(10)2016秋・かしまし５人娘の珍道中13日・Sagrada Familia　★Day6-1

2016/10/09 - 2016/10/09

旅行５日目の予定は
・９時　Sagrada Familia見学(45分塔の予約)
・午後　カサパトリチョ見学　
・21時30分　フラメンコ見学

旅行６日目にしてやっとやっと！感動もひとしおの１日になりそう。感動のあまり、独り言やブツブツ説明が多い旅行記になりました。(笑)

これからの旅のざっと予定は
Barcelona4泊(私7泊)した後、電車でCordoba移動1泊、バスでGranada2泊した後に又バスでMalaga1泊(私2泊)の後、帰国。大阪組8泊、私12泊の日程です。

(１)ハジメマシテのスペイン ★Day1-１準備＆Barcelona到着http://4travel.jp/travelogue/11205045
(2)★Day1-2　優美な音楽堂でバイオリンコンサート
http://4travel.jp/travelogue/11207525
(3)黒い聖母様にお願い事★Day2-1Montserrat探訪
http://4travel.jp/travelogue/11210213
(4)大聖堂に感動・欲にまみれた私でも★Day2-2　Montserrat探訪
http://4travel.jp/travelogue/11210775
(5)異空間の教会・Colonia GüellにてGaudlを思ふ★Day3
1http://4travel.jp/travelogue/11213681
(6)絶品ランチと夜景にうっとり★Day3-2
http://4travel.jp/travelogue/11213826
(7)Barcelonaの守護聖人にお参り＆新アパートに大満足★Day4-1
1http://4travel.jp/travelogue/11213827
(8)やっぱり天才・若きGaudiの出世作の街灯＆Plau Güell★Day4-2
http://4travel.jp/travelogue/11213828
(9)かしまし5人娘の珍道中・晩年のGaudiの傑作・カサミラと活気あふれる市場ランチ★Day5
http://4travel.jp/travelogue/11228969

エリア バルセロナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

2016年10月9日(日)
今日も朝から大阪組に叩き起こされた。(笑)本当に4人とも元気だ～。
時差ぼけとかとかの言葉は大阪のオバちゃんにはないらしい。

今日は9時にSagrada Familia入場、9時45分に塔の予約をしているので、早めに行動！あ～やっと入れるよ。。周りをずっとウロウロしてた感じやったけど、やっとやっとご対面！

相変わらず、駅から出たらど～ん、と。存在感あるわ。

なんとBarcelona到着から6日にして初めて中に入れる！

時間もあるので、まずはPlaza de Gaudi(ガウディ広場)で池にきれいに写ってる聖堂を鑑賞。ここに池を作った人は天才！


チケットの予約はこちら。聖堂と塔の時間が選べます。塔のあと、又聖堂に戻ってこれます。https://www.clorian.com/site/SagradaFamilia/?lang=en

どこを撮っても面白い。

Basilica de la Sagrada Familiaが正式名で、1882年に着工、31歳の若きGaudlが2代目建築家として就任し、72歳で事故で亡くなるまでの43年間を費やした。特に晩年は聖堂内に住居を移し、心血を注いで製作にあたっていた。

塔にあしらわれた【Sancutus】の文字の意味は、【聖なるかな】を意味するラテン語。

Gaudiの構想では、イエスキリストの【生誕】【受難】【栄光】を3つのファードを建設。各ファードに4本ずつの鐘塔をはじめ、計18本の鐘塔が立てられる予定になっていた。スペイン内戦時、聖堂内に保管されていたGaudiの構想の図や模型が破壊された為、現在はGaudiだったらどうしただろう？と言う思想の元、建築が進められている。

完成は2026年と言われてるが、個人的には永遠に工事は終わらないで欲しいと思ってる。世界中に1つぐらい永遠に未完の建築物があっても良いのではないのかな。人間だって死ぬまで未完なのだから。

個人的な記録も兼ねて、これから少し解説モードになりますので、ご了承を。(マップルに詳細な彫刻の説明があり、物語とともに全て見たので。)

Fachada del Nacimiento【生誕のファサード】
聖堂の東側に位置し、キリストの誕生から幼少期を彫刻で表しており、整然のGaudiが手がけた貴重な部分。

とにかくすごい細かい彫刻があって、上から物語が進んでいきます。中央の一番上に【生命の木】があります。

中央上【受胎告知】受胎告知の彫刻と、その下にはキリスト生誕の際に輝いたとされる【ベッヘレムの星】

中央【合唱する9人の子供達】視線の先は生まれたばかりのキリスト

左3人、右3人【楽器を奏でる6人の天使】

上【楽器を奏でる天使】3人と、下【東方の三博士】

本当に細かい彫刻で素晴らしいです。

【東方の三博士】

物語は上から順に進んでいきます。

日本人の専任彫刻家、外尾悦郎氏が手がけた【ハーブを奏でる天使】

外尾氏は【楽器を奏でる天使】達を彫刻しましたが、このハーブの弦を入れるか入れないかで話し合ったそうです。結局、入れると像の大きさから太い鉄線にならざるを得ないし、それは違う、と外押氏が判断したそう。
弦は見る人の心にある、と言う事で、弦は入っていません。

本当に見とれるほど素晴らしい彫刻です。どうして石であの様な優しい曲線が出せるのかが不思議。

正面から向かって左側は、キリストの父、聖ヨゼフの門【希望の門】

有名なロバのシーン？があります。

正面から向かって右側は、キリストの母、マリアの門で【信仰の門】

生誕のファサードは、Gaudiが生前に手がけた部分なので、じっくりと見学するのがお奨め。

Gaudiの構想では、イエスキリストの【生誕】【受難】【栄光】を3つのサファードを建設。各サファードに4本ずつの鐘塔をはじめ、計18本の鐘塔が立てられる予定になっていた。スペイン内戦時、聖堂内に保管されていたGaudiの構想の図や模型が破壊された為、現在はGaudiだったらどうしただろう？と言う思想の元、建築が進められている。

直線的だけに不気味な雰囲気。

キリストの受難の出来事を簡単に解説すると。

Fachada de la Pasion【受難のサファード】・聖堂の西側

直線的でシンプルな門で、キリストの磔から受難を表現しており、左下からS字に物語りは進んでいく。

【ユダの裏切り】
イエスに接吻する事で、誰がイエスであるかを知らせた。

【鞭で打たれるイエス】
柱に縛り付けられ、鞭で打たれるイエス。

【捕らえられたイエス】
捕らえられ、イバラの冠をつけたイエス。兜をつけた兵士の姿も。

【ヴィロニカ】中央はイエスの顔が映った布を掲げるヴェロニカ。右は十字架を担いだシモン。左は刑場に向かうイエス。

※聖ヴィロニカはイエスに汗をぬぐう布を差し出し、その布にイエスの顔が映っていた。人々のイエスへの愛を表現するシーン
※キレネ人のシモンとは、十字架を背負ったイエスの歩みが遅いので、たまたま通りかかったシモンに十字架を運ばせます。後にシモンは洗礼を受けているので、やはりこの出会いに意味が？

【キリストの磔刑】
磔にされたイエスと悲しむマリア。足元の頭蓋骨がイエスの死を意味する。

【昇天するイエス】
昇天したイエスが天井から見下ろす。これで物語りは終わり。

私はあまりガイド本を見ないのですが、(マップル)の彫刻の説明は本当に役に立ちました。お奨めです。

日本人彫刻家、外押氏の製作した扉？も素晴らしいのでお見逃しなく。

外尾氏は、1978年から30年以上聖堂の製作にかかわっており、Gaudi本人を知っている職人達(故人)を知っている最古の彫刻家です。
彼は大学卒業後、直談判で聖堂で石を彫りたい、と希望し、Gaudiゆかりの職人達のテストを受け、聖堂の彫刻家になりました。

このドアの彫刻を負かされた時、外押氏は悩んだそうです。Gaudiの指示があった訳ではないので、彼の意思や思想を想像するしかなかったからです。

外尾氏は、Gaudiはきっと地球上のあらゆる物に愛を注いでたはずだ、と思い、まだ聖堂にいない昆虫をあしらう事にしました。昆虫達だってもちろん地球の一員ですから。

とても細かい鉄細工で、様々な昆虫が生き生きとしています。色もステキ。

外尾氏はこの聖堂の製作を始め、Gaudiの意志を推し量り、彼の深い神への信仰を感じ、後に洗礼を受け、キリスト教徒になりました。神への深い愛がなければこの様な素晴らしい政策は出来ないと思います。

昆虫はもちろん、花や緑の葉っぱもたくさん。蝶々も。
たぶん、青銅で出来てると思うけど、細かい細工が素晴らしいです。

昆虫がいれば、鳥だって。

ただ昆虫や鳥だけでなく、生命の輪廻も表現されています。

なんて細かいのでしょう。見とれるほど素晴らしいです。

もし、Sagrada Familiaに行かれるのであれば、外尾氏の【ガウディの伝言】を読まれる事をお奨めします。ただ綺麗で終わってしまわないです。

私の本は姉に渡してしまったので、手元になく説明は記憶に頼ってるので、間違っているかもしれませんので、そこはご了承を。

【カメレオンの彫刻】
生誕の門の脇にあるカメレオンは、変化するものの象徴。

【亀の彫刻】
生誕の門の柱を支える亀の彫刻は、変化しないものの象徴。
柱は雨樋にもなっていて、雨の時は亀の口から水が流れる。

【白いペリカン】
中央の糸杉の下に白いペリカンは、神の愛の強さ、母の愛を象徴。

外をじっくり見学した後、予約していた【生誕のファサード】のエレベーターに乗って一気に上に。エレベーターは生誕の法がおすすめ。

【生命の木】
キリスト門の上部にある糸杉。生命の象徴としての鳩が待っていて、上には十字架があります。下に【白いペリカン】がいます。

白いペリカンと糸杉。

横から見た糸杉

外からは想像できなかったけど、塔って巨大。

渡り廊下を渡って受難のファサードに移ります。

受難側からは生誕側には来れません。

町が一望できます。

外側も手を抜いていません。

【鐘塔】
天辺に施されてるのは果物などの有機的な生命を感じさせるモチーフ。
生誕の門の東側はGaudiが生前完成させた【春に芽吹く植物】がテーマ。

受難のファサード側の西側には【秋の植物】

北側には、夏に咲き誇るジャスミンやラベンダーをテーマにした鐘塔を外尾氏が現在製作中。本当にこの素晴らしい聖堂の製作に日本人が係わっているのが、誇らしいです。

下を見下ろした所。

ちょっと外に出れる場所もあります。

帰りは螺旋階段で。
ぐるぐる・・・カタツムリの階段。塔はすごく良かった。

塔の後、聖堂内の見学をしましょう。

石の彫刻と柱が入り組み、宇宙空間に迷い込んだよう。

天井を見上げて。

Gaudiは光を操る事にも長けていて、色ガラス、無職、曇りガラスを使い分けている。

日差しによってどんどんステンドグラスの色が変わってきて、本当に飽きる事無く見てしまう。

色もたくさん使われているのに、ケンカしてない。

教会に良くある【聖書の物語】的な絵が全くなく、自然の力を感じる。

Gaudiはこの教会を本当に神に捧げる為に作ったのだと実感できる。

外尾氏の著書には、Gaudiの実際作業する職人達との交流も書かれています。

Gaudiには片腕となる職人達がいてこそ、彼の構想を建造物に出来るのですよね。

聖堂に入って感じだのは、Gaudiの息遣いです。

本当にぞくぞくと、彼の気配を感じました。

もちろん、Gaudiはこの聖堂に眠っている訳ですが、魂というか、彼はここで生きている、と感じました。

本当に素晴らしい。ため息しか出ません。

Gaudiはこの教会そのものなのでしょう。

良き理解者であったグエル氏の没後、この聖堂の政策に心血を注ぎ、恐らく彼の生前に完成を見ないことも分かっていて、未来の私達に聖堂の製作を託したのです。

Sagrada Familiaの製作を続けるには、平和でなければなりません。

スペイン内戦で資料が失われた事は残念ですが、すぐに工事が再開されたと言う事は、やはりGaudiはここで生き続けているのでしょう。

今も世界の戦争で、先人の貴重な遺産が失われていると思うと、本当に心が痛みます。

これは聖堂にあった門？

Sagrada Familiaの中に生き続けるGaudi。
この聖堂は、世界のどの教会とも違う気がしました。神聖な場所でありながら、Gaudiを感じ、神を感じ、自然の素晴らしさを感じられる唯一無二の境界だと思いました。

この日は日曜日だったので、地下聖堂でミサが行われていました。

たくさんの人が参列しています。

神父様ですね。

地下には博物館があり、模型や設計図があります。

模型でも細かいです。

さかさ吊り実験

建設作業現場。今日は日曜なので、お休み。

完成日がかなり短縮されたのは、３Dの機械の導入と、コンクリートの使用を開始した事だそう。石でなくコンクリートを使う事については、抵抗があったものの、やはりそこは決断せざるを得なかったそう。

聖堂の入場料が建築費用にもなっているので、高くても私は納得です。

完成は2026年の予定。

Gaudiの椅子。

すわり心地はよさそう。

Sagrada Familia、今もここで生きているGaudiを感じました。
間違いなく私のBarcelonaでの一番の場所です。

外押氏の【ガウディの伝言】を読んでいて良かった。

さて、観光は続きます。

この旅行記へのコメント （4）

• ぶどう畑さん 2017/04/20 20:48:23

  解説をありがとうございました！

  ユリアさん
  
  ぶどう畑です。
  気がつけば、写真がバラに変わってる！丹精込めて育てた、バラですね。
  
  外押氏の扉、素晴らしい！
  青銅のように見えるのですが、なんて細かいの。
  ガウディもそうですが、思いつくだけでなく、形に現せるって、凄いです。
  私にはとても無理だから、余計そう思います。
  
  塔から、下を見押すと、人間がちっちゃい。
  やなり、かなりの高さがあるのですね〜。
  
  勉強になりました！
  

  ユリアさん からの返信 2017/04/23 18:03:25

  RE: 解説をありがとうございました！

  ぶどう畑さん。
  
  こんにちは、ユリアです。
  
  そうで〜す。ちょっと気分を変えて、バラに変えました。一番お気に入りのバラです。まだ寒くて咲いてませんけどね。先週はすごい雪が降ったんですよ。
  
  外尾氏の扉、すごかったです。事前に本を読んでたので、色々裏事情？も分かって乗り込んだので、感激もひとしおでした。
  説明が多いので、なかなか作るの大変な旅行記でしたけど、自分での確認も含めて、って感じでしょうか。
  まだまだ旅行記、終わりそうになくて。また見て下さいね。
  
  ユリア

• chieko2014さん 2017/04/20 18:29:37

  懺悔します！な・・感じ

  ユリアさん、こんにちは。
  
  あぁ・・溜め息でます。
  
  何て素敵！何で、私、マックなんかでビール休憩してたかな(/_;)
  
  完成は２０２６年なんですよね。
  ユリアさんの解説を頭に叩き込んでその日を待ちます。
  
  あぁ、それにしても圧巻ですよ！
  
  では、またです。
  サグラダファミリア見た気分な、chieko2014
  

  ユリアさん からの返信 2017/04/23 17:59:07

  RE: 懺悔します！な・・感じ

  chieko2014さん。
  
  こんにちは。ユリアです。
  
  説明の多い旅行記を読んで頂いて感謝！
  
  想像以上に良かったですね。他の教会にありがちな暗い感じがなくて、光にあふれる教会な感じです。まさしく神に捧げる、見たいな。
  
  chieko2014さんのビール＆アルコール休憩たくさんの旅、義両親との旅行みたいで、楽しいです。彼らとは観光なしで、ブラブラ、休憩ですね。
  私は全く飲めないので、羨ましい限りです。
  
  ユリア