2004/10/03 - 2004/10/09
2865位(同エリア5153件中)
kojikojiさん
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北京最後の夜は羊房11号胡同のれい家菜という有名な宮廷料理人の家系の家庭料理屋に行きました。この店を知ったのは「NHKスペシャル アジア古都物語/北京」という本でした。北京の胡同に住む人々をクローズアップした中でこの店が数十ページにわたって紹介されていました。それを読むとどうしても行きたくなりましたが、この当時は本店をネットで予約することも出来ませんでした。郊外への観光で車の手配をお願いした「北京散歩」の劉さんに相談したら二つ返事で予約代行を引き受けてくれました。2004年の時点ではこの店は北京の本店とメルボルンと東京の六本木ヒルズにしかありませんでした。東京の店はその後銀座に移転しています。そんな本店はどんなにすごいのだろうと思っていたらタクシーで着いた先は「羊房11号」と住所の書かれた看板が一つだけ掲げられているだけで店名も出ていません。普通の家でしたのですが、中に入ると台所で人の気配がするので声を掛けると、予約は通っていたので「どうぞこちらへ。」と露地を案内されます。そこは丸テーブルと四角いテーブルがあるものの壁には雑誌が積まれていています。料理のお皿もよくあるホタル焼きの皿です。ただ出て来る料理はどれも美味しい物で、量が少ないので次から次にいただけます。北京の旅を締めくくるには最高の店でした。食事の最後に当時80歳を超えていたご主人が挨拶に来られ、英語で少しお話をさせていただきました。これも良い記念になりました。食事の後は姜さんが迎えに来てくれたので、3人で天安門の夜景を見に行きました。この夜景も素晴らしく、レストランと共に思い出になりました。最近「北京散歩」のHPを見てみましたが、劉さんは社長の貫禄が出てきて、姜さんは頭に白髪が増えて、時の流れを感じました。もちろん我々夫婦もだいぶ変わりましたが。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー タクシー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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后海からぶらぶら歩いていける距離に羊房胡同がありました。お店には「羊房11号」と住所の看板が出ているだけです。それ以外は普通の家なので、入るのに躊躇しましたが、人の気配がするので声を掛けました。いきなり厨房というか台所にいた女性が案内してくれました。
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案内されたのは通路を挟んだ反対側の小部屋というか、この家の居間のような部屋で、読んだ雑誌が積み上げられていたりして生活感を感じます。この店の主の善麟さんの祖父が八旗の中でも皇帝直属の正白旗で、光緒帝の頃の20歳から40年間宮廷で仕事をし、最後の数年間は西太后の傍で食材管理の仕事で仕えたそうです。その当時は黄色い絹地の上で同じ大きさの米粒を選別したり、レンコンは白い花が咲くもので、蓮の実は赤い花が咲くものと決まりがあったそうです。
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善麟さんは祖父から受け継いだ味を妻と4人の子供や家を訪れる客人にふるまったそうです。この伝統の味が世に出るきっかけは二女の莉さんが1984年に開かれた北京市の「家庭宴会コンテスト」で第1位を受賞したことにより1985年に正式にレストランとして営業が始まります。我々が行った2004年の時でも台所は普通の家庭と変わらず、朝顔形の小さいコンロが2つあるだけでした。
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色々な味や食感が楽しめる楽しい食事です。化学調味料などは一切使わず、材料も厳選された物しか使わないそうです。前菜は人参・香菜・生姜・筍の千切りの精進炒め、豚肉と醤油漬けのキュウリと椎茸と人参の細切り炒め、発行した緑豆の絞り汁と豚の脂身炒め、豆粉を油で揚げた満州族のお菓子、湯葉で豚ひき肉を巻き油で揚げた西太后の大好物、青梗菜と鶏肉を油で揚げたもの、豚のスペアリブの甘酢煮込みなどが続きます。
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これはビールよりワインが合うと思いました。ワインボトルのラベルの文字はラストエンペラーの弟の溥潔氏が書いたものです。
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全部で19皿の一番お手頃なコース料理を注文しました。さんざん北京のビールは飲んだので、この家のラベルの貼った赤ワインを注文して2人で総額6,200円でした。この値段では東京でもメルボルンでも食事は出来ないでしょう。本店なのに桁外れに安いというのが不思議です。
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普通のお宅で御馳走になっている感じですし、部屋は3つしかありませんので予約できる人も限られてしまいます。
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豚のスペアリブの甘酢煮込みの「糖醋排骨」は今でも味が思い出せます。
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川海苔がパリパリで美味しかったです。
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NHKスペシャルの「アジア古都物語」という番組の本で知ったお店でしたが、ここへ最後に来ることが出来て良かったです。
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この白菜と角煮をご飯に乗せた物は絶品でした。
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もう一度これを食べたいです。
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大海老の炒め物も背に包丁が入れてあるので食べやすくて、香り高い甘酢が美味しかったです。
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梅の味が小海老と揚げた鶏肉に絡まって不思議な味でした。
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大満足頂いているようです。
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中国の川魚の甘酢餡掛けはちょっと苦手でした。
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ワインがどんどん進みますが、ちょっと飲み過ぎですよ。
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メインの料理の最後は北京ダックです。
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冬瓜のスープが体に優しいです。
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デザートはフルーツの盛り合わせでした。北京最後の夜は大満足の時間が過ごせました。余韻に浸っていると当時80歳を超えた善麟さんがテーブルまで来られてご挨拶いただきました。お互いつたない英語でしたが、美味しかったこととお礼を伝えられたと思います。
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食事が終わったころに「北京散歩」の姜さんが迎えに来てくれてお店を後にしました。最後は天安門と天安門広場の夜景を見に行きます。
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まずは天安門広場に入ってみます。その広さには驚かされました。
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アドバルーンのような風船がたくさん浮かんでいました。
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トリコロールの色とライトの灯った建物のシルエットがフランスっぽく見えました。
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「毛主席祈念堂」もピンク色にライトアップして不思議な雰囲気です。
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ライトアップしているのは「中国銭幣博物館」の建物のようです。
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「人民英雄紀念碑」も美しくライトアップしています。故宮博物院側には毛沢東による金文字の「人民英雄永垂不朽」(人民の英雄は永遠に不滅だ)の揮毫が刻まれ、南側の裏面には周恩来による顕彰文の揮毫があります。
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本文の大意は1946年からの国共内戦を表す前半と、1919年の五四運動以降の抵抗運動・抗日戦争を表す後半に分かれます。「ここ3年来の人民解放戦争と人民革命によって犠牲になった人民の英雄達は永遠に不滅だ。ここ30年来の人民解放戦争と人民革命によって犠牲になった人民の英雄達は永遠に不滅だ。」といった意味だそうです。
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姜さんにいろいろ立ち位置を指示されて記念写真を撮ってもらいます。中国の方は記念写真では必ずポーズを取るので、ただ立っているといろいろ注文されます。
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「人民大会堂」は中華人民共和国の建国10周年を記念した建設事業である十大建築の一つで、ボランティアの手によって、わずか10ヶ月で建造されたそうです。毎年3月の全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議が、2週間から3週間の期間で行われ、日本でもニュースで見ることがあります。
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広場の中央に設置された噴水は美しくライトアップされています。
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「人民英雄紀念碑」の巨大なモニュメントに圧倒されます。
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天安門広場の噴水越しに「天安門」を望みます。
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広場の脇にあった枯山水の庭はちょっとミスマッチです。
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この時はカラフルなライトアップはあまり好きではなかったのですが、翌年に行った桂林の鍾乳洞以降各地の夜景や鍾乳洞を見ているうちに大好きになりました。
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そろそろ天安門側に行ってみることにします。大通りは渡れないので地下道を行かなければなりません。
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ここでも記念写真を一枚。
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道路越しに毛沢東の肖像画の写真を撮っておきます。ベトナムのフエにある阮朝の王宮の午門にはホーチミンの肖像画が掲げられていましたが、建物の造りと言い似ているなと思いました。
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門を護る獅子は狛犬のようでした。皇帝の陵墓の神道を護る獅子とは形が違います。
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ここでも姜さんにポーズを決められて写真を1枚。
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3日間北京を案内してくれた姜さんです。現在も「北京散歩」で劉さんと一緒に仕事しているようです。ホームページを見て安心しました。
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3日間一緒にいると従弟に北京を案内してもらっているような気分になりました。私も歳を取りましたが、姜さんもだいぶ白髪が増えていました。
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これで1週間の北京旅行が終わります。
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この旅がきっかけで10年間くらい中国旅行が続くことになります。現地旅行者にお願いして2人で各地を回ったり、2人だけで鉛筆とメモ帳片手に筆談しながら雲南省の山奥まで行きました。
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ここしばらくは中国が良いから遠ざかっていますが、またどこかへ行きたいと思います。ただこの当時の物価の安さと中国元の13円くらいという為替レートは2度と来ないと思うと、いろいろなところに行っておいてよかったと思います。
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姜さんにホテルまで送ってもらい、翌朝は空港へ向かうだけです。西長安街を車で走りますが、霧がかかっているのかと思いましたが、「空気が汚れているのよ。」と妻に言われました。最後まで何ともなかったのですが、妻は帰国後に耳鼻咽喉科に通うことになりました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- きり太郎丸さん 2010/10/04 16:34:39
- 素敵な北京
- こんにちは 北京の旅・とても素敵で楽しく見させていただきました。私たち夫婦も今月北京へ旅にでます。フリープランなので、皆さんの旅行記を参考にしていろんなところに歩いていってみるつもりです。4日間なので ちょっと忙しい旅になるかもしれませんが・・。
- kojikojiさん からの返信 2010/10/04 18:06:30
- RE: 素敵な北京
- 旅行記を見ていただいてありがとうございます。
先週中国の東北地方を旅してきましたが、大連では35度、翌日の瀋陽では12度といった温度変化には悩まされました。温度変化に対応出来るような服装で行かれたほうがいいと思いますよ。日中と日が落ちてからでもだいぶ違うと思います。北京に限らず中国はタクシーが安いので活用されたほうがいいと思います。通り一つ渡るのでも結構体力を使う国です。
楽しい旅になることをお祈りします。
- きり太郎丸さん からの返信 2010/10/05 23:14:46
- RE: 素敵な北京
- > こんばんは。お返事ありがとうございました。
中国はほんと広いですね。それに寒暖の差もあるし。一応冬のものなんかも持っていくつもりです。去年は11月3日に初雪らしいし・・一体どんな格好で行けばいいのか悩みます。が、まあ北京は都会だし必要なら買えばいいのかなとも思っています。
kojikojiさんが行った羊房11号のレストランいいですね。昨年上海での食事も量が多くて残してばかりでしたので、少量でおいしいお料理がいいですね。自分たちも行ってみたいので探してチャレンジします。また大連の旅行記アップしてくださいね。見に来ますね。
- kojikojiさん からの返信 2010/10/06 12:31:03
- RE: RE: 素敵な北京
- 羊房11号は六本木ヒルズにある「レイカサイ」という店ですが、六本木で食べたら凄い高いのだと思います。それをリーズナブルなお値段でいただけるので面白いと思いますよ。羊房胡同の普通の民家におじゃまする感じです。特に高いコースを頼まなくても良いと思います。事前予約は必要ですのでお忘れなく。
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旅行記グループ 2004 北京美食の旅
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