北区王子本町にある「王子神社」についての情報を発信していきます。「王子神社」を訪れたのは2023年5月31日です。「王子神...
続きを読む社」へのアクセスは、JR京浜東北線「王子駅」の北口改札口を出て、左方向に進むと「親水公園口」になります。「親水公園口」を左折すると目の前に「本郷通り」があるので、そこを右折します。道なりに坂を160mほど直進すると信号(表示名「音無橋」)があります。そこを右折し、「音無橋」を渡り、150mほど進むと右手に「王子神社」の鳥居が見えます。
「王子神社」の近辺には、「飛鳥山公園」や「音無親水公園」などがあります。特に、「王子神社」へ行くなら、途中にある「音無親水公園」を先に見ることをお薦めします。
では、最初に「王子神社」の歴史を紐解いてみたいと思います。「王子神社」の創建は不詳ですが、平安時代の11世紀に「源義家」の奥州征伐のさいに、「王子神社」の社頭にて慰霊祈願を行い、甲冑を納めた故事も伝えられ、古くから聖地として崇められていたと思われます。「王子神社」は、元亨2年(1322年)に、領主「豊島氏」が「紀州熊野三社」より「王子大神」をお迎えして、改めて「若一王子宮」をまつり、熊野にならって景観を整えたといわれます。それ以来、この地は「王子」という地名となり、神社下を流れる「石神井川」もこの付近では特に「音無川」と呼ばれています。後に江戸幕府将軍「徳川家康」は社領200石を寄進し、将軍家祈願所と定め、歴代の将軍も表敬し、八代将軍「徳川吉宗」は元文2年(1737年)に、飛鳥山を寄進し、「王子権現」の名と「飛鳥山の花見」は江戸名所として知られるようになったそうです。ちなみに、「王子神社」は中世に熊野信仰の拠点となった神社です。「王子神社」は、紀州(和歌山県)の「熊野三社権現」(本宮・那智・新宮)の御子神さまの呼称で、世界遺産にも登録された「熊野古道」には多くの「王子神」が祀られていたといわれます。
では、「王子神社」の「大鳥居」を潜り境内に入ってみたいと思います。「王子神社」の「大鳥居」は都内でも有数の大きさの鳥居です。「高さ」が約8.6mあり、茨城県稲田産の御影石を使った石造りの鳥居です。「大鳥居」は、東京大空襲で焼失した新門の場所に建立され、邪気から境内神域を守っています。
次に、「大鳥居」を潜るとすぐ左手に、「本社神輿・神輿蔵」があります。平成29年(2017年)に「本社神輿」が奉納されました。台輪は三尺、屋根は王子神社の姿を模した唐破楓で、重量(相棒含む)約550㎏、胴には「王子神社」伝来の「田楽舞」の彫刻がされています。令和元年(2019年)の「例大祭」に天皇陛下御即位を奉祝して初の本社神輿渡御が行われました。「神輿蔵」は、令和元年(2019年)に完成し、神輿が見えるように正面と側面がガラス張りとなっています。正面から「本社神輿・神輿蔵」の全景をカメラに収めたいのですが、正面に立つとガラス張りに自分の姿が写ってしまいますので注意してください。
さらに、先に続く参道を進むと「本殿」が見えてきます。「本殿」の前には、一対の「狛犬」があります。この「狛犬」は、「阿吽」の形態とともに「子育て狛犬」として建立されています。「本殿」向かって子どもをあやす鞠を持っている右側の「狛犬」が父親で、向かって左側の狛犬が母親で子どもを守っています。ちなみに、「阿吽」は宗教的な像にも取り入れられ、口を開けた「阿形」と口を閉じた「吽形」の一対の像は、神社の狛犬などに見られます。
「拝殿」で参拝を済ませ、「拝殿」に向かって右側には、昭和14年(1939年)3月に東京都の「天然記念物」に指定された「大イチョウ」があります。「王子神社」の創建当時からあると考えられ、樹齢は600年とも言われています。戦災で社殿を始め、境内の殆どを焼失する中で唯一生き残った貴重な「大イチョウ」です。雄の木ですのでギンナンは生りませんが、秋の紅葉は見事です。
次は、「拝殿」に向かって左側に進むと末社の「関神社」があります。「関神社」は、全国でも珍しい「髪の祖神」です。「関神社」の歴史を紐解いてみると、関神社」は「関蝉丸神社」の御神徳を敬仰する人たちが「かもじ業者」を中心として、江戸時代に「王子神社」境内に祀ったことがその始まりです。「御祭神」は百人一首でも有名な「蝉丸公」で、姉「逆髪姫」のために髢・鬘を作ったという伝説により、髢、鬘や床山業界の方々の信仰厚い神社です。また「蝉丸公」は琵琶の名手でもあり「音曲諸芸道の祖神」としても崇敬されています。戦災で焼失したものを、髢、鬘、床山、舞踊、演劇などの関係業界の尽力により、昭和34年(1959年)に再建されました。境内には毛髪報恩のための「毛塚」も建立されています。「毛塚」は、毛髪報恩と供養のために昭和36年(1961年)5月24日に建立されました。
「王子神社」では、天然記念物の大イチョウが圧巻で、全国でも珍しい「髪の祖神」もあります。しかし、何よりも駅から至近距離にあり、人通りも多い場所ですが、木々に囲まれた境内に一歩足を踏み入れると、ホッとした気分になり、心が安らぎました。
その他、「王子神社」の例大祭「槍祭」も有名です。「王子神社」の例大祭は「槍祭」とも呼ばれ、祭礼に際し「御槍」という古伝の「御守護」が出るためです。後利益は、開運除災・萬願成就と言われています。本祭に行われる神輿の大集合は、宮出し行事のみですが、多くの神輿が次々に鳥居をくぐるさまは圧巻の光景だそうです。また、北区指定無形民俗文化財民俗芸能「王子田楽」を奉納する8月の祭礼や、12月の熊手市なども行われます。
01_【一口メモ】
⑴ 所在地…〒114-0022 東京都北区王子本町1丁目1-12 電話:03-3907-7808
⑵ 御祭神
①伊邪那岐命 ②伊邪那美命 ③天照大御神 ④速玉之男命 ⑤事解之男命」の五柱で総称して「王子大神」
⑶ 御神徳…「初宮」、「七五三」、「学業成就」、「安産」、「子授け」など
⑷ 例大祭
①「王子神社例大祭」(槍祭)…8月第1日曜日、8:00にみこしの渡御(本祭のみ)、16:00から王子神社田楽舞
②熊手市…12月6日、12:00~22:00に開運熊手の頒布
02_【アクセス】
⑴ JR京浜東北線「王子駅」北口出口から徒歩5分350m
⑵ 東京メトロ南北線「王子駅」3番出口から徒歩5分350m
⑶ 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」出口から徒歩8分600m
03_【「王子神社」の見どころ】
⑴ 「大鳥居」
「王子神社」の「大鳥居」は都内でも有数の大きさの鳥居です。「高さ」が約8.6mあり、茨城県稲田産の御影石を使った石造りの鳥居です。「大鳥居」は、東京大空襲で焼失した新門の場所に建立され、邪気から境内神域を守っています。
⑵ 「狛犬」
「大鳥居」を潜り、参道を進むと「本殿」が見えてきます。「本殿」の前には、一対の「狛犬」があります。この「狛犬」は、「阿吽」の形態とともに「子育て狛犬」として建立されています。「本殿」向かって子どもをあやす鞠を持っている右側の「狛犬」が父親で、向かって左側の狛犬が母親で子どもを守っています。ちなみに、「阿吽」は宗教的な像にも取り入れられ、口を開けた「阿形」と口を閉じた「吽形」の一対の像は、神社の狛犬などに見られます。
⑶ 「本社神輿・神輿蔵」
「大鳥居」を潜るとすぐ左手に、「本社神輿・神輿蔵」があります。平成29年(2017年)に「本社神輿」が奉納されました。台輪は三尺、屋根は王子神社の姿を模した唐破楓で、重量(相棒含む)約550㎏、胴には「王子神社」伝来の「田楽舞」の彫刻がされています。令和元年(2019年)の「例大祭」に天皇陛下御即位を奉祝して初の本社神輿渡御が行われました。「神輿蔵」は、令和元年(2019年)に完成し、神輿が見えるように正面と側面がガラス張りとなっています。正面から「本社神輿・神輿蔵」の全景をカメラに収めたいのですが、正面に立つとガラス張りに自分の姿が写ってしまいますので注意してください。
⑷ 「由緒板」
境内参道横に由緒板が建立されています。平成25年(2013年)に神社代表総代によって奉納されました。文面は宮司が記述し、北区教育委員会が監修・制作して完成に至りました。また「田楽の碑」の改修も合わせて行われ、神社の伝統を伝えるものとなっております。
⑸ 「大イチョウ」
「拝殿」に向かって右側には、昭和14年(1939年)3月に東京都の「天然記念物」に指定された「大イチョウ」があります。「王子神社」の創建当時からあると考えられ、樹齢は600年とも言われています。戦災で社殿を始め、境内の殆どを焼失する中で唯一生き残った貴重な「大イチョウ」です。雄の木ですのでギンナンは生りませんが、秋の紅葉は見事です。
⑹ 「句碑」
「王子神社」の天然記念物の「大銀杏」の下には石碑が立っています。「暮際もなく 夜にうつる さくらかな 八十三翁 大谷暁山」と刻まれています。石碑の裏には「昭和5年(1930年)8月13日」とあり、往年の「飛鳥山」の桜花の情景を詠んだ、「元王子大谷町長」の句碑ということです。当時の「飛鳥山」は、新しい公園に生まれ変わって整備されましたが、同時に公害のため、桜は見られなくなったそうで、石碑は往事の名所をしのぶものとして立てられたようです。現在、「飛鳥山」は再整備されて昔の面影を取り戻し、桜の名所として親しまれています。
⑺ 「例大祭」(槍祭)
「王子神社」の「例大祭」は「槍祭」とも呼ばれます。これは祭礼に際し「御槍」という古伝の御守護が出るためです。開運除災・萬願成就といわれており、江戸時代の「願懸重宝記」には「神前に小き槍を置て祈念なすに悪事災難をまぬかるる」と出ています。本祭に行われる神輿の大集合は、宮出し行事のみですが、多くの神輿が次々に鳥居をくぐるさまは圧巻で、8月第1日曜日早朝の8:00に「みこしの渡御」(本祭のみ)、16:00から「王子神社田楽舞」が行われます。
⑻ 「王子神社田楽舞」
ちなみに、「田楽」は中世に大流行した芸能で、その後は猿楽や能に押され、現在は各地に民俗芸能としてのみ残存している稀少な芸能です。「王子神社」の「田楽舞」は古式のほぼ全てを有しており、「日本三大田楽」の1つと言われています。戦災で途絶えていたものを昭和58年(1983年)に復興し、昭和62年(1987年)に「北区無形文化財」に指定されました。8月第1日曜日早朝の8:00に「みこしの渡御」(本祭のみ)、16:00から「王子神社田楽舞」が行われます。
⑼ 「熊手市」
「王子神社」の「熊手市」は東京では年内最後の「酉の市」です。露店の縁起物の熊手のほかに、「王子神社」から熊手守りの授与があります。一般的に「酉の市」の多くは11月の「酉の日」に行われますが、「王子神社」では毎年12月6日の開催としています。
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投稿日:2024/07/10