日本一周海岸線ドライブの旅　Part1　（その11　陸前高田で鎮魂の海を望む）　

2024/05/16 - 2024/05/16

再び海岸地帯へ出て、釜石から松島方面へ走ります。途中、東日本大震災の被災地域で犠牲になった方々に祈りを捧げました。
表紙写真は陸前高田市にある追悼の広場です。
この日の走行距離：232㎞

エリア 岩手

　遠野を離れる前に、遠野の中心市街地の北にある遠野郷八幡宮に参拝しました。1189年（文治5年）に源頼朝の奥州藤原氏討伐に付き従った武将が遠野の地に領地を賜った時に、氏神の八幡神を祀ったのが始まりといわれます。現在の「遠野郷八幡宮」という名称になったのは、それほど昔ではなく、戦後の1950年（昭和25年）のことです。境内はかなり広く、遠野市を代表する神社の風格を備えていますが、訪れた時の参拝者はさほど多くはありませんでした。

遠野郷八幡宮 寺・神社・教会

　遠野の神社ですから、河童に関するものがあちこち見られると思っていましたが、手水舎のところに赤い顔をした河童のレリーフのようなものが置いてある他には、見かけることがありませんでした。やはり妖怪は神の使いにはなりにくいのでしょうか。

　境内の一角に猫神社と呼ばれる所があって、御朱印もいただけるということが後でわかったのですが、参拝したときにはそれを知らずに通り過ぎてしまいました。
　遠野にはカッパ淵や伝承館など、他にも訪れたい所が多々あったのですが、先を急がなければいけないので、やむなくパスしました。

　釜石自動車道を引き返すように走って、ふたたび沿岸部に出ます。ここから国道45号線づたいに大船渡や陸前高田を訪れました。このあたりもリアス式海岸なので、海はちらほらと見える程度です。
　三陸海岸の旅において、どうしても触れざるをえないのが東日本大震災のことです。大勢の人の幸せをうばった震災のことを考えるのは気が重いのですが、この地を訪れる以上は避けて通るわけにも行かないと思いました。
　三陸地域には、今でも海岸近くにはあまり民家らしいものがありません。見ることができるのは、商業施設や工場・倉庫など働く場所となる建物がほとんどです。新しい住宅地は津波の被害を受ける心配が少ない高台に集中しているようです。致し方のないことかもしれませんが、日常の人々の暮らしが感じられにくい風景というのは、どこか寂しいです。

　陸前高田では、追悼の広場で献花したのち、津波伝承館を訪れました。中の様子の写真はありませんが、街を津波が襲ったときの生々しい様子を伝えるものがいろいろと展示されていました。
　伝承館近くには、被災した松原で唯一残ったことでよく知られている奇跡の一本松があります。私は車の中から見ただけでしたが、この日も多くの人が訪れていることが遠くからでもうかがえました。

東日本大震災津波伝承館 名所・史跡

　この後松島方面に向かったのですが、だいぶ時間が押してしまい、一般道を走っていては、この日に泊まる宿の夕食に間に合わない心配が出てきました。今回の旅行では、海岸部を走る際は高速道路を使わないようにしてきたのですが、ついに三滝堂ICから矢本ICまで高速道（三陸沿岸道路）を使うことにしました。この日の泊まりは松島温泉ホテル絶景の館です。

松島温泉　ホテル絶景の館 宿・ホテル