ナローゲージ（特殊狭軌線）の四日市あすなろう鉄道に乗る短い旅

2023/12/30 - 2023/12/30

　新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

　年末年始は新幹線や飛行機などは帰省客で混み合うので、年末にローカル鉄道に乗って旅行気分を味わおうと思い、四日市あすなろう鉄道に乗りに行きました。ナローゲージと呼ばれる軌間（線路幅）762mmの珍しい路線で、全線が四日市市内だけと限定的。
東海地方に長年住んでいるので四日市に何度も行っていますが、今まで四日市あすなろう鉄道には乗った事がありませんでした。
特殊狭軌と呼ばれるナローゲージの鉄道は珍しい存在で、全国に３路線しかなく、何と三重県には三岐鉄道と四日市あすなろう鉄道の２路線もあり注目です。

同じくナローゲージの三岐鉄道北勢線には3年前に乗った事がありますが、今回やっと四日市あすなろう鉄道に乗る事ができました。

＜四日市あすなろう鉄道のホームページ＞
https://www.yar.co.jp/

＜三岐鉄道北勢線の旅行記＞
https://4travel.jp/travelogue/11623891

エリア 四日市(三重)

• 旅行の満足度: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

近鉄四日市駅の西出口を出て、四日市あすなろう鉄道のあすなろう四日市駅に向かいます。

あすなろう四日市駅 駅

あすなろう四日市駅の駅名標。
「あすなろう」という名称は未来への希望に向かって（明日に向かって）とnarrow（狭い）の組み合わせで四日市市民とともに育てていく鉄道という思いが込められています。

四日市あすなろう鉄道の運賃表
内部線（四日市～内部）は8駅5.7km、八王子線（日永～西日野）は2駅1.3km。

四日市あすなろう鉄道の券売機
次の駅は200円、最長で270円の庶民的な運賃。

四日市駅から内部行き（内部線）と西日野行き（八王子線）がそれぞれ30分間隔で発車しており、頑張って運行されています。
2015年4月より近鉄から四日市市が車両と施設を無償譲渡され、公営民営方式で運営が引き継がれています。
時刻表を調べたら2015年4月1日制作された時のままで、一度も改正されてないようでアッパレです。

１Dayフリーきっぷ（大人550円・子供280円）を利用して、四日市あすなろう鉄道の全路線乗車を目指します。と言っても内部線は5.7km、八王子線は1.3km。

あすなろう四日市駅のホーム
左側が内部方面のりば、右側が西日野方面のりば

ナローゲージはここで行き止まり（あすなろう四日市駅）
確かに線路は狭い！

あすなろう四日市駅に入線してきた「なろうグリーン」の３両編成の電車
YとAのマーク（四日市のY、あうなろうのA）
車体の色は四日市の海、空、緑豊かな町を表現する3色のコーポレートカラー。

グリーン車に乗るみたい！

先ずは八王子線西日野駅まで乗車します。
ナローゲージだけに座席に座ってみるとさすがに車内は狭い。

右側、左側それぞれ1席ずつの座席（前方から見た所）。

右側、左側それぞれ1席ずつの座席（後方から見た所）。

車両は古くても窓ガラスはUVカットガラス。
日本語の車内放送のあとに英語のアナウンスも流れ、車両は古くても近代化が図られています。

ナローゲージで運転席は狭いですが、この時は見習いの運転士教育中で2人乗車。

お買い物、通院、サイクリングの自転車持込みを推奨するサイクルトレインのポスター。

サイクルトレインは予約不要で毎日10時から15時までの電車に無料ででき、とても便利。

食料品を買い出しにいった主婦が電車に乗り込む場面。

自転車の車内乗り入れが公認のサイクルトレインという名称のサービス。無料で利用できて市民の生活に密着している事が垣間見れます。

＜サイクルトレイン＞
・あすなろう四日市駅～西日野駅（途中駅での利用はできません）
・利用できる時間：下り列車（四日市駅）10:15発～14:43発まで
　　　　　　　　　上り列車（西日野駅）10:02発～14:30発まで
・1車両に最大6台まで

市街地の中を走り抜けていきます。
吊り掛け式モーターの懐かしい音をうねらせてガタンゴトンと左右に揺れながら走り、実に心地良い。

泊駅は上りと下りの電車が行き違いができるように両面ホーム。

泊駅 駅

運転席の計器。
速度計の最高速度は75km/hまでの表示。
自分が乗っている間では最高速度は40km/hでした。

間もなく終点の西日野駅に到着。

思い出の八王子線。
日永～八王子間は大正元年に開業、日永～四日市間は大正2年に開業、日永～内部間は大正11年に開業とは驚き。歴史がある鉄道である事を認識しました。

西日野駅の駅舎

西日野駅 駅

終点の西日野駅に停車中の電車

日永駅に展示の特殊狭軌と狭軌と標準軌の台車

日永駅 駅

四日市あすなろう鉄道の台車の説明ボード。

7月6日（なろうの日）に設置された三線の比較定規。

特殊狭軌は標準軌の半分である事が一目瞭然。

日永駅に停車中の八王子線の四日市行きと内部線の内部行きの車両。
内部線（四日市～内部）は8駅5.7km、八王子線（日永～西日野）は2駅1.3km。

八王子線と内部線が分岐する日永駅の駅舎。
無人駅。

日永駅 駅

日永駅は全国で唯一のナローゲージ分岐駅

日永駅の時刻表。
充分な間隔で運行されており、四日市市民の足になっているのが実感できます。

改札口は交通系ICカード対応。

四日市行きの電車（日永駅）

内部行きの電車（日永駅）

間もなく終点内部駅に到着。
この日に運行されていた車両はなろうグリーンの車両ばかりで、やっと内部車庫に停まっているなろう青色の電車を発見。

内部駅 駅

内部線はここで行き止まり。

あすなろう鉄道の内部車庫。

11月3日から2月14日の17時以降にはイルミネーション列車を運行。
ポスターを見てイルミネーション列車に乗った気分に。

少女が夜景を見ています。
内部駅にはトリックアートが。

四日市のコンビナートの夜景を大きな窓から見下ろしているような気分になるトリックアート。

内部線の終点・内部駅。
四日市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」が可愛い！

内部駅に設置のスタンプ。

内部車庫に停まっている　なろうブルーとなろうグリーンの電車

退避線のある泊駅に入線していきます。

内部駅に入線する西日野行きの電車。

『四日市あすなろう鉄道　乗って歩いて再発見マップ』
駅のホームからしか電車の写真を撮っていなかったので、日永駅から赤堀駅方面に歩いてみました。

電車が小川の鉄橋を渡っていくのどかな風景の場所を見つけ、撮り鉄しました。

四日市名物のコンビナートの煙突と白い煙が見えて四日市らしい景色。

コンビナートの煙突と白い煙を背景に走る四日市あすなろう鉄道の電車。

日永駅～赤堀駅間。

日永駅に入線してきた八王子線の電車。

日永駅 駅

行きには気付かずに、帰りに四日市駅構内で見つけたポスター。
7月6日（なろうの日）に日永駅のスリーゲージモニュメントに三線の比較定規が設置されたらしい。

撮り鉄を含めて２時間半で　あすなろう鉄道を全線乗車。かくして2023年最後の短い旅を締めくくりました。

2024年に皆さまも良い旅ができますように。