サン・ピエトロ広場の大聖堂に向かって右手に見えた、毎週日曜日に教皇が姿を現し、祈りを捧げる教皇宮殿（ニコラス5世の宮殿）の、教皇が姿を現す窓の反対側（北側）の3階にラファエロの間は在る。<br /><br />ラファエロの間は4部屋からなり、西から”火災の間”、”署名の間”、”ヘリオドロスの間”、”コンスタンティヌスの間”と名がついている。<br /><br />この4部屋に掲げられたフレスコ画が”コンスタンティヌスの間”の一部を除き、全てラファエロが描いた事から4部屋全体が”ラファエロの間”と呼ばれている。<br /><br />今回の旅では現地ガイドさんの案内で、”コンスタンティヌスの間”を除く3部屋を見学。<br /><br />ミケランジェロにシスティーナ礼拝堂の天井画を描かせていたユリウゥス2世は、フィレンチェで聖母マリヤの画家と呼ばれ、ローマに来て間もない、若き（当時25才）ラファエロに目をつけ、教皇宮殿の壁画の一部を描かせた。<br /><br />ラファエロの才能を高く評価したユリウゥス2世は、書斎全体の壁画と天井画をラファエロに命ずる。<br /><br />壁画が初めてのラファエロは、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂を描いている途中でフィレンチェに逃げ戻った隙に、システィーナ礼拝堂を覗き、参考にしたと云う。<br /><br />そう云われればフィレンチェで聖母マリヤのラファエロと云われた、ラファエロの静かで穏やかな画風と、ラファエロの間の大勢の躍動感のある画とは一味違う様に思われる。<br /><br />ラファエロは書斎の間から描き始め、ヘリオドロスの間、火災の間と描き進み、コンスタンティヌスの間の途中で35才の若さで夭折、ラファエロの弟子たちが完成に漕ぎつけたという。<br /><br />ラファエロに壁画を命じたユリウゥス2世もラファエロの間の完成を見ることは出来なかったようだ。<br /><br />署名の間は「神学」、「正義」、「哲学」、「詩」を表現していると云われ、この4つを擬人化した天井画も美しい。<br /><br />天井画の中心はヴァチカンの紋章を掲げる天使たち。

第２部ヴァチカンを飾る４人の天才を巡るローマ美術散歩15ヴァチカン市国その4教皇宮殿の書斎を飾るラファエロの間

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2012/03/14 - 2012/03/14

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旅行記グループ第２部ヴァチカンを飾る、４人の天才を巡るローマ美術散歩

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サン・ピエトロ広場の大聖堂に向かって右手に見えた、毎週日曜日に教皇が姿を現し、祈りを捧げる教皇宮殿（ニコラス5世の宮殿）の、教皇が姿を現す窓の反対側（北側）の3階にラファエロの間は在る。

ラファエロの間は4部屋からなり、西から”火災の間”、”署名の間”、”ヘリオドロスの間”、”コンスタンティヌスの間”と名がついている。

この4部屋に掲げられたフレスコ画が”コンスタンティヌスの間”の一部を除き、全てラファエロが描いた事から4部屋全体が”ラファエロの間”と呼ばれている。

今回の旅では現地ガイドさんの案内で、”コンスタンティヌスの間”を除く3部屋を見学。

ミケランジェロにシスティーナ礼拝堂の天井画を描かせていたユリウゥス2世は、フィレンチェで聖母マリヤの画家と呼ばれ、ローマに来て間もない、若き（当時25才）ラファエロに目をつけ、教皇宮殿の壁画の一部を描かせた。

ラファエロの才能を高く評価したユリウゥス2世は、書斎全体の壁画と天井画をラファエロに命ずる。

壁画が初めてのラファエロは、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂を描いている途中でフィレンチェに逃げ戻った隙に、システィーナ礼拝堂を覗き、参考にしたと云う。

そう云われればフィレンチェで聖母マリヤのラファエロと云われた、ラファエロの静かで穏やかな画風と、ラファエロの間の大勢の躍動感のある画とは一味違う様に思われる。

ラファエロは書斎の間から描き始め、ヘリオドロスの間、火災の間と描き進み、コンスタンティヌスの間の途中で35才の若さで夭折、ラファエロの弟子たちが完成に漕ぎつけたという。

ラファエロに壁画を命じたユリウゥス2世もラファエロの間の完成を見ることは出来なかったようだ。

署名の間は「神学」、「正義」、「哲学」、「詩」を表現していると云われ、この4つを擬人化した天井画も美しい。

天井画の中心はヴァチカンの紋章を掲げる天使たち。