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目を正面(西側)の大聖堂に移そう。<br /><br />大聖堂の手前には2体の聖者像が出迎えてくれる。<br /><br />左がサン・ピエトロ大聖堂の実質的な主・聖ペテロ、右が聖パウロの像。<br /><br />ファサードを見上げると、ミケランジェロのクーポラは上部だけしか見えないが、その手前に居並び見下ろす12信徒の像の中心に、十字架を抱え、群衆に挨拶の右手を掲げるキリスト像。<br /><br /><br />目を東側に移すと、4階建ての白っぽい教皇宮殿が見下ろす。<br /><br />その4階の右から2番目の部屋が教皇の個人書斎で、教皇は毎週日曜日の正午に窓から姿を現し、広場に集まった信者と祈りを捧げるらしい。<br /><br />クーポラはファサードの前からはよく見えないが、サン・ピエトロ大聖堂の北側の美術館の建物から、その姿をはっきり見ることが出来る。<br /><br />サン・ピエトロ大聖堂は1452年、ニコラス5世の命で計画が始まり、1506年着工。<br /><br />当初のグラマンテを引き継ぎ、最終的にラファエロやミケランジェロも加わり、1626年完成。<br /><br />クーポラはミケランジェロが設計し、8年掛けて丸屋根の骨組みを建てた。<br /><br />クーポラの内部の直径は42.56m。<br /><br />因みにパンテオンのドームの内径は42.8m、ミケランジェロの工事より300年も昔の話で、改めてローマ帝国の建築技術には驚かされる。<br /><br />夜、同じ場所からクーポラが闇に中に、ライトアップされた美しい姿を見せてくれた。<br /><br />さていよいよカトリック教会の世界の大本山サン・ピエトロ大聖堂に入ろう。<br /><br />サン・ピエトロ大聖堂に入るには、やはり正面からでなく、ファサードの左脇から入る。<br /><br />実際は後ほど目にしたのだが、サン・ピエトロ大聖堂入り口周辺を、メディチ家の色(青、黄、赤)でデザインされたユニホームを纏ったスイスの衛兵たちが、槍を持った端正な姿で護衛していた。<br /><br />石段を登り、かまぼこ型天井が美しい玄関廊(アトリュウム)に入り、中央扉の横から堂内へ。<br /><br />堂内に入って直ぐ右手にミケランジェロのピエタは置かれている。<br /><br />今から10年前の2003年、初めてサン・ピエトロ大聖堂を訪れ、ピエタに出会い、その時の感動したときめきは今も忘れない。<br /><br />1972年の暴漢事件以来、防弾ガラスに囲われているのが改めて口惜しい。<br /><br />三身廊の奥行186.36mの身廊堂内は柱に、壁に浮彫の彫刻が施され、天井はモザイク装飾が張り巡らされ、眩いばかり。<br /><br />この内部装飾の総指揮をしたのがベルニーニ。<br /><br />クーポラの下部に聳える守護聖人ペテロの墓を守る大天蓋はベルニーニの最初の建築作品で、完成まで9年の歳月を要したという。<br /><br />高さ29mの大天蓋に張るためパンテオンのドームのブロンズが剥がされることになったとか。<br /><br />大天蓋の上を見上げるとモザイク装飾のクーポラの天井が見下ろしており、クーポラの根元を金色の帯が取り巻き、ラテン語の銘文で、”あなたはペテロ。わたしはこの岩の上に教会を建てよう。そしてあなたに天国の鍵を授けよう”と刻まれているそうだ。<br /><br />堂内にはバロック風のブロンズ製洗礼盤も置かれ、艶やかさに彩を添る。<br /><br />その奥に光輝く栄光の司教座が据えられており、この栄光の司教座の完成をもってベルニーニのサン・ピエトロ大聖堂の内部装飾は完成する。<br /><br />サン・ピエトロ大聖堂には歴代の礼拝堂や教皇の墓が数多く奉納され、ベルニーニ自身もアレキサンドル七世の墓を制作している。<br /><br />サン・ピエトロ大聖堂とは、殉教したイエス・キリストの初代伝道者ペテロのいわゆるメモリアルと、そのペテロの後継者を名乗り、聖ペテロの墓を守護して来た歴代教皇の墓のある、いわばペテロ一族の壮大な共同墓地。<br /><br />ヴァチカン市国には教皇庁も置かれており、キリスト教を布教するには格好の煌びやかな壮大な舞台かもしれないが、少なくともサン・ピエトロ大聖堂は、勿論天にまします父なる神やイエス・キリストの住まいでも無ければ、父なる神やイエス・キリストに捧げられた建物でも無さそうだ。

第2部ヴァチカンを飾る4人の天才を巡るローマ美術散歩13ヴァチカン市国その2ミケランジェロのクーポラとピエタ、ベルニーニの天蓋 in サン・ピエトロ大聖堂

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2012/03/14 - 2012/03/14

3915位(同エリア6770件中)

WT信

WT信さん

目を正面(西側)の大聖堂に移そう。

大聖堂の手前には2体の聖者像が出迎えてくれる。

左がサン・ピエトロ大聖堂の実質的な主・聖ペテロ、右が聖パウロの像。

ファサードを見上げると、ミケランジェロのクーポラは上部だけしか見えないが、その手前に居並び見下ろす12信徒の像の中心に、十字架を抱え、群衆に挨拶の右手を掲げるキリスト像。


目を東側に移すと、4階建ての白っぽい教皇宮殿が見下ろす。

その4階の右から2番目の部屋が教皇の個人書斎で、教皇は毎週日曜日の正午に窓から姿を現し、広場に集まった信者と祈りを捧げるらしい。

クーポラはファサードの前からはよく見えないが、サン・ピエトロ大聖堂の北側の美術館の建物から、その姿をはっきり見ることが出来る。

サン・ピエトロ大聖堂は1452年、ニコラス5世の命で計画が始まり、1506年着工。

当初のグラマンテを引き継ぎ、最終的にラファエロやミケランジェロも加わり、1626年完成。

クーポラはミケランジェロが設計し、8年掛けて丸屋根の骨組みを建てた。

クーポラの内部の直径は42.56m。

因みにパンテオンのドームの内径は42.8m、ミケランジェロの工事より300年も昔の話で、改めてローマ帝国の建築技術には驚かされる。

夜、同じ場所からクーポラが闇に中に、ライトアップされた美しい姿を見せてくれた。

さていよいよカトリック教会の世界の大本山サン・ピエトロ大聖堂に入ろう。

サン・ピエトロ大聖堂に入るには、やはり正面からでなく、ファサードの左脇から入る。

実際は後ほど目にしたのだが、サン・ピエトロ大聖堂入り口周辺を、メディチ家の色(青、黄、赤)でデザインされたユニホームを纏ったスイスの衛兵たちが、槍を持った端正な姿で護衛していた。

石段を登り、かまぼこ型天井が美しい玄関廊(アトリュウム)に入り、中央扉の横から堂内へ。

堂内に入って直ぐ右手にミケランジェロのピエタは置かれている。

今から10年前の2003年、初めてサン・ピエトロ大聖堂を訪れ、ピエタに出会い、その時の感動したときめきは今も忘れない。

1972年の暴漢事件以来、防弾ガラスに囲われているのが改めて口惜しい。

三身廊の奥行186.36mの身廊堂内は柱に、壁に浮彫の彫刻が施され、天井はモザイク装飾が張り巡らされ、眩いばかり。

この内部装飾の総指揮をしたのがベルニーニ。

クーポラの下部に聳える守護聖人ペテロの墓を守る大天蓋はベルニーニの最初の建築作品で、完成まで9年の歳月を要したという。

高さ29mの大天蓋に張るためパンテオンのドームのブロンズが剥がされることになったとか。

大天蓋の上を見上げるとモザイク装飾のクーポラの天井が見下ろしており、クーポラの根元を金色の帯が取り巻き、ラテン語の銘文で、”あなたはペテロ。わたしはこの岩の上に教会を建てよう。そしてあなたに天国の鍵を授けよう”と刻まれているそうだ。

堂内にはバロック風のブロンズ製洗礼盤も置かれ、艶やかさに彩を添る。

その奥に光輝く栄光の司教座が据えられており、この栄光の司教座の完成をもってベルニーニのサン・ピエトロ大聖堂の内部装飾は完成する。

サン・ピエトロ大聖堂には歴代の礼拝堂や教皇の墓が数多く奉納され、ベルニーニ自身もアレキサンドル七世の墓を制作している。

サン・ピエトロ大聖堂とは、殉教したイエス・キリストの初代伝道者ペテロのいわゆるメモリアルと、そのペテロの後継者を名乗り、聖ペテロの墓を守護して来た歴代教皇の墓のある、いわばペテロ一族の壮大な共同墓地。

ヴァチカン市国には教皇庁も置かれており、キリスト教を布教するには格好の煌びやかな壮大な舞台かもしれないが、少なくともサン・ピエトロ大聖堂は、勿論天にまします父なる神やイエス・キリストの住まいでも無ければ、父なる神やイエス・キリストに捧げられた建物でも無さそうだ。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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