2023/10/28 - 2023/11/03
17位(同エリア168件中)
Decoさん
この旅行記のスケジュール
2023/10/28
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三井化学専用鉄道(三池炭鉱専用鉄道旭町支線跡:正確には本線跡)
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三池炭鉱末広社宅跡(社宅以前は私立三井小学校がありました)
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黒橋
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この旅行記スケジュールを元に
今回の旅行記では「三池炭鉱専用鉄道敷跡をゆく」シリーズの第1回(旭町支線)と、第3回(宮原坑~万田坑)の間を歩きます。
この区間は一部世界遺産に認定されているものの、それ以外の部分はコンビナート内にあり、中をうかがい知ることはできません。それ故その近くの公道などを歩きました。炭鉱鉄道跡の中でも観光地として認知されていない区間です。
また、2023年11月3日に行われた宮原坑フェスタの様子や、近くの宮原浄水場(元は炭鉱の浄水場)の周囲も歩きました。
(2024/03/16)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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まず初めに全盛期の三池炭鉱専用鉄道の概略図から。
今回歩いたのは宮原坑付近、赤で囲んだあたりです。 -
【三池炭鉱専用鉄道旭町支線(=三井化学専用鉄道)跡】
始まりは2023年10月28日、三池炭鉱専用鉄道敷跡、旭町支線(三井化学専用鉄道)の跡からです。
このあたりからJR鹿児島本線に接続していた路線です。三池炭鉱閉山(1997年)後も、三井化学専用鉄道として2020年5月まで運行していましたが、昨年末頃線路が撤去され、今は草ぼうぼうになっています。
*旭町支線は正式には宮浦駅(この少し北にありました)からJR接続点を経て仮屋橋操作場までです。この場所は本線跡ということになりますが、三井化学専用鉄道として運行していた区間に含まれます。 -
こちらの写真は2022年10月末のもの。その後レールが撤去されたようで、今では草に覆われてしまいました。
*旭町支線(三井化学専用鉄道)を取り上げた旅行記はこちら↓
https://4travel.jp/travelogue/11727060 -
道路を挟んでその反対側(南側)は内野建設工業という会社の敷地になっています。
この左端あたりに炭鉱鉄道の線路があったと思われますが、今は撤去されて建物などがあるようです。 -
内野建設工業の東端。コンクリートの柵から左側は三井化学の敷地になります。
炭鉱鉄道は、おそらくの柵の右側(西側)を通っていたと思われます。
この先には七浦坑の跡があるはずです。この七浦坑から宮浦坑(宮浦石炭記念公園)を経て、初期の石炭積出港である大牟田港に隣接する三池浜駅までが、炭鉱鉄道で最初に敷かれた区間です(1891=明治24年) -
内野建設工業の右側(西側)には大牟田川が流れています。川沿いの道路を南へ進みます。
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道を進むと、大牟田川。川の左側(東側)は三井化学の土地になります。川沿いは木々に覆われ、中はよく見えません。恐らく、この木々のすぐ側を炭鉱鉄道が通っていたと思われます。
緑が多く小鳥がさえずり、工場のすぐ近くとは思えない雰囲気です。 -
木立の中からは工場がかすかに見えています。
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道を進むと正面には三成化学という会社があります。
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道路はその右側を迂回するようにカーブして上がっていきます。
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その先は坂道を上がり、三成化学の先は鬱蒼とした木々に覆われた小高い丘になっています。
ここには閉山以前は三池炭鉱の末広社宅がありました。社宅が建設される前は、私立三井小学校(炭鉱で働く人々の子弟が通学する小学校)があったそうです。この小学校は後に大牟田市立七浦小学校になり、さらに移転して笹原小学校、学校の統廃合を経て、現在は天の原小学校になっています(天の原小学校は、映画「向田理髪店」のロケ地にもなりました)。
末広社宅はこの丘の一番奥の部分にあったのですが、その手前は広場になっていました。小学校時代の名残だったのかも知れません。
幼い日のDecoはこの近くに親戚が住んでいて、遊びに来て、この広場で近所の子供たちと遊んだことがあります。当時はたくさんの子供がいました。
この写真の左側は崖になっており、その下には炭鉱鉄道が走っていました。また恐らく七浦坑跡(コンビナート内にあり見学できない)もすぐ近くにあるはです。もしかしたら、私はこのとき線路を見ていたのかも知れません。
元気のよい子は崖を降りて線路の方まで行って遊んでいましたが、引っ込み思案だった私はそこまで思い切ることができませんでした。
1984年頃、末広社宅を訪れたことがあります。当時は東京に住んでいて、帰省して子供の頃遊んだことを思い出したのです。その頃は空家があったものの、まだ社宅はありました。
そして2012年頃、最後に訪れたときは空地となっていましたが、まだ木々はそれほど広がっておらず、このときならまだ線路跡や七浦坑跡も見えたかも知れません。
*ある方から、近くの上官小学校に通っていた友人は、炭鉱鉄道に乗り三池港まで行って釣りを楽しんでいたと聞きました。大らかな時代でしたね。 -
こちらは大牟田市石炭産業科学館の特別展で撮影した七浦坑の写真です(撮影掲載は特に問題ないとのことでした)。
七浦坑は明治16(1883)年に操業を開始、昭和6年に閉坑しています。
三井に払い下げられる前の官営時代に開削され、三池炭鉱初期の主力坑でした。
この頃は囚人労働が炭鉱を支えており、七浦坑は一時期は囚人のみで採炭されていたそうです。福岡県・熊本県・長崎県(後に佐賀県)、そして三池集治監からも囚人が使役されました。
巻揚げ機室や関連施設が残っているそうですが、今はどうなっているかわかりません(グーグルマップからも消えてしまいました)。
*「大牟田・荒尾 炭鉱のまちファンクラブ」のホームページの下記のページに詳細が載っています。
http://www.omuta-arao.net/history/tanko/nanaura.html -
【旧早鐘踏切】
狭い道を進み、何度か角を曲がったりして県道大牟田植木線へ出ると…宮原坑方面への三池炭鉱専用鉄道敷跡が現れます。ここから先は世界遺産の区間となります。
この手前で県道と交差していたので、早鐘踏切がありました。三池炭鉱専用鉄道敷跡 名所・史跡
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世界遺産認定区間を歩く前に…世界遺産の看板から道路の反対側を振り返ると炭鉱鉄道の跡。
先ほどのコンビナートの中を通っていた線路は、七浦坑の跡を経てここに出てきました。 -
【七浦坑跡~宮浦石炭記念公園方面への線路跡】
道路の反対側(北側)にも鉄道敷跡が見えるので行ってみます。
かつては七浦坑、宮浦坑を経て大牟田川沿いの大牟田港(三池港ができるまでの積出港)まで線路が延びていました。
また、宮浦坑からは国鉄(JR)への連絡線である旭町支線も分岐していました。 -
古いパイプラインが見えます。
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その先に柵がみえます。
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イチオシ
柵の間から撮影しました。
この先には大浦坑に次いで明治初期に開坑した七浦坑の跡があるはず…。
この七浦坑と宮原坑の間の区間は、1897(明治30)年に延伸されました。
ただ、当時は直通ではなく、先に延伸していた勝立線(1894=明治27年、勝立坑からの石炭を輸送していた)にいったん入り、その途中(逆瀬川という場所)からスイッチバックしていました。後、明治30年頃には七浦~宮原の直通線路が敷設されているようです。 -
ちなみに、鉄道跡の右側(東側)にはお寺があり、その右側には早鐘眼鏡橋があります。三池藩が治水のために築いた水道橋です。
早鐘眼鏡橋 名所・史跡
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炭鉱電車の線路跡に戻ります。宮原坑まで700メートル。
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線路跡を進みます。
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振り返って見ます。正面に県道があり、その先に末広社宅跡(三井小学校跡地)の丘。
左手にちらっと見える建物は病院です。 -
東側の道路から撮影した線路跡。近所のお寺の納骨堂が見えます。
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前方に橋が見えてきました。
炭鉱鉄道は、機関車が石炭を大量に輸送するので、できるだけ平坦な軌道にしたようで、ここは切通にして線路が敷かれたようです。また別の場所には土を持って嵩上げして線路を敷いています。 -
【黒橋】
橋の下に到達、撮影しました。
この橋は鉄道のレールなどを使用しています。 -
道路に上がり、黒橋を撮影。以前は自動車も通れたようですが、現在は歩行者や二輪車のみ通行可。
*黒橋の下からは道路に上がることはできません。もう少し南側(宮原坑側)の踏切跡付近から行くことになります。 -
イチオシ
側面から撮影。昔、私も自動車で通ったのことがあるのですが、今から見たら冷や汗ものでした。
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黒橋から見た県道側(北側)方向。
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こちらは宮原坑方面(南側)。
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踏切跡付近にきました。
ここまでは左右が切通になっていましたが、このあたりで土地が低くなっており、道路からの出入り口にもなっています。このあたりに飲料の自販機もありました。 -
踏切跡には線路が残っています。
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三池炭鉱専用鉄道敷跡と、電気機関車についての説明。
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少し進むと宮原坑が見えてきます。
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線路跡…幾星霜の年月を経て…
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宮原坑に着きました。
*ここまでが10月28日に歩いた部分です。宮原坑(世界遺産) 名所・史跡
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日を替えて11月3日文化の日、ここ宮原坑でフェスタが催されます。
昨年は耐震工事特別公開が行われましたが、今年は工事も終了しています。
*昨年の記録はこちら↓
世界遺産・三池炭鉱 宮原坑 耐震工事特別公開 https://4travel.jp/travelogue/11789081 -
フェスタは10時からですが、9時半に到着。準備が行われています。
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この時間に訪れたのは、先日ガイドの方から、文化の日には諏訪川橋梁の見学が催され、橋を渡ることができるということだったのです。
(「三池炭鉱専用鉄道敷跡をゆく(3) 宮原坑から万田坑へ」 https://4travel.jp/travelogue/11866676)
…しかし、なんと見学ツアーは9時集合だったとのこと(先日訪れたときに、ガイドの方が何度もツアー担当の方に電話を入れてくださったのですが、つながらず、このときは詳細は不明でした)。
フェスタが10時からだから9時半なら間に合うだろうと思っていましたが、残念! -
とにかく諏訪川橋梁まで行こうと線路跡に降りますが、ガイドの方が近くまで来られて、見学会担当の方と連絡が取れたが、もう終了していて、橋も渡れないとのこと知らせてくださいました。
残念ですが、何度も連絡を入れてくださったガイドの方の親切さ、熱心さに感謝です。
また、いつか渡るぞ~(*^^)v -
ダメモトで橋脚まで行ってみましたが、やっぱりダメでした(笑)
でも、短い距離だし、切通や高台を歩くコースで、お散歩にも良い道です。
写真は諏訪川橋梁手前から万田坑方面。ズームで撮影したので近くに見えます。 -
イチオシ
10時くらいに、宮原坑へ戻ってきました。
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プログラムと案内マップです。
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始まったばかりですが、既に多くの人で賑わっています。
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11月とはいえ日差しも強く、炭都アイスクリーム(だったと思います)を購入。
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美味しくいただきました。
このときまだ10時15分頃だったと思いますが、アイスクリームを食べてなぜかさらに食欲が出てきました。 -
飲食ブースへ。
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お好み焼き(豚バラ焼)を購入。
昨年は昼時に買いに行ったら、長蛇の列であきらめたので、今年は早めに購入します。 -
世界遺産でいただくお好み焼き。美味しくいただきました。
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体験ブースを見ていると…「近代化遺産を活用したまちづくり協議会」のコーナーが。
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近寄ってみると、ポロシャツなどを販売。
通常よりもだいぶ安くしているとのこと。
Decoも2021年のバージョン(背に宮原坑が入ったデザイン)を購入。
ただし、このデザインは人気があるらしくて、ちょっと大きめ3Lになりました…でも、暑い夏にたっぷりふんわり着こなそうと思います。
これにて宮原坑を後にしますが…。 -
【三池合成工業青葉社宅跡】
宮原坑フェスタを後にして、近くの宮原浄水場に行ってみます。
途中、真新しい住宅街の広い道を通ります。ニュータウン風の風景ですが、ここはかつては三池合成工業(その後合併して現在は三井化学の一部)という石炭から石油を造る会社の社宅があった所です。中央の広い道は再舗装されているようですが、かつての社宅の道幅と同じではないかと思えます。
この近くにも昔Decoの親戚が住んでいて、幼い頃何度となく通った道ですが、今歩いてみると、意外にも短い道のり。子供の頃はもっと長く感じたものです。 -
【宮原浄水場】
宮原浄水場の入口前に来ました。かつては三井鉱山(炭鉱)の社宅や、一般家庭にも水を供給していたそうです。
現在は(株)フレッシュウォーター三池という会社になっています。炭鉱の社宅はなくなり、他の三井系の企業の社宅もほとんど見られなくなりましたが、現在も浄水場は稼働しています。
宮原坑などと同じく、長い年月を経て来た施設、三池炭鉱とも深い関わりがあった施設です。 -
浄水場の東側に回り込んで撮影。
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浄水場の東側の道を南へ進んで撮影。広い敷地です。
宮原坑は正面の小山の向こう側になります。 -
不思議な風景です。
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浄水場の南側は一般の住宅街などになっていますが、その中から浄水場脇の小道(?)に入ります。歴史のある施設なので、古いヤツレ物件も見えます。
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左は住宅街、右は浄水場、その間に太いパイプ…不思議な風景です。
この先を進んでみますが、一般家庭の私有地を通らないと公道に出られないようなので、引き返します。 -
イチオシ
ちょっと回り道をして浄水場の西側へ。
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さらに下ると、入口がありました。門の外側から撮影。
宮原浄水場、子供の頃には不思議な場所に思えてなりませんでした。大人になって周囲を一周してみて、やっぱり異世界に来たような、昔の工場のような、不思議な風景の場所でした。 -
【椎山食料品店】
最後に訪れるのは、宮原坑や宮原浄水場から車で5分とかからない場所。勝立地区の椎山食料品店です。
映画「向田理髪店」でも主人公が歩くシーンで登場した商店(八百屋さん)です。
本日はお買い物。みかんが安かったので購入しました。お店の方と少しお話しましたが、もう随分長いこと営業されているそうです。昔の炭鉱の社宅の写真にも写っていますから。
この並びはかつては炭鉱の社宅の人々が主な顧客としていた商店が並んでいましたが、今は椎山食料品店とお隣の堤茶舗のみが営業しているようです。椎山食料品店にしても、商店街の端だから今日まで営業できたと思う、とのことでした。
世界遺産にもなった三池炭鉱ですが、この椎山食料品店も炭鉱で働いた人々と深く長い関わりがあったお店です。
みかんがかなり安くてくて購入。ちょっと聞いてみたら、儲けるというより、生活の一部として店を開けている、というようなことを話されました。
店も、そろそろ終えても良いと考えていらっしゃるようでしたが…長い歴史の中でこの地区を見て来たお店。できるだけ長く続けていただきたいものです。 -
最後の写真は、フェスタで購入したポロシャツのプリント部分。
この宮原坑のデザインに心魅かれました。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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