祝第50回金沢まつり花火大会at横浜市金沢区海の公園

2024/08/24 - 2024/09/08

多くの方々の尽力の成果が実り50回目の金沢まつり花火大会が開催された。寄付等による資金難で金沢区制70周年回の尺玉70連打のような豪勢さはないものの，打上数3500発は維持された。

エリア 八景島(神奈川)

早いもので2024年も夏から秋へ移ろい，蒼空を映す平潟湾口に架かる白色の夕照橋の上空も秋の気配。
金沢区南部や横須賀市北部の住民にはお馴染みのこの風景も，大半の横浜市民，ましてやほとんどの神奈川県民には知られていないでしょうか。

夕照橋 名所・史跡

ゴムタイヤで専用高架軌道を電動で自動走行する新交通システム「シーサイドライン」が平潟湾を静かに渡る。
平潟湾プロムナードの護岸際には夕刻の花火大会観賞用と思われる場所取りのブルーシート等が午前中から図々しく敷かれたり，かなり鬱陶しく見苦しい状況になっている。遠方からの来訪者ではなくご近所の方々でしょうか？打ち上げ場所から離れ過ぎていて，間にある建築物などで高さの低い花火演出は見えない場所なので，露天夕空下の宴会が主目的だとしても許容すべきだろうか。

平潟湾プロムナード 公園・植物園

金沢八景駅近くにあった昭和の趣な小さな旅館「追浜園」が解体された跡地は，綺麗に舗装されて駐車場となっていた。大半は月極めで，数台がこの辺りでは貴重な時間貸。すく隣に高い壁が建ち，海も花火も眺められない当地での「追浜園」の再建は当面は無さそうだ。

追浜園 宿・ホテル

海の公園の花火大会会場に隣接するこちらにも場所取りブルーシート？

海の公園 公園・植物園

いやいや，この場所は花火がほぼ見えない位置であり、「頭上にトンビの巣がありフンが散乱されるので当面の間使用禁止となります」との海の公園管理センターの謎を解く貼り紙がされていた。頭上の高木に鳥の巣は見あたらなく鳥の気配いも無いものの，フンらしき白い散乱物がシートに付着していて，直撃されたらかなりブルーになるので有難い配慮だ。(既に撤去済)

海の公園 公園・植物園

花火大会前の会場を南側から視察してみよう。
写真には写ってないが，駐車場はまだ空きの状況。アクセス道路の混雑に関わらず，退場精算ゲートから先の信号機待ちの距離が短いので，数分間隔に1度の青信号で2台程度しか退出できない構造的な欠陥があり，自動精算機は花火大会当日は使われてなく，臨時配備された人員により一律の駐車料金徴収が行われている。余計に人件費がかかっているはずなのに，なんと通常より低い料金設定だ。
それでも閉会後一斉に退場する際には信号待ちと歩行者などとの干渉で退出まで数時間掛かる場合もあるようなので相応な覚悟が必要。また次回開催時には花火大会への協賛として，駐車料金だけで4尺玉を大会回数打上げできるよう，百万円/分などと超大富豪でも驚くほど跳ね上がるかもしれないのでご注意を。(そんなボッタクリはいけません)

金沢まつり花火大会 花火

未だ午前中なので閑散としている。会場案内図の掲示の他，仮設WCや照明が首尾良く恐らく前日より前に設置されている。
ところで，右手の白色の壁の向こう側がどうなっているか，皆さま興味津々でしょうか？

海の公園 公園・植物園

なんと工事現場入り口近くに，かなり控え目ながら長浜から移動して再構築する登録有形文化財「旧長濱検疫所一号停留所」についての掲示がついに追加設置された。

海の公園 公園・植物園

関係者の尽力に感謝。
竣工は令和7年3月末予定とのことで，意外と短い工事期間のようだ。
また，「現在，(中略)海の見える公園に再構築する工事を進めており(後略)」と記載されているが，どこから引用した文章だろうか。都市公園(総合公園)の固有名称「海の公園」ではなく，「海の「見える」公園」と記載した意図は謎である。中区の都市公園(風致公園)「港の「見える」丘公園」と混同したということはあるまい。

海の公園 公園・植物園

工事名称は「旧長濱検疫所一号停留所「新築」工事。「移築」と称しないようだ。
発注者は「厚生労働省 横浜検疫所 」であり，横浜市ではなく。設計監理者に「文化財保存活用計画株式会社」が就いている。

海の公園 公園・植物園

そしてこの時点の工事進捗状況はこんな状況だった。

海の公園 公園・植物園

柱建てが進み，上部の梁も一部設置されているが，屋根棟の設置はまだである。
明治中期／大正後期改修とのことであり，１層とは言え柱と梁材がかなり細い印象だ。

海の公園 公園・植物園

海の公園の花火会場をもう少し散策しよう。
写真では小さくて分かりにくいが，地元の飲食店等のテントブースによる出店や，キッチンカーによる出店の準備が着々と進んでいる。開店営業は正午からで，花火打上終了と同時刻の20時まで。
金沢文庫駅前の「南横浜ビール研究所」もたくさんの種類のクラフトビールと大型看板を持参して目立つように出店していた。撮影したつもりが保存できてなく掲示無しで失礼。

南横浜ビール研究所 グルメ・レストラン

砂浜の中央に大口協賛者等用らしいパイプ椅子が並べられた観覧席が設けられている。
花火が近すぎて，リクライニングできない椅子で見上げ続けると首が痛くなりそうだが大丈夫？

金沢まつり花火大会 花火

大口協賛者の掲示を見ると，断トツに文字が大きいメインスポンサーは今回も「NHKニッパツ」，海の公園の隣に本社，工場や開発拠点を構える世界No.1のスプリングメーカーと称される「日本発条株式会社」である。略称「NHK」だけだど，業界外の国内一般では「日本放送協会」と紛らわしいので，ニッパツが付されている。
事前に入手した花火大会のパンフレットにも広告を出していて，プログラムに示されるとおりフィナーレを飾るスペシャルなスターマインがニッパツ提供という形になっている。
パンフレットは著作権などの扱いや掲載許可の要否を調べたり許可を得るのが大変なので，パンフレットを撮影した写真の掲載は割愛します。金沢まつり実行委員会が設置されている金沢区のwebには，花火大会と，道路と海上の交通規制のチラシは掲載されているものの，プログラムが記載されているパンフレット(の電子データ)は無く，印刷配布も限定されていて，作成意図以外の用途へ悪用されないよう保護していると察する。

金沢まつり花火大会 花火

クラウドファンディングではやや低めな印象の目標額100万円を遥かに達成したようだが，会場などに数ヶ所設置された花火玉を模した募金入れの集金成果はどうでしょうか。良く見ると「紙幣投入口」と記載され，萬券百枚の札束の厚さには対応してないようですが，富豪の皆さま入り切らないほどの募金をどうぞ。もちろん小さいコイン用らしい投入口もちゃんとあります。
金沢区によると観覧者数は「25.5万人」だそうなので，平均千円／人の募金が集まれば，金沢まつり花火大会の総費用や協賛金額は不明ながら，令和6年度の金沢区の金沢まつり補助金の予算約870万円どころか，令和 6年度の金沢区の自主企画事業費の予算案の約1億円をも凌ぐことができ，減税あるいは他の事業も含めて質と量を向上できるかもしれませんね。

金沢まつり花火大会 花火

八景島方向の海上には花火打上のための台船も見えます。
競技花火大会ではなく，地元横浜市に所在する1社のみによる打上げだ。
なお，対岸の横須賀市に1部上場企業の工場があり，金沢区内の道路の劣化や環境にかなり影響している某住友重機械や某日産自動車は，市外のイベントゆえに遠慮しているのか表だって協賛活動はしていないようだ。

金沢まつり花火大会 花火

午後7時に花火大会は始まり，プログラム通り，割物とスターマインが交互に1時間，3500発打上げられた。
観覧した場所は穴場とされる程よい距離で，打上地点の海上の台船から全て見えるエリア，風による波が無ければ水面に映る花火も楽しめる。穴場とは言え混んではいるが，開始時間数分前に着いてもなんとか座る場所を確保できた。

金沢まつり花火大会 花火

3脚を持参しての撮影ではなくぶれてしまうが，それ以前に風が無いと煙が残り欠けてしまうこともある。
割物は10号(尺玉)ではなく7号までの大きさで，やや迫力に欠ける。八景島シーパラダイスで開催される10分間のプログラムのフィナーレと同等の見馴れた演出の，八景島シーパラダイス提供とされたプログラムがもっとも立体的な構成で良かった。
周りの観覧者を観るとプログラムを持参していない方が大半のようだ。例えば「昇曲付五重芯銀点滅」(金沢まつり花火大会では五重芯の打上は無し)などの玉名を把握しなくても楽しむことも出来るとは思うが，花火師や演出家の意図などをしっかり予想して出来栄えを観賞するほうが良いと思うのだが，それぼど広まってはいないようだ。
花火観賞ならNHKでベストな画角で生中継放送される，全国最大規模の長岡の花火，秋田大曲の全国競技花火大会，長野県の諏訪湖の花火大会を日本煙火協会などの専門家の解説や裏話付きで観た方が，臨場感は劣るがじっくり集中して深く観賞できそうだ。現地の超絶の混雑，交通渋滞，宿の確保や移動の煩わしさからも解放されるメリットもある。
11月2日には経産省等が後援する第93回土浦全国競技花火大会も開催され，こちらは茨城放送(IBSラジオ)でも中継され，現地で主催者の放送が聞こえなくても解説や情報を得やすかった記憶あり。

金沢まつり花火大会 花火

花火大会から半月経ち，例の現場の状況はどうなっただろう。(先週末は台風の風雨影響を回避するため視察なし)

海の公園 公園・植物園

順調に進み，棟上げがされて，建物の姿がはっきりしてきていた。
特に，屋根の垂木は流用した材料だけでなく，新規材料も適材適所使われているようだ。

海の公園 公園・植物園

海側からも上部の姿があらわになってきた。
スペースの割にかなり大きな建物のようで，周囲の外構や柵などの仕上げがどうなるかも気になるところだ。
既存の公園や周囲に残された樹木と一体感のある気の利いた意匠で利活用しやすい仕上りになると良いのだか，周囲の歩道などからの距離が近く，見馴れるまで違和感が強いかもしれない。

海の公園 公園・植物園

次のイベントの告知がされていた。
「サンドアートフェスティバル2024」

金沢文庫芸術祭 オープニングフェスティバルin海の公園 祭り・イベント

パワーショベルと型枠はイベントの準備作業のためのもののようだ。

金沢文庫芸術祭 オープニングフェスティバルin海の公園 祭り・イベント

他にもいくつかのイベントや注意事項が更新されているので来園時はしっかりチェックしたい。もちろんWebを確認しても良いのだが。
以上で金沢まつり花火大会と横浜市金沢区の海の公園の散策記はお仕舞い。
今回は日本酒をちょっぴり嗜むコーナーはありません。
なぜなら定期検診でベストな範囲に収まらない値がいくつかあり，次回10月の採血検査まで，断酒せずとも，休肝日を増やすとともに節酒施行中なのです。
そして国の施策不良の影響を受けたり，関係者間のコミュニケーション不良などで，無茶な施策やスケジュールを強行する波に呑まれ，時間に余裕が無く，4travelの旅行記の更新追加が遅れる始末。
別事情で9月の遠征計画を延期していて良かったが，連休を確保してリフレッシュへ。
次回は今回以上に間隔が空くかもしれません。
まだまだ暑い日が続きますが，朝夕は秋らしい雰囲気が出てきました。
最後まで完読有難うございます。
皆様のご幸運と健勝を祈ります。

海の公園 公園・植物園