鎌倉甘縄神明宮－2011年春

2011/04/24 - 2011/04/24

　鎌倉市長谷に甘縄神明宮が鎮座している。長谷寺鎮守である。和銅3年（710年）、豪族の染谷太郎時忠が天照大神を祀るために創建したと伝えられている鎌倉最古の神社である。社伝通りなら平城遷都、奈良時代の初年に当たる。
　この地は、鎌倉時代初期の御家人で安達一族の祖安達盛長氏の邸宅があった所である。大正14年（1925年）3月に鎌倉町青年団が建てた「安達盛長邸址」石碑が境内にある。甘縄の邸は北条時頼の母松下禅尼（安達景盛の娘）の実家である。また、孫の北条時宗の誕生の地でもあり、時宗の産湯の井戸がある。また弘安8年(1285)の霜月騒動の際、当時の御家人の筆頭であった安達泰盛は、御内人(北条得宗家の直属家臣)平頼綱軍に攻められ、激しい戦闘の後に安達一族が滅亡した終焉の地でもある。
　神明宮の鳥居横奥にある日本家屋が川端康成邸跡である。加賀谷邸のような洋館ではない。川端康成記念館があるが閉館になっている。参道沿いに住む人は「倉庫のようになっており、見るようなものがない。」という。また、参道沿いに住んでいるお婆さんは川端康成が散歩する姿をしばしば見かけたという。家の前で花をじっと眺めていることがあり、そんな時には声を掛けたそうだ。吉屋信子もこのあたりを通っていたそうだ。鎌倉らしい昔話だ。
　なお、川端康成はそれ以前には覚園寺参道（大師道）の蒲原有明宅に仮住していた。「蒲原有明旧居跡（川端康成仮寓跡）」の石碑があった。
（表紙写真は甘縄神明宮本殿）

エリア 鎌倉(神奈川)

甘縄神明宮鳥居。

「甘縄神明宮」の社号標石。

「甘縄神明神社略誌」。

「鎮魂」碑。

甘縄神明宮境内。

祠？

五輪塔、墓石。

五輪塔、墓石と庚申塔。

庚申塔（宝暦10年(1760年)銘）。

石碑。

石碑。

玉縄桜。甘縄桜かと目を凝らして見たら玉縄桜だった。「玉縄桜ひろめる会」が植えたものだ。玉縄桜は大船フラワーセンターで開発した早咲きの桜だ。

「鎌倉のみ越の崎の石崩の君が悔ゆべき心は持たじ」（万葉集）の歌碑。

手水舎。

手水。

「二条公爵愛用の井、北条時宗公産湯の井」。

銀杏の木。

神輿庫。

神輿庫の神輿。祭りで海に入るため白木だ。

玉縄桜。

玉縄桜。

石段脇の枝垂れ桜。

狛犬。

狛犬。

八重桜。

八重桜。

摂社。

石段。

石段下。

甘縄神明宮拝殿。

甘縄神明宮拝殿。

甘縄神明宮拝殿に掛かる「甘縄神明宮」の扁額。

甘縄神明宮拝殿。

甘縄神明宮拝殿。

摂社の鳥居。

祠。

秋葉神社。

秋葉神社。

秋葉神社社殿に掛かる「秋葉神社」の扁額。

甘縄神明宮本殿。

甘縄神明宮本殿。

甘縄神明宮本殿。

川端康成邸跡。

「蒲原有明旧居跡（川端康成仮寓跡）」石碑（覚園寺参道（大師道））。