2022/12/28 - 2023/01/08
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RiEさん
旅行8日目、前編。
1月4日から仕事始めの人も多いだろうと予想して宮島観光は広島市滞在の終盤にしたけど、もともと人気観光地なのでそんなことは関係ないらしく、宮島行きフェリー乗り場から大行列が続いていた。
“厳島神社”の歴史は古く、今から1400年以上前の推古天皇時代に創建されたと伝えられており、海上運行・運輸の守り神として宮島の霊峰弥山と共に信仰されてきた。
フェリーから最初に姿が確認できる厳島神社の顔ともいえる重要文化財:大鳥居は、最古の記録がある1168年の平清盛造営が最初と言われており、現在の大鳥居は1875年に建立されたもので数えて9代目で本柱は1本のクスノキを使用している。
長年の海水浸水やシロアリの被害により劣化が進み、3年半にわたる令和の大改修が行われていたけど、ちょうど今月(2022年12月)に大鳥居修理工事が完了して鮮やかな朱色が蘇った絶好のタイミングで訪れることができた。
神の住む島といわれる宮島に建つ厳島神社は入り海のなかに木造建築の社殿が建ち、中央の本殿から左右に伸びる海の上の回廊の長さは259mあり、まるで海に浮かんでいるような美しさが人々の心を強く引き付ける。
現在の厳島神社の原型となる社殿群が造営されたのは平安時代後期で、平安貴族の住宅様式である寝殿造りを基礎とした荘厳で麗しい建築美の社殿構成は、拝殿・祓殿が1223年に火災により焼失してしまったものの1241年の造営時に再建され、ちなみに本殿は1569年におきた流血事件で汚されたとして、 1571年に毛利輝元により再建されている。
実際に訪れるまでは鹿が多く住む島に海に浮かぶように建つ世界遺産の神社というフワッとしたイメージしかなかったけど、荘厳で麗しい社殿の背後に構える山岳信仰の対象でもあった弥山と、人間がコントロールできない潮の満ち引きとの調和に配慮した見事な世界観を肌で感じた。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 船 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この旅行中1番の冷え込みを感じる朝だったけど、風がなく今日も晴れている広島。
電停:胡町から9:20発の広電宮島口行きに乗りこんだら、車内エアコンが効いておらずとても寒かった。広島電鉄宮島線 乗り物
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10:27に電停:宮島口で下車。
広電宮島口駅 駅
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実際に行くルートを調べるまで宮島へは橋など陸路で繋がっていると思っていたけど、宮島に渡る方法はフェリー以外の手段がない。
宮島口と宮島を結ぶフェリーはJR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船の2社が運航していて、フェリーターミナルに向かうとこの看板があるので左右に分かれて乗船する。
運行時間・乗船料・Suicaなど利用できる点は同じだけど、JR西日本宮島フェリーは宮島口発9:10-16:10の便は少し大周りして厳島神社の大鳥居の近くを通過する大鳥居便ルートを運航するからフェリーから大鳥居が見たい人にピッタリで、松大汽船はロープウェーとのセット割りがあるので利用予定があるならオススメ。 -
今回は右手のJR西日本宮島フェリーに向かって歩いて行くと既に長蛇の列が出来ていて、10-15分間隔で運行してるにもかかわらずこの混雑ぶりに驚いた。
宮島フェリー 乗り物
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車ごと乗船できるサイズのフェリーが着岸すると最初に車両が、続いて人間が乗船していくけど2階と3階にある座席はあっという間に埋まってしまった。
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約10分の船旅。
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しばらくすると、令和の大修理が行われていた今月に工事完了したばかりの大鳥居が見えてきた。
実際は逆光なので肉眼でもカメラでも厳しいけど、後光を浴びているような神々しさがあった。厳島神社 寺・神社・教会
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大鳥居のそばを通過してくれるルートだからじっくり鑑賞する。
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宮島の桟橋が見えてきた。
宮島フェリー 乗り物
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下船はスムーズだけど、ターミナルに向かう通路で渋滞が発生。
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その理由は、乗船運賃をこのフェリーターミナルの建物を通過するときに払うから。
逆に宮島から乗船する時は乗船前に支払うことになる。 -
宮島フェリーターミナルの正面には国旗が掲げられていて、広島ではあまり感じられずにいた正月感があった。
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フェリーターミナルを出て人の流れについて行くと鹿が出迎えてくれたけど、奈良の鹿みたいにグィグイ来ないのは鹿せんべいみたいな鹿用餌販売が無いせいかも。
宮島では鹿に餌やりすることを禁じていて、鹿は人間が食べ物を与えてくれると思っていないから付きまとわないし、愛嬌がある若い鹿は撫でたり記念撮影に応じているけど、それ以外は鹿同士固まってとても大人しかった。 -
1本奥は表参道商店街(清盛通り)でそっちに流れていく人も多いけど混みそうだから、私は海沿いの巨大な石塔楼脇にある1人分幅の狭い通路を進むことに。
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未舗装だけど整備されている道を歩いて行くと…
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ポツポツ飲食屋台が出店していて人も増えてきた。
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島にこれだけの数の鹿がいることが気になって調べたところ、宮島の鹿は人間が連れてきたのではなく元々島に生息しており、奈良の鹿よりも歴史が古く、厳島神社創建前からすでに生息していたのだそう。
ちなみに鹿は泳ぐのが得意で何kmでも遊泳できるため、泳ぎ着いた鹿が安全な宮島を住処とし繁殖したことから、人慣れし過ぎて野生としての本能を失わせないよう餌やりを禁止している。 -
宮島から観た大鳥居はどっしりした構えに威厳を感じさせ、塗り替えられたばかりの鮮やかな朱色が美しかった。
重要文化財である大鳥居は、最古の記録がある1168年の平清盛造営が最初と言われており、現在の大鳥居は1875年に建立されたもので数えて9代目で本柱は1本のクスノキを使用している。
柱の根元は満潮時に海水に浸かることやシロアリの被害により劣化が進み、3年半にわたる令和の大改修が行われていたけど、ちょうど先月(2022年12月)に大鳥居修理工事が完了して絶好のタイミングで訪れることができた。厳島神社 寺・神社・教会
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少し引いた構図で見ると、宮島口のある本土までかなり近いことがわかる。
まだ潮が引いていないので周辺が海に浸かっているけど、干潮になれば石段を下りて砂地を歩くことができる。 -
ぐるっと見渡してみてもまだ時間が掛かるようなので先に参拝することに。
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両手に玉を添えて上体を持ち上げる尾上がりの狛犬を横切る。
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厳島寺神社を参拝するには昇殿初穂料の大人1人:300円が必要で大行列ができていた。
本日の潮汐時刻が載っているのでチェックしておくと良いかも。 -
【東廻廊入口】
現在の入場口は東回廊から入って西廻廊に出る仕組みだけど、東廻廊入口が切妻造りで、西廻廊入口が唐破風造りなことから、かつては大願寺のある西側が入口だったと推測される。
東廻廊を進んですぐの左手には客神社があり、本殿・幣殿・拝殿・祓殿とあるのも御本社と同じだけど、回廊からでは寝殿造りのような外観がわからない。 -
東廻廊から本社本殿が見えたので、後で平舞台から眺めることにした。
厳島神社の摂社の中でも最大規模の客神社は、厳島神社の祭事のとき1番先に神職が参拝する神社で、ここには天忍穂耳命・活津彦根命・天穂日命・天津彦根命・熊野櫞樟日命の5男神が祀られている。 -
東廻廊は47間(1間=2.4m)・西廻廊は61間あり廻廊の幅は4m、1間ごとに釣灯籠が下げられていた。
廻廊の床板は1間につき8枚敷いてあり釘は未使用で、板と板の間はわざと少し開けてあって台風や高潮に遭遇したとき力を逃がすスリット構造が採用されている。
以前は靴を脱いで参拝する必要があったけど、現在は床が2枚重ねになっていて本来の床板は下にあり、上には養生板を敷いて保護しているため土足で参拝可能になった。 -
東廻廊の奥に見える幕が張ってある建物は右楽房で、対になるよう左楽房もあり、どちらも舞楽のある時に楽を奏する場所を指し、舞楽は平清盛によって四天王寺から約820年前に伝えられた。
満州・朝鮮半島から伝わったものは右舞と呼ばれており舞うときには右楽房で奏し、インド・唐から伝わったものは左舞と呼ばれて舞うときは左楽房で奏する。 -
【枡形】
右端に見える客神社の祓殿と左に見える東廻廊で囲まれたところを枡形といい、大鳥居から川筋が流れるかのように潮が引いて行く様子がよく見えた。 -
舞台にいる狛犬は江戸時代に寄進されたものだそうで、尻尾が九尾狐みたいにうねっていて初めて見るタイプだった。
この辺りは潮が引いていたお陰で投げられた小銭が姿を現し、キラキラ光っていた。 -
厳島神社社殿から約160mの海上に建てられた大鳥居は高さ16.6m・棟の長さ24.2m・主柱周囲9.9m・総重量60トンとされ、木造鳥居としては日本最大サイズを誇る。
鳥居の根元は海中にただ置かれているだけで、地面を固めるためそれぞれの柱下に松の杭を打ち込む工法:千本杭を採用することにより大鳥居の安定性を高められている。 -
平舞台から迫り出した先端部分である火焼前で、青銅製灯篭と大鳥居をバックに記念撮影したい人の行列に圧倒されていたら…
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行列に並びたくない人は左右に建っている青銅製灯篭横で、賢くササッと記念撮影していた。
まぁ確かにスマホで自撮りするなら、この位置でも全然平気かも。 -
【平舞台】と【高舞台】
平舞台は神様が眺め神様に奉納することを意識してつくられた場所。
高舞台は神様に奉納される舞楽を舞うための舞台で平舞台から1段高くなっていて、現在でも年10回ほど十数曲の舞楽が舞われている。 -
【御本社】【拝殿】【祓殿】
厳島神社御本殿に奉られている宗像三女神はその昔、政治経済の中心が九州から大和地方へと移行するのに従って、福岡県北部筑紫の国からはるばると宮島の地に移ったそうで、市杵島姫命(弁財天と習合した神様)・田心姫命(大国主の妻)・湍津姫命(田心姫命同様に大国主の妻)の3柱姉妹神。
御本殿では30柱の神様が相殿していて正面8間・背面9間・梁間4間の広さがあり、床面積は出雲大社の2倍の大きさだそう。 -
かつては宮島自体が神聖視され神の住む島として禁足地だったこともあり、社殿を創建した平清盛は島の上に神社を建てるのは恐れ多いと考え、海に浮くユニークな社殿を建築したと考えられている。
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【天神社】
1556年に創建された神社で学問の神である藤原道真を祀っており、親子で陶晴賢を厳島の戦いで滅ぼした翌年に毛利隆元によって寄進された。
明治時代の初めまでは連歌堂と呼ばれていて、毎月連歌の会が催されていた。 -
【反橋】
西廻廊へと渡る橋で、別名:勅使橋とも呼ばれているのは天皇からの使者だけがこの橋を渡ることができたことに由来する。
長さ約24m・幅4m・高欄は丹塗りされているけど橋脚は墨塗りなので華やかな印象だった。
現在のものは1557年に毛利元就・隆元父子により再建されたもの。 -
【能舞台】
日本で唯一海中に建てられている妻造りの能舞台で、床下に共鳴のために置かれている甕がないため、床下の根太(床板を支えるため床下に渡す横木)が三角形で、その上に床板を張ることで音が大きく響くように工夫されている。
能舞台の後方には橋掛と呼ばれる廊下があり、能舞台と能楽屋を結んでいる。 -
西廻廊が終わり、唐破風造りをした出口を出たすぐ先には…
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真言宗の“亀居山放光院大願寺”が隣接していて、五色幕が風で揺らめいていた。
亀居山とは、千畳閣・五重塔がある塔の岡一帯の海に突き出たところを指し、空から観ると亀の姿に似ているところから名が付いたそうで、開基は不明だけど、1201年-1203年に武蔵国出身の浄土宗の僧である僧了海が再興したと伝えられている。
大願寺 寺・神社・教会
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境内を明確に示すような柵や壁などはなく開放的な造りをしている。
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大願寺の護摩堂は明治初頭の神仏分離令によって損失後、長らく再建されないまま放置されていたけど2006年に復活した。
建物は天井部は吹き抜け構造になっており、高さ4mもある巨大な不動明王坐像が安置されていた。 -
横に長く広がるこちらの建物が大願寺の本堂で部屋数が17もあり、客殿・仏殿・庫裡・方丈が混在した珍しい造りをしていて、明治維新までは厳島神社で祀っていた秘仏:厳島弁財天を御本尊としている。
大願寺は明治の神仏分離令までは厳島神社の普請奉行として寺院の修理・造営を一手に担い、千畳閣・五重塔・多宝塔などから形成される厳島伽藍の中心的な役割を果たしていた。 -
厳島龍神と呼ばれる龍神を祭祀する神社は大きな石と水掘りに囲まれていて、石の参道で渡れるようになっていて、一説によると龍神は弁天の化身・眷属であったという説もある。
この後は標高530mの弥山の麓にあり、観音堂や摩尼殿などの伽藍が建ち並んでいて見どころが多い“大聖院”へ。
続きは10へ。
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