2015秋、厳島神社と出雲大社(2/17)：厳島神社(2)：波止場、海鵜、鹿、平清盛像

2015/11/17 - 2015/11/18

世界文化遺産の厳島神社の紹介です。江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者の林春斎(1618～1680年)が『日本国事跡考』において、卓越した三つの景観として日本三景を記しました。『陸前の松島』、『丹後の天橋立』、と『安芸の宮島』です。

エリア 宮島・厳島神社(広島)

• 交通手段: 観光バス 新幹線

宮島のフェリー桟橋付近の光景です。銅葺き屋根の建物は、神社などではなく、ゲストハウスか、お土産店当たりのようでした。あるいは観光用のホテルかも知れません。『宮島桟橋』は、廿日市市宮島町の厳島内にあるJR西日本宮島フェリー宮島連絡船及び宮島松大汽船宮島航路の宮島側の桟橋です。宮島への上陸です。

今回乗船した、定期船の『宮島号』の船首光景です。JR西日本宮島フェリー所属の『宮島丸』は、2006年(平成18年)に就航した、日本初の小型電気推進旅客フェリーです。総トン数は254トン、800人が定員(車を積まない場合)です。積載可能車両数は、乗用車7台です。航海速力は8ノット、バリアフリーの静かな船が特徴です。

『宮島桟橋』の係留装置のズームアップ光景です。先ほどの写真のフェリーの側面に係留装置が並んでいましたが、その中のエルボー風の金具にチェーンが止められていました。この部分は、船からのチェーンの引き出し口になるようでした。リングの中央に補助金具が通された、頑丈そうなチェーンでした。

宮島に上陸したところで、『宮島の略史』を紹介しておきます。『宮島は、太古からその島の姿と、弥山(みせん)を主峰とする山々と、昼なお暗い原始林に覆われた山容に霊気が感じられたところから、周辺の人々の自然崇拝の対象となっていました』(宮島観光協会HP)、以下もHPからの引用です。語尾は、『ですます体』に修正してあります。

写真は、桟橋付近の松並木の光景です。『嚴島神社は、社伝によりますと推古元年(593年)に佐伯部(さえきべ)の有力者だった『佐伯鞍職(さえき・くらもと：生死年不明)』により現在の場所にご創建された』、と伝えられています。佐伯鞍職は、飛鳥時代の安芸国の豪族で、厳島に住む佐伯部の有力者でした。亡くなった後、三翁神社、金刀比羅神社に神として祀られました。

写真は、振り返って眺めた桟橋の光景です。『大同元年(806年)に、空海(弘法大師)が唐から帰朝し、京の都へ帰る途中に宮島を眺めて島から霊気を感じ、ここは霊場に違いないと弥山に御堂を建て、百日間の求聞持(ぐもんじ)の修法をされました。このとき修法で使われた火が、今なお弥山霊火堂で燃え続けている「消えずの火」とされます』と、弘法大師にまつわる出来事が紹介されていました。

写真は、振り返って眺めた桟橋と松林の光景です。『久安2年(1146年)に、平清盛は安芸守に任ぜられました。清盛公は、夢枕に立った老僧から「嚴島神社を造営すれば、きっと位階を極めるであろう。」という示現を受けたことで、嚴島神社を深く信仰し、当時の寝殿造りを模して造営しました』、日本神教と仏教が入り混じったエピソードですが、神仏混交の時代に生まれた逸話かも知れません。

清盛時代の歴史紹介が続きます。『また舞楽を大阪四天王寺から移したほかに、清盛公をはじめ一門により法華経を写経し、清盛の願文(がんもん)と共に奉納された写経が平家納経で、国宝中の国宝と言われています。このほか甲冑や刀剣をはじめ等美術工芸品を奉納するなど、都の文化を宮島に移しました。また社領を増やすなど厚い庇護をしました』

『都からは、清盛公をはじめ平家一門のほか、後白河上皇・高倉上皇・建春門院・建礼門院・中宮徳子らの皇族や貴族が社参しました。平家は壇ノ浦に滅びましたが、その後の鎌倉幕府や室町幕府、地元の領主大内氏や毛利氏、また、豊臣秀吉も篤く信仰し、庇護しました。人々が宮島に住み始めたのは、鎌倉時代末と思われます』、宮島の歴史紹介は、いったん区切りにします。

醸造元の榎酒造の宣伝文の紹介です。『平清盛が沈む夕日を扇で引きとめ、一日の内に開削したという伝説の土地、『音戸の瀬戸』の近くに蔵はあります。倉橋島には、私達を含めて『平家の落人』の子孫といわれる住民が沢山住んでいます。実は創業時のブランド名は『清盛』だったんです』、と紹介されていました。

宮島名物の『もみじ饅頭』の宣伝パネルです。『やまだ屋』の屋号が記されていました。ネット情報によれば、昭和7年(1932年)創業の宮島の老舗でした。もみじ饅頭の種類は20種以上、ネット販売にも力を入れているようでした。広島名物では、やはり『もみじ饅頭』はネームバリューがあります。

こちらは、元祖・もみじ饅頭の『博多屋』の宣伝パネルです。博多屋の公式HPには、『博多屋は、明治初期の創業以来140年の時を超えて、神の島と称えられる宮島の歴史とともに歩んできました』、と紹介されていました。全国菓子博覧会で、『第二十三回・大臣栄誉賞受賞』などの受賞歴が紹介されていました。

『観光友好都市モン・サン・ミシェルと廿日市市・宮島』のタイトルがあった展示品の光景です。モン・サン・ミシェルは、フランス北西部フランス西海岸のサン・マロ湾上の小島にある世界遺産です。宮島と同じように、海に浮かぶ島に建つキリスト教修道院です。2010年に見学しましたが、フランスでも人気の観光地の一つでした。

『宮島ロープウェイ』の紹介パネルです。『広島観光ナビ』のHPからの宮島ロープウェイの紹介です。『紅葉谷公園と弥山山頂の近くを結びます。また、世界でも珍しく、循環式と交走式を併用しており、原始林の谷間を縫って約15分。木々の梢から聞こえる小鳥の鳴き声や、あどけない仔鹿の姿など、自然の営みが満喫できる「空中観光」です。』、と紹介されていました。

見学した後で撮影した、観光インフォメーションが各亜種揃っていた建物の入口付近の光景です。出入口の上部に『宮島桟橋』の大きな表札がありました。国内外から観光客が多く訪れ、その数は年間300万人台とされます。その対応用の施設の一つになるようです。

厳島の鹿さんです。春日神社の鹿さんとともに有名ですが、性格はかなり異なるようです。春日神社の鹿さんはかなり積極的に餌を請求しますが、厳島の鹿さんは、かなり控えめです。昔から宮島に住み着いていた鹿がほとんどですが、観光資源として奈良から4～5頭連れて来たこともあるそうです。 厳島神社の鹿は、鹿島神宮や春日大社の鹿とは違って、神鹿ではありません。

参道を歩きながら眺めた、右手に見えていた海側の光景です。フェリーの後ろ姿が見えました。

平安時代末期の武将で公卿の平清盛公(1118～1181年)の立像です。伊勢平氏の棟梁・平忠盛の嫡男として生まれ、平氏棟梁となりました。保元の乱で後白河天皇(1127～1192年)の信頼を得て、平治の乱で最終的な勝利者となり、武士としては初めて太政大臣に任じられました。日本で初めての武家政権を樹立しましたが、平氏の権勢に反発した後白河法皇と対立し、平氏の独裁は公家・寺社・武士などから大きな反発を受け、源氏による平氏打倒の兵が挙がりました。

『世界遺産・厳島神社』のタイトルがあった説明看板の紹介です。厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、◎海上に建ち並ぶ建造物群と背後の自然とが一体となった景観は、人類の創造的才能を表す傑作であること、◎建造物の多くは13世紀に火災に見舞われたが、創建時の様式に忠実に再建され、平安時代、鎌倉時代の建築様式を今に伝えていることなどが評価され、1996年、世界文化遺産に登録されました。

ユネスコのマークが入った『世界遺産・厳島神社』のタイトルの標識の光景です。先ほどの説明看板の続きの構成資産は、①厳島神社、②厳島神社前面の海および背後の弥山原始林を含む区域。の2資産です。また、登録地域の面積は、構成資産 431.2ヘクタール、それを保護する緩衝地帯は構成資産地域を除く島全域で 2,634.3ヘクタール、です。

ゆっくりと歩きながら餌探しをする、二党の鹿さんたちです。宮島では、鹿が自然界の中で独立して生活できるよう、観光客による餌遣りを禁止しています。春日神社の様に『鹿せんべい』も販売されていません。

大きな『しゃもじ』が軒下に飾ってあったお店の光景です。『みやとよ本店』の屋号と、『もみじ饅頭』、『茶道具』なども宣伝文字もありました。『みやとよ本店』は、『宮島商店街のフェリー乗り場に近いもみじ饅頭屋さんです。元祖チーズもみじ饅頭』、とネットで紹介されていました。

『特別・史跡及名勝・厳島』の文字が刻まれた石標の光景です。『厳島』は、島の全域(周辺海域を含む)が、1934年(昭和9年)に瀬戸内海国立公園に編入され、自然公園法が定める特別保護区域となっています。 1952年(昭和27年)に『国の特別史跡及び特別名勝』に指定されました。また、弥山の原始林は、国の天然記念物に指定されています。

4～5階建てのお店もあった、メインストリートの商店街の光景です。この時期、魚ではアナゴ(穴子)が、甘いものでは、季節に関係なくもみじ饅頭が主役のようでした。kの日の昼食は、地酒に穴子丼に決めていました。

長雨になったのでしょうか、街路樹が両脇にあった参道には、水溜まりがあちこちに出現していました。と言っても、ごく浅い水溜まりです。右手が瀬戸内海に面した堤防脇の道、左手が商店街です。

参道を歩きながら眺めた、メインストリートに面した商店街の光景です。右手のお店には『和奏』の屋号と『ぺったら・ぽったら』の商品名が、左手のお店には『やまだ屋』の屋号と『桐葉菓』の商品の幟がありました。

名前：『ウミウ(海鵜)』
分類：カツオドリ目ウ科ウ属
分布：日本、ロシア南東部、韓半島、中国に分布。
その他：カワウとの見分けは付きませんでしたが、場所からの判断です。中国では放し飼いのウミウの漁を見ました。

横から眺めた『大鳥居』の光景です。国の重要文化財で、世界遺産『厳島神社』を構成する文化財の一つでもあり、『朱丹の大鳥居』とも呼ばれています。神社を海上社殿として大修築した平清盛が創建したとされ、天文16年(1546年)大内義隆らが再建した時から両部鳥居になったと言われます。現在のものは明治8年(1875年)再建で、8代目もしくは9代目とされます。

堤防道の参道が大きくカーブした付近の光景です。その先に石の鳥居が見えていました。左手に見える巨大な屋根は、豊国神社本堂になるようです。ここからは五重塔は見えていませんでしたが、千畳閣とも呼ばれる豊国神社本堂のすぐ脇にあります。

振り返って眺めた、桟橋方面の光景です。海岸線に建つ三階建ての建物の陰になり、桟橋は全く見えませんでした。この建物は、地図の検索で分かった、広島商科大学のセミナーハウスでした。