バルカンより愛をこめて　（運び屋にも遭遇）

2010/07/21 - 2010/07/23

　バルカン半島を走る列車といえばヨーロッパからイスタンブールまでの「オリエント急行」が有名である。今は時折復刻列車があるくらいで走ってはいないが、線路は変わっていない。（はずである）

　映画００７シリーズの最高傑作「ロシアより愛をこめて」でボンドがダニエラ・ビアンキやペドロ・アルメンダリスらと共にイスタンブーからこのオリエント急行に乗り込むのが夜だった。

　この映画、日本で公開された時は「ゼロゼロセブン危機一発！」となっていた。正しくは「一髪」なのだが拳銃を構えたボンドをバックに洒落たタイトルと評判になった。当時、識者から「字が違っている」と指摘があったとか、受験生が書き取りで間違えて不合格になったかどうかは知らない。

　因みに日本語タイトルを付けたのは水野晴郎らしい。

　「００７」も本来は「ダブルオーセブンが正しいのだよ」などという話題がマニアの楽しみだったかどうかも知らない。

　さて映画のほうだが、夜のうちにスメルシュの殺し屋ロバート・ショーと格闘があったりで、夜が明けてからボンドとタチアナの二人は列車を降りて、トラックに乗り換える。そこをヘリが襲撃するのだが、アタッシュケースの中の組立式ライフルでボンドが撃墜する。

　イスタンブールから夜行列車で翌日の昼間というと、ブルガリアのソフィアと当時のユーゴスラビアのベオグラードの中間辺りであろうと想像される。
　そこで、バスがメインの旅ではあったがベオグラード〜ソフィアを列車で行くことにした。オリエント急行は豪華食堂車付きの寝台コンパートメント列車である。
　因みに復刻列車のパリ〜イスタンブールが二人用コンパートメントで一人百万円だそうである。私の乗ったのは二等２５００円の六人用コンパートメントである。

　ヘリに襲われるのはこの辺りかなどと感慨に耽っていると、お兄ちゃん二人がやって来て天井板を外し始めた。何か修理をしているのかなと、邪魔にならないよう通路へ出て待った。（ヘリ撃墜のシーンはイギリスで撮影したらしいが）
　セルビアの国境を過ぎ、ブルガリアのポリス・チェックが終わるとさっきのお兄ちゃんがまたドライバーを持ってやって来た。まだ修理があるんかいなと見ていると、天井板を外し裏に隠した何かを大量に取り出しリュックに詰め始めた。タバコかドラッグか明らかに密輸である。

　同じ部屋に来た小母さんも、靴を脱いで中から小さな包みを取り出しバッグに収めた。靴も普通のシューズに履き替えていた。皆さんお互いに顔馴染みの運び屋なのだ。

　ベオグラードから一緒だったフランス女性と顔を見合わせ、「通報なんかしたらやばいよね」と目と目で意思が通じ合ったのである。
　因みに、原作ではボンドはクレップ大佐の毒針に刺されて倒れるのだが、映画ではもちろんハッピーエンドで、ベネチアのゴンドラのシーンにエンドロールでマット・モンローの「ロシアより愛をこめて」が流れる。

エリア ベオグラード(セルビア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 100万円以上
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

　ベオグラードでは駅前のホステルに行ったら満室だった。別のホステルを紹介されたが、そこへ行く途中で「ホステル４０」の看板を見つけた。　寄って見ると新しいホステルで受付嬢が美人だったので、ここに即決！
　彼女はダニエラ、「ロシアより愛をこめて」のヒロインと同じ名前だ。

　まだ普請中だが客室は出来ているので営業開始。客は殆んど居ないので「何処でも好きな部屋使っていいわよ」ということで、４人部屋へ、もちろん独り占め。何せ部屋数よりゲストのほうが少ないので、大ラッキー！！

　夜になるとダニエラは帰宅し、お兄ちゃんニコラと交替。美人受付嬢に引かれて２泊することにしたのにがっかり。

　でもお互い暇なのでダニエラともニコラともよく喋った。

　セルビアの有名人はニコラ・テスラだという話も聞いた。

　私にはセレシュ、イバノビッチ、ヤンコビッチ、ジョコビッチかな。

　セルビアには海が無いのでサヴァ川が市民の憩いの場、水浴びの場になっている。

　カレメグダン公園。

　ベオグラードの要塞跡。

　大砲や戦車が展示してある。

　ドナウ川とサヴァ川がベオグラードで合流。

　ユーゴ内戦の際ＮＡＴＯ軍の爆撃で破壊された建物が痛々しい。

　ベオグラードからイスタンブールへ行く列車。

　昔はオリエント急行も走った路線だが、今はオンボロ電車しか走っていない。

　２等車両のみ。１１時間乗って２５００円。

青春１８切符か？

　この羽目板を外してタバコかドラッグか大量に隠してあった。

　「見たなー」とか言われてやばい事になるかと思ったが何事も無く、乗り合わせたフランス人女性と顔を見合わせほっとする。

「ロシアより愛をこめて」

　後で映画見直したら、ロバート・ショーの殺し屋が乗り込んでくるのがベオグラードだった。ザグレブで英国諜報員ナッシュに成りすましてボンドに接近、トリエステの手前で格闘場面となり、国境の近くで列車から降りてヘリとの銃撃戦となる。ヴェニスへはもうちょっとという所なのだった。（実際のロケはイギリス）

　トリエステの海岸からアドリア海をモーターボートでヴェニスまでという設定だった。

　因みに「ロシアより愛をこめて」でペドロ・アルメンダリスがボンドを案内して舟に乗るイスタンブールの地下貯水場。

　「地下宮殿」と呼ばれている。

　映画には出てこないが柱の礎石に「メデュ−サ」の首が。

　次回予告、ブルガリアのエフゲニア。

　ソフィアの旅行社の娘。可愛いよ。

この旅行記へのコメント （2）

• Keiさん 2016/10/17 13:44:47

  いつもありがとうございます

  熟年ドラゴンさん、こんにちは
  
  熟年ドラゴンさんの旅行記を拝見していますと、綺麗な女性が表紙になっている率が高いと感じますが、これはポリシーでしょうか？
  
  ・・・・・・・・・今後とも是非継続願いたく宜しくお願いします。
  Kei

• わんぱく大将さん 2011/12/19 08:51:19

  受付嬢

  熟年ドラゴンさん
  
  受付嬢で即決ですか？　　で、夜はにいちゃんに。
  
  ショ―ン　コネり―は歳いったほうがいい味、でてきましたね。
  ００７シリーズはよく見てましたが、主題歌もシャ―リ―バッシ―から、シ―ナ・イ―ストン、カーリ―・サイモン、ポール・マッカートニ―と。懐かしや。
  
  　大将