2017/07/13 - 2017/07/18
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binchanさん
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本編は時系列順に話が進んでいますが、そのせいで水の流れがわかりにくくなってしまったので、まとめを書きます。自分のおぼえがきです。
まずは濁水溪中流にある集集攔河堰から取水された水の行方を追います。
この水の流れは「集集共同引水計画」に基づいて、濁水溪に堰を建造し、そこから北岸、南岸の水路を通じて彰化、雲林へと水を供給しています。1991年の工事開始から10年の歳月をかけて完成した壮大な水インフラです。
濁水溪は大河であるにもかかわらず、その水資源が十分には活用されてきませんでした。上流が粘板岩や黒色頁岩という比較的浸蝕されやすい地質であるため、水に不純物が多いこと、大河であるがゆえに流れに耐えられる堰の建造が難しいなどがその理由。また、濁水溪が形成する広大な沖積平野は伏流水が豊富であったため、近代まではそれを利用すればよかったのです。しかし、今日では工業地帯で大量の水を消費するほか、生活用水の使用量も増加、そのためにこのような大規模なインフラが必要になったのです。
後半では集集攔河堰由来以外の水について、見たものをまとめています。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー ヒッチハイク 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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現在、彰化、雲林の最大の水源は濁水溪に設けられた集集攔河堰。
台湾最大の河川濁水溪中流にある堰で、台湾で最大の取水量を誇るダムです。南岸観景台から見るとこんな風に俯瞰できます。 -
堰の下流は河床の岩がむき出しになっているのがわかります。
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上流側にあるダム湖。
北岸観景台から見ています。 -
台湾水源館。堰の近くにあるテーマ館です。
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竹山隆恩圳。
堰の南岸付近に清代に開鑿された古い用水路跡です。昔から人々は濁水溪の水を利用する工夫をしていました。 -
今では用水路として使われていませんが、隧渠などが古蹟として保存されています。
濁水溪北岸にも開闢鴻荒石碣という古蹟があり、攔河堰はこういった古蹟に影響を与えないように造られたそうです。 -
南岸沉砂池。
堰から取水した水に含まれる砂を取り除く設備。池そのものは重要施設であるため見ることができません。この設備は北岸にもあり、北岸渠道を通って彰化へも水路が伸びています。 -
沉砂池から続く水路。このあと暗渠(南岸渠道)になって清水溪河岸にある斗六堰まで運ばれます。
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斗六堰。
濁水溪と清水溪の合流地点約1キロ上流にある堰。この下を南岸渠道が通っています。さらにこの堰でも追加で取水し林内の分水工へと運ばれていきます。 -
堰の上流は鏡のように静かな水面。
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斗六大圳林内水門。
斗六堰では以前から斗六大圳が取水していました。集集共同引水行程は、以前からある設備を再開発して利用しているところが多いです。 -
斗六大圳の取水口は1950年代にアメリカの資金援助で作られました。
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現在は集集攔河堰南岸渠道と取水口を共有しています。
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水門から分水工方面へ向かう水路。
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斗六大圳は導水管などを通じて縣東部へ水を送っています。現在農業、生活用水としては利用されていませんが、野鳥、蝶などの飲み水として、地域の生態を潤しています。
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一方、集集攔河堰南岸渠道は濁水に沿って水路を流れ、濁水溪に設けられた濁幹線一號進水口で取水した水と合流します。
今回一號進水口を探すも見つからず。現在は取水していないとの情報もあるので、すでにないのかもしれません。 -
一號進水口付近。
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南岸渠道は集集攔河堰林内分水工へと向かいます。その途中、砂泥を取り除くための水門。
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林内分水工内の水路。
並木道に縁どられています。秋になると美しい黄葉が見られるそうです。 -
そしてこの進水口から八卦池と呼ばれる分水池に入り、用途ごとの水路に分けられます。
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八卦池にはもう一つの進水口があります。
これは濁幹線二號進水口(水門)。分水工の近くで濁水溪から水を取り入れています。 -
進水口のすぐ先に専用の沉砂池。
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その先の水路を通って八卦池に注ぎます。
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八卦池の二號水門進水口。
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これが八卦池。
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ここからは取水口です。
工業用水取水口は臨海工業地帯専用の取水口。 -
工業用水取水口からの水はこの臨海工業地帯に運ばれていきます。
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広大な工業地帯では毎日40万トンの水が消費されているとも言われています。
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工業地帯には排水路もあります。低地である雲林の平野は、用水路と排水路がいたるところに張り巡らされています。
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八卦池に戻ります。
こんなかわいい取水口も。付近の農業用水へ水を供給する麻園支線です。同じように小さな烏塗支線もあるはずなのですが、今回は確認し損ねました。 -
濁水發電廠取水口。
こちらの取水口から小規模発電所へ流れを送っています。 -
その発電所はこちら。
1923年に完成した烏塗發電廠(正式名称:明潭發電廠濁水機組、別名:濁水発電廠)は、新たな設備を入れて現在も発電を続けています。ダムによるものではなく、川の流れを利用した発電所。 -
このレトロな建物は1923年に完成したもので、現在は古蹟。
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八卦池から出るもう一つの取水口、濁幹線取水口。
雲林を網羅する用水路「嘉南大圳濁幹線」の大元です。 -
濁水溪三號進水口。
濁幹線取水口から出た嘉南大圳濁幹線には、途中でここからの水が合流します。こうして、一つの取水口に問題があっても水の供給がゼロにならないよう工夫されているようです。 -
ここには清代から水門が設けられていました。もちろん現在の設備は当時のものではありません。
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濁幹線の水路は遠く新港溪の河岸まで運ばれ、新港溪の下をくぐって、その南にある嘉南大圳北幹線に接続しています。
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北水南引工程浚通紀念碑。
長いこと利用されていなかった濁幹線と北幹線の接続水路を、1990年代に復旧した際の紀念碑。 -
水路には濤濤と水が流れています。
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農業用水は専用水路で田畑に供給されます。
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排水路は別に設けられており、汚染されないようになっています。
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これはホテルの朝食のフルーツ。
濁幹線から毛細血管のように分かれた水が田畑を潤した結果、こういったおいしいものがいただけております。 -
そして何不自由なくシャワーが浴びられるのも水インフラ様のおかげです。
際限なく増えていく水の需要に応えるため、現在も新たな水源開発が進んでいます。2016年に完成した湖山ダムにも、新たな浄水場を整備しているとのこと。 -
現代の水から離れて、昔の水事情。
斗六から南へ20分ほどのところにあった荷蘭時代(のものとされている)の井戸。かつてはこうした井戸が水源だったんですね。 -
北港の古い給水塔。
地下水をくみ上げて上水道を整備していました。 -
ポンプ室。
ここの設備はすでに利用されていませんが、斗六の上水道では現在も50%ほどが地下水を水源としているそうです。
実は、沿海部には地下水の過剰くみ上げで平野部の地盤が沈下し、土地が水に浸かってしまっているところもあります。 -
湖口湿地。沿海部の口湖郷にあります。
かつてはサトウキビが栽培できる農地でしたが、地盤沈下とその後の水害によって湿地になってしまいました。現在では湖口湿地という人工湿地が形成されています。 -
地域全体が湿地になるのを避けるため、一部が池のようになっています。
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かつて住宅街だった証。
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こちらは尖山大排(排水路)。
湿地の近くにあります。 -
かなり高い河川水面で海へと注いでいます。雲林にはこうした排水路もたくさんあります。低地に溜まった水を素早く排水するために必要です。
こうして、天から降った雨も長い旅を終えて海へと注いでいきます。
終り
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