2023/10/14 - 2023/10/15
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ROSARYさん
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2023年10月。天空の山城・備中松山城と、ベンガラ製造で栄えた吹屋ふるさと村へ。ほぼ公共交通機関のみで回りました。
その5は、ベンガラ産業で栄えた吹屋の秘密を探ります。赤い街並みという以外、ほとんど事前情報なしに訪れた吹屋。
行ってみると、ベンガラの語源ってそうだったの! ベンガラの用途ってそんなに広かったの! そして紅殻格子ってそういうことだったの! と目からウロコがいっぱい。
・吹屋中町・下町を抜けて笹畝坑道へ
黄銅鉱やベンガラの原料となる硫化鉄鋼を採掘したところ
・ベンガラ館
吹屋で最後までベンガラを製造していた田村家の工場を復元整備
・広兼邸
石垣の上に城とみまがうようなベンガラ長者の館
徒歩で行くには遠すぎるので、翌日グリーンスローモビリティで
表紙写真は、ベンガラの不純物を洗う段階式水槽@ベンガラ館
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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吹屋といえば、赤い街並みという程度の知識しか持たずにでかけました。
行ってみると、この街がなぜ栄えたのか、俄然興味が湧いてきました。吹屋ふるさと村 名所・史跡
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グリーンスローモビリティの停留所を発見。
無料!で旧吹屋小学校から広兼邸まで結んでいるようです。
今日はもう遅いので、明日これを使って広兼邸まで行くことにします。 -
ちょっと遠いけど、笹畝坑道まで歩いて行ってみることにしました。
下町のはずれ。崖の上の構築物。これも銅山の坑道と関係あるのかな。 -
山の裾野に広がるぶどう畑。
このあたりは、岡山県の中でも有数のぶどうの産地とのこと。 -
ダラダラ下っていくと、10分弱で笹畝坑道に到着。
写真には写っていませんが、もっと右手に窓口があり、そこで5館周遊券(笹畝坑道、ベンガラ館、広兼邸、旧片山家、郷土館)1000円を購入。 -
吹屋銅山の歴史。
発見されたのは平安時代のはじめ。栄えたのは元禄年間(住友)、享保から天保、明治から昭和(三菱)なんだそう。 -
ヘルメットを被って、いざ中へ。
吹屋銅山笹畝坑道 美術館・博物館
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狭い坑道を進みます。頭上注意。
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さらに奥へ。
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立ち入り禁止の奥にも、坑道が続いています。
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かつての坑夫の仕事を表した人形も。
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ひとつをアップで。
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女性も働いていたのですね。
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鉱脈は黄銅鉱のほかに、磁硫鉄鉱。これがベンガラの原料になったのです。
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斜めに続く坑道。
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上にも続く坑道。
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あれ、なにか貯蔵されています。
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大典白菊の長期熟成清酒の貯蔵庫になっていました。
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構内の断面図。公開されているのは300mほど。
現在位置が右の一番上あたりなので、この下にずーっと坑道が続いていたということですね。 -
外に出てきました。
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続いてはベンガラ館へ。結構きつい登り坂だったので、写真ブレブレ。
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ベンガラ館の全景。吹屋で最後までベンガラを製造していた田村家の工場を復元整備したところ。
もともと、銅山から出る副産物である、硫化鉄鉱を原料に作られたのがベンガラ。
往時は吹屋の谷あいに、ベンガラ工場が4つあったそう。
銅山が昭和47年に閉山したのに伴い、昭和49年にここ田村家も製造をやめてしまい、吹屋ベンガラの歴史も終焉したのです。ベンガラ館 美術館・博物館
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ベンガラの製造工程を辿ってみることができます。
まずは「窯場」。 -
鉱山から掘り出された硫化鉄鉱(ローハ)をよく乾燥してから、少量ずつ焙烙に盛り・・・
これを窯の中に200枚前後、積み重ねて、松の薪で1~2昼夜焼くと、赤く変化したベンガラの基ができます。これを「焼き」というそうです。 -
窯の中に積み上げられた焙烙。
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左側の「ローハ」から、真ん中の「焼き」へ、さらに精製して「ベンガラ」が出来上がります。
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こちらは、手前から「ローハ」、真ん中が「乾燥ローハ」、奥が「焼き」。
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イチオシ
続いては、多段式の水槽で「焼き」を水洗いして不純物を取り除き、
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石臼で挽いて、粒子を細かくします。
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動力は水車。
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続いて「脱酸水槽室」。
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イチオシ
きれいな水を加えて撹拌と沈殿を繰り返し、酸性をアク抜きしていきます。
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ベンガラは水に溶けないので、時間がたつとベンガラが沈殿、硫酸を含んだ「うわ水」を捨て、さらに清水を入れる・・という作業を何十回も繰り返すのだそう。
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硫酸分がなくなった泥状のベンガラを、板に薄く流して天日で乾かします。
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粒子を整えて製品の「吹屋弁柄」となり、出荷されていきました。
唐錦印、珠印など、いろんなブランドがあったのですね。 -
ベンガラの用途。
建物の塗料や染料としてだけでなく、現在でも車や船舶の塗料、カラーアスファルト、磁気切符や磁気ディスクなどに使われているようです。
もちろん今は化学製法で作られていますが、「色は吹屋ベンガラに及ばない」とのこと。 -
ベンガラの語源。
てっきり「紅」から来てるのだと思っていたら、なんと、インドのベンガル地方に基づくのだとか。もともとベンガル地方で産出した黄土(天然酸化鉄)から命名されたものです。
そして、吹屋は徳川から昭和まで、200年間もの間、日本で唯一のベンガラ産地だったのだそう。 -
かつてのベンガラ工場の様子です。
この日はこれで終了。 -
翌日、グリーンスローモビリティで広兼邸を目指します。朝11時の最初の便。
なんと、急に雨が降ってきて、幌をおろすことに。
涼しい日だったからよかったけど、真夏はすごいことになりそうです。 -
ゴルフカートを利用しているそうです。最高時速は20Km。
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広兼邸の下に到着したときは青空に。
山の中腹、石垣の上に豪壮な館。 -
駐車場でカートを下りて、坂道を上ります。
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結構きつい。
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広兼邸の下から駐車場を見下ろしたところ。トイレがあります。
広兼邸にはトイレはないので、こちらで済ませていきましょう。
カートが去っていきます。よく見ると、まだ幌は下げられたまま。
30分に1本ですから、次の便に乗れるように観光しましょう。 -
広兼家住宅の案内。銅山とベンガラ製造で栄えた広兼家。
この館は1810年に建てられたもの。 -
イチオシ
最後のアプローチ。
広兼邸 名所・史跡
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門を入ったところ。
門の上にも部屋がありますね。 -
不寝番部屋とのこと。いかにも金持ちという家だから、襲撃される危険もあったのでしょうね。
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玄関。
広兼邸は中には入れず、建物の外から見学するスタイルです。 -
玄関の左手は店の間。
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玄関右手は客間。
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客間の角を曲がると庭に面していて、そこに水琴窟がありました。
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その奥が主人の居室で、寝室、居間と続いています。
ちゃぶ台もベンガラ塗りでしょうか。
居間は店の間の裏手にあたります。 -
庭側から見た客間。右のほうに水琴窟が見えます。
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さらに右手が主人居室となります。
奥の建物は土蔵。 -
庭をはさんだ反対側には茶室。
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そして大きな離れ座敷。
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離れの裏には土蔵が建っていて、収蔵品が展示されていました。
輪島塗。この赤色もベンガラなんですね。 -
美しい赤色の小袖も。
ベンガラは日光による褪色がなく、繊維を紫外線から守ってくれる役割も果たすそうです。 -
離れから庭を通って、玄関方向に戻ります。
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塀越しに見た風景。
向かい側の山の上にある神社は、広兼家個人のものなのだとか。 -
玄関から左手へ。
使用人浴室。広々としています。 -
門の並びにある長屋。
手前は下男部屋と床の間もある番頭部屋。 -
長屋の裏側。番頭部屋よりも奥の部分です。
手前から下女部屋、厩、厠、農作業場。 -
下女部屋。窓も小さくてすぐとなりが厩というのは、なかなか厳しい環境。
それでも畳敷きなのはお金持ちの証拠ですね。 -
母屋の方にもどって、水くみ場。
水神さまが祀られていました。 -
イチオシ
台所風景。かなり広いです。
かまどのある土間のほか、右手奥に別途「料理場」がありました。 -
左手には精米所。
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奥には漬物置場。ブレブレ写真ですみません。
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囲炉裏のある板の間は、居間に続いています。
その右側は店の間になります。 -
台所にあった神棚。
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そうそう。広兼邸が有名になったのは、映画「八つ墓村」のロケ地として使われたから。
八つ墓村のポスターが貼ってありました。 -
広兼邸の説明。
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楼門を出て、駐車場方向に戻ります。
右側が下男部屋などのある長屋。 -
振り返ってみました。
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石垣の下から見ると、まさにお城。
不寝番部屋のある門が見えています。 -
長屋と楼門。その奥に母屋と、右手に離れが見えています。
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庭木の手入れもしっかりされていますね。
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駐車場からもう一度見上げてみました。
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ここには中野直売所があります。
野菜や果物(この時期はぶどう)、唐辛子などを売っていました。 -
グリーンスローモビリティがやってきました。
ちょうどいい感じ。
ひとつだけ罠があるとすれば、ここで下りずにそのまま乗っていく方がいらっしゃること。無料なので、アトラクションとして乗っているのでしょうか。
帰りはほぼ下りなので、徒歩でもなんとか吹屋の街まで戻ることも可能ですが・・・ 今回はラッキーにも乗ることができました。一気に街なかまで戻ります。
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