ポルトガルの墓地はミニ教会団地のよう　＜ 新型コロナ禍直前のイベリア半島旅 ＞

2020/02/27 - 2020/02/27

2020 ポルトガルとスペインの旅　3日目その2

午前中にベレン地区を観光した私たちは市電を乗り継ぎ、バイロ・アルト地区経由でカンポ・デオウリケ地区まで移動した。

私は日本の古墳や、外国の墓地を見るのが好き。
今回はリスボンの墓地を、じっくりと見学出来て満足だった♪

その後はまた市電に乗り、ホテルの近くまで戻った。
リスボンは首都の中に坂あり谷あり峠ありの街で、そこを走る市電は、さながら遊園地のアトラクションのようだった。

エリア リスボン(ポルトガル)

• 同行者: 友人
• 旅行の手配内容: 個別手配

ジェロニモス修道院の近くから、15番の市電に乗った。
レトロな造りで、ガタゴトと走る。

床も水を逃がす溝付き。

木造部分も、よく磨かれている。
Wi-Fiもサクサク入って、自分がどこを走っているのかがよくわかり便利だ。

カイス・ド・ソドレ駅の前で、いったん15番の市電を降りる。
この前の日に、飛行機から見えた駅。

道路を横切り、25番の市電に乗り換える。

暫くは緩やかな坂道を上ったり下りたりしていたが、

エストレーラ聖堂の近くで、かなり上り勾配や下り勾配となった。

エストレーラ聖堂の前を通過。

エストレーラ聖堂 寺院・教会

聖堂から500メートルも行けばプラゼーレス墓地に着けるのだが、途中で降りて先に昼食をとることにした。

静かな町の一角にある、オ・ビトケ。
中は満席に近かった。

カウンター席に案内される。

いただいたのは、コジード・ポルトゲーザ。
ソーセージや肉、野菜などを煮込んだもので、その煮汁で炊いたご飯が添えられている。
いわゆるポトフのご飯添え。

外国で食事をするときにわからないのが、その大きさだ。
ばかでっかいものが出てきて、びっくりすることもある。
この時も無難にメイア・ドーゼ（半皿の量）をひとつ頼んだが、それでもこの大きさ。
これを2人で食べた。
2人がそれぞれが全量を注文したら、とんでもないことになる所だったわ。

ナタ（エッグタルト）を3個食べて、まだ胃がもたれていたけれど、二人がかりで完食。
薄味で食べやすかった。
これで8ユーロ。

近くにナタコンテストで何度も優勝しているお店、アロマがあるので行ってみた。

ナタのほかにも、いろんなスイーツがあった。

ナタを一個ずつ、店内で食べる。
一個1ユーロ。
ベレンで食べたのより甘い。
生地がパリパリで、クリームはトロットロ。
この上にさらに砂糖をかける人もいるそうだ。
とても美味しいけど、ひと月に1～2個にしとかないと体に良くなさそう。

腹ごなしに、墓地見学へ。
サントコンデスターヴェル教会の前を通り、

プラゼーレス墓地の前にあるロータリーまで、歩いて来た。
ここが25番と28番市電の、発着所になっている。

墓地の門をくぐる。
カメラを首から下げた人が多く、お参りに来た人より見学者の方が多いように感じた。

プラゼーレス墓地 散歩・街歩き

墓地の地図。
まるで団地だわ。

日本の墓地とは、全然趣が違う。
日本にある外人墓地だって、十字架が地面に立てられているだけだ。

ポルトガルの墓地は一軒家。

扉が固く閉められているので、中をうかがい知ることは出来ない。

大きな木が植えられ、道は舗装もされている。

やっぱり、墓地というより町のよう。

モスクっぽい建物もあった。

ファサード自体が十字架になっている。

ちなみにプラゼーレス（Prazeres）とは、日本語で快楽という意味だそう。
快楽墓地…ね。
あの世は極楽ってことか？

これは有名な方のお墓かな？

最近ご不幸があったような…。

静かな墓地に、飛行機の轟音が響く。
ここから空港まで、10キロ弱。

ステンドグラスを持つ墓地も多かった。

「え～～、墓地に行くの～～？」とためらっていた相方も、この素晴らしい墓地に驚きを隠せない様子だった。

心を落ち着かせることが出来る空間だった。
怖さとかそういう感覚はない。

でも、夜はやっぱり怖いかな？

ポルトガルはまだ土葬が主流だそうで、別の場所にある共同墓地に遺体を埋葬し、5年以上経ってから掘り返して納骨するのだそう。

28番の市電に乗り、街の中心地に戻ることにした。

ながら運転。
(*´艸`)

再びエストレーラ聖堂の前を通過する。

エストレーラ聖堂 寺院・教会

25番の市電が、右から坂を下ってくる。
28番市電はこの坂を上らずに、まっすぐに進んだ。
28番市電は、観光客に人気がある。
街の中の細い道を、縫うように走るから。
けっこう急な坂を上ったり下りたり曲がったりして、実に面白くて楽しい♪

バイシャ地区の停留所で市電を降り、サンタジュスタのエレベーターへ。
高さは45メートル。
エレベーターに乗るために、50人くらいが列を作っていた。
エレベーターだから次々乗れるものと思っていたら、入場制限がされており、乗るまでに30分以上は待ったと思う。
私たちの後ろに、何人もの日本人がいた。

サンタ ジュスタのエレベーター アクティビティ・乗り物体験

エレベーター内は木製でレトロ。

エレベーターから降り、更に螺旋階段を上る。
南にテージョ川が見えた。

午後の陽光を、めいっぱい浴びるリスボンの街が広がる。
中央の奥に見えるツインの塔はカテドラル。

東の丘の上には、サン・ジョルジェ城。

私たちが泊まっている、ムンディアルホテル。

フィゲイラ広場。

ロシオ広場と、ドナ・マリア2世国立劇場。
広場の白い柱の上には、ブラジルの初代国王となった、ドン・ペドロ4世のブロンズ像が乗っている。

西側にカルモ教会。

カルモ教会 寺院・教会

エレベーターの入場制限がされているので、展望台ではゆっくりとリスボンの街を眺めることが出来た。
螺旋階段を降りて、連絡橋を渡る。

エレベーターの上の展望台と、渡ってきた連絡橋。
遠くにサン・ジョルジェ城。

この連絡橋は、カルモ教会の裏側に続いていた。

フィゲイラ広場に出ている市場を、少しのぞいてみた。

フィゲイラ広場 広場・公園

ロシオ駅の前を通り、

ロシオ駅 駅

アルカンタラ展望台行きのケーブルが発着する、レスタウラードレス広場へ。

ケーブルカーグロリア線 その他の交通機関

落書きだらけやん。
(￣▽￣)
あまりに広範囲なので、ラッピングかと思ってしまった。

グロリア線は短くて急坂。

3分くらいで展望台に着く。

日本人も数人乗り合わせていた。
韓国人はちょくちょく見かけたが、大声で騒ぐ自撮り大好きな国の人たちは見かけなかった。
かの国の団体旅行が禁止されてから、既にひと月が経っていた。

ケーブルを降りたら、もう少し坂を上がって右へ。

徒歩一分で、アルカンタラ展望台に到着する。

サン ペドロ デ アルカンタラ展望台 広場・公園

作家でありジャーナリストでもある、エドゥアルド・コエーリョの胸像。
彼はディアリオ・デ・ノシシアス新聞を創設した。
前にいるのは、新聞配達の少年。

展望台のすぐ下にある公園。

サンジョルジェ城や、グラサ修道院が見える。
起伏が激しい街なので、いたる所が展望台になってしまう。

ここはCM、「消臭力」のロケ地。

歌うミゲル君
ユーチューブ「いいなCM　エステー　消臭力　唄う男の子 」
で検索してね。　

イケメンに成長したミゲル君　かっこいい～♪
ユーチューブ「どぉでもいい「ミゲルの謎」がいま解き明かされる！」
で検索してね。

この展望台のすぐ近くに、天正遣欧少年使節の宿舎となったサンロケ教会がある。
この景色を彼らも眺めたのか…。

下りのケーブルに乗ろうとしたら、ちょうど出発してしまった後だった。

でも、すぐにもう一台がやって来た。

乗り込む。

グロリア線のそばは、落書きの大キャンバス。
(^。^)

「温州加油！」や、

「中国加油！」の文字もあった。
イタリアではすでに感染が広がっていたものの、コロナはまだ中国中心の、アジアの伝染病ととらえられていた時期だった。

デカい顔ね。
シベリアンハスキーのように、左右の目の色が違う。

坂をのぼるお姉さんがきれい。

いったんホテルに戻り、暗くなったころに食事をとるため、再び街に繰り出した。
ドナ・マリア2世国立劇場の近くにある、ア・プロヴィンシアーナへ。
店内は、ほぼ満席。
でもすぐに座れることが出来た。

見て！
この安さ。

指さしオーダー用に、写真を撮っておく。

店の名であるア・プロヴィンシアーナが、数字の代わりに書かれている。
ランチタイムとディナータイムも、同時に表示。

オーナーは、時計好きみたい。

オーナーも奥様も、大阪の商売人顔負けの愛想のよさだった。

私が食べたイワシの塩焼きとサラダ。
これとミネラルウォーターで、7.2ユーロ。
けちけち旅行の私には、ありがたいお値段だわ。

でっぷりしたイワシ。
フカフカの身で美味しい。
ご飯が欲しくなる。

頭と骨だけ残して、きれ～～いに食べた。
しかもナイフとフォークで。
私ってイワシをきれいに食べる才能があるかも。(*´艸`)

相方はタラ料理。
ポルトガルの料理は、日本人の口に合うね。
お値段が手ごろなのも、超嬉しい。
英・仏・独・西・蘭・芬・瑞とか、西欧は外食が高くて旅行者泣かせだから。

翌朝２月28日に撮った、ア・プロヴィンシアーナの外観。

ポルトガルのマルセロ・ソウザ大統領は3月18日に、国内でのコロナの感染拡大を受けて非常事態宣言を発令する。
3月19日からこのア・プロヴィンシアーナも、営業を停止したと思われる。

この旅行記へのコメント （6）

• ムロろ～んさん 2020/05/23 21:03:38

  ケーブルカー(´艸｀*)

  こんばんは、ムロです。
  そうそう、例のヤマモトクン、バイト始めるって！
  差し入れでもしてあげようか？どうやって？アハ(笑)。
  私、ご存知かと思いますけど、貧乏人だし(´艸｀*)(笑)。
  でも、コロナウイルスですごいことになっちゃったなぁって周りが～って思いますよ(◎_◎;)。
  
  ちょっと置いといて、リスボンのケーブルカーに乗ってみたいんです！
  絵になるじゃんって思いながら(^_-)-☆。
  憧れていたんです。
  混んでませんでしたか？？？
  運転士さんも気さくそう。
  
  色んな路線があるようですね(^_-)-☆。
  キットリスボンへ行ったらお世話になるんだろうなぁ。
  というか、飽きるくらい乗りまくっちゃったりして？アハ(笑)。
  
  
  ムロろ～ん(-人-)←もと鉄ちゃん

  ホーミンさん からの返信 2020/05/24 14:20:27

  RE: ケーブルカー(´艸｀*)

  嘘つきのムロろ〜んさん
  (*´艸`)
  
  
  こんにちは。(o^v^o)
  
  > 私、ご存知かと思いますけど、貧乏人だし(´艸｀*)(笑)。
  
  ま〜ま〜ま〜、嘘つきです事！！
  (*´艸`)
  
  何を根拠に「貧乏」と？
  貧乏人はファーストやビジネスはおろか、飛行機に乗りませんよぉぉぉ。
  (^。^)
  
  > でも、コロナウイルスですごいことになっちゃったなぁって周りが?って思いますよ(◎_◎;)。
  
  非常事態宣言は解除されましたが、コロナ前とは大違いですね。
  職を失った人や収入が減った人が、早く元のように暮らせるようになる日が来る事を願います。
  
  コロナのことは随分と解明されてきましたが、昔は症状以外ほとんどのことが分からなかったのでしょうね。
  効く薬もワクチンもない。
  とんでもない恐怖だったと思います。
  今はネット上に怪しい情報が流れ込んでいるとはいえ、対処方法も細かく教えてもらえ、その点は安心ではあります。
  
  リスボンはケーブルカーを含め、そんなに混んではいませんでした。
  首都というより、地方都市といった感じ。
  中国人が来始めたら、もっと混むのでしょうね。
  
  ムロさんは「魔女の宅急便」を観ました？
  私はジブリファンで、もう10回近く観ています。
  リスボンは魔女の宅急便に出てくる街にそっくりだと思いました。
  本当はもうちょっと北にある、ポルトという街がモデルだと聞いたことがありますが。
  
  いつになったら海外に行けるのだろう？
  こちらは、「おうちにいよう」から「県内にいよう」に変わりました。
  

• bettyさん 2020/05/21 13:53:44

  珍しいお墓の形態

  ホーミンさま、こんにちは♪
  知らない国を歩くって楽しいだろうなあと旅行記をみて思いました。
  そんな旅を何十回もしてきたホーミンさんが羨ましい！
  って言うなら行動すればいい！
  そうなんですよね！
  言い訳なんですが、価値観のあう人と 行く機会がなかった。
  ホンマに言い訳なんですけどね！
  ホーミンさんは良いお友達を持っておられます。
  ぐいぐい引っ張ってくれますもんね！
  
  消臭力のコマーシャルのロケ地、ピッタリの場所なんて
  私は想像もできませんでしたが、あそこなんだ！
  
  ポルトガルのお墓は小さなおうちのような教会のような雰囲気！
  これは見たことがありませんね！
  日本でも広いお墓は沢山ありますけど、建物はないですよね、昔の偉い方のお墓ぐらいかな(^^;)(;^^)
  なんか、怖いことを想像してしまいました。
  中は棺にご遺体？火葬済み？
  変なこと思ってしまった。
  
  それより、外国で注文した物を食べる時って、ちょっとワクワクしながら
  だと思う！
  それが美味しかったなら旅行の満足度が上がりますよね！
  非日常は楽しい！
  
  今はたっぷりコテコテの日常ですから(^-^;
  でも、ある意味、非日常だけどね(￣▽￣;)
  
  
  betty

  ホーミンさん からの返信 2020/05/21 22:14:18

  RE: 珍しいお墓の形態

  bettyさん
  　
  こんばんは。(o^v^o)
  ポルトガルのお墓の旅行記を読んでくださってありがとうございます。
  投票と掲示板への書き込みもありがとうございます。
  
  相方は本当に頼もしいです。
  でも何日もべったりと一緒にいるので、たまには意見の相違も出てきます。
  お互いに疲れてるしね。
  時には言い合いになることもありますが、そこはそれ、10分以内ルールで乗り切ります。
  10分以内に機嫌を直すように努めるのです。
  不機嫌が長引いてこじれ、収拾がつかなくなると困りますから。
  
  日本のお墓は、墓石のみですよね。
  九州だったかな？
  全てのお墓にいつも、色鮮やかな花が供えられているところがありますよね。
  沖縄は建物があって、その前の広場で親戚が集まって食事をするそうですね。
  あの建物の中はどうなっているのだろう？
  歴代天皇のお墓のなかも、どんなのか知らない。
  
  ポルトガルのも、中は不明。
  普通に考えたら、火葬して骨壺を安置するんだろうけど。
  昔は火葬じゃなく土葬だっただろうし、あの建物の中で土葬するなら、一家に一軒じゃなく、一人に一軒だもんね。
  どこかで土葬して、お骨になったら掘り返して安置しなおす？
  それも怖いなぁ。
  謎だ・・・。

  ホーミンさん からの返信 2020/05/21 22:29:11

  RE: RE: 珍しいお墓の形態

  気になったので調べてみました。
  調べないと夢に出てきそうだし・・・。
  
  
  ポルトガルでは死ぬと、共同墓地に埋葬されるそうです。
  共同墓地は永代ではなく、仮の場所だそうで、埋葬後５年かそれ以上してから掘り返すのだそうです。
  それから骨を拾い、あの一軒家の墓地に納めるそうです。
  
  もし掘り返してくれる遺族がいなかったら、ずっと共同墓地に埋葬されたままなんですかね。
  
  数年後に亡くなった人と再会かぁ。
  火葬じゃないから髪の毛とか残ってるのかも。
  
  うう〜、やっぱり夢に出てくるかも・・・。
  (-_-;)
  

  bettyさん からの返信 2020/05/21 22:42:17

  RE: RE: RE: 珍しいお墓の形態

  > 気になったので調べてみました。
  > 調べないと夢に出てきそうだし・・・。
  
  こんばんは！
  調べてくださりありがとうございます(^.^)(-.-)(__)
  
  > ポルトガルでは死ぬと、共同墓地に埋葬されるそうです。
  > 共同墓地は永代ではなく、仮の場所だそうで、埋葬後５年かそれ以上してから掘り返すのだそうです。
  > それから骨を拾い、あの一軒家の墓地に納めるそうです。
  
  想定していなかった事実！共同墓地に埋葬！
  えぇ〜って感じなのに…
  掘り返す(>_<)
  無理無理絶対無理！
  
  
  > もし掘り返してくれる遺族がいなかったら、ずっと共同墓地に埋葬されたままなんですかね。
  
  魂が行き場をさがしていそうだわ！
  
  > 数年後に亡くなった人と再会かぁ。
  > 火葬じゃないから髪の毛とか残ってるのかも。
  
  嫌だわ(ノ_･､)
  想像してしまいました。
  
  > うう〜、やっぱり夢に出てくるかも・・・。
  > (-_-;)
  
  夢に出ないように楽しいこと考えて寝よう！
  って思ったけど、楽しい予定がありませんわ(^^;)(;^^)
  緊急事態宣言が解除されただけでも進歩だけどね！
  美容院行かなくちゃ(^_^;)
  ボウボウだし