しっとりと春爛漫の奈良へ　～追憶～

2009/04/20 - 2009/04/25

北海道には咲いていない「レンゲ畑」が見たい。
土門拳氏の写真集に載っている「室生寺」が見たい。
山岸涼子氏の代表作「日出処の天子」の舞台「飛鳥の地」が見たい。
そんな欲張りな思いを抱いて旅した６日間の思い出です。

表紙：岡寺の小道にて

エリア 飛鳥(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

最初に訪れたのは「室生寺」でした。
レンタカーという考えが全くなかったので、電車を乗り継ぎバスに乗って行ったことを思い出します。

室生寺 寺・神社・教会

シャクナゲが満開でした。
雨がザーッと降ったかと思えば、ピタリと止むという１日でした。

傘を隠そうとして、ぎこちないポーズになってしまった私。

大きくて立派な仁王門です。

室生寺 寺・神社・教会

雨でぬれた石階段を、滑らないように歩く。

途中にあった石仏。
苔むしたところが、とてもいい。

すごく見たかった五重塔に近づき、
ワクワク、
ドキドキしたのを思い出します。

室生寺 寺・神社・教会

小さい五重塔だと聞いていましたが、
優美で、均整の取れたお姿に惚れ惚れしました。

「美しいなぁ、やっと自分の目で見ることができた…」

しっとりと雨に濡れた石仏。
何だか気持ちが温かくなります。

あでやかなシャクナゲの花。
雨のしずくが少し重たげです。

瑞々しいモミジは、鮮やかな緑色。

室生寺の門前で入ったお店で、
作家の五木寛之氏も食べたという、よもぎ餅をいただきました。
よもぎの香りが程よく、美味しかったです。

さらに、近くのお店で「回転もち」を買いました。
よもぎと餡のおやき。
もうちょっと、しっかり焼いてほしかったなぁ。

室生寺から離れて、大野寺前でバスを降りました。

大野寺の摩仏。
造った方の苦労を想像します。
大きかった～！

大野寺石仏 名所・史跡

電車に乗って、次に向かったのは長谷寺です。
門前町を歩いていて、趣きのある食事処があったので入って見ました。

本葛を使った葛きりをいただきます。
真夏の暑い日に食べると、一層美味しいでしょうね。

「長谷寺」
こちらも一度は訪ねてみたいお寺でした。

長谷寺 寺・神社・教会

こちらは、ボタンが見ごろでした。
日差しを浴びて、鮮やかに輝いていました。

登廊（のぼりろう）を上って行きます。

長谷寺 登廊 寺・神社・教会

本堂。
「十一面観世音菩薩立像（重文）」と結縁できるというので、五色の紐をいただき、菩薩像の足元からお顔を見せていただきました。
「菩薩さまが私を見てる…」

霊験あらたかということで、いっぱいお願いをしてきました（笑）

長谷寺 本堂(舞台) 寺・神社・教会

りりしいお姿の五重塔。
木々の緑に映えて、美しい。

長谷寺 五重塔 寺・神社・教会

長谷寺の門前にある食堂で夕食をとりました。
「門前にゅうめん定食」
タケノコご飯のタケノコがシャキシャキでした。

それにしても１日、炭水化物ばかりだったなぁ

奈良滞在３日目は、飛鳥の地を自転車で巡りました。
題して「史跡とレンゲ畑探索の旅」です。

まず、最初に見たのが「鬼の雪隠」
確かにトイレに見えます（笑）

鬼の爼 鬼の雪隠 名所・史跡

「鬼の俎（まな板）」
これも、なんとなくうなずける？

鬼の爼 鬼の雪隠 名所・史跡

「亀石」
課外学習で来ていた小学生がなかなかどけてくれないので、いっそのこと一緒に撮ってしまえと思って撮った写真です。
みんないい笑顔です。

亀石 名所・史跡

「二面石」
表情が面白い。

ここでも小学生がわんさかといました。

二面石 名所・史跡

蘇我馬子の墓かもしれないという「石舞台古墳」
頭の中は「日出処の天子」の世界が広がっています。

国営飛鳥歴史公園 公園・植物園

「わーい！」
大興奮です！

「亀形石造物」
私は水時計じゃないかと思うのだけど、違うかな～？

亀形石造物 名所・史跡

「酒船石」
何に使ったのか、ロマンあふれる史跡群でした。

酒船石 名所・史跡

飛鳥寺の近くに、ようやく目的のレンゲ畑を見つけました。
小さな畑は見かけたけれど、ここが一番広くてきれいでした。

テレビや図鑑でしか見たことがなかったレンゲ畑。
感激です！
北海道ではレンゲは咲かないんですよー

ピンクのお花畑、きれいだなぁ～！

日本初の本格的寺院の「飛鳥寺」へ。

安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会

「飛鳥大仏（釈迦如来像）」
アーモンドアイのちょっと右へ傾いているお顔が優し気で、何かを語っておられるような不思議な気持ちになったことを覚えています。

日本では珍しく「写真撮影ＯＫ」というのにも感激しました。

「蘇我入鹿の首塚」
頭の中は、飛鳥時代がぐるぐるしています。

蘇我入鹿首塚 名所・史跡

「甘樫丘」へ上りました。
自転車（当時は電動式ではなかった）でくたくたでしたが、ここに上らなきゃ、この旅の〆にはならないと頑張って上りました。
たかが１５０ｍの丘なんですけどね、ホントに疲れた～

万葉集に出てくる大和三山を見ることができて、感動しました。

レンタサイクルの返却時間が残り３０分！
重たい足を必死に漕いで、飛鳥駅までまっしぐらに走りました。
ぎりぎりセーフでした（大汗）

国営飛鳥歴史公園 公園・植物園

この日の夕食は、橿原神宮前駅で買ったお菓子三種。
四角なお菓子は、古代のチーズ「蘇」をアレンジしたもので美味しかったです。

４日目は「法隆寺」から攻めました。

法隆寺 寺・神社・教会

「金堂と五重塔」
１４００年の歴史か～立派ですね～。

朝早く行ったので観光客が少なくてよかった～。

法隆寺 寺・神社・教会

「夢殿」
聖徳太子が、この中でいろいろな政策を考えていたのかな～？

法隆寺 寺・神社・教会

「中宮寺」にも行きました。
「菩薩半跏像（国文）」の美しさにうっとり。
しばし見とれてしまいました。

中宮寺 寺・神社・教会

近くにあった「夢道」というカフェで昼食にしました。
まずは暑い大和茶で一服。

ゆっくり、ランチセットをいただきました。

「法輪寺の三重塔」
豪華さはないけれど、かわいい感じがいい。

法輪寺 寺・神社・教会

菜の花が少し残っていました。
４月といえば、北海道はまだ桜も咲いていない時期なんですけどね。

「法起寺」
笑顔いっぱいのお坊さんに、写真を撮ってもらいました。

法起寺 寺・神社・教会

ここまで来て、奈良市街まで行くバスがないことに、あぜんとしました。
当時、１～２時間に１本しか走っていなかったのです。

たまたま同じコースを見られていたご夫婦と、タクシーに同乗して戻ってきましたが、現在はもう少し交通の便が良くなっているでしょうか？

奈良市街に戻ってきて、ぶらぶら。
「プリン８０」というオシャレなカフェで、ラズベリーチーズケーキとアーモンドティーでお腹満足！

５日目（最終日）は「薬師寺」を参拝しました。

中学生と一緒に講話を聴きます。
「心身健全の『心』は気持ちの『気』。妬みや嫉妬がたまると『悪』になり病気や悪行をしてしまう。だから『元』の心になるために『元気』になって、気持ちを新たにするのです」

「ありがたいこと、うれしいことはなかなか無いから『有難う』。だから感謝することが大切なのです」

「『面倒』とは面（顔）が下に倒れる、つまり、うつむく。顔をあげると日光が当たって『面白い』」

有意義な時間を有難うございました。

薬師寺 寺・神社・教会

「薬師寺金堂」
修学旅行の学生さんがすでにいっぱいで、厳かな雰囲気は感じられなかったな～。

薬師寺 寺・神社・教会

「東塔」
朱塗りのあでやかな西塔もいいけど、こちらの方が好みかな。

薬師寺 寺・神社・教会

距離を置いて離れた所から「薬師三尊像」を撮っていたのに、お寺のおじさんに怒られちゃった。
「写真を撮ると怒るくらい、仏様は心が狭いんかい！？」
と思ってしまった私は、罰当たりでしょうか？

薬師寺 寺・神社・教会

次は「唐招提寺」へ。
「開山御廟」へ向かう静かな道。
気持ちが落ち着いてきました…。

唐招提寺 寺・神社・教会

ここでしか咲いていないという「瓊花（けいか）」が満開で、辺りは甘い香りに満ちていました。

電車で奈良市街に戻ってきました。

「興福寺の五重塔」
風格があります。

興福寺五重塔 寺・神社・教会

こちらは人も鹿もたくさんいて、にぎやかです。

「ならまち」を散策しました。
車の活用、なかなかすごいと思います。

ならまち 名所・史跡

「ならまち格子の家」に入って見ました。
素敵です。

奈良市ならまち格子の家 名所・史跡

湯気が立っていそうな台所。

厠（かわや）
シンプル　イズ　ベスト！

静かな通り。

現在２０１７年は、観光客でいっぱいでしょうね。

近鉄奈良駅近辺の「京匠庵」というカフェの抹茶パフェ（垢抜けない感じがいい！）で、この奈良の旅を締めくくりました。
最高に楽しい時間を過ごしましたし、体力もすごく使いました（笑）

２０１８年最初の旅行に奈良を考えています。
どんなに変わったか、変わらないかを見て来たいな～と思っています。