中欧縦断の旅 【１２】 シナイア

2019/06/03 - 2019/06/03

ブラショフから南へ約50kmに位置するシナイアは、2000m級の山々が連なるカルパチア山脈に囲まれて夏は避暑地、冬はスキーリゾートとして人気を呼ぶ標高800mにある町。

誰が名付けたか、「ルーマニアの軽井沢」だとか。

エリア シナイア(ルーマニア)

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

ルーマニア西部のCurticiからやって来た、10時02分発のIR473の列車は約30分遅れでブラショフ駅に入ってきました。

シナイアまでの路線距離は45kmと短く、ルーマニア国鉄のサイトから予約した運賃は2等車で355円。

ブラショフ駅 駅

5人掛けのコンパートメントで、私の指定席は座席の真ん中。車掌による検札がありました。

シナイアへ向けて山あいの線路を走る列車、途中強い雨にあったり霧が発生したりするところもありました。

ブラショフから1時間弱で雨のシナイア駅に到着。

標高800ｍに位置するシナイア、さすがにひんやりとした空気に包まれる。

列車を降りたところで、また雨が激しくなってきたので小雨になるのを待ちます。

シナイア駅 駅

ワンちゃんも駅構内で雨宿りかな。

グーグルマップでCafeを検索すると、「Sinaia train exhibition」という店が駅のホームにあるのを見つけ、ここでしばらく雨宿りすることにしました。

鉄道グッズやお土産品などを並べた店内には鉄道ジオラマが展示されていて、その左上の階段を上がったところに誰もいない売店のような喫茶コーナーがありました。

階下から上がってきたおばちゃんに缶ビール(6Lei)を出してもらい、テーブルについてひと息つきます。

ビールを飲んで一休みしたあと、よくできた鉄道ジオラマをしばらく見て回りました。

入り口横に入場料大人10Lei(260円)の掲示があったのを店を出たあとに知りました。おばちゃんは何も言わなかったけど、ビールを注文したので大目に見てくれたのかな。

＜シナイア駅 鉄道ジオラマ＞
https://www.youtube.com/watch?v=JxKmzRpQb98

1時間半ほどの雨宿りを終えて、まだ小雨が降っているなかを駅前の階段を上がって宿の方へ向かいます。

階段を上がったところから、ルーマニアの中で最も美しい駅と言われるシナイア駅の外観を見る。

メインストリートのカロル1世大通りを歩いて宿へ向かいます。

13時過ぎにHotel Andaに到着。15時からのチェックインでしたが入室できたのでよかった。

朝食付で1泊約5千円のダブルルームを予約してましたが、ありがたいことにスイートの部屋にアップグレードしてくれました。

スイートといっても高級ホテルではないのでかなりシンプルですが、二部屋もあって一人旅にはもったいないくらい。
だいたいにおいて当りよりもハズレの方が多い旅の宿、たまにはこんなご褒美みたいなのがあってもいいでしょう。

トランシルヴァニア地方の山あいの町らしい景観に、そぼ降る雨が情緒を与えています。

ホテルを出て、遅い昼ご飯を食べにいきます。

Ramayana Cafeという、赤みを帯びた照明がちょっと怪しげなインド料理がメインのレストランで、店内は思いのほか広くお客さんもそこそこ入っていました。

注文したのはTikka Masala Chicken(24Lei=625円)とナン(7Lei=180円)と生ビール(8Lei)で、30分ほど待ってサリーもどきの服を来た店員が料理をテーブルに置いていきました。

オーブンで焼き上げたようなグラタン風のカレーは、化学調味料のうま味に慣れてしまった舌では素朴な味わいを賞味できないのか、何だか物足りずおいしく感じられない。むね肉のチキンも今一つの味わい。

それに、食べやすいようにしてるのか等分に切れ目の入ったナンもあまりおいしくなかった。

食事を終えたあと、小雨の降るなかシナイア僧院を見学に行きました。

17世紀に創建された、町の名前の由来になったといわれるシナイア僧院。聖書に登場するシナイ山にちなんで名が付けられたとのこと。

僧院の大教会はカロル1世が1846年に建立したもので、3つの尖塔を持つ横ストライプの壁が美しい教会。

日本人ツアー客も訪れていた僧院、5leiの入場料で大教会に入りましたが中は撮影禁止でした。

僧院の中庭の一角にある簡素な白壁の古い教会。内部の壁や天井には素晴らしいフレスコ画が描かれているそうですが、この日は閉まっていて入れませんでした。

シナイア僧院を出てさらに林の中を歩き、ペレシュ城へ向かいます。

残念なことに、月曜日のこの日はペレシュ城はお休みで観光客目当ての店もほとんどが休業していて、城へと続く道は閑散としたもの。

シナイアの数少ない観光スポットの中で一番の見所がペレシュ城。外観だけを眺めました。

ドイツから招かれてルーマニア王国の国王となったカロル1世が、1875年から８年の歳月をかけ、ドイツ･ルネサンス様式で建てた夏の離宮。

ペレシュ城 城・宮殿

ペレシュ城からさらに西へ歩いていくと、敷地の入り口に大砲が置かれた石造りの門がありました。

石造りの門を抜けて少し進むと、今度はペリショール城が現れますがここも月曜日は休み。

ルーマニア王カロル1世の狩猟用の城として、20世紀初頭に建てられた中世ドイツ風の木組み造りの外観が目を引きます。

ペリショール城 城・宮殿

雨も上がって時おり陽が差す17時頃、カロル1世大通りに戻ってきてケーキのあるカフェでお楽しみのスイーツタイム。全部で20Lei(520円)。

スーパーのCarrefour Marketで安いワインなどを買って18時には宿に戻り、シャワーを浴びてすっきりしたあと、アニメ「悪魔城ドラキュラ」を観ながらワインを飲んで、解放感あふれる部屋でくつろぎました。

しっとりとした情緒に包まれながら、静かに夜が更けていきます。