催されていた。

  • 老舗の雰囲気を漂わせているファストフード店があったので,メニューを眺めてみる。

    老舗の雰囲気を漂わせているファストフード店があったので,メニューを眺めてみる。

  • 1RSD=約1円なので,値段について換算の必要はない。<br /><br />ちなみに,セルビアの消費税(PDV)は20%である。一部,青果やパンなどは軽減税率10%を適用。

    1RSD=約1円なので,値段について換算の必要はない。

    ちなみに,セルビアの消費税(PDV)は20%である。一部,青果やパンなどは軽減税率10%を適用。

  • 「タネ入りバーガー」と書いたのは,「プニェナ(・プリェスカヴィツァ)」といって,ハンバーグの中にハムとかチーズなどのタネを挟みこんで焼いたものだ。<br /><br />それより,「ウジツェ」サンドウィッチや「ウジツェ風」チェヴァピサンドというのがどういうものなのか期待が膨らむ。

    「タネ入りバーガー」と書いたのは,「プニェナ(・プリェスカヴィツァ)」といって,ハンバーグの中にハムとかチーズなどのタネを挟みこんで焼いたものだ。

    それより,「ウジツェ」サンドウィッチや「ウジツェ風」チェヴァピサンドというのがどういうものなのか期待が膨らむ。

  • サイドメニューの中では「ウルネベス」に注目したい。<br /><br />セルビアで定番の,白チーズとパプリカ粉などで作るディップのようなものらしく,まだ食べたことがない。ぜひ食べておきたい。<br /><br />その下に「トラピスト」とある。日本では「バター」のイメージだが,こちらではチーズのことらしい。<br /><br /><br />メニューの検討が終わり,さあ店に入ろうと思ったら,いきなり閉店してしまった。おいおい,何てことだ。

    サイドメニューの中では「ウルネベス」に注目したい。

    セルビアで定番の,白チーズとパプリカ粉などで作るディップのようなものらしく,まだ食べたことがない。ぜひ食べておきたい。

    その下に「トラピスト」とある。日本では「バター」のイメージだが,こちらではチーズのことらしい。


    メニューの検討が終わり,さあ店に入ろうと思ったら,いきなり閉店してしまった。おいおい,何てことだ。

  • 今日は日曜日なので,開いている店は少ない。<br /><br />やっと一軒開いているところを見つけ,入ってみる。

    今日は日曜日なので,開いている店は少ない。

    やっと一軒開いているところを見つけ,入ってみる。

  • この店では,薄くて広いピタ(あるいはラヴァシュЛавашか)をふたつに折って具材をはさみ,英文メニューで「トルティーヤ」と称している。

    この店では,薄くて広いピタ(あるいはラヴァシュЛавашか)をふたつに折って具材をはさみ,英文メニューで「トルティーヤ」と称している。

  • パラチンキ(クレープ)があった。<br /><br />クッキークリームは,わざわざ「プラズマPlazma」だと記してある。プラズマはセルビアで大きなシェアをもつクッキーの銘柄。<br /><br />「Euro-cream」というのは,白いミルクと黒いチョコのスプレッドが二色で瓶詰めにしてあるものだ。<br /><br />その下は「Nutella」。日本でも人気があるヘーゼルナッツのチョコレートスプレッドだ。<br /><br />(1RSD=約1円)

    パラチンキ(クレープ)があった。

    クッキークリームは,わざわざ「プラズマPlazma」だと記してある。プラズマはセルビアで大きなシェアをもつクッキーの銘柄。

    「Euro-cream」というのは,白いミルクと黒いチョコのスプレッドが二色で瓶詰めにしてあるものだ。

    その下は「Nutella」。日本でも人気があるヘーゼルナッツのチョコレートスプレッドだ。

    (1RSD=約1円)

  • 「Euro-cream,plazma cookie」を食べてみたが,プラズマクッキーは粉末のように細かく粉砕されていた。まあまあかな。

    「Euro-cream,plazma cookie」を食べてみたが,プラズマクッキーは粉末のように細かく粉砕されていた。まあまあかな。

  • 昨日のスーパーマーケットに今日も立ち寄ってみる。

    昨日のスーパーマーケットに今日も立ち寄ってみる。

  • これがさっきのプラズマクッキー。飽きのこない素直な味だ。

    これがさっきのプラズマクッキー。飽きのこない素直な味だ。

  • クワスがあった。セルビアはクワスを飲む国なのだ。<br /><br />ボスニア・ヘルツェゴビナからセルビアへ来て,スーパーで売っている商品がじわりと変化したような気がする。

    クワスがあった。セルビアはクワスを飲む国なのだ。

    ボスニア・ヘルツェゴビナからセルビアへ来て,スーパーで売っている商品がじわりと変化したような気がする。

  • 売り場から紅茶が姿を消した。<br /><br />温かい飲み物は,コーヒーかハーブティー。<br /><br />この状況は,このあと当分続くことになる。

    売り場から紅茶が姿を消した。

    温かい飲み物は,コーヒーかハーブティー。

    この状況は,このあと当分続くことになる。

  • 今日はウジツェでのんびり過ごしたが,明日はまた長駆けの一日になる。<br /><br /><br />(つづく)

    今日はウジツェでのんびり過ごしたが,明日はまた長駆けの一日になる。


    (つづく)

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