2011/05/03 - 2011/05/03
599位(同エリア1584件中)
ショコラさん
子どものころに読んだ『ジャングル・ブック』。その作者ジョセフ・ラドヤード・キプリング(Joseph Rudyard Kipling)が暮らした邸宅《ベイトマンズ/Bateman's》が、ライから西へ30km弱のところにあります。キプリングはこの邸宅で1902年から亡くなるまでの34年間を過ごしたのだそう。邸宅の庭園もとても美しいと聞いて、アルフリストンへ向かう途中に立ち寄ることにしました。
キプリングが英国人として初めてノーベル文学賞を史上最年少(41歳)で受賞したのは、このベイトマンズで暮らし始めて5年後のことで、邸宅の庭園はノーベル賞受賞で得た賞金から7700ポンドを費やして造ったものだそうです。また、ノーベル賞受賞の年に発表した作品『プークが丘の妖精パック』は、この邸宅から見えるプークが丘(Pook's Hill)をモデルに描かれたとのこと。
キプリングの死後、ベイトマンズは妻キャリーによってナショナル・トラストに遺贈され、一般に公開されています。
★《ベイトマンズ/Bateman's》
http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-batemans
【旅程】
□4/29 成田 ⇒ ロンドン(LHR)
レンタカー・ピックアップ後、ホテルへ(ホーリー泊)
□4/30 シェフィールド・パーク・ガーデン ⇒ ブルーベル鉄道 蒸気機関車(アフタヌーン・ティー・ラウンジ・カー)乗車(ホーリー泊)
□5/01 ⇒ エメッツ・ガーデン ⇒ プー・カントリー(ハートフィールド/アッシュダウンの森) ⇒ ライ(ライ泊)
□5/02 ライ散策(ライ泊)
■5/03 ⇒ ベイトマンズ(ラドヤード・キプリングの邸宅) ⇒ アルフリストン(アルフリストン泊)
□5/04 ロングマンの丘絵(ウィルミントン)⇒ 白馬の丘絵(リトリントン)⇒ セブン・シスターズでウォーキング(アルフリストン泊)
□5/05 ⇒ ルイス ⇒ バーファム(アランデル近郊)へ 着後、ブルーベルの森(バーファム泊)
□5/06 ⇒ アランデル ⇒ ロンドン(LHR)へ レンタカー返却 ロンドン(LHR)⇒(機中泊)
□5/07 ⇒ 成田
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ベイトマンズの案内地図。
敷地はかなり広そう。これがすべてキプリングの地所だったなんてすごい! -
入り口から邸宅へ続くアプローチ。
左手が果樹園、右手はハーブ・ガーデンになっています。 -
ここも果樹園かな。
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柵の手前側がベイトマンズの敷地。緑がいっぱいで、いい眺め〜♪
地図と照らし合わせると、草地の向こうに見える丘がどうやら「プークが丘」みたいです。 -
「桑の木のガーデン(Mulberry Garden)」と名づけられた庭園の横にはティールームがあります。
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こちらはティールームのテラス席。
まだ午前中だからか、お客さんもまばらです。 -
邸宅が見えてきました。
向こうに見えるイチイのトピアリーをくぐって振り返ると、 -
こんな感じ。
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近くに小さな建物があり、中に入ってみると、キプリングが所有していたロールス・ロイスが展示されていました。
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キプリングは車マニアで、近郊をドライブしながら作品の構想を練っていたんだとか。
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童話に出てきそうなこの円筒形の建物(元々はサイロ?)はショップになっています。
帰りがけにここでベイトマンズのパンフレットを買いました。
ナショナルトラストの各プロパティにはこのようなショップが併設されていて、そのプロパティに関するパンフレットが販売されています。その場所でしか手に入らないものなので、訪問の記念としてもお勧めです。 -
こちらがキプリング一家が暮らした邸宅。
ジャコビアン様式で建てられた、なんとも美しい邸宅です。1643年頃の建物で、築年から360年以上経っています。使われている砂岩石は地元産だそう。 -
味わいのあるハチミツ色の石壁。
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建物のエントランスも素敵です。
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では、邸宅の中へ。
こちらは客間。 -
邸宅内のあちこちに花が飾られています。これらの花はすべて庭園に咲いていた花だそうです。
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ライオンの姿が彫りこまれた暖炉。
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ヨーロッパの古地図。
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英国の古地図。
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ホール。
頑丈そうなテーブルはオランダ製。テーブルの左右にある背もたれの高い椅子は17世紀、手前のベンチは18世紀のもので、いずれも英国製。
平日だったにもかかわらず、見学者はけっこう多かった。 -
ホールの暖炉。
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階段室にはキプリングの胸像が置かれていました。
ちょっと気難しそうなお顔。 -
2階から階段を見下ろしたところ。
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階段の壁に掛けられていたキプリングの肖像画。
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邸宅の中で一番見たかったのが、キプリングのこの書斎です。
デスクの左右には大きな地球儀が。 -
彼の数々の作品は、この書斎から生み出されてきたのか〜。
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デスクの上は当時の様子をとどめていて、キプリングの仕事ぶりがうかがわれます。
左端にあるのは葉巻かな。右端にはワニの置物が。中央には丸メガネ。両サイドには大きなナイフも。 -
デスクの下のごみ箱からあふれているのはボツになった原稿? これは演出かもしれないけど、実際こんな感じだったのでしょうね。
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大きなデスクの隣りにあるのは、秘書が使っていたデスクだそう。
書斎に限らず、邸宅全体にオリエンタルな雰囲気が感じられます。キプリングがインドで生まれ育ち、英国で学業を終えたあと再びインドで暮らしていた経験がそうさせるのでしょう。本棚に置かれた象の置物はインドで手に入れたものかも。
「ジャングル・ブック」は、彼のその長年にわたるインドでの暮らしから生まれたものなのだとあらためて思いました。 -
書斎の窓の下に置かれた赤い美しい装飾の大きな箱は、インド製のブライダル・チェスト。
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書斎の壁には書物がぎっしり。
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こちらの小部屋には「ジャングル・ブック」の原画が展示されていました。
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オオカミ少年モウグリとオオカミ。
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モウグリと黒ヒョウ。
物語の世界がよみがえってきて、もう一度読み返したくなりました。 -
これは手洗いに使っていたものかな。
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子ども部屋。
見学者のうちのひとりの女の子が、この部屋にいたスタッフに熱心に質問をしていました。 -
展示室に展示されていたこの美しいカリグラフィーは、ノーベル文学賞の表彰状の英語訳のようです。
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ダイニング・ルーム。
ベイトマンズでは昼食は午後1時、夕食は午後8時と決まっていたそうで、キプリングはたとえ自分ひとりだけであっても夕食のときは服を着替えてテーブルについたのだそうです。
ところで、邸宅内の見学箇所にはキプリングの寝室もあるはずなのに、今回訪れたときには公開されていなかったのか見ることができませんでした。それとも見落としてしまったのだろうか?? -
邸宅の南面のファサード。
すごい! 石壁に張り付くように枝が伸びてる! -
邸宅内部の見学のあとは庭園へ。
邸宅の南面には2列に並んだライムの並木がありました。 -
本当に美しい家だな〜。
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大きな長方形の池と、その向こうにはローズ・ガーデンがあります。
ローズ・ガーデンはキプリング自ら設計を手がけたそうです。バラの時期にはまだ早く、咲いていなくて残念でしたが、 -
池の睡蓮はポツポツと咲き始めていました。
よく見ると、鯉がたくさん泳いでた。 -
池の先にあるワイルド・ガーデン。
ガーデン内にはこのような散歩道が設けられています。
緑がいっぱいで、お散歩が楽しい♪ -
散歩道の脇にブルーベルが咲いていました。
これは純血のイングリッシュ・ブルーベルではなく、スパニッシュ・ブルーベルのようです。 -
イチオシ
この橋、いい雰囲気〜。
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敷地内に川が流れているとはすごい!
まるで森を散歩している気分です。 -
川のそばの草原にポツポツと白いが花が。
もしかしてこれは―― -
やっぱりナルシスだ!
標高の限られた場所にしか咲かないナルシスが、まさかここで見られるなんて思わなかった〜。 -
光に透けた花びらが美しい♪
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庭園の一番奥にあるのがこの水車小屋。
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こちらが水車。
今もちゃんと動いていて、週2回小麦を挽くのに使われています。挽いた小麦粉は水車小屋内のショップで販売されています。 -
水車小屋の内部。
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こちらは手挽きの石臼。
この溝がミソなんですね。 -
容器の中には挽く前の小麦と、挽いたあとの小麦がそれぞれ入れられていました。
昔ながらの方法で挽いた小麦は素朴な味わいなんだろうな。それでパンを焼いたら、きっとおいしいだろうなぁ。ショップで買わなかったことをとても後悔。 -
ふたたび川沿いの散歩道をてくてく。
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ベイトマンズはこんな緑いっぱいの美しい丘陵地に囲まれていて、とても心が和みます。
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キプリングがベイトマンズをひと目見て気に入ったというのがよくわかる。
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穏やかな風景。
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まわりの風景に溶けこんだベイトマンズ。
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お昼を過ぎたので、ティールームでランチをすることにしました。
座ったのはもちろんテラス席。
見上げると、水彩画で描いたような空が広がっていました。 -
わたしが頼んだのは本日のスープとパンとレモネード。
スープはコリアンダーがちょっと効きすぎていました。 -
夫はクロック・ムッシュを注文。これはとてもおいしかったらしい。
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テラス席の横で、蔓バラが花を咲かせ始めていました。
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