2023/02/10 - 2023/02/10
432位(同エリア1217件中)
kojikojiさん
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秋田2日目です。早朝に窓を開けると東の空が薄く赤く染まって、大平山などの山々がきれいに浮かび上がっていいます。その手前には雲海が広がり、雪を乗せた家並みが続いています。まだこんな風景が残っているのだなと思います。朝食は最上階の「空桜SORA」でした。このホテルは元々ビューホテルだったのは調べていたのであまり期待していませんでしたが、いい方向に裏切られました。パンは店内の釜で焼かれているのが見えます。オープンキッチンではシェフが料理を調理しているのも見え、エッグステーションではお好みのオムレツが作ってもらえます。眺めの良いガラス張りの店内からは秋田市の北側の雪を被った山々が見渡せます。地産の食材が使われ、稲庭うどんやきりたんぽ汁、見ているのも楽しいです。天気は良く食事後に表に出てもさほど寒くありません。まずはホテルからすぐ近くの「秋田県立美術館」に向かいます。ここは安藤忠雄の設計した建築で知られるところで、展示室以外は写真を撮ることが出来ました。エントランスの階段ホールの空間と2階のカフェの切り取られた窓から眺める水庭と千秋公園ががきれいでした。展示物では「平野政吉コレクション」がメインで、藤田嗣治(レオナール・フジタ)作品を多く収蔵しています。その中でも「秋田の行事」が素晴らしかったです。その中の「かまくら」の情景と「梵天(ぼんでん)」が神社に奉納される情景は5歳の時に旅した記憶と重なって、一緒に行った父や自分の姿を探してしまいそうな気分でした。ほかにも素晴らしい作品があり、「町芸人」の雰囲気はパリのプチ・パレにあるフェルナン・ペレーズの「軽業師」という作品に被って見え、気分はフランスの美術館に来たようです。思っていた何倍も素晴らしい美術館でした。正直今までなんで来なかったのだろうと思います。そんな美術館はまだ日本に数多く残っているので、今後丁寧に見学していこうと思います。お昼はホテルに隣接する秋田西武の近くある「佐藤養助秋田店」で稲庭うどんをいただきました。朝ごはんをガッツリ食べて数時間なので、あまり空腹ではなくてシンプルな「二味せいろ」にしましたが2種類のつけダレで食べ比べが出来て美味しかったです。午後は秋田駅の東口まで行き、2時30分集合のバスで「冬の風物詩!上桧木内の紙風船上げ」という読売旅行のツアーに参加します。バスはほぼ満席で、一度角館方面に向かいます。秋田市内を出たところから周囲は真冬の風景に変わり、雪も舞ってきました。車内で秋田県のクーポン2,000円づつがいただけ、さらに2,000円づつの県内観光客クーポンまでいただけます。これは立ち寄った「安藤醸造北浦本館」という醤油や味噌を醸造する会社の店で使うことが出来ました。それでも半分は余ってしまい、夜に行った飲食店で使うことにします。さらに旅行会社から醤油ソフトクリームのサービスがあり、これが何とも言えない甘しょっぱさで美味しかったです。バスはさらに北上して、午後5時前に上桧木内に到着しました。ここで午後8時30分まで自由時間になります。風船上げの開場はすぐ近くなので、寒い場合などはバスに戻ったりできるので便利でした。完全防寒の上に、持って行ったポンチョがとても役に立ちました。気温が高くて湿った雪が降っていたので、これが無ければびしょ濡れだったのではないかと思います。会場内はどこへでも行けるので風船を膨らますところや上げるところも間近で見ることが出来ます。この祭りのことは以前にNHKの番組で見たことがあり、記憶していていましたが、まさかここまで観に来ることが出来るとは思いませんでした。コロナ禍ということで3年ぶりの開催だったようですが、観光客相手というよりは地域の方の祭りという感じでとても良かったです。屋台やキッチンカーもいくつか出ていましたが、一番良かったのは地元の西木町の大きな栗を焼いたものです。西木は漢字を縦に繋げると分かる通り栗の名産地です。その大きな栗を圧力をかけて蒸し焼きにしたものはお手軽値段で、出来立ての熱々がいただけてとても美味しかったです。一緒にホットワインを飲むと高級なマロングラッセのようでした。観光客も願い事を書くことが出来、その風船をあげる時間になりました。近くにいた妻を探しましたが、トイレに行ったのか姿が見えません。こんな時に何やってんだ!と思いましたが、見逃してはいけないのでスマホで動画を撮りました。地元の友人の名前と願い事も書いていましたから。上げ終わると妻が戻ってきたので、どこへ行っていたのか尋ねると、地元の人に混ざって打ち上げをしていたということです。動画を確認すると確かに妻の姿もありました…。午後8時の花火を見ると祭りは終わり、そこから秋田市内に戻ります。真っ暗な道を走り、秋田駅東口にバスが着くと午後9時45分でした。そこから西口駅前にある「秋田番屋酒場」という店に入りました。ここも民芸風のインテリアの店で、小上がりで秋田の美味しい料理と地酒をたっぷりいただいて、ホテルに戻ったのは午後11時過ぎでした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス タクシー ANAグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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秋田の朝2日目は窓を開けると雪は降っていません。天気予報でも滞在中は天気がよさそうです。
秋田駅 駅
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秋田駅の東側には町が広がり、その先には山並みが広がり朝焼けの名残りが見えます。
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少し北側には大平山が見えます。日本酒の大平山はこの山から名前を取っています。
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朝食は最上階12Fの「スカイグリルブッフェレストラン空桜」です。あまり期待していなかったのですが、広々としたオープンキッチンの素敵なレストランです。
ダイニング万葉 ホテルメトロポリタン秋田店 グルメ・レストラン
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席に案内された後はどんな料理が並んでいるのか見てみます。1泊だけならあまり気にもしませんが、3泊するので和風と洋風と地元の食材を見ておきます。白米も「あきたこまち」と「めんこいな」の2種類があり、食べ比べが出来ます。
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せいろの中にはきりたんぽが蒸されていて、簡単にきりたんぽ汁が作れます。その横には稲庭うどんのコーナーもあります。
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洋食のコーナーでは奥のパン焼き窯に火が入り、出来立てのパンが並べられています。エッグステーションではオムレツが注文できます。
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前日はきりたんぽ汁と秋田の魚をいただいたので、朝ごはんは洋風にしてみました。それでもあきたこまちは外せませんし、味噌汁代わりにきりたんぽ汁をいただきます。
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アクリルの仕切りが邪魔ですが、眺めの良い窓側の席で楽しい食事をいただきました。
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このホテルのコーヒーマシンはカプチーノやカフェオレなども出来て美味しかったです。フルーツもよくある安いものではなく、リンゴのコンポートなどは自家製ではないかと思えます。ヨーグルトも濃厚です。
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2日目はお昼までが秋田市内の観光で、午後から日帰りツアーに参加します。ゆっくりホテルを出て「秋田県立美術館」に向かいます。
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雪道を歩いて10分ほどで到着しました。
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前日に秋田蕗の「蕗摺り」について知ったので、このデザインの意味が分かります。
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平成25年の2013年に新しく開館した「秋田県立美術館」は安藤忠雄の設計によるものです。コンクリート打放しの外観は雪深いこのような土地にそぐわない感じもします。
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コンクリートを打設するときの温度や湿度や天候により打放しの表情は変わり、自然素材の木材や石のように人間の作為が介入できない美しさが加わります。失敗は許されませんから、型枠を造るのは大変だと思います。
秋田県立美術館 美術館・博物館
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入り口の扉を入ると吹き抜けと階段のあるホールが現れます。三角形の組み合わせによるトップライトが印象的です。
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その三角形の空間に緩やかな螺旋階段が設けられています。この階段もコンクリートを打設してあり、埋め込まれた手摺りの支柱は美しく組み込まれています。
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昨年行った小淵沢の「清春芸術村」で見た「光の美術館」の中にある階段を思い出します。2011年の建物なので時期的にも同じタイミングの作品だと分かります。
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「平野政吉コレクション」をメインとした展示室は残念ながら撮影禁止でした。藤田嗣治(レオナール・フジタ)作品がこれほどまとまって収蔵されていることは知りませんでした。
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平野政吉は秋田の商人町で米穀商を営み、県内有数の資産家でもあった平野家の三代目でした。青年期から浮世絵や骨董、江戸期の絵画などに興味を持ち、生涯を賭けて美術品を蒐集しました。平野がはじめて藤田嗣治の作品を観たのは昭和4年の1929年の藤田の一時帰国時の個展でした。その後の昭和9年の1934年に東京の二科展の会場で平野と藤田は出会います。平野は昭和11年の1936年に藤田の妻のマドレーヌの急逝にともない、その鎮魂のために美術館の建設を構想します。
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大壁画の「秋田の行事」は縦3.65メートル、横幅は20.5メートルにも及ぶ大作であり、美術館のシンボル的な作品です。「秋田の全貌」をテーマに竿燈や太平山三吉神社の梵天祭り、かまくらや秋田犬による犬ぞりなど、秋田の祭りや民俗が描かれています。「世界のフジタに世界一の大壁画を」という平野の要望に基づき、所有する蔵をアトリエに改修し、約半年に渡る取材を重ねて制作されました。
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藤田はおよそ半年かけて秋田の風物を綿密に取材し、その時のスケッチも数多く展示されていました。そして一度筆を持つと15日間という超人的なスピードでこの対策を描き上げています。作品の左下に124時間で描いたと書かれてあります。
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右端は毎年5月に開催される日吉八幡神社の山王祭の情景が描かれています。若者が神輿を担いで町内を回り、平安を願います。境内には活気に満ちた露店が立ち並び、軽快な囃子の秋田音頭が聞こえてきそうです。金子國義や横尾忠則の作品を思い浮かべてしまいます。
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鳥居の見える場面はホテルの部屋から眺めた太平山の三吉神社の梵天(ぼんでん)奉納です。神霊が憑依したものとされる梵天を神社に奉納することで、五穀豊穣や家内安全、産業発展などを祈願する年始めの神事です。6歳の頃に父に連れられて横手の梵天祭りを観に行ったことが強烈に頭に浮かんできます。
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場所は横手の町ですが、通りに面した民家の2階から眺めた梵天はものすごい迫力でした。昭和42年当時実家の前に棲んでいたご家族のご主人が横手の出身で、山形蔵王にスキーへ行った帰りに横手に行き、その方の実家に数日泊めていただきました。現在では考えられないことですが、昭和の中頃はそんな時代だったのかもしれません。
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川を渡った梵天は旭岡山神社へ奉納に向かいますが、本殿を目がけて梵天が勢いよく突っ込み、さらに激しくもみ合う姿は66年経っても忘れることはありません。
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画面の中央辺りに最もダイナミックに描かれたのは、秋田の祭礼で一番有名な竿燈まつりと七夕祭です。十字に縛った大竿に提灯を吊るし、稲穂や米俵に見立て、その竿を肩や額に載せながら練り歩きます。
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前日に伝承館で小さいながらも竿燈体験をしたので、しなった竹のバランスなど体で感じることが出来ます。今年の夏はこの竿燈を実際に見ることが出来ると思うとワクワクしてきます。
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竿燈の左に描かれた橋は今でも市内に残る香炉木橋(こおろぎばし)です。旧街道上に架かるこの橋の先には古四王神社があり、ここは元々神社を参詣する人々が通った参道です。賑やかな祝祭の光景と対を成すように、画面の左側を占めるのは秋田の静かな暮らしの様子で、静と動の違いを感じます。
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橋の左は再び季節も変わり、冬の情景になります。そこにはかまくらと橇を押す子供の姿が描かれています。自分の過去の記憶が重なり、この橋は現世とあの世を渡しているのではないかと思えました。
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「はいってたんせ(かまくらに入ってください)」「おがんでたんせ(水神様をおがんでください)」といいながら、あまえこ(甘酒)やおもちをふるまいます。子供たちは中で炬燵にあたって、お小遣いを稼いでいたのだと思います。半纏を着てその中に座っていたことも懐かしい思い出です。
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この姿は絵の中から抜け出てきたようです。自分がモデルになっているのではないかと思うほどです。
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そう思ってしまうと画中に亡くなった父がいるのではないかと1人1人の顔を見入ってしまいます。山田太一の小説に「異人たちとの夏」という作品があり、映画化もされています。その映画を思い出したのは前の晩にすき焼きを食べたからでしょうか。
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妻は次の展示室へ移ってしまいましたが、この作品の前からなかなか離れることが出来ませんでした。
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2階には喫茶スペースもあり、水庭越しに千秋公園の美しい風景を楽しむことが出来ます。この時期水庭は半分が雪に覆われていました。
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支柱のない窓から眺める千秋公園に建つ「あきた芸術劇場ミルハス」の姿も美しく、予定にはありませんでしたが、行ってみようと思いました。
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美術館の見学を終えてしまうと午前中の予定は特になく、近隣のお土産物屋を歩いてみることにします。
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「食器のさかいだ」は事前に調べていて、稲庭吉左衛門の稲庭干饂飩が手に入るかと思いましたが売り切れ中でした。八橋人形も並んでいましたが、良いと思うのは古いもので非売品でした。
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店内に飾ってあったポスターは「大人の休日倶楽部」の古いものでした。地中海世界を旅しているとローマ皇帝のハドリアヌスの足跡に出会うことがありますが、日本を旅していると吉永小百合に行き当ってしまいます。
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「大人になったらしたいこと。」というコピーが空々しく聞こえてしまうほど大人になりすぎました。近頃は今旅しないともう来ることが出来なくなるような強迫観念にとらわれてきました。
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「アトリオン」という施設にも入ってみました。地下に「秋田県産品プラザ あきたの」があります。帰る前にお土産を買う予定もあるので下見です。ここは秋田県のクーポンが使えるのが分かりました。
アトリオン 専門店
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中央の円形のものは「花時計」だそうで、ステンレス鏡面の部分が花びらで開くと時計が出てくる仕掛けのようです。滞在中に何度か前を通りましたが、見る機会はありませんでした。
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お土産の下見も終わったので、そろそろお昼にすることにします。とはいえ、朝ごはんを遅い時間にガッツリ食べてしまったのであまりお腹は空いていません。
秋田県産品プラザ あきたの お土産屋・直売所・特産品
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「秋田西武」地下1階は食品フロアになっていて、ここにも面白そうな秋田の名産品が並んでいました。妻は西武の社員だった時期があるので特典のあるカードを持ってきていました。同じものであれば西武で買った方が10%の優待があるのでお得です。
佐藤養助 秋田店 グルメ・レストラン
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お昼は同じフロアにある「佐藤養助秋田店」に入りました。この店だけが秋田県のクーポンが使えるということでした。妻は「比内地鶏ご飯セット」にしました。
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こちらは「二味せいろ」で、醤油と胡麻味噌の2つのつけだれが楽しめます。のど越しが良いのでつるつるいただけました。
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秋田藩主佐竹侯の御用処となった干饂飩の技法は、稲庭吉左エ門家の一子相伝、門外不出だったようです。一子相伝の技が絶えることを心配した吉左エ門によって特別に2代目佐藤養助に伝授されて現在の佐藤養助に至っているようです。
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若い頃はうどんは好きではなかったのですが、歳を重ねるにつれて食の好みも変わってきているようです。少し短いお徳用のパックを地元の友人4家族に、箱入りの贈答用を親戚に送ることにしました。
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食事が終わった後は秋田駅の東口に向かいます。今回の旅を計画するにあたり、読売旅行社の秋田駅発着の日帰りツアーを見つけることが出来て、この日は「冬の風物詩!上桧木内の紙風船上げ」に申し込んでいました。そして翌日は「なまはげ柴灯(せど)まつりと男鹿水族館GAO」です。東京からなまはげを観に行くツアーもいくつかありましたが、1泊2日で6万円ほどという料金なので個人で行こうと決めた次第です。
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昨年行った寒風山の山頂で見たのと同じデザインの”なまはげちゃん”がいたので記念写真を撮りました。
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家に帰ってから写真を見比べてみると少しデザインが違いました。阿形と吽形になっているのでしょうか。寒風山山頂の方が少しかわいらしい顔をしていますし、包丁の持ち方も違いました。こちらは”なまはげ君”という名前です。材質はどちらも男鹿で採れる「男鹿石(寒風石)」で、製作した寒風は石材会社です。
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秋田駅の東口と西口をつなぐ通路に入りました。秋田杉を多用した空間はすっきりとしています。
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駅の改札前には巨大ななまはげの面が置かれてありました。
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そして竿燈の実物もこの通り。以前であれば斜めになっている姿をおかしく見えたと思いますが、昨日の実演で弓なりになった姿を見ているので違和感は感じません。
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窓からは秋田新幹線「こまち」が見えました。東京駅で連結した姿を見たことはありますが、実際に単体で走行している車両を見るのは初めてです。妻には今回の旅行は新幹線で行きたいといわれましたが、貯まったマイレージを利用すれば往復780円の空港使用料で済むので却下しました。
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秋田駅東口のロータリーです。こちらには商業施設はほとんどなく、NHKの建物くらいで、すぐに住宅地が広がっています。
秋田駅 駅
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午後2時30分の集合の少し前にバスが迎えにやってきました。この日のツアーはほぼ満席の38名参加でした。秋田駅は最終の乗車地で、ここから一度角館方面へ下り、田沢湖に近い上桧木内(かみひのきない)へ向かいます。
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秋田市内を出たバスはすぐに冬景色の中に突入します。小雪も舞ってきました。秋田市内にも多少は雪は残っていましたが、ようやく冬の東北を感じる風景になってきました。
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午後4時前に最初の立ち寄り先の「安藤醸造北浦本館」に到着しました。安藤醸造は角館の外町(商人町)にあり、享保年間から角館の地主として住んでいた歴史があり、その副業として味噌醤油の醸造していたようです。午前中に行った土産物店でもここの味噌がたくさん並んでいました。
安藤醸造 本店 グルメ・レストラン
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ここでは30分ほどの休憩と買い物時間になります。
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車内では日帰りツアー参加として1人2,000円のクーポンがいただけました。宿泊分の2,000円と合わせて1日で4,000円いただけるわけです。
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さらに別の観光クーポンが1,000円分いただけます。昨年末までの全国旅行支援の補助もすごかったですが、年が明けての支援もかなりのものだと思います。その恩恵は我々も含めたシニア世代が享受しているのが多いと思います。
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ツアーに含まれているもので元祖しょうゆソフトクリームをいただきました。少し茶色いのが分かりますが、ほのかにしょうゆの香りと味がしてとても美味しかったです。
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妻にソフトクリームを食べさせると晴れるというジンクスがあるのですが、雪はやみそうにもありません。クーポンが使えるのはここだけということなので、醤油や塩麹などをお土産に買い求めましたが、使い切れない分は秋田市に戻ってからの晩御飯で使うことにします。
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お土産は最終日にまとめてホテルから宅急便で送ることにします。
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添乗員さんからこの辺りが角館といわれても町外れなので見当もつきません。
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どんどん雪深くなってきました。ツアーバスでなければ心配になってきそうな風景です。このツアーはなかなか催行決定にならず、その場合は自分たちで新幹線と在来線を乗り継いでこようかと考えましたが、来ることはできても帰る列車はありませんでした。
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午後5時少し前にバスは上桧木内の祭りの会場脇の駐車場に到着しました。ここから午後8時30分までフリータイムになります。バスは停車したままなので、寒い場合はバスの中で待機も出来ます。
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「上桧木内の紙風船上げ」は午後5時からの子供たちの風船上げからスタートします。この風船上げについては以前にNHKの番組で見たことがありました。
上桧木内の紙風船上げ 祭り・イベント
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伝説では江戸時代の科学者である平賀源内が銅山の技術指導に訪れた際に、熱気球の原理を応用した遊びとして伝えたと言われています。以前は五穀豊穣や家内安全を願う「虫焼き」と同時に行われ、民族信仰の遺産と位置付けられています。
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現在では「無病息災」「五穀豊穣」や「家内安全」など、その年への願いを込めて、武者絵や美人画が描かれた100個あまりの灯火をつけた巨大な紙風船が、きらめく星々のごとく真冬の夜空に舞う年中行事になっています。
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この祭りもコロナ禍のために過去2年は住民のみで行い、観光客を招いて実施するのは3年ぶりのことだそうです。
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子供たちの願いを乗せて風船は空に飛んでいきます。
https://www.youtube.com/watch?v=9EC58w_QMIU -
これだけ大きな風船ですが、材質は紙で出来ていて上空で燃え尽きてしまうというから驚きです。最初に巨大なバーナーで風船を膨らませて、この状態になったところで風船を回転させ、暖かい空気をまんべんなく行き渡らせます。そして風船の燃料に点火して空に放ちます。
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観光客も風船に願い事を書けるコーナーがありました。油性マジックで自由に書くことが出来るので、弟たちの家族や親せき、地元の友人たちの家内安全と健康長寿を願いたくさん名前を書き込みました。
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山の中の夜間の祭りなので完全防備してきましたが、思ったほどの寒さではありませんでした。ただ降っているのが水分の多い雪なので防寒着が濡れそうです。今回防水用にカッパを持ってきたのですが、それが非常に役に立ちました。
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「仙岩峠の茶屋」は岩手県の雫石から秋田に向かう国道46号線を通り、長くて有名な仙岩トンネルの近くにあるそうです。甘口のおでんが名物だと知ったのは家に帰って写真を整理してからのことでした。
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紙風船が立ち上がっていないとなんの集団か分かりません。その多くが地元の方々で、観光客の姿はその数割りといった感じです。
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気温が高いのはありがたいのですが、その分降る雪は湿っていて、カッパの上にもどんどん積もっていきます。これは後になって風船上げに影響を与えます。
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風船上げは何回かに分けて飛ばすので、その合間は周囲に並ぶキッチンカーや屋台で食べ物を買ってのどかに過ごします。それほど混雑していないのがありがたいです。
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大抵の屋台は並ぶほどではないのですが、この焼きそばとたこ焼きのキッチンカーは人気がありました。ただ、おじさん1人で焼いているので手が回らず、焼きそばは作り置きなので人気がないようです。
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皆さん並んでいるうちに気が変わるのかタコ焼きに集中するので、余計におじさんが忙しくなり、列が出来てしまいます。熱々ではなかったけど、美味しかったです。
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西木町は漢字を縦に並べると栗の字になります。これは秋田県の方は皆さん知っているようで、文字通り栗の名産地だそうです。添乗員さんから情報を貰っていたので焼き栗を買うことにします。
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ここも人気があるので、焼き上がりを待つ人で列が出来ています。
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焼きあがると釜のふたを開けるのですが、その瞬間にものすごい湯気が上がります。そして熱々に焼きあがったくりがごろごろと出てきます。
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左が皮が着いた状態で、右が皮を剥いた状態です。簡単に皮は剥けるので熱々のままいただけます。この祭りの屋台の中ではこれが最高においしかったです。味付けなどしていないので栗の甘さだけで勝負です。10個で500円と申し訳ないほどの安さです。
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焼き栗を持って、今度はホットワインのキッチンカーに向かいます。栗を食べながらワインを飲むと口の中で上等なマロングラッセのような味に変わります。コロナ禍になってから行けていませんが、ヨーロッパのクリスマスマーケットのことを思い出します。
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午後6時になると突然に小さな紙風船が上がり始めました。散発的に始まるので気を抜いているとあっという間に飛んで行ってしまいました。
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続いて巨大な紙風船が立ち上がっていきます。
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文字通りに紙風船は紙で出来ています。昔は習字用の半紙を使用していましたが、巨大化が進むと幅1メートルほどの業務用の和紙を使うようになりました。この紙を貼り合わせ、長さ3メートルから8メートル(大きいものでは12メートル)の円筒形を作ります。
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大きな風船が上がると同時に花火が始まりました。冬に花火を見ることは少ないのでこれには感激します。
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冬の花火なんて次に見ることはあるのだろうかと感慨深く夜空を見上げていましたが、2週間後には氷結した阿寒湖の上で見ることが出来ました。
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もう少し紙風船が上がればよいのにと思いました。最盛期には100個ほどが上がったそうですが、今年は50個くらいが予定されていたようです。
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水分の多い雪が降っているので花火にも影響があるようです。
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花火が終わっても巨大な紙風船は次々に飛んでいきます。
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人ごみの中から紙風船が頭を上げていく様はなかなかの迫力です。このような武者絵や美人画の面が見えてくるとなおさらです。
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上桧木内8つの集落では時期が来ると各集落会館に人々集まり、紙の裁断から絵柄の選定、描き方といった一連の作業を協同で進めるそうです。ご多分に漏れずに高齢化が進み、打ち上げる風船の数も減っているようです。
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風船の下部の口には直径1メートルから3メートルほどの竹製の輪を取り付け、内部の空気が十分に暖まるのを待ちます。そのバランスもあるようで、皆さんが回転するのが面白いです。
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この輪に紙風船の揚力源となるタンポ(石油を染み込ませた布玉)を最後に取り付けます。タンポに火がともるとそれまで白かった風船がオレンジ色に輝きます。
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また新たな風船が立ち上がります。
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最初に飛ばした風船は水分の多い雪のせいで紙が濡れて重くなり、集落の中に落ちてしまい、消防からの指示で上空まで飛ばした後はロープで引き戻され回収されることになりました。
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トルコのカッパドキアで早朝の気球の準備のシーンを思い出します。1回目は前の晩に夜中まで地元の人たちとワインを飲んでいて、二日酔いで見ることが出来ませんでしたが、2回目は近くで見ることが出来ました。気球はもっと巨大なのでバーナーもさらに大きくて迫力がありました。
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毎年変わり風船というものが作られるようで、今年はヤマメの形になっていました。これがまた実にリアルで、打ち上げる前に回転するのが面白かったです。
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いい具合に焼きあがっておいしそうです。
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先ほど願い事を書いた紙風船が立ち上がりました。トイレにでも行ったのか妻の姿が見えません。これを見逃したらしょうがないなと思い、動画を撮っていたら、地元の方に混ざって竹の輪を持って回転していました。
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風船上げの会場は秋田内陸線の線路際にあるので、通過する列車は徐行して乗客に風船上げを見せていました。列車の中からも手が振られ、こちらからも手を振って何とも言えない一体感が生まれます。
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子供たちの風船上げは午後5時に終わっていますが、まだまだたくさんの子供たちが残っていたようです。
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最後に子供たちが紙風船を持って回転する姿は可愛らしかったです。
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飛んで行った風船を見上げて大喜びです。
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風船上げも午後8時の最終回になりました。雪はさらに強くなり、立ち上げているうちに湿った紙風船は重たそうに見えます。そしてバーナーで温められると湯気が立ち上ります。それだけの温度になっているのだと実感できる姿です。
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この時間になると観客の姿もずいぶん減ったような気がします。もしかすると最寄駅から列車を乗り継いで秋田市内へ戻っているのかもしれません。午後8時まで観覧していると間違いなく鉄道では帰ることはできません。
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戸沢集落の紙風船がそろそろ粒タイミングのようなので近くに行ってみます。
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午後8時の花火が打ちあがりました。
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夏だと打ちあがった後の煙で空が覆われますが、湿度のせいなのか煙が立ち込めないのできれいに見えます。
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「なまはげ柴灯まつり」に来ることを考えていて、偶然に見つけた「上桧木内の紙風船上げ」の祭りでしたが、来ることが出来てよかったと思います。10日後には台湾の十份で天燈上げをするのが楽しみです。
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最後の風船上げを見届けてからバスに戻ります。この日は観光バスは数台しか着ていませんでしたし、渋滞にも巻き込まれずに秋田市内に向かいます。真っ暗な雪道を2時間ほど走りぬきます。
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午後10時前に秋田駅東口に戻ってきました。今回のツアーは7,990円でしたが全国旅行支援で20%の割引があり、3,000円のクーポンもいただけました。実質3,300円の楽しい旅でした。
秋田駅 駅
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秋田駅の西口まで戻って、駅前のビルの3階にある「秋田番屋酒場」という居酒屋に入りました。スタートから熱燗です。この店を選んだのはホテルの部屋から看板が見えたからでした。
秋田番屋酒場 グルメ・レストラン
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この店でもお通しは豪華でした。出てきたのは秋田の名物の帆立の貝焼き(かやき)です。
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お店の方のおすすめの男鹿のヒラメはねっとりとした甘さがあっておいしかったです。秋田の甘い醬油にもよく合います。
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熱燗で体が温まったので冷たいお酒の飲み比べをします。奥から「千歳盛 しぼりたて生酒」「高清水 新酒初しぼり」「爛漫 にごり酒」「まんさくの花 限定生酒」で、どれも秋田の名酒でおいしかったです。
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おいしい秋田の料理においしいお酒で至福の時間です。晩御飯には少し遅い午後10時過ぎです。
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「数の子松前漬」
これもお通しだったのかもしれません。日本酒にはとても合います。 -
「ギバサ」
鮮烈な磯の香りと粘りが特徴のギバサは秋田では昔から食べている海藻で、正式名称をアカモクです。ポン酢とおろし生姜でさっぱりいただきます。 -
「ハタハタ寿司の昆布焼き」
妻に反対されたけど注文して大正解だったのがこの一品でした。2人とも鮒ずしも大好物なのでこれは最高です。 -
そのままでも美味しいハタハタ寿司ですが、焼くとまた香ばしくて日本酒が進みます。あまりのおいしさにハタハタ寿司は最終日に買い求めました。
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「ハタハタのから揚げ」
これも外はカリカリで中はホクホクでおいしかったです。東京で食べるハタハタとは別の物のように思えます。 -
「だだみの天婦羅」
どんな料理か分からなくて店の方に尋ねると「真鱈の白子です。」とのことです。これも熱々の揚げたてが美味しかったです。 -
「いぶりがっこチーズ」
箸休めに注文しました。昨年の11月に男鹿半島を旅して買い求めたいぶりがっこが美味しかったのでそれ以来家でも食べています。妻のお気に入りはビール漬けと書いたもので、これは友人へのお土産にしました。 -
「味噌たんぽ焼き」
鍋も美味しかったですが、みそ焼きにしたきりたんぽも美味しかったです。 -
「秋田県男鹿半島の石焼」
これは目の前で石を入れて仕上げてくれます。これも昨年の男鹿半島のホテルで食べて美味しかったので注文しました。 -
普段は絶対に食べない魚のアラなども美味しく食べられてしまうのは素材が新鮮なのだからでしょう。これで体が再び温かくなったのでその勢いでホテルまで帰れそうです。
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明日の晩はいよいよ「なまはげ柴灯まつり」です。
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店を出ると目の前にホテルの建物が見えます。食事しているうちに少し雪が積もったようです。部屋で軽く2次会をして翌日に備えました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
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旅行記グループ 2023冬の秋田まつりの旅
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