諸国神社参り　山陰山陽11ー備後・安芸

2019/07/15 - 2019/07/15

15日、出雲を立って備後国（びんごのくに）、現広島県福山市・吉備津（きびつ）神社に向かいます。備後国一宮です。備後には二宮、三宮がありません。
出雲市から松江自動車、尾道自動車道を通りました。神社まで140キロくらい、約100分のドライブでした。ラフカディオ・ハーンは130年前、瀬戸内海側の出発点が分かりませんが、人力車で4日間かけて中国山脈を横断して、伯耆国上市に至ったと書いています。現鳥取県米子市尾高のようです。私たちは4日間を100分で移動できたわけで、ハーンからの130年の変化は、それまでの1000年に匹敵するだろうという、出雲で得た印象を新たにしました。
備後のあと、安芸国（あきのくに）一宮・厳島神社（現広島県廿日市市）をお参りしました。安芸にも二宮、三宮がありません。

この旅行記で参照、引用した資料は、
「諸国神社参り山陰山陽1ー長門国」に列挙してあります。
https://4travel.jp/travelogue/11567638

エリア 広島

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

備後国一宮・吉備津（きびつ）神社

吉備津神社 寺・神社・教会

出雲の苔むした狭くて急な階段に慣れてきたので楽勝です。

拝殿が工事中で直接本殿でお参りしました。

主祭神は大吉備津彦命（おおきびつ・ひこの・みこと）

大同元年（806年）創建となっていますが、927年に成立の延喜式神名帳に記載がありません。歴史文献初出は12世紀なかばだそうです。神社裏山遺跡からの発掘物からも、12世紀頃の創建が裏付けられているようです。
出雲では8世紀前半成立の出雲国風土記に出てくる、つまり7世紀には成立していた古社がゾロゾロありますので、比べるとずいぶん新しい神社。
出雲で歴史感覚がちょっとおかしくなって、7世紀ころでないと古いと思えない。平安時代ですら昨日みたいな感じです。
なお、吉備津彦神社という、「彦」つき神社がありますが、あれは岡山県岡山市。備中一宮。

多少新しくても（！？）、静かないい神社でした。

吉備の国といえば桃太郎です。この神社にもいました。

桃太郎ゆかりとなると、どちらかというと岡山市の備前一宮・吉備津彦神社のほうが有名ですが、ここでもがんばっています。

唐獅子です。狛犬と唐獅子の区別ができるようになりました。出雲構え獅子ではありませんが、立ち上がって玉に乗りかけている変わったスタイルです。
狛犬と唐獅子の違いについては、
「諸国神社参り山陰山陽9ー出雲その7、おしりをあげた狛犬の謎に迫る」
https://4travel.jp/travelogue/11594889
をごらんください。

御朱印をいただきました。

出雲から吉備の国に来ると空気が緩むように思ったのはなぜでしょうか。気温が違う天候が違う雲が違う。
♪♪♪ごめんね～去年の人とまたくらべてる～と歌っうちゃくらい。
暖かでした。空は晴れやかでした。その分胸にしみじみ度はひくかったかも。
偏見に満ち満ちた感想でした。
By妻

☆☆☆

安芸国一宮・厳島神社に向かいます。

私は宮島は初めてです。妻は修学旅行で来たことがあるそうです。

修学旅行で来たことがあるそうですが、忘れていました。初めてだと今回ずっと思っていました。その後「行ったじゃない!」と一緒に行った人たちに「！」を5回つけるくらいの勢いで言われたけれど・・・そうだっけ？
あ～もうやばいかも、私。
By妻

初めて知ったのですが、有名な大鳥居は常に海中にあるのではないのですね。

そうなんですね～
知らなかった。
なにしろ、初めてなもんで。エヘヘ
By妻

無知とは恐ろしいものです。当たり前でしたが、潮が引けば鳥居の足が露出するのでした。

横から。巨大な両部鳥居であることが分かります。

有名な回廊も完全に干潟の上に露出しています。海に浮かばない厳島神社の写真は見たことがなかった。

全景
やはり写真で見る海に浮かぶお社のほうがいいですね。

お祭りでご神体をのせる船でしょうか。
田んぼに取り残されたみたい。

こんなの初めて見た！
なにしろ、初めてなもんで。
By妻

海に浮いている方が趣あるみたい。

能舞台

橋がかり

重要文化財「反橋」（そりばし）も海水につかっていません。

美しいと思いますが、水がほしい。

水、水。

本殿、というのでしょうか。他の神社とちがい、拝殿、幣殿、本殿というふうに、建物が縦に並んでおりません。

観光客が入らないショットをとることはほぼ不可能です。
ご祭神は宗像三女神、市杵島姫命（いちきしま・ひめの・みこと）、田心姫命（たごり・ひめの・みこと）、湍津姫命（たぎつ・ひめの・みこと）

祓殿（はらいでん）というそうです。あまり見たことがありません。
奥には御鳳輦（ごほうれん）

お祭りの時、ご神体をなかにお納めして船に乗るのだそうです。

☆☆☆

暑い。今までの神社と勝手が違います。
外に逃げ出しました。

とにかく人が多い。

外国人のツーリストが多かった。宮島口と厳島を結ぶフェリーなど、イタリアの観光地並みでした。

☆☆☆

谷村新司の「群青」という曲があります。映画「連合艦隊」の主題歌でした。主人公の一人永島敏行が婚約者役の古手川祐子と訪れるのが、ここ厳島神社です。この場所で、「生きて帰れないだろう、その時は弟と結婚するように」と告げるのです。その言葉通りに婚約者は戦死してします。弟金田賢一と結婚した古手川祐子でしたが、彼もまた戦死してしまうのでした。
映画の最後は浜辺です。古手川祐子とよちよち歩きのおさなご、そして2人の青年の父親森繁久彌がいます。なにも分からずに無邪気に遊ぶ男の子、深い悲しみに耐える森繁久彌、やるせない表情の古手川祐子。そこに谷村新司の「群青」がかぶさって流れるのです。
あー、泣かずにいられましょうや。
大号泣・・・
なのに、なのに！
今日の厳島神社はひたすら晴天で、大混雑の人の波。ピアノの繊細なメロディーではなく、隣の国、そのまた隣の国の人の大声。地球の反対側の隣の国。その他の言葉のどなり、叫び。
フン!　現実はこんなもんよ！　ああ、わたし、グレちゃう。
By妻

世界遺産になるとは、こういうことか・・・
By夫

外で迎えてくれたのは鹿。

奈良の鹿も態度おおきいけれど、いい勝負です。

非常にずうずうしい鹿で、こういう注意書きが必要です。

馬は賢いと聞きますが、鹿はどうなのでしょう。
馬が賢いのは、乗る人の技量を理解して、下手だとあなどって命令に服さないからだそうです。
なんだ、こっちが甘いと図々しくなるのは、同じなのか。鹿も賢いってことね。
厳島神社でも奈良でも、意地悪する人間がいないことをいいことに、力業にでますからね。
奈良で、私はせんべいをくれ！と、お尻に頭突きされました。すっ飛んで尻もちついた私を見て、鹿めは笑ったのですゾ！　「あ、笑った」と思ったその瞬間、そばにいた主人も「鹿が笑った」と申しましたからね。確かです。失礼な鹿ですよね。
By妻

ポーズをとってくれます。

ソフトクリームを食べているフランス人の観光客にまとわりついて、クレクレ攻撃。彼らは困っていました。

しかしなんで、このフランス人は鹿ごときにオロオロするのか不思議。ジビエとかいって、食べちゃうくせに。
知り合いの妙齢のフランセーズは、恋人とドライブ中、車の前に飛び出した鹿を見て、「うまそう」と。花も恥じらう美女がですぞ。
「日本人は、ピチピチ釣れたての魚をみたら『うまそー』って言うジャン」だそう。
By妻

御朱印をいただきました。
拝殿近くの御朱印受印所でいただきましたが、御朱印を書いている神職の手元を携帯で撮影した人がいました。制止されておりました。当たり前。携帯を向けたのは、日本人の50代くらいのおばさん、いいトシして非常識、みっともない。

見られているだけでも書きにくいでしょうに、撮影はいやですよね。
それに最近の人は何にでもスマホかざしすぎ！
あれでは自分の目で見るヒマないですよね。目で見てしっかり心に刻み込むことが、人間を養うのではないかしら。
写真なんていっぱいとっても、どうせ断捨離よ、ダンシャリ。将来の自分を手間取らせるために、神職の筆先撮ってどうする。
By妻

千昌夫「金髪は、いいんじゃないかね～」の口調で。
「4トラブログの写真だって？　あれはいいんじゃないかね～」
By夫