2025/05/23 - 2025/05/23
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知里付神社から25番札所円観寺までは、田畑が広がる一帯を名鉄河和線沿いに1㌔ほど南下した名鉄「富貴駅」方向に向かいます。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
知里付神社から25番札所円観寺までは、田畑が広がる一帯を名鉄河和線沿いに1㌔ほど南下した名鉄「富貴駅」方向に向かいます。
田植えを終えたばかりの田圃の先を赤い電車が通り過ぎていきます。
田圃の中をまっすぐ続く道を、住宅地の前の交差点で右に曲がり、踏切を越えた先の森が25番札所円観寺です。
知里付神社からの移動時間は15分もあれば辿り着けます。 -
白山神社。
円観寺の東に隣接する神社で、小高い岡の杜の中に鎮座します。
田園風景を見下ろす高みは、室町時代、時の長尾城主岩田氏が築いた富貴城跡。
戦国時代に入り戸田法雲が城主となり、城北の東大高字光明寺付近に館を建てたので大高殿とも呼ばれ、古書には東大高城として記録が残ります。
城の規模は不明ですが、名残は、歩いてきた田圃のあたりを東門、富貴駅の東側は市場、北側には外堀として地名に残っており、一帯が城下であったようです。
この白山神社と隣の円観寺はこの富貴城跡に鎮座しています。
社頭は小高い岡の南側に「白山神社」の社標があり、岡の手前に鳥居と手水舎を構え、その先から石段が上に伸びています。 -
社頭と杜の眺め。
右手の路地沿いに社叢が奥へ続いています。 -
鳥居正面から境内の眺め。
石段の先に社殿が見え、岡そのものの高さはさほどではないようです。
社頭には「愛知県指定天然記念物 白山社のクロガネモチ」の石標と解説がありますが、樹そのものが立ち枯れてしまい、現在は存在せず、指定も解除されています。 -
石段中ほどに一対の狛犬が安置されていますが、常夜灯含めて倒壊防止対策が施されていました。
-
境内右側から社殿と境内社の眺め。
境内は竹の多い社叢が囲んでいます。 -
境内社。
右から山乃神社(祭神 大山祇神)、秋葉社(祭神 加具土火神)、天満宮・多賀社の相殿の三社が祀られています。 -
白山神社拝殿。
入母屋瓦葺の平入拝殿で、普段は戸板が入れられていますが、祭礼時など戸板は外され拝殿内は開放的な印象になるのでしょう。
白山神社境内には由緒・沿革は見られず、尾張徇行記 第6巻 (海西郡・知多郡之部)の白山神社記述は以下。
「〇円観寺書上 三白山三社、先年、ハ同村ノ支邑・市場ニアリテ、前々御除地八除地八反歩ノ所ナリシカイツノ比カ当寺境内へ社ヲ遷座し、其旧跡八反歩ハ百姓宅地ニ借りオキ、年貢米ハ当寺へ納メ来レリ。〇神社ノ執事覚書ノ比トハ大ニ沿革ス。
一 覚書後ノ堂社庄屋書上如左
十王堂境内廿?村除
〇三本木ノ内不動堂役行者堂秋葉社 境内一反九畝?村除
〇小桜ノ内石神社内東西四間半南北四間年貢地」
現在の圓観寺は、記録では円観寺として記されます。
白山三社は、以前は同村の支村である市場に鎮座していたが、ある時期から円観寺境内に社殿が移され、円観寺住職が社僧を務めてきた。
それまで神社があった市場の土地は百姓たちの宅地として貸し出され、年貢米は円観寺に納められてきました。
また、円観寺には白山社の慶長12年の棟札の記録が残るようで、創建時期は不明ですが安土桃山時代から江戸時代初期に遷座されたようです。
祭神は愛知県神社庁によると菊理媛命とありました。
文中に白山三社とあることから伊弉諾尊・伊弉冉尊の二神も祀られているかもしれません。 -
拝殿左から本殿方向の眺め。
拝殿から幣殿を経て鞘殿につながっているようで、詳細は屋根の上の猫に聞くしかなさそうです。 -
本殿域左の境内に富貴橋と刻まれた親柱が立てられ、社叢の竹藪の中に道ができているようです。
小さな尾根または土塁の高まりに沿って道があるようですが、少し足を踏み入れたところで嫌な予感がして引き返し、妻の待つ圓観寺へと戻りました。
第五回歩いて巡拝知多四国 白山神社
創建 / 不明
祭神 / 菊理媛命
境内社 / 山乃神社、秋葉社、天満宮・多賀社
氏子域 / 武豊町富貴、竜宮
例祭 / 4月第1(土)日曜日
所在地 / 知多郡武豊町冨貴郷北101
知里付神社から白山神社 / 門前から南へ1.1Km㍍ほど、移動時間15分ほど -
白山神社に続き二十五番札所 法輪山 圓観寺となります。
白山神社の西隣に山門を構えています。 -
山門正面全景。
右手に寺号標が立てられ、山門は切妻瓦葺で、太い本柱を持った八脚門。 -
山門から庭園の緑と本堂の唐破風向拝。
-
正面の本堂と境内右の納経所・庫裏の眺め。
緑溢れる庭園には地蔵や菩薩像が立てられ、庭木の影や軒下には人慣れした猫の姿を見かけます。
尾張徇行記 第6巻 (海西郡・知多郡之部)
「円観寺、府志曰、在同村、号白雲山、天台宗、属野田密蔵院
○ 覚書 = 白雲山 円光坊 寺内 五畝歩 備前検除
○ 当寺 書上に 此寺草創の年紀は不伝
開基 栄貴法印は 慶長四年に遷化す
初 円光坊と号す 何れの比か 今の寺号に改れり、境内 五畝歩 御除なり
此寺住昔 同村内 八反 三畝 十歩 御除地にありしが いつの 比か今の所へ引移るとなり
○ 境内に秋葉社あり 村控 なり」
備前検地は慶長13年(1608)、伊奈備前守らによって尾張全域で実施されたもので、富貴村は、中世に築かれた富貴城の城下町として発展し、地名の「富貴」は「富」と「貴」という吉祥文字を用いた縁起地名と考えられる。
また「冨貴」とも表記され、表記の揺れがあるようです。
冨貴村の立地は衣浦湾に面し、古くから海運と陸路が交わる要衝で、知多半島を縦断する師崎街道などの街道交通と相まって経済・軍事・信仰の面からも発展してきたようです。
本堂脇の案内は以下のようなものでした。
・室町時代開創の歴史を持つ寺
・圓観寺の前身は別所に建立され『白雲山 円光坊』と称した。
・天正二年(1574)、 富貴城址(白山社)のある現在地に移り、法輪山圓観寺に改めた。 -
本堂は寄棟造の瓦葺で、破風飾りや向拝の彫飾りに視線が行きます。
-
この本堂がいつごろ手が入れられたものかは不明ですが、外観は大きな傷みのないものです。
写真は虹梁の龍の透かし彫り。 -
山号額、これで法輪山と読むものであろうか。
圓観寺の本尊は阿弥陀如来。 -
本堂左の伽藍。
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本堂左の金比羅堂(護摩堂)。
本堂から渡廊でつながる、入母屋妻入り建物で文政年間(1818~1829)の建立とされる。
金比羅大権現を中央に、その左右に弘吉布袋像・不動明王・薬師如来が並びます。 -
大師堂と左の庚申堂。
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堂内中央の厨子に弘法大師像が安置され、手前には弘法大師を描いた無数の自然石が奉納されている。
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堂前の床に埋め込まれた西国八十八ケ所の巡拝案内図。
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庚申堂全景。
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堂内には一体の青面金剛像が安置されています。
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庚申堂左の西国三十三観音堂。
中央に金色の観音像を安置し、西国三十三札所の観音様が安置されています。 -
観音堂左の奥まった場所に金比羅堂大権現の鳥居。
14:20、触れそうで触らせてくれない猫達に別れを告げ、円観寺を後にします。
コースでは、富貴駅から河和口駅まで電車移動し、そこから開山寺の葦航寺を目指すのですが、私達は線路沿いに3.1㌔、約45分かけて葦航寺に向かいます。 -
まどらかに みたまあみだのじがんには ふうきひせんのわかちなからん
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第五回梵字カード。
後開催なので諦めていたが、本開催の残りがあり頂くことができた。
第五回歩いて巡拝知多四国 二十五番札所 法輪山 圓観寺
宗派 / 天台宗
開基 / 栄貴法印
開創 / 不明
本尊 / 阿弥陀如来
所在地 / 知多郡武豊町冨貴郷北97
白山神社から円観寺 / 白山神社?社頭の西側に山門
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