地球一周の船旅 Vol.6 「なあーんだ、JORDANだから冗談か」　ヨルダン　アカバの1日

2006/04/30 - 2006/05/01

　2006年（平成18年）4月5日（水）〜7月15日（土）
ピースボートの地球一周の船旅に参加した。

　今回は、映画「アラビアのロレンス」にも出て来るヨルダン　アカバ
ヒコーキには乗らないが街を鳥瞰図的に見るのが大好きで、
旅先で展望台があれば必ず昇る。
幸いアカバにはバスターミナルの近くに７階建てのホテル、
ピースボートの岸壁の近くにコントロールタワーがあった。
コントロールタワーに昇った最初の観光客である。

エリア アカバ(ヨルダン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

2006年（平成18年）4月5日（水）〜7月15日（土）
ピースボートの「地球一周の船旅」スケジュール表

ピースボートの地球一周の船旅に参加した。
ツアーの参加者の投稿はネットでも数多くあって評判はすこぶる悪い。
中には裁判沙汰にもなっているツアーもある。
自分ももう2度と参加したくないと思っている。
その理由については枚挙に遑がないが、
特に最悪だったのは船内のエアコンが制御不能で
温度一定ではなくその上、かび臭さが漂い体調不良者が
続出していたのである。
　自分も乗船して2日目には咳が止まらない、だるいといった
風邪の症状が出て診察室に行った。
乗船中は体調不良が治まる事は無かったが、寄港地で下船すると体調は
良くなったのでる。
診察室は毎朝行列が並び、船はさながら病院船みたいなもので、
新型インフルエンザやエボラ出血熱の患者が発生すればたちまち蔓延して
各国で寄港拒否されてさすらいの航海になってしまうだろう。
ツアー中、高齢者の男性が船室で病死した、と2回、船内放送があったが、
珍しい事ではないらしい。まさに病院船である。

　元来、旅行社のツアーは性格的に合わないので、旅に出掛ける時は、
いつも自分一人だけで、新婚旅行も出来るなら別々に行きたかった程で
ある。
　それなのにこのツアーに参加したのは、地球一周の船旅は
他には飛鳥、にっぽん丸だけで、一人参加で相部屋タイプは
他になかったからである。
それに飛行機は墜落すると人生それで終わり、なので飛行機には
乗らない事にしているので船で行くしかなかったのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　
ピースボート　トパーズ号から夜明け前のアカバ港

　朝、目覚めて船上デッキに出ると爽やかな心地良い涼しい風が吹いていた。
それまでのインド洋上での蒸し暑さは大変なものだった。
身体中から滲み出すねっとりとした汗と塩分の含んだ潮風が衣服にまとわりつき、
船上デッキの手すり、ベンチ、テーブル全てが湿気で濡れていた。
一番困ったのは一眼レフカメラのレンズ、ボディーまで塩汗をかいた
ことだった。
　4月21日にスリランカのコロンボを出て10日間、体感湿度100％、
それで体調不良になるのも当然、という感じである。
それがインド洋から紅海に入ると一変したのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　ピースボート　トパーズ号から

　船旅になくてはならない縁の下の力持ち、その1つがタグボートで
港で細かく自由に動くことができない大型船をタグボートが押したり
引いたりしてサポートする。
　また多くの大型船の出入港では、港で船長に代わって船を動かすパイロットを
乗船させて本船の横にあるタラップやはしごからタグボートに乗り降りする。
パイロットの活動と、大型船を支援するタグボートはセットのようなもので、
パイロットを本船に送迎するのは、パイロットボートやタグボートの役目で
ある。
　

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　作業中のタグボート

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　
ピースボート　トパーズ号から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
ピースボート　トパーズ号から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
ピースボート　トパーズ号船上からMARINE DEPARTMENT

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
ピースボート　トパーズ号から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
ピースボート　歓迎の式典

街歩きに急いでいたので演奏も聴かず。

平成18年4月30日　
ヨルダン　アカバ

停泊中のトパーズ号
総トン数 - 31,500t
船籍 -
竣工年 - 1950年
全長 - 195m
旅客定員 - 1,487名
航海速力 - 16.5ノット

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
停泊中の豪華客船ノーティカ（Nautica）号はラグジュアリー（5つ星）クラス
のクルーズ客船
総トン数 - 30,277t
船籍 - マーシャル諸島
竣工年 - 2000年
全長 - 181m
旅客定員 - 684名
航海速力 - 20.0ノット

ピースボートと船体はほぼ同じ大きさなのに定員は半分以下

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバの地図

　アカバは、ヨルダン南部の港湾都市。人口62,773人 (1994年)。
ヨルダン唯一の港湾として、戦略的な要地である。
ヨルダンの南端にあり、アカバ湾に面し、紅海を経てインド洋に通じる。
サウジアラビアとイスラエル、エジプトを結ぶ海上交通の要所。
海洋貿易の一大拠点。
また、温暖な気候で、雨も少ないためリゾート地としても有名。
西隣にイスラエル領のエイラートがある。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
港の検問所

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
港の検問所スタッフと

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ

　船がアカバに近づくとまず目立つのが高さ100mを超える旗竿の
風にゆっくりとなびく巨大な旗である。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
風にたなびく巨大なアラブ反乱旗

　街のどこからも見える巨大な旗は、ついこの間までてっきりヨルダンの
国旗だと思っていた。
ネットのブログでも皆、ヨルダンの国旗と書いてある。
ところが、　今年になってISILによる日本人拘束事件でヨルダン国旗の映像が
頻繁にテレビに流れた時に、あの巨大な旗のデザインが少し違っている事に
気付いたのである。
　それで調べてみるとこれはヨルダンの国旗ではなく
第一次大戦当時のアラブ反乱旗だと判明した。

　アラブ反乱旗
汎アラブ色のアラブ諸国の国旗に大きな影響を与えた。

　アラブ反乱（1916年6月 - 1918年10月）は、第一次世界大戦中に、
オスマン帝国からのアラブ人独立と、南はアデンから北はアレッポに至る
統一アラブ国家の樹立を目指して、メッカの太守（シャリーフ）
フサイン・イブン・アリーが起こした戦い。

ハーシム家が主導するアラブ諸部族は、イギリスの支援を受けて中東各地で
オスマン帝国軍と戦いその支配からの脱却には成功した。
しかしアラブの地はイギリスやフランスによる委任統治領となり分断され、
統一国家を作って独立することはできなかった。

　ヨルダン国旗

　ヨルダンの国旗は、左の赤い三角形と、3本の水平の帯（黒、白、緑）から
成る。
これらの帯はそれぞれ、アッバース朝、ウマイヤ朝、ファーティマ朝を表す。
赤の三角形は、現在の王室であるハーシム家及びアラブのレジスタンスを表す。
レジスタンス旗との唯一の違いである七稜星は、クルアーン第一章の7行及び、
アラブ人の民族の単一性を表す。
第一次世界大戦中のオスマン帝国に対するアラブ側のレジスタンスの旗に基づく
デザインである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
街の自動車修理工場の人たちと

　アラブの男たちは一見強面に見えるが、実は結構優しいのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
横断歩道

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
観光案内所のスタッフと
ツーショットは断られると思ったが。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　バスターミナル
屋上に昇ったAl Zaatari Hotelが見える。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　バスターミナルで
おばあちゃんの実家のあるアンマンへ行くとか。
旅の無事を願わずにはいられない。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　バスターミナル

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
兄弟とか。子供はどこの国でも可愛い。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　民族衣装を買った店主と

　白い服がトーブ、黒い縄状の輪をイカール
頭にかぶっている白い布はゴトラ。
次の日から、ヨルダン、エジプト、リビアで
この民族衣装で街を歩けば「ロレンス、ロレンス」と声が掛かり
大歓迎された。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　民族衣装を買った店主と

　店主からその恰好は「テロリストスタイル」になるから
止めた方が良いと言われて素直に応じた。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　民族衣装を買った店主と。

今来ている民族衣装はスリランカで買ったもので、下はサロンと言って
ロングスカート状の腰布の一種である。
スカートなので風通しが良く快適であった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　商店街で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　魚屋さんで
回転寿司店向けのマグロか。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　商店街で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　商店街で
退役軍人と言っていた。かなり決まっていた。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　店先の果物の種類、量も豊富。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　商店街の裏通り

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　野外レストランでの昼食風景

　涼しいレストラン内より暑い外で食事をする人の方が断然多かった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババ

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババの店頭メニュー

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババの店内

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババの店内

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババで

　支配人にヨルダンの伝統料理を注文したところ
運ばれて来た料理。
ヨーグルト味が強かった記憶がある。誰か料理名知っている方教えてください。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババで

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババの支配人と

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　レストラン　アリババ前

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　昼休みに家に帰る小学生のスクールバス

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバの中心街

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　マクドナルド

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　マクドナルド

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ
ショッピングモールのテナントの経営者たちと

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　ショッピングモールで

　それまで体調不良で身体がだるくショッピングモールのベンチで
休もうかと思ったら、ソフトクリームを売っている店があったので、
買って食べた。その美味しさと冷たさが口から胃まで浸みわたり、
生き返った感じがしたのでもう1個食べた。
そのアイスクリームを売っていたのが彼女で、それがきっかけで、
生き返った自分は彼女と話しをし始めた。
そこへ変な親爺が来たので客だと思い、下がって用済み後立ち去るのを待っていたが、話しが長引くそうなので男に彼女とのツーショットを頼んだところ
親爺は嫌な顔もせずにこにこしながら撮ってくれたのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　彼女の父親と

　彼女とのツーショットを撮った後、親爺は立ち去るかと思いきや彼女と
親しげに話し込んでいるではないか。
そのうち自分の方をちらちら見ながら話している、
「ははーん、彼女、一夫多妻で若い奥さんを貰って心配で、心配で、それで
俺の事を変に勘ぐっているな。」
「心配するな、俺はアイスクリームを買っただけで、
それが美味しくてお蔭で体調が良くなったと礼をいっているだけだ。」
と先を読んでいたら、親爺が近づいて来て
「俺も撮ってくれないか。」と言ったので「お安い事！」とばかり
二人を並ばせようとしたら、彼女が「一緒に撮って欲しいのはあなたよ。」
「えっ、夫と？」そこで彼女、笑いだした、
「この人は夫ではなく、私のお父さんなの。」
なんだ、親爺ではなく親父だったのか。
急に変な親爺でなく娘思いのいい親父さんに見えて来たのである。

　それにしても41年前、モロッコ、トルコを旅した時、偶像崇拝禁止の
アラブの国で女性はおろか男性でも撮るのを拒否されたりトラブルになったりして
人物写真は1枚も撮れなかった事を思えば隔世の感がある。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　ショッピングモールのお土産品店で
左が経営者の親爺さんで右が旅行社を経営している息子。

　アラブでは店に入ると商談の前に必ずお茶を振る舞われて
世間話しをしないと商談が始まらない、とりあえずビールではなく、
お茶なのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　ショッピングモールのお土産品店のカード

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　ショッピングモール　旅行社のカード

　お土産品店の親爺さんの息子が経営している旅行社
http://www.viajordan.com/index.php

明日、ペトラ遺跡に団体ツアーで行くと言ったら、料金を訊かれ、
それは高すぎる、タクシーでガイド付きで半値OK、キャンセルを勧められたが
前日キャンセルは100％なので残念ながら諦めた。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　

　子供たちが馬に触ろうとしたら反応したので、驚いて後ずさりしたところ。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotel

　ヒコーキには乗らないが街を鳥瞰図的に見るのが大好きで、
旅先で展望台があれば必ず昇る。
展望台が無ければ屋上からの見晴らしの良いビルなどを探すのである。
幸いアカバにはバスターミナルの近くに７階建てのホテルがあったので、
許可を得る為フロントに行った。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの支配人と屋上で

　フロントで支配人に事情を話すと、親切にもエレベーターで屋上まで
連れて行ってくれて、後はご自由に、という感じでフロントに戻って行った。
屋上は目まいしそうな強い日差しだったが、空気が乾燥しているせいか、
不快感はなかった。
街並みは360度のパノラマ風景で青空だったが、地平線辺りは砂塵、
水平線辺りは水蒸気で霞んでいて、一番見たかったアカバと指呼の間のイスラエルのエイラトは逆光もあってよく判らなかった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelのカード

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotel
屋上で洗濯、ゴミ出し、清掃をしていた子供たち。
勿論手伝いではなく仕事。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上からバスターミナル

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上からバスターミナル

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上からイスラエル　エイラト方面

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　Al Zaatari Hotelの屋上から

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

男性は膝まである長めの柄の入ったパンツ、
女性は水着ではなく服、中には民族衣装で海に入っていた。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

　浜茶屋や貸しボートなど日本と同じ海水浴風景だった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　海水浴場で

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　1917年7月6日にアラブ軍はアカバを奇襲し、オスマン帝国軍の大砲が全て
海側に向いていたアカバはあっけなく陥落した。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　古代においては、紀元前4000年頃から人間が居住しており、アジア、アフリカ、ヨーロッパをつなぐ交易の要衝であった。
初期の集落は聖書によればエラトと呼ばれていた。
これはおそらくエドマヤ語の固有名詞で、町はエドマヤ人、
のちにはアラブ系のナバテヤ人の交易の中心地であった。

列王記によればイスラエル王国のソロモン王が都市エジオン・ゲベルを
築き交易の拠点とした。
これはおそらく現在のアカバの付近にあった鉄器時代の都市を指すと推測される。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　プトレマイオス朝の時代にはベレニケ、ローマ帝国の時代にはアエラナまたは
アイラと称され、重要な軍事拠点の一つであった。
その後、東ローマ帝国の領土となったが、7世紀にムハンマドが出て
イスラム教を建てると、ほどなくイスラーム勢力の下におかれた。
以降ウマイヤ朝、アッバース朝、ファーティマ朝の統治を経て12世紀には
十字軍に占領されたが、1170年、サラーフッディーンに奪取された。
1250年よりマムルーク朝に支配される。
のちオスマン帝国によって約400年間支配された。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　第一次世界大戦中の1917年、アラブ反乱を起こしオスマン帝国に反旗を
ひるがえしたメッカのシャリーフ、フサイン・イブン・アリーの勢力が
アカバを奪取した。
この軍隊を率いたのがフサインの子ファイサル・イブン・フサインと
トーマス・エドワード・ロレンス（アラビアのロレンス）であった。
アカバの占領により、ヒジャーズ王国に編入され、
エジプトからアラビア半島へ、またトランスヨルダンを経てパレスチナへの
輸送路が確保され、イギリス軍を助けた。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　1924年ヒジャーズ王国が滅亡したあと、1925年にアカバはイギリスの
トランスヨルダン委任統治領に割譲された。
　1965年、フセイン国王の主導によるサウジアラビアとヨルダンの領土交換に
よって、アカバの街は広がった。
ヨルダンは内陸の砂漠の6000平方キロメートルを割譲し、
対してアカバ南部の12キロメートルの海岸線を得た。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

　1980年代の湾岸戦争まで、アカバはヨルダンの隣国イラクにとって
主要な輸入港であり、以降もイラクへの国際連合による人道支援物資の
陸揚港であり、経済制裁下にあって制限された石油輸出もアカバ港を通じて
おこなわれたものが大部分である

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞　アンマンからやって来たという大学生と

　彼女たちは日本への関心が高く、質問攻めに合った。
首都のアンマンでは、日常、民族衣装を着ない若い女性が増えてるとか。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞
アンマンからやって来たという大学生と

　アラブの女性の目は見つめられるとドキッとする美しさがある。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞
アンマンからやって来たという大学生と

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ要塞
アンマンからやって来たという大学生と

　映画「アラビアのロレンス」あらすじ
https://www.youtube.com/watch?v=-tZEfARQNbU
　1916年、カイロに赴いている英国陸軍のロレンス少尉は、トルコへの反乱に
意気込むアラブ民族の現状を確かめに向かった。
そこで彼は反乱軍の非力を痛感し、アラブ種族をまとめ上げてゲリラ戦へ打って
出ることに。
　やがて、トルコの一大拠点を巡って激闘を展開し、勝利する。
そして、再びゲリラ戦の指揮官として新しい任務を与えられ、トルコ軍を
　打倒するロレンス。
だが、一方でアラブ同士の争いが起こり、彼も尽力むなしく徐々に孤立して
いく…。
　Ｄ・リーンの数ある名作の中でも紛れもない最高傑作で、アカデミー賞
７部門を受賞。
　1914年、第一次大戦中のアラブ。砂漠の利権を狙い侵攻するトルコ軍と
アラブ人たちとの激突、大英帝国の介入と、激動するアラブ社会に突如現れた
英国人Ｔ・Ｅ・ロレンス。ドラマは、砂漠とその民を深く愛し、
しかし英国人であるがために深い挫折に追い込まれていく
　青年リーダー、ロレンスの苦悩を中心に、砂漠の一大戦争スペクタクルを
展開していく。
　ベドウィン族の戦闘部隊が一瞬の内に一村を壊滅させるシーン、
疾走する列車を爆破するシーン他、その迫力は今なお圧倒的で、
今日では絶対撮影不可能とまで言われている。
　Ｄ・リーンが長年こだわり続けている“人間と自然”
“西欧文明と異文化の相克”のテーマがここでも徹底して描かれ、
深い感動を呼ぶ。

　第一次世界大戦中のシナイ半島。砂漠の民アラブ人は、民族国家の建設と
近代化をいち早く達成したトルコによる侵略を受けていた。
アラビアの言語や文化に精通したイギリス軍のロレンス少佐は
英国の敵ドイツと組むトルコをアラビア半島から駆逐するため、
英土両軍が思いもつかない奇襲作戦でトルコの手に落ちたアラブ人の都市を
奪還していく。
　ロレンスの行動の目的は単にイギリスの権益を守ることではなく、
アラブ人に自信を回復させ、さらにはトルコ勢力一掃後のダマスカスを
中心にアラブ民族の統一国家を樹立することだった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENT

　アカバに着いた時から気になっていたタワーがあった。
岸壁の近くにあってアカバの街に出掛けた時、タワーの入口の上のプレートに
MARINE DEPARTMENTと書いてあった。勿論、「関係者以外立ち入り禁止」
らしきの看板もあった。
　市内観光から船に戻る時、どうしてもタワーに昇りたくなって中に入った。
中には警備員がいて予想通り入ったら駄目だと言ったが、こんな事は旅先で
よくある事で慣れており、にこにこしながら、「自分は日本から来た観光客で、
決して怪しい者ではなく、タワーの上から美しいアカバの街を見たいだけだ、
何とかお願い、マイ　アミーゴ、マイ　フレンドよ」
これでは足りないと思い、最後の決めゼリフとして
「アイ　ラブ　ジョルダン、インシアラー（アラーの神が望むならば）」
を言うと警備員はタワーの責任者に電話してくれたのである。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENT

警備員は責任者と電話で何かやりとりしていたが、
「お前から話せ。」とばかり急に電話を差し出して来たので、
先ほど、警備員に話したのと同じ事を言った。
特に「マイ　アミーゴ、マイ　フレンド、アイ　ラブ　ジョルダン、
インシアラー」については必死になって2，3回言った。
他の言葉は自分の英語力では通じていなかっただろう。
アミーゴとフレンドは世界中使える。
話した後、少し沈黙があったが返事はOKだった。
「マイ　アミーゴ・・・インシアラー」はアラブでの値段交渉で覚えた
魔法の言葉である。
バザールで歩くと土産品店からすかさず「マイ　アミーゴ、マイ　フレンド」と
声が掛かり呼び止められる。挨拶言葉である。
　時には、値段の差が埋まらなくて、「マイ　アミーゴ、マイ、フレンド」
を言うと相手が血相を変えて「ノー　マイ　アミーゴ、ノー　マイ　フレンド」
言い返されるが、それが結構楽しいのである。

　警備員がエレベーター1階に降ろして、降りる階のボタンを押して手招いた。
エレベーターが動き出すと外の見えない業務用のせいか急に不安になった
停まって扉が開くと素晴らしい風景が広がった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTの入口

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTで

　タワー最上階の下にあるMARINE DEPARTMENTはアカバ港に
出入りする全ての船舶の管理、制御する港の中枢部門である。

中に入ると3人が従事していて例の如くお茶が振る舞われた。
「このコントロールタワーに入って来た、日本人はお前が初めてだ。」
と言われて単純に喜んだ。
そして「時間制限無しで、写真はモニター画面以外はどこを撮っても良い。」
一人が眼下に見える街、港の案内もしてくれた。
イスラエルはどこ？と訊くとさりげなくごく自然に指を差してくれたが、
日中と同じ様に霞んでいてここからがイスラエル、とかは判らなかった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTの責任者

　1時間程過ごしてそろそろ帰ろうかと思ってお礼を言ったところ、
他に何か要望は無いか、と責任者から訊かれたので、寄港地出港の際、
日本の音楽が流れたり、「SAYONARA」のアナウンスがあったりしたので、
明日の出港の際のアナウンスに
「Good luck, See you again one day Yukio.」を加えて言って欲しい、
と言ったら、それは面白い、アナウンスするよ、と言うので舞い上がって
しまった。
ところが、アナウンス用の自分の名刺を渡したら、急に表情が消極的になって、
今のは冗談だと言った。
なあーんだ、JORDANだから冗談か、と少しがっかりしたが、
当然だと思った。
　もし、アナウンスしていたら彼は処分されていたかもしれない。
芸能人の旅番組やバラエティー番組ではないのだ。戦時下なのである。
少しではなく、大分調子に乗り過ぎてしまった事を深く反省した。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENT

　翌日、日が暮れて街の灯りが増えて来ると船上デッキからも
イスラエルがはっきりと間近に見えた。隣り町の近さである。
戦闘機がひっきりなしに発着し、滑走路や夜空を青白い光が舞台の
スポットライトみたいに次々と照らして行くのである。
　イスラエルの戦闘機の発着を見ながら思った。
もし、ヨルダンとイスラエルの戦争が起きれば、真っ先に攻撃されるのは
誰が考えても恰好のランドマークであるコントロールタワーではないか、
その時、タワーの人たちは、アカバの人は、街は、
とても冷静に考える事は出来なかった。
戦争が起きない事をひたすら願うばかりである。
それなのに、極度の緊張状態にあるコントロールタワーに
くだらないアナウンスをお願いしたのは実に恥ずかしい限りであった。
　22時、船はゆっくりと岸壁を離れた。タワーからのアナウンスには
気持ちのこもった「ARIGATO SAYONARA」の言葉があった。

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

停泊中の豪華客船ノーティカ（Nautica）号はラグジュアリー（5つ星）クラス
のクルーズ客船
総トン数 - 30,277t
船籍 - マーシャル諸島
竣工年 - 2000年
全長 - 181m
旅客定員 - 684名
航海速力 - 20.0ノット

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

停泊中の豪華客船ノーティカ（Nautica）号はラグジュアリー（5つ星）クラス
のクルーズ客船
総トン数 - 30,277t
船籍 - マーシャル諸島
竣工年 - 2000年
全長 - 181m
旅客定員 - 684名
航海速力 - 20.0ノット

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

停泊中のトパーズ号
総トン数 - 31,500t
船籍 -
竣工年 - 1950年
全長 - 195m
旅客定員 - 1,487名
航海速力 - 16.5ノット

平成18年4月30日
ヨルダン　アカバ　MARINE DEPARTMENTから

この旅行記へのコメント （1）

• まほうのべるさん 2015/05/10 19:02:58

  地球一周の船旅

  こんにちは、ノスタルジアさん。
  
  地球一周の船旅をなさっていたんですね。
  新聞の広告で見てこんな船旅もいつかしてみたいなって思っていましたが、
  評判はあまり良くなかったんですね。
  
  長旅だから初めから体調を崩されたら旅も楽しくなくなりますね。
  
  新婚旅行も出来れば別々にという言葉を見て思わず笑っちゃいました。
  １人旅が好きな方には自由に行動していたいのですね。
  
  べるは今では１人旅をいていますが、１人旅が好きというより希望の日程
  のツアーがないから１人旅をしているんですが、旅行の直前にはトラベル
  ブルーになるほど不安に押しつぶされそうになりますが、１人旅は自分に
  勇気を与えてくれるものだなと感じています。
  
  ５月４日〜９日までクダンスク→トルン→ポズナム→ブロツワフに行って
  きました。たくさんのやさしさに触れ、楽しく街歩きが出来ました。
  
  ｂｙまほうのべる