「いすみ【波の伊八】ゆかりの地」散歩　-AM-

2023/11/15 - 2023/11/15

密かなブームとなっている（のか？）「波の伊八」こと【武志伊八郎信由】の屋敷・工房跡を鴨川まで見に行ったのはもう10年以上前(^^;;
その際は【金乗院】【西福寺】【鏡忍寺】で伊八の作品を見ることができた。
十数年のときを経て、【伊八ゆかりの地】巡りの第２回！（…って前回見た物をゼンゼン覚えていないんだけど。）
今回は【いすみ市】…ということで千葉県在住30年にして【いすみ鉄道】にも初乗車♪♪
寺社、彫刻、鉄道…いや～、楽しかった～～(^^)/

◇明王山無動院飯縄寺
◇いすみ鉄道「大原駅」～「大多喜駅」

その２→ https://4travel.jp/travelogue/11879444/

エリア いすみ・大多喜(千葉)

今回の旅はＪＲ外房線「上総一ノ宮駅」からスタート！

写真は東口
東口改札がつくられたのは割りと最近で、利用開始は2020（令和2）年7月1日
東京オリンピックのサーフィン競技が最寄りの釣ヶ崎海岸で開催されるのに伴って開設された（請願改札口）

この日はSuicaを持っておらず、ICカード専用改札口である東口を利用することはできなかった(x_x)

上総一ノ宮駅 駅

1893（明治26）年、【房総鉄道馬車会社】に鉄道免許状が下付され、1896（〃29）年に開業した（蘇我 － 大網）
翌
1897（〃30年）、大網 － 一ノ宮（現在の【上総一ノ宮】）間が延伸開業
1907（〃40年）、「鉄道国有法」により官設鉄道に編入され、帝国鉄道庁の駅となった

面白いな～と思ったのが、当時「一ノ宮」という駅が数か所あり、駅名の重複を解消するため、1916（大正5）年1月1日：上総一ノ宮駅に改称・・・したんだけど、同じ日に他の「一ノ宮駅」も【三河一宮駅】、【尾張一ノ宮駅（現・尾張一宮駅）】、【長門一ノ宮駅（現・新下関駅）】に改称している(^^)

上総一ノ宮駅 駅

【明王山無動院飯縄寺】へ
開山は808（大同3）年、慈覚大師円仁による（開基は円仁の教えを受け継いだ高傳とも）

飯縄寺 寺・神社・教会

寺号標には「東叡山御直末」と彫られている
「東叡山」は天台宗関東総本山である上野の【寛永寺】
【飯縄寺】は寛永寺直属の末寺ということ(^^)

横の写真を撮るのを忘れた→この角度だとアタマの２文字と下半分が判読できない(>_<)

飯縄寺 寺・神社・教会

こちら側は読める(^^)→「天下泰平護国成就浦方繁栄」

飯縄寺 寺・神社・教会

【山門（仁王門）】（いすみ市指定有形文化財）
三間一戸一重八脚門形式の寄棟造り
建築年代は不明だが、寺伝としては1629（元禄5）年、1714（正徳4）年の２説あるとのこと

飯縄寺 寺・神社・教会

阿仁王（金剛力士）

飯縄寺 寺・神社・教会

吽仁王（密迹力士）

飯縄寺 寺・神社・教会

水屋（手前）と鐘楼（奥）
鐘楼は市指定有形文化財

飯縄寺 寺・神社・教会

1846（弘化3）年建立（寺伝）
腰羽目には竜や虎など、羽目板には牡丹や菊など、丸柱頂部の真隅には唐獅子が彫刻されている

「上総国東金町住人建方彫工大木飛弾藤原綱行」の銘あり
藤原綱行っていう豊後高田の刀工が元禄の頃にいたそうだけど、こちらの藤原綱行は「大木茂八（当主が代々襲名）」の俗名で知られる宮大工

住職にお断りして撞かせてもらいました♪♪

飯縄寺 寺・神社・教会

本堂（千葉県指定有形文化財）
1797（寛政9）年建立（推定）

飯縄寺 寺・神社・教会

別名「天狗の寺」と呼ばれる当寺らしい額(゜゜)
飯縄（飯綱）権現は神仏習合の神
そして「飯縄三郎」は八大天狗の一つ

飯縄権現といえば【上杉謙信】の兜の前立て！(^^)

オン・チラチラヤ・ソワカ（唵智羅智羅野蘇婆訶、天狗真言）

飯縄寺 寺・神社・教会

懸魚（げぎょ・けんぎょ）は「麒麟」

飯縄寺 寺・神社・教会

向拝の彫刻は初代【波の伊八】こと武志伊八郎信由の「龍」
カッコイイ～

飯縄寺 寺・神社・教会

外周側面にも「麒麟」の彫刻

飯縄寺 寺・神社・教会

※本堂内は写真撮影禁止※（住職に特別に許可をいただいて撮影）

「牛若丸と大天狗」
伊八晩年の一大傑作！

この天狗は飯縄三郎ではなく【鞍馬山僧正坊】

飯縄寺 寺・神社・教会

見るほどに溜息が漏れるほど素晴らしい！！
分厚い欅の一枚板に彫られており、立体感からか動き出しそうな気さえする
木目や木肌の微妙な色の違いも作品に活かされている（作品表面は着色されているわけではない）

飯縄寺 寺・神社・教会

※本堂内は写真撮影禁止※（住職に特別に許可をいただいて撮影）

堤等琳（３代目）によって描かれた天井画「龍」

葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」は堤等琳や伊八の影響を受けて制作されたと言われている

飯縄寺 寺・神社・教会

※本堂内は写真撮影禁止※（住職に特別に許可をいただいて撮影）

奉納絵馬（意匠は「義経と弁慶」）

リーフレットによると「義経が奥州に向かう際、鞍馬山僧正坊（鞍馬天狗）から「上総国の飯縄寺に寄るべし」と言われて、伊豆から船で当地に着いた」…ということなんだけど、開山当時は「満蔵寺」と号していて、17世紀半ばに太東岬灯台付近にあった御本尊（飯縄大権現…本地は不動明王）を降ろした後に【飯縄寺】と改名しているので、かなり説明を端折ってる(^^;;

飯縄寺 寺・神社・教会

かこさとし！？(゜゜)（「だるまちゃんとてんぐちゃん」）

この「天狗だるま」と御朱印をいただきにまたお参りしようと思う(^^)

飯縄寺 寺・神社・教会

飯縄寺から約7.5㎞
夷隅鉄道【大原駅】に到着

大原駅 駅

ホームにはすでに【黄色い電車】が待っていた

大原駅 駅

いすみ350形
テールマークは「チーバくん」

大原駅 駅

「奥房総」のヘッドマーク

大原駅 駅

キハ20 1303

レトロな感じがいいね～(^^)

大多喜駅 駅

大多喜駅のホームにはかつての大多喜城主【本多忠勝】像が置かれていた

発泡スチロール製だって(゜゜)

大多喜駅 駅

忠勝の脇にはちゃんと愛槍「蜻蛉切」も(^^)

大多喜駅 駅

今回、大多喜城には登城してないんだけど(^^;;
前回・前々回と大多喜に来た時に入手していなかったので、駅前の土産物屋で購入

PM（午後）編に続く♪♪
→ https://4travel.jp/travelogue/11879444/